インストール後の設定
OpenShift Container Platform の Day 2 オペレーション
概要
第1章 インストール後の設定の概要
OpenShift Container Platform のインストール後に、クラスター管理者は以下のコンポーネントを設定し、カスタマイズできます。
- マシン
- ベアメタル
- クラスター
- ノード
- ネットワーク
- ストレージ
- ユーザー
- アラートおよび通知
1.1. インストール後の設定タスク
インストール後の設定タスクを実行して、ニーズに合わせて環境を設定できます。
以下のリストは、これらの設定の詳細です。
-
オペレーティングシステム機能の設定: Machine Config Operator (MCO) は
MachineConfig
オブジェクトを管理します。MCO を使用すると、ノードとカスタムリソースを設定できます。 ベアメタルノードの設定: Bare Metal Operator (BMO) を使用してベアメタルホストを管理できます。BMO は次の操作を完了できます。
- ホストのハードウェアの詳細を検査し、ベアメタルホストに報告します。
- ファームウェアを検査し、BIOS を設定します。
- 必要なイメージでホストをプロビジョニングします。
- ホストをプロビジョニングする前または後に、ホストのディスクの内容をクリーンアップします。
クラスター機能の設定: OpenShift Container Platform クラスターの以下の機能を変更できます。
- イメージレジストリー
- ネットワーク設定
- イメージビルドの動作
- アイデンティティープロバイダー
- etcd の設定
- ワークロードを処理するマシンセットの作成
- クラウドプロバイダーの認証情報の管理
プライベートクラスターの設定: デフォルトでは、インストールプログラムはパブリックにアクセス可能な DNS とエンドポイントを使用して、OpenShift Container Platform をプロビジョニングします。内部ネットワーク内からのみクラスターにアクセスできるようにするには、次のコンポーネントを設定してプライベートにします。
- DNS
- Ingress コントローラー
- API サーバー
ノード操作の実施: デフォルトでは、OpenShift Container Platform は Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを使用します。次のノード操作を実行できます。
- コンピュートマシンの追加および削除
- taint および toleration の削除
- ノードあたりの Pod の最大数の設定
- Device Manager の有効化
- ユーザーの設定: OAuth アクセストークンにより、ユーザーは API に対して認証を行うことができます。次のタスクを実行するように OAuth を設定できます。
- アイデンティティープロバイダーを指定します。
- ロールベースのアクセス制御を使用して、権限を定義し、ユーザーに提供します
- OperatorHub から Operator をインストールする
- アラート通知の設定: デフォルトでは、アラートの発生は Web コンソールのアラート UI に表示されます。外部システムにアラート通知を送信するように OpenShift Container Platform を設定することもできます。
第2章 プライベートクラスターの設定
OpenShift Container Platform バージョン 4.14 クラスターのインストール後に、そのコアコンポーネントの一部を private に設定できます。
2.1. プライベートクラスター
デフォルトで、OpenShift Container Platform は一般にアクセス可能な DNS およびエンドポイントを使用してプロビジョニングされます。プライベートクラスターのデプロイ後に DNS、Ingress コントローラー、および API サーバーを private に設定できます。
クラスターにパブリックサブネットがある場合、管理者により作成されたロードバランサーサービスはパブリックにアクセスできる可能性があります。クラスターのセキュリティーを確保するには、これらのサービスに明示的にプライベートアノテーションが付けられていることを確認してください。
DNS
OpenShift Container Platform を installer-provisioned infrastructure にインストールする場合、インストールプログラムは既存のパブリックゾーンにレコードを作成し、可能な場合はクラスター独自の DNS 解決用のプライベートゾーンを作成します。パブリックゾーンおよびプライベートゾーンの両方で、インストールプログラムまたはクラスターが Ingress
オブジェクトの *.apps
、および API サーバーの api
の DNS エントリーを作成します。
*.apps
レコードはパブリックゾーンとプライベートゾーンのどちらでも同じであるため、パブリックゾーンを削除する際に、プライベートゾーンではクラスターのすべての DNS 解決をシームレスに提供します。
