10.11. Identity Management
OpenDNSSec の SHA-1 が非推奨になる
OpenDNSSec は、SHA-1 アルゴリズムを使用したデジタル署名および認証レコードのエクスポートに対応しています。SHA-1 アルゴリズムの使用に対応しなくなりました。RHEL 9 リリースでは、OpenDNSSec の SHA-1 が非推奨になり、今後のマイナーリリースで削除される可能性があります。また、OpenDNSSec のサポートは、Red Hat Identity Management との統合に限定されます。OpenDNSSec はスタンドアロンでは対応していません。
SSSD 暗黙的なファイルプロバイダードメインが、デフォルトで無効化される
/etc/shadow などのローカルファイルからユーザー情報を取得し、/etc/groups からのグループ情報をグループ化する SSSD 暗黙的 files プロバイダードメインが、デフォルトで無効になりました。
SSSD を使用してローカルファイルからユーザーおよびグループ情報を取得するには、次のコマンドを実行します。
SSSD を設定します。以下のいずれかのオプションを選択します。
sssd.conf設定ファイルでid_provider=filesを使用して、ローカルドメインを明示的に設定します。[domain/local] id_provider=files ...
[domain/local] id_provider=files ...Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow sssd.conf設定ファイルでenable_files_domain=trueを設定して、ファイルプロバイダーを有効にします。[sssd] enable_files_domain = true
[sssd] enable_files_domain = trueCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
ネームサービススイッチを設定します。
authselect enable-feature with-files-provider
# authselect enable-feature with-files-providerCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ユーザー情報のキャッシュと同期を復元するために、シンボリックリンクを作成して、
shadow-utilsとsssd_cacheの統合を有効にします。ln -s /usr/sbin/sss_cache /usr/sbin/sss_cache_shadow_utils
# ln -s /usr/sbin/sss_cache /usr/sbin/sss_cache_shadow_utilsCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
Jira:RHELPLAN-100639[1]
SSSD files プロバイダーが非推奨になる
SSSD files プロバイダーは Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9 で非推奨になりました。files プロバイダーは、RHEL の将来のリリースから削除される可能性があります。
Jira:RHELPLAN-139805[1]
AD および IdM の enumeration 機能が非推奨になる
enumeration 機能を使用すると、Active Directory (AD)、Identity Management (IdM)、および LDAP プロバイダーに対して、引数なしで getent passwd または getent group コマンドを使用することで、すべてのユーザーまたはグループをリスト表示できます。Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9 では、AD および IdM に対する enumeration 機能のサポートは廃止されました。RHEL 10 では、AD および IdM に対する enumeration 機能は削除されます。
libsss_simpleifp サブパッケージが非推奨になる
libsss_simpleifp.so ライブラリーを提供する libsss_simpleifp サブパッケージは、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9 で非推奨になりました。libsss_simpleifp サブパッケージは、RHEL の今後のリリースから削除される可能性があります。
Samba で SMB1 プロトコルが非推奨になる
Samba 4.11 以降、安全でない Server Message Block バージョン 1 (SMB1) プロトコルは非推奨となり、今後のリリースでは削除される予定です。
セキュリティーを向上させるために、デフォルトでは、Samba サーバーおよびクライアントユーティリティーで SMB1 が無効になっています。
Jira:RHELDOCS-16612[1]
dnssec-enable: no; オプションが非推奨になる
/etc/named/ipa-options-ext.conf ファイルの dnssec-enable: no; オプションは非推奨となり、RHEL の今後のメジャーバージョンで削除される予定です。DNS Security Extensions (DNSSEC) はデフォルトで有効になっており、無効にすることはできません。dnssec-validation: no; オプションは引き続き利用可能です。
Jira:RHELDOCS-20464