1.2. Migration Toolkit for Applications の概要
Migration Toolkit for Applications とは
Migration Toolkit for Applications (MTA) は、Red Hat OpenShift 上のハイブリッドクラウド環境全体で大規模なアプリケーションモダナイゼーションに対する取り組みを促進します。このソリューションは、導入プロセス全体を通じて、ポートフォリオレベルとアプリケーションレベルの詳細情報を提供します。ユーザーインターフェイスを使用して、アプリケーションのインベントリー作成、評価、分析、および管理を行い、OpenShift Container Platform への移行をより短期間で行うことができます。
MTA 7.1 以降では、アプリケーションを Application Inventory に追加すると、MTA が言語検出タスクとテクノロジー検出タスクを自動的に作成して実行します。言語の検出では、アプリケーションで使用されているプログラミング言語が識別されます。テクノロジーの検出では、Enterprise Java Beans (EJB)、Spring などのテクノロジーが識別されます。その後、各タスクによってアプリケーションに適切なタグが割り当てられるため、アプリケーションに手動でタグを付ける時間と労力が削減されます。
MTA は、アプリケーションを評価するための基礎として広範にわたるデフォルトの質問リストを使用します。または、独自のカスタム質問リストを作成して、アプリケーションのコンテナー化の準備に必要な難易度、時間、およびその他のリソースを見積もることもできます。ステークホルダー間の議論の基礎として評価の結果を使用して、どのアプリケーションがコンテナー化に適しているか、どのアプリケーションが最初に多大な作業を必要とするか、どのアプリケーションがコンテナー化に適していないかを判断できます。
MTA は、対象のアプリケーションごとに 1 つ以上のルールセットを適用してアプリケーションを分析し、モダナイゼーションする前に、そのアプリケーションに含まれるどの行を変更するかを判断します。
MTA は、プロジェクトソースディレクトリーやアプリケーションアーカイブを含むアプリケーションアーティファクトを検査し、変更を必要とするエリアを強調表示する HTML レポートを作成します。
Migration Toolkit for Applications による移行を単純化する方法
Migration Toolkit for Applications は一般的なリソースを探し、アプリケーションを移行する際の既知の問題点を明らかにします。アプリケーションで使用されるテクノロジーの概要を示します。
MTA は、移行またはモダナイゼーションパスの評価に関する詳細なレポートを生成します。このレポートは、大規模なプロジェクトに必要な作業を見積もり、関係する作業を減らすのに役立ちます。
1.2.1. サポートされている Migration Toolkit for Applications の移行パス
Migration Toolkit for Applications (MTA) は、次の移行をサポートしています。
- サードパーティーのエンタープライズアプリケーションサーバー (Oracle WebLogic Server など) から JBoss Enterprise Application Platform (JBoss EAP) への移行。
- JBoss EAP の最新リリースへのアップグレード。
- Windows 専用の .NET 4.5+ Framework からクロスプラットフォームの .NET 8.0 への移行。(開発者プレビュー)
MTA は、Red Hat OpenShift Container Platform (RHOCP) でのコンテナー化およびデプロイメントのアプリケーションの適合性を評価するための包括的なルールセットを提供します。MTA 分析を実行して、複数のターゲットプラットフォームに移行するアプリケーションの適切性を評価できます。
ソースプラットフォーム ⇒ | JBoss EAP 7、8 への移行 | OpenShift (クラウド対応) | OpenJDK 11、17、21 | Jakarta EE 9 | Camel 3、4 | Spring Boot in Red Hat Runtimes | Quarkus | Open Liberty |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Oracle WebLogic Server | ✔ | ✔ | ✔ | - | - | - | - | - |
IBM WebSphere Application Server | ✔ | ✔ | ✔ | - | - | - | - | ✔ |
JBoss EAP 4 | ✘ [a] | ✔ | ✔ | - | - | - | - | - |
JBoss EAP 5 | ✔ | ✔ | ✔ | - | - | - | - | - |
JBoss EAP 6 | ✔ | ✔ | ✔ | - | - | - | - | - |
JBoss EAP 7 | ✔ | ✔ | ✔ | - | - | - | ✔ | - |
Thorntail | ✔ [b] | - | - | - | - | - | - | - |
Oracle JDK | - | ✔ | ✔ | - | - | - | - | - |
Camel 2 | - | ✔ | ✔ | - | ✔ | - | - | - |
Spring Boot | - | ✔ | ✔ | ✔ | - | ✔ | ✔ | - |
すべての Java アプリケーション | - | ✔ | ✔ | - | - | - | - | - |
任意の Java EE アプリケーション | - | - | - | ✔ | - | - | - | - |
[a]
現在 MTA はこの移行パスのルールを提供していませんが、Red Hat コンサルティングはソースプラットフォームから JBoss EAP 7 への移行を支援します。
[b]
JBoss Enterprise Application Platform expansion pack 2 (EAP XP 2) が必要
|
- .NET 移行パス: ソースプラットフォーム ⇒ ターゲットプラットフォーム (開発者プレビュー)
ソースプラットフォーム ⇒ | OpenShift (クラウド対応) | .NET 8.0 への移行 |
---|---|---|
.NET Framework 4.5+ (Windows 専用) | ✔ | ✔ |
ユースケースおよび移行パスの詳細は、開発者向け MTA Web ページを参照してください。