Ingress コントローラー
デフォルトの Ingress
オブジェクトはパブリックとして作成されるため、ロードバランサーはインターネットに接続され、パブリックサブネットで使用されます。
Ingress Operator は、カスタムのデフォルト証明書を設定するまで、プレースホルダーとして機能する Ingress コントローラーのデフォルト証明書を生成します。実稼働クラスターで Operator が生成するデフォルト証明書は使用しないでください。Ingress Operator は、独自の署名証明書または生成するデフォルト証明書をローテーションしません。Operator が生成するデフォルト証明書は、設定するカスタムデフォルト証明書のプレースホルダーとして使用されます。
API サーバー
デフォルトでは、インストールプログラムは内部トラフィックと外部トラフィックの両方で使用するための API サーバーの適切なネットワークロードバランサーを作成します。
Amazon Web Services (AWS) では、個別のパブリックロードバランサーおよびプライベートロードバランサーが作成されます。ロードバランサーは、クラスター内で使用するために追加ポートが内部で利用可能な場合を除き、常に同一です。インストールプログラムは API サーバー要件に基づいてロードバランサーを自動的に作成または破棄しますが、クラスターはそれらを管理または維持しません。クラスターの API サーバーへのアクセスを保持する限り、ロードバランサーを手動で変更または移動できます。パブリックロードバランサーの場合、ポート 6443 は開放され、ヘルスチェックが HTTPS について /readyz
パスに対して設定されます。
Google Cloud Platform では、内部および外部 API トラフィックの両方を管理するために単一のロードバランサーが作成されるため、ロードバランサーを変更する必要はありません。
Microsoft Azure では、パブリックおよびプライベートロードバランサーの両方が作成されます。ただし、現在の実装には制限があるため、プライベートクラスターで両方のロードバランサーを保持します。
2.2. プライベートゾーンで公開する DNS レコードの設定
すべての OpenShift Container Platform クラスターでは、パブリックかプライベートかにかかわらず、DNS レコードはデフォルトでパブリックゾーンに公開されます。
DNS レコードをパブリックに公開しない場合は、クラスター DNS 設定からパブリックゾーンを削除できます。内部ドメイン名、内部 IP アドレス、組織内のクラスターの数などの機密情報を公開しない場合や、レコードを公開する必要がない場合もあります。クラスター内のサービスに接続できるすべてのクライアントが、プライベートゾーンの DNS レコードを持つプライベート DNS サービスを使用する場合、クラスターのパブリック DNS レコードは必要ありません。
クラスターをデプロイした後、DNS
カスタムリソース (CR) を変更して、プライベートゾーンのみを使用するように DNS を変更できます。このように DNS
CR を変更すると、その後に作成される DNS レコードはパブリック DNS サーバーに公開されなくなり、DNS レコードに関する情報は内部ユーザーだけに限定されます。これは、クラスターをプライベートに設定する場合、または DNS レコードをパブリックに解決する必要がない場合に適用できます。
または、プライベートクラスターでも DNS レコード用のパブリックゾーンを保持し、クライアントがそのクラスターで実行されているアプリケーションの DNS 名を解決できるようにすることも可能です。たとえば組織は、パブリックインターネットに接続するマシンを所有し、特定のプライベート IP 範囲に対して VPN 接続を確立してプライベート IP アドレスに接続することができます。これらのマシンからの DNS ルックアップでは、パブリック DNS を使用してそれらのサービスのプライベートアドレスを判断し、VPN 経由でプライベートアドレスに接続します。
手順
次のコマンドを実行して出力を確認し、クラスターの
DNS
CR を確認します。$ oc get dnses.config.openshift.io/cluster -o yaml
出力例
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: DNS metadata: creationTimestamp: "2019-10-25T18:27:09Z" generation: 2 name: cluster resourceVersion: "37966" selfLink: /apis/config.openshift.io/v1/dnses/cluster uid: 0e714746-f755-11f9-9cb1-02ff55d8f976 spec: baseDomain: <base_domain> privateZone: tags: Name: <infrastructure_id>-int kubernetes.io/cluster/<infrastructure_id>: owned publicZone: id: Z2XXXXXXXXXXA4 status: {}
