4.4. シェルおよびコマンドラインツール
ReaR はバージョン 2.6 に更新されました。
ReaR(Relax-and-Recover) がバージョン 2.6 に更新されました。主なバグ修正と機能拡張は、以下のとおりです。
-
eMMC
デバイスのサポートを追加 -
デフォルトでは、すべてのカーネルモジュールはレスキューシステムに含まれます。特定のモジュールを含めるには、設定ファイルに
MODULES
アレイ変数をMODULES=(mod1 mod2)
に設定します。 -
AMD および Intel の 64 ビットアーキテクチャー、IBM Power Systems、Little Endian では、ブートローダーのインストール場所を制御するために、新しい設定変数
GRUB2_INSTALL_DEVICES
が導入されています。詳細は、/usr/share/rear/conf/default.conf
の説明を参照してください。 - マルチパスデバイスのバックアップが改善
-
/media
、/run
、/mnt
、/tmp
のディレクトリーにはリムーバブルメディアまたは一時ファイルが含まれることが認識されるため、これらのディレクトリー配下のファイルは、自動的にバックアップから除外されます。/usr/share/rear/conf/default.conf
の AUTOEXCLUDE_PATH 変数の説明を参照してください。 -
CLONE_ALL_USERS_GROUPS=true
がデフォルトになりました。詳細は、/usr/share/rear/conf/default.conf
の説明を参照してください。
modulemd-tools
パッケージが利用できるようになりました。
今回の更新で、modulemd-tools
パッケージが導入され、modulemd
YAML ファイルを解析および生成するためのツールを提供するようになりました。
modulemd-tools
をインストールするには、以下を使用します。
# yum install modulemd-tools
(BZ#1924850)
opencryptoki
がバージョン 3.16.0 にリベースされました。
opencryptoki
がバージョン 3.16.0 にアップグレードされました。主なバグ修正と機能拡張は、以下のとおりです。
-
EP11
コアプロセッサーで、protected-key
オプションとattribute-bound keys
のサポートを強化。 -
cycle-count-accurate
(CCA) プロセッサーでセキュアな鍵オブジェクトのインポートおよびエクスポートを強化。
(BZ#1919223)
lsvpd
がバージョン 1.7.12 にリベースされました。
lsvpd
がバージョン 1.7.12 にアップグレードされました。主なバグ修正と機能拡張は、以下のとおりです。
-
sysvpd
の UUID プロパティーが追加されました。 -
NVMe
ファームウェアバージョンが改善されました。 - PCI デバイスメーカー解析ロジックを修正
-
lsvpd
設定ファイルにrecommends clause
を追加
(BZ#1844428)
ppc64-diag
がバージョン 2.7.7 にリベースされました。
ppc64-diag
がバージョン 2.7.7 にアップグレードされました。主なバグ修正と機能拡張は、以下のとおりです。
- ユニットテストケースが改善されました。
-
sysvpd
の UUID プロパティーが追加されました。 -
rtas_errd
サービスは、Linux コンテナーでは実行されません。 -
廃止されたロギングオプションは、
systemd
サービスファイルでは利用できなくなりました。
(BZ#1779206)
ipmi_power
と ipmi_boot
モジュールが、redhat.rhel_mgmt
Collection で利用可能です
この更新により、Intelligent Platform Management Interface (IPMI
) Ansible モジュールがサポートされます。IPMI
は、ベースボード管理コントローラー (BMC) デバイスと通信するための一連の管理インターフェイスの仕様です。IPMI
モジュールである ipmi_power
と ipmi_boot
は、redhat.rhel_mgmt
Collection に含まれており、ansible-collection-redhat-rhel_mgmt
パッケージをインストールすることで入手できます。
(BZ#1843859)
udftools
2.3 が RHEL に追加されました。
udftools
パッケージは、Universal Disk Format(UDF) ファイルシステムを操作するユーザー空間ユーティリティーを提供します。今回の機能拡張により、udftools
は以下のツールセットを提供します。
-
cdrwtool
- 空白、フォーマット、クイック設定、および DVD-R/CD-R/CD-RW メディアに書き込むなどのアクションを実行します。 -
mkfs.udf
、mkudffs
- Universal Disk Format(UDF) ファイルシステムを作成します。 -
pktsetup
- パケットデバイスを設定し、破棄します。 -
udfinfo
- Universal Disk Format(UDF) ファイルシステムに関する情報を表示します。 -
udflabel
- Universal Disk Format(UDF) ファイルシステムラベルを表示または変更します。 -
wrudf
- 既存の Universal Disk Format(UDF) ファイルシステムで、cp
、rm
、mkdir
、rmdir
、ls
、およびcd
操作でインタラクティブシェルを提供します。
(BZ#1882531)
RHEL 8.5 に Tesseract
4.1.1 が追加されました。
Tesseract
はオープンソースの OCR(optical character reading) エンジンで、以下の機能があります。
-
tesseract
バージョン 4 以降では、文字認識は Long Short-Term Memory(LSTM) ニューラルネットワークに基づいています。 - UTF-8 をサポートします。
- プレーンテキスト、hOCR(HTML)、PDF、および TSV 出力形式をサポートします。
シンプールを使用する LVM を復元する際のエラーは発生しません。
今回の機能拡張により、ReaR は、カーネルメタデータを持つシンプールおよびその他の論理ボリュームタイプ (RAID やキャッシュなど) がボリュームグループ (VG) で使用されるかどうかを検出し、lvcreate コマンドを使用して VG のすべての論理ボリューム (LV) を再作成するモードに切り替わるようになりました。したがって、シンプールを使用する LVM はエラーなしで復元されます。
この新しいメソッドは、LVM UUID などの LV プロパティーをすべて保持しません。再作成されたストレージレイアウトが要件と一致するかどうかを判断するために、実稼働環境で ReaR を使用する前に、バックアップからの復元をテストする必要があります。
Net-SNMP が RSA および ECC 証明書を検出するようになりました。
以前は、Net-Simple Network Management Protocol(Net-SNMP) は Rivest、Shamir、Adleman(RSA) 証明書のみを検出しました。今回の機能拡張により、ECC(Elliptic Curve Cryptography) がサポートされるようになりました。その結果、Net-SNMP が RSA および ECC 証明書を検出するようになりました。
FCoE オプションが rd.fcoe に変更
以前は、dracut.cmdline
の man ページで FCoE(Fibre Channel over Ethernet) をオフにするコマンドとして rd.nofcoe=0
が記載されていました。
今回の更新で、コマンドは rd.fcoe
に変更されました。FCoE を無効にするには、rd.fcoe=0
コマンドを実行します。
FCoE の詳細は Fibre Channel over Ethernet の設定 を参照してください。