第3章 サポート要件
本項の記載内容をチェックして、計画中のデプロイメントが Red Hat のサポート要件を満たしていることを確認してください。
3.1. オペレーティングシステム
Red Hat Hyperconverged Infrastructure (RHHI) は Red Hat Virtualization Host 4.1 でのみサポートされています。その他の設定にはすべて Red Hat Virtualization Host 4.1 をベースとして使用してください。
Red Hat Virtualization の要件については、Red Hat Virtualization『インストールガイド』を参照してください: https://access.redhat.com/documentation/en-us/red_hat_virtualization/4.1/html/installation_guide/chap-system_requirements
3.2. 物理マシン
Red Hat Hyperconverged Infrastructure (RHHI) には、少なくとも 3 台の物理マシン が必要です。物理マシン 6 台または 9 台へのスケーリングもサポートされています。
各物理マシンには、以下の機能が必要です。
- データトラフィックと管理トラフィックを分離するために、物理マシン 1 台につき少なくとも 2 つの NIC が搭載されていること (詳しくは 「ネットワーク」 を参照)。
小型のデプロイメントの場合:
- 最小 12 コア
- 最小 64 GB のメモリー
- 最大 48 TB のストレージ
中型のデプロイメントの場合:
- 最小 12 コア
- 最小 128 GB のメモリー
- 最大 64 TB のストレージ
大型のデプロイメントの場合:
- 最小 16 コア
- 最小 256 GB のメモリー
- 最大 80 TB のストレージ
3.3. 仮想マシン
各仮想マシンには、最大で 4 つの仮想 CPU と 2 TB の仮想ディスク容量を割り当てることができます。
サポートされている仮想マシン数はそれらのサイズとリソースの使用状況によって異なります。
3.4. ネットワーク
クラスター内のクライアントトラフィックと管理トラフィックを分けるために 2 つの分離したネットワークが必要です。
- フロントエンドネットワーク
このネットワークは、ovirt の管理用ネットワークブリッジとして使用されます。
- フロントエンドの IP アドレスは、同じサブネットから割り当てられるある必要があり、バックエンドの IP アドレスとは異なるサブネットである必要があります。
- バックエンドネットワーク
このネットワークはストレージトラフィックと、ストレージピア間の移行トラフィックに使用されます。
- Red Hat は、バックエンドトラフィックに 10 Gbps のネットワークを推奨しています。
- Red Hat Gluster Storage では、ピア間の最大レイテンシーが 5 ミリ秒必要です。
- バックエンドの IP アドレスは、同じサブネットから割り当てられる必要があり、フロントエンドの IP アドレスとは異なるサブネットである必要があります。
全ホストの FQDN とセルフホストエンジン用仮想マシンの FQDN は、DNS で正引き/逆引きの名前解決可能である必要があります。
DHCP サーバーは、セルフホストエンジン用の仮想マシンの DHCP ネットワーク設定を選択する際に必要です。
3.5. ストレージ
3.5.1. アーキテクチャー
単一の Red Hat Gluster Storage クラスターには 3 つから 4 つのボリュームを使用することができます。
- セルフホストエンジン用の engine ボリュームを 1 つ
- 仮想マシンのブートディスクイメージ用の vmstore ボリュームを 1 つ
- その他の仮想マシンディスクイメージ用にオプションの data ボリュームを 1 つ
- ジオレプリケーションのメタデータ用の shared_storage ボリュームを 1 つ
Red Hat Gluster Storage クラスターに使用できるジオレプリケーション用ボリュームは最大で 1 つです。
Red Hat はさらに、各サーバーのローカルにホットスペアドライブを少なくとも 1 つ用意することを推奨します。
3.5.2. RAID
RAID 設定の制限は、使用されているテクノロジーによって異なります。
- SAS/SATA 7k のディスクは、RAID6 でサポートされています (最大で 10+2)。
SAS 10 k および 15 k のディスクは、以下でサポートされています。
- RAID10
- RAID5 (最大 7+1)
- RAID6 (最大 10+2)
RAID カードは、Flash Backed Write Cache を使用する必要があります。
3.5.3. JBOD
JBOD の設定には、アーキテクチャーのレビューが必要です。 詳しくは、Red Hat の担当者までお問い合わせください。
3.5.4. ボリュームタイプ
Red Hat Hyperconverged Infrastructure (RHHI) は replicated または Arbitrated Replicated のボリュームタイプのみをサポートしています。
Arbitrated Replicated のボリュームタイプには、以下のような追加の制限事項があります。
- Arbitrated Replicated ボリュームは、最初の 3 ノードでのみサポートされます。
-
Arbitrated Replicated ボリュームは
replica 3 arbiter 1
の構成を使用する必要があります。 Arbiter ブリックはファイルのデータは保管せず、ファイル名、構造、およびメタデータのみを保管します。
これは、3 方向の Arbitrated Replicated ボリュームが同程度の整合性を実現するために、3 方向の replicated ボリュームに必要なストレージ容量の約 75% が必要であることを意味します。
ただし、Arbiter ブリックはメタデータのみを保管するため、3 方向の Arbitrated Replicated ボリュームが提供するのは 2 方向の replicated ボリュームの可用性のみです。
詳しい情報は、Red Hat Gluster Storage 3.2『Administration Guide』を参照してください: https://access.redhat.com/documentation/en-us/red_hat_gluster_storage/3.2/html-single/administration_guide/#Creating_Arbitrated_Replicated_Volumes
3.6. サポートの制限事項
- Red Hat Hyperconverged Infrastructure (RHHI) の初回のデプロイメントでは、1 つの Arbitrated Replicated ボリュームがサポートされています。この Arbitrated Replicated ボリュームの拡張はサポートされていません。また、Arbitrated Replicated ボリュームの追加はサポートされていません。
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Arbitrated Replicated ボリュームは、現在は
replica 3 arbiter 1
構成でのみサポートされています。
ボリュームのタイプについての詳しい情報は、Red Hat Gluster Storage『Administration Guide』を参照してください。
3.7. 障害復旧
Red Hat では、障害復旧ソリューションを設定することを強く推奨します。ジオレプリケーションを障害復旧ソリューションとして設定する方法についての詳しい情報は、『Maintaining Red Hat Hyperconverged Infrastructure』を参照してください: https://access.redhat.com/documentation/en-us/red_hat_hyperconverged_infrastructure/1.0/html/maintaining_red_hat_hyperconverged_infrastructure/configure_disaster_recovery_using_geo_replication
ジオレプリケーションを設定する際には、以下のようなサポートの制限事項がある点に注意してください。
- Red Hat Hyperconverged Infrastructure (RHHI) は 1 ボリュームのみでのジオレプリケーション設定をサポートしています。Red Hat は、仮想マシンのデータを保管するボリュームをバックアップすることを推奨します。
- ジオレプリケーションの複製元と複製先のボリュームは、Red Hat Virtualization Manager の異なるインスタンスで管理する必要があります。