spec
セクションには、プライベートゾーンとパブリックゾーンの両方が含まれることに注意してください。次のコマンドを実行して、
DNS
CR にパッチを適用し、パブリックゾーンを削除します。$ oc patch dnses.config.openshift.io/cluster --type=merge --patch='{"spec": {"publicZone": null}}'
出力例
dns.config.openshift.io/cluster patched
Ingress Operator は、
IngressController
オブジェクトの DNS レコード作成時にDNS
CR 定義を参照します。プライベートゾーンのみ指定されている場合、プライベートレコードのみが作成されます。重要パブリックゾーンを削除しても、既存の DNS レコードは変更されません。以前に公開したパブリック DNS レコードで、パブリックに公開する必要がなくなったものは、手動で削除する必要があります。
検証
次のコマンドを実行し、出力でクラスターの
DNS
CR を確認してパブリックゾーンが削除されたことを確認します。$ oc get dnses.config.openshift.io/cluster -o yaml
出力例
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: DNS metadata: creationTimestamp: "2019-10-25T18:27:09Z" generation: 2 name: cluster resourceVersion: "37966" selfLink: /apis/config.openshift.io/v1/dnses/cluster uid: 0e714746-f755-11f9-9cb1-02ff55d8f976 spec: baseDomain: <base_domain> privateZone: tags: Name: <infrastructure_id>-int kubernetes.io/cluster/<infrastructure_id>-wfpg4: owned status: {}
2.3. Ingress コントローラーをプライベートに設定する
クラスターのデプロイ後に、その Ingress コントローラーをプライベートゾーンのみを使用するように変更できます。
手順
内部エンドポイントのみを使用するようにデフォルト Ingress コントローラーを変更します。
$ oc replace --force --wait --filename - <<EOF apiVersion: operator.openshift.io/v1 kind: IngressController metadata: namespace: openshift-ingress-operator name: default spec: endpointPublishingStrategy: type: LoadBalancerService loadBalancer: scope: Internal EOF
出力例
ingresscontroller.operator.openshift.io "default" deleted ingresscontroller.operator.openshift.io/default replaced
パブリック DNS エントリーが削除され、プライベートゾーンエントリーが更新されます。
2.4. API サーバーをプライベートに制限する
クラスターを Amazon Web Services (AWS) または Microsoft Azure にデプロイした後に、プライベートゾーンのみを使用するように API サーバーを再設定することができます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
admin
権限を持つユーザーとして Web コンソールにアクセスできること。
手順
クラウドプロバイダーの Web ポータルまたはコンソールで、次の操作を行います。
適切なロードバランサーコンポーネントを見つけて削除します。
- AWS の場合は、外部ロードバランサーを削除します。プライベートゾーンの API DNS エントリーは、同一の設定を使用する内部ロードバランサーをすでに参照するため、内部ロードバランサーを変更する必要はありません。
-
Azure の場合、ロードバランサーの
api-internal
ルールを削除します。
-
パブリックゾーンの
api.$clustername.$yourdomain
DNS エントリーを削除します。
外部ロードバランサーを削除します。
重要以下の手順は、installer-provisioned infrastructure (IPI) のクラスターでのみ実行できます。user-provisioned infrastructure (UPI) のクラスターの場合は、外部ロードバランサーを手動で削除するか、無効にする必要があります。
