1.2. インプレースアップグレードおよび OS 移行
RHEL 7 から RHEL 8 へのインプレースアップグレード
現在、考えられるインプレースアップグレードパスは以下のとおりです。
- 64 ビット Intel、IBM POWER 8 (little endian)、IBM Z アーキテクチャーでの RHEL 7.9 から RHEL 8.6 および RHEL 8.8 へのアップグレード。
- カーネルバージョン 4.14 を必要とするアーキテクチャー (IBM POWER 9 (リトルエンディアン) および IBM Z (Structure A)) での RHEL 7.6 から RHEL 8.8.4 のアップグレード。これは、これらのアーキテクチャーの最終のインプレースアップグレードパスです。
- 64 ビット Intel アーキテクチャーの SAP HANA 搭載システム上における、RHEL 7.9 から RHEL 8.6 および RHEL 8.8 へのアップグレード。
詳細は、Supported in-place upgrade paths for Red Hat Enterprise Linux を参照してください。
インプレースアップグレードの実行方法は、RHEL 7 から RHEL 8 へのアップグレード を参照してください。
SAP HANA で RHEL 8.8 にアップグレードする場合は、アップグレード前に、システムが SAP に対して認定されていることを確認してください。SAP 環境があるシステムでインプレースアップグレードを実行する手順については、How to in-place upgrade SAP environments from RHEL 7 to RHEL 8 を参照してください。
IBM POWER 9 (リトルエンディアン) および IBM Z (structure A) アーキテクチャー用の RHEL 7.6 のインプレースアップグレードを成功させるには、特定の Leapp データを手動でダウンロードする必要があります。詳細は、ナレッジベースの記事 Leapp data snapshots for an in-place upgrade を参照してください。
主な機能拡張は、次のとおりです。
- RHEL のインプレースアップグレードパスストラテジーが変更されました。詳細は、Supported in-place upgrade paths for Red Hat Enterprise Linux を参照してください。
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leapp-upgrade-el7toel8
パッケージの最新リリースには、必要なデータファイルがすべて含まれるようになりました。これらのデータファイルを手動でダウンロードする必要がなくなりました。 - ターゲットバージョンを含む ISO イメージを使用したインプレースアップグレードが可能になりました。
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RPM 署名がインプレースアップグレード時に自動的にチェックされるようになりました。自動チェックを無効にするには、アップグレードの実行時に
--nogpgcheck
オプションを使用します。 -
RHSM にサブスクライブしているシステムが、Red Hat Insights に自動的に登録されるようになりました。自動登録を無効にするには、
LEAPP_NO_INSIGHTS_REGISTER
環境変数を1
に設定します。 -
Red Hat は、ユーティリティーの使用状況を分析するために、アップグレードの開始時間や終了時間などのアップグレード関連のデータを収集するようになりました。データ収集を無効にするには、
LEAPP_NO_RHSM_FACTS
環境変数を1
に設定します。
RHEL 6 から RHEL 8 へのインプレースアップグレード
RHEL 6.10 から RHEL 8 にアップグレードするには、RHEL 6 から RHEL 8 へのアップグレード の手順に従います。
RHEL 8 から RHEL 9 へのインプレースアップグレード
Leapp ユーティリティーを使用して RHEL 8 から RHEL 9 へのインプレースアップグレードを行う方法は、RHEL 8 から RHEL 9 へのアップグレード を参照してください。RHEL 8 と RHEL 9 の主な相違点は、RHEL 9 の導入における検討事項 を参照してください。
別の Linux ディストリビューションから RHEL への移行
CentOS Linux 8 または Oracle Linux 8 を使用している場合は、Red Hat がサポートする Convert2RHEL
ユーティリティーを使用してオペレーティングシステムを RHEL 8 に変換できます。詳細は、RPM ベースの Linux ディストリビューションから RHEL への変換 を参照してください。
CentOS Linux または Oracle Linux の旧バージョン (バージョン 6 または 7) を使用している場合は、お使いのオペレーティングシステムを RHEL に移行してから、RHEL 8 へのインプレースアップグレードを実行できます。CentOS Linux 6 および Oracle Linux 6 変換は、サポート対象外の Convert2RHEL
ユーティリティーを使用することに注意してください。サポートされていない変換の詳細については、How to perform an unsupported conversion from a RHEL-derived Linux distribution to RHEL を参照してください。
Red Hat が他の Linux ディストリビューションから RHEL への移行は、Convert2RHEL サポートポリシー を参照してください。