第7章 AMQ Streams のメトリクスおよびダッシュボードの設定


Prometheus および Grafana を使用して、AMQ Streams デプロイメントを監視できます。

ダッシュボードでキーメトリクスを表示し、特定の条件下でトリガーされるアラートを設定すると、AMQ Streams デプロイメントを監視できます。メトリクスは、AMQ Streams の各コンポーネントで利用できます。

AMQ Streams は、メトリクス情報を提供するために、Prometheus ルールと Grafana ダッシュボードを使用します。

Prometheus に AMQ Streams の各コンポーネントのルールセットが設定されている場合、Prometheus はクラスターで稼働している Pod からキーメトリクスを使用します。次に、Grafana はこれらのメトリクスをダッシュボードで可視化します。AMQ Streams には、デプロイメントに合わせてカスタマイズできる Grafana ダッシュボードのサンプルが含まれています。

AMQ Streams は、ユーザー定義プロジェクトのモニタリング (OpenShift 機能) を使用して、Prometheus の設定プロセスを単純化します。

要件に応じて以下を行うことができます。

Prometheus および Grafana が設定されると、監視に AMQ Streams が提供する Grafana ダッシュボードのサンプルを使用できます。

さらに、分散トレーシングを設定して、エンドツーエンドのメッセージ追跡を行うようにデプロイメントを設定することもできます。

注記

AMQ Streams は、Prometheus と Grafana のインストールファイルの例を提供します。AMQ Streams の監視を試みる際に、このファイルを開始点として使用できます。さらにサポートするには、Prometheus および Grafana 開発者コミュニティーに参加してみてください。

メトリクスおよびモニタリングツールのサポートドキュメント

メトリクスおよびモニタリングツールの詳細は、サポートドキュメントを参照してください。

7.1. Kafka Exporter でのコンシューマーラグの監視

Kafka Exporter は、Apache Kafka ブローカーおよびクライアントの監視を強化するオープンソースプロジェクトです。Kafka クラスターで Kafka Exporter をデプロイ するように、Kafka リソースを設定できます。Kafka Exporter は、オフセット、コンシューマーグループ、コンシューマーラグ、およびトピックに関連する Kafka ブローカーから追加のメトリクスデータを抽出します。一例として、メトリクスデータを使用すると、低速なコンシューマーの識別に役立ちます。ラグデータは Prometheus メトリクスとして公開され、解析のために Grafana で使用できます。

重要

Kafka Exporter は、コンシューマーラグおよびコンシューマーオフセットに関連する追加のメトリクスのみを提供します。通常の Kafka メトリクスでは、Kafka ブローカー で、Prometheus メトリクスを設定する必要があります。

コンシューマーラグは、メッセージの生成と消費の差を示しています。具体的には、指定のコンシューマーグループのコンシューマーラグは、パーティションの最後のメッセージと、そのコンシューマーが現在ピックアップしているメッセージとの時間差を示しています。

ラグには、パーティションログの最後を基準とする、コンシューマーオフセットの相対的な位置が反映されます。

プロデューサーおよびコンシューマーオフセット間のコンシューマーラグ

Consumer lag

この差は、Kafka ブローカートピックパーティションの読み取りと書き込みの場所である、プロデューサーオフセットとコンシューマーオフセットの間の デルタ とも呼ばれます。

あるトピックで毎秒 100 個のメッセージがストリーミングされる場合を考えてみましょう。プロデューサーオフセット (トピックパーティションの先頭) と、コンシューマーが読み取った最後のオフセットとの間のラグが 1000 個のメッセージであれば、10 秒の遅延があることを意味します。

コンシューマーラグ監視の重要性

可能な限りリアルタイムのデータの処理に依存するアプリケーションでは、コンシューマーラグを監視して、ラグが過度に大きくならないようにチェックする必要があります。ラグが大きくなるほど、リアルタイム処理の達成から遠ざかります。

たとえば、パージされていない古いデータの大量消費や、予定外のシャットダウンが、コンシューマーラグの原因となることがあります。

コンシューマーラグの削減

Grafana のチャートを使用して、ラグを分析し、ラグ削減の方法が対象のコンシューマーグループに影響しているかどうかを確認します。たとえば、ラグを減らすように Kafka ブローカーを調整すると、ダッシュボードには コンシューマーグループごとのラグ のチャートが下降し 毎分のメッセージ消費 のチャートが上昇する状況が示されます。

通常、ラグを削減するには以下を行います。

  • 新規コンシューマーを追加してコンシューマーグループをスケールアップします。
  • メッセージがトピックに留まる保持時間を延長します。
  • ディスク容量を追加してメッセージバッファーを増強します。

コンシューマーラグを減らす方法は、基礎となるインフラストラクチャーや、AMQ Streams によりサポートされるユースケースによって異なります。たとえば、ラグが生じているコンシューマーの場合、ディスクキャッシュからフェッチリクエストに対応できるブローカーを活用できる可能性は低いでしょう。場合によっては、コンシューマーの状態が改善されるまで、自動的にメッセージをドロップすることが許容されることがあります。

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