クラスターでコントロールプレーンマシンセットを使用している場合は、コントロールプレーンマシンセットのカスタムリソースで次の行を削除します。
providerSpec: value: loadBalancers: - name: lk4pj-ext 1 type: network 2 - name: lk4pj-int type: network
クラスターがコントロールプレーンマシンセットを使用しない場合は、各コントロールプレーンマシンから外部ロードバランサーを削除する必要があります。
ターミナルから、次のコマンドを実行してクラスターマシンを一覧表示します。
$ oc get machine -n openshift-machine-api
出力例
NAME STATE TYPE REGION ZONE AGE lk4pj-master-0 running m4.xlarge us-east-1 us-east-1a 17m lk4pj-master-1 running m4.xlarge us-east-1 us-east-1b 17m lk4pj-master-2 running m4.xlarge us-east-1 us-east-1a 17m lk4pj-worker-us-east-1a-5fzfj running m4.xlarge us-east-1 us-east-1a 15m lk4pj-worker-us-east-1a-vbghs running m4.xlarge us-east-1 us-east-1a 15m lk4pj-worker-us-east-1b-zgpzg running m4.xlarge us-east-1 us-east-1b 15m
コントロールプレーンマシンの名前には
master
が含まれています。各コントロールプレーンマシンから外部ロードバランサーを削除します。
次のコマンドを実行して、コントロールプレーンマシンオブジェクトを編集します。
$ oc edit machines -n openshift-machine-api <control_plane_name> 1
- 1
- 変更するコントロールプレーンマシンオブジェクトの名前を指定します。
次の例でマークされている、外部ロードバランサーを説明する行を削除します。
providerSpec: value: loadBalancers: - name: lk4pj-ext 1 type: network 2 - name: lk4pj-int type: network
- 変更を保存して、オブジェクト仕様を終了します。
- コントロールプレーンマシンごとに、このプロセスを繰り返します。
第3章 ベアメタルの設定
ベアメタルホストに OpenShift Container Platform をデプロイする場合、プロビジョニングの前後にホストに変更を加える必要がある場合があります。これには、ホストのハードウェア、ファームウェア、ファームウェアの詳細の検証が含まれます。また、ディスクのフォーマットや、変更可能なファームウェア設定の変更も含まれます。
3.1. Bare Metal Operator について
Bare Metal Operator (BMO) を使用して、クラスター内のベアメタルホストをプロビジョニング、管理、検査します。
BMO は、次の 3 つのリソースを使用してこれらのタスクを完了します。
-
BareMetalHost
-
HostFirmwareSettings
-
FirmwareSchema
BMO は、各ベアメタルホストを BareMetalHost
カスタムリソース定義のインスタンスにマッピングすることにより、クラスター内の物理ホストのインベントリーを維持します。各 BareMetalHost
リソースには、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの詳細が含まれています。BMO は、クラスター内のベアメタルホストを継続的に検査して、各 BareMetalHost
リソースが対応するホストのコンポーネントを正確に詳述していることを確認します。
BMO はまた、HostFirmwareSettings
リソースと FirmwareSchema
リソースを使用して、ベアメタルホストのファームウェア仕様を詳述します。
BMO は、Ironic API サービスを使用してクラスター内のベアメタルホストと接続します。Ironic サービスは、ホスト上のベースボード管理コントローラー (BMC) を使用して、マシンと接続します。
BMO を使用して実行できる一般的なタスクには、次のようなものがあります。
- 特定のイメージを使用したクラスターへのベアメタルホストのプロビジョニング
- プロビジョニング前またはプロビジョニング解除後におけるホストのディスクコンテンツのフォーマット
- ホストのオン/オフの切り替え
- ファームウェア設定の変更
- ホストのハードウェア詳細の表示
3.1.1. Bare Metal Operator のアーキテクチャー
