6.6. サーバーおよびサービス
PPD キャッシュ中に cupsd によって消費されるメモリー量が減少しました
以前は、広範な PPD (Postscript Printer Description) を含む印刷キューが数多く作成されると、CUPS デーモンによって大量のメモリーが消費されていました。今回の更新で、CUPSD ではキャッシュファイルが存在するかどうかが確認され、/etc/cups/ppd の PPD ファイルよりも新しいか、同じタイムスタンプの場合は、そのキャッシュファイルがロードされるようになりました。それ以外の場合は、PPD ファイルに基づいて、新たなキャッシュファイルが作成されます。その結果、上述のシナリオでメモリー消費量が 91% 低減されます。
(BZ#1672212)
存在しないプロファイルが選択された場合に SIGHUP での tuned のハングを回避するようになりました
tuned サービスは、SIGHUP シグナルを受信すると、プロファイルを再度ロードしようとします。この更新以前は、tuned は以下の状況を正しく処理できませんでした。
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tunedプロファイルが存在しないプロファイルに設定されている。 - 自動プロファイル選択モードがアクティブであり、推奨されるプロファイルが存在しない。
その結果、tuned サービスは応答しなくなり、再起動する必要がありました。このバグは修正され、上述のシナリオで tuned サービスがハングしなくなりました。
今回の更新で tuned の動作が変更されたことに注意してください。以前のリリースでは、ユーザーが tuned-adm off コマンドを実行して tuned サービスを再起動すると、tuned は推奨されるプロファイルのロードを試行しました。今回のリリースでは、推奨されるプロファイルが存在する場合でも、tuned はプロファイルをロードしません。
reapply_sysctl オプションが 1 に設定されている場合に、tuned が sysctl.d ディレクトリーから設定を適用しなくなりました
以前のバージョンでは、reapply_sysctl 設定オプションが 1 に設定されている場合、tuned プロファイルの sysctl 設定が適用された後に、tuned プロファイルにより、/usr/lib/sysctl.d、/lib/sysctl.d、および /usr/local/lib/sysctl.d ディレクトリーの sysctl 設定が適用されていました。そのため、これらのディレクトリーの設定により、tuned プロファイルの sysctl 設定がオーバーライドされていました。今回の更新で、reapply_sysctl オプションが 1 に設定されている場合、tuned は上記のディレクトリーの sysctl 設定を適用しなくなりました。
sysctl 設定を再び適用するには、設定を上記のディレクトリーから /etc/sysctl.d、/etc/sysctl.conf、または /run/sysctl.d ディレクトリー、もしくはカスタムの tuned プロファイルに移動する必要があります。