Bare Metal Operator (BMO) は、3 つのリソースを使用して、クラスター内のベアメタルホストをプロビジョニング、管理、検査します。次の図は、これらのリソースのアーキテクチャーを示しています。
BareMetalHost
BareMetalHost
リソースは、物理ホストとそのプロパティーを定義します。ベアメタルホストをクラスターにプロビジョニングするときは、そのホストの BareMetalHost
リソースを定義する必要があります。ホストの継続的な管理のために、BareMetalHost
の情報を調べたり、この情報を更新したりできます。
BareMetalHost
リソースには、次のようなプロビジョニング情報が含まれます。
- オペレーティングシステムのブートイメージやカスタム RAM ディスクなどのデプロイメント仕様
- プロビジョニング状態
- ベースボード管理コントローラー (BMC) アドレス
- 目的の電源状態
BareMetalHost
リソースには、次のようなハードウェア情報が含まれます。
- CPU 数
- NIC の MAC アドレス
- ホストのストレージデバイスのサイズ
- 現在の電源状態
HostFirmwareSettings
HostFirmwareSettings
リソースを使用して、ホストのファームウェア設定を取得および管理できます。ホストが Available
状態に移行すると、Ironic サービスはホストのファームウェア設定を読み取り、HostFirmwareSettings
リソースを作成します。BareMetalHost
リソースと HostFirmwareSettings
リソースの間には 1 対 1 のマッピングがあります。
HostFirmwareSettings
リソースを使用して、ホストのファームウェア仕様を調べたり、ホストのファームウェア仕様を更新したりできます。
HostFirmwareSettings
リソースの spec
フィールドを編集するときは、ベンダーファームウェアに固有のスキーマに従う必要があります。このスキーマは、読み取り専用の FirmwareSchema
リソースで定義されます。
FirmwareSchema
ファームウェア設定は、ハードウェアベンダーやホストモデルによって異なります。FirmwareSchema
リソースは、各ホストモデル上の各ファームウェア設定のタイプおよび制限が含まれる読み取り専用リソースです。データは、Ironic サービスを使用して BMC から直接取得されます。FirmwareSchema
リソースを使用すると、HostFirmwareSettings
リソースの spec
フィールドに指定できる有効な値を特定できます。
スキーマが同じであれば、FirmwareSchema
リソースは多くの BareMetalHost
リソースに適用できます。
3.2. BareMetalHost リソースについて
Metal3 で、物理ホストとそのプロパティーを定義する BareMetalHost
リソースの概念が導入されました。BareMetalHost
リソースには、2 つのセクションが含まれます。
-
BareMetalHost
spec -
BareMetalHost
status
3.2.1. BareMetalHost spec
BareMetalHost
リソースの spec
セクションは、ホストの必要な状態を定義します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
|
プロビジョニングおよびプロビジョニング解除時の自動クリーニングを有効または無効にするインターフェイス。 |
bmc: address: credentialsName: disableCertificateVerification: |
|
| ホストのプロビジョニングに使用する NIC の MAC アドレス。 |
|
ホストのブートモード。デフォルトは |
|
ホストを使用している別のリソースへの参照。別のリソースが現在ホストを使用していない場合は、空になることがあります。たとえば、 |
| ホストの特定に役立つ、人間が提供した文字列。 |
| ホストのプロビジョニングとプロビジョニング解除が外部で管理されるかどうかを示すブール値。設定される場合:
|
|
ベアメタルホストの BIOS 設定に関する情報が含まれます。現在、
|
image: url: checksum: checksumType: format: |
|
| ネットワーク設定データおよびその namespace が含まれるシークレットへの参照。したがって、ホストが起動してネットワークをセットアップする前にホストに接続することができます。 |
|
ホストの電源を入れる ( |
raid: hardwareRAIDVolumes: softwareRAIDVolumes: | (オプション) ベアメタルホストの RAID 設定に関する情報が含まれます。指定しない場合は、現在の設定を保持します。 注記 OpenShift Container Platform 4.14 は、iRMC プロトコルのみを使用して BMC のハードウェア RAID をサポートします。OpenShift Container Platform 4.14 は、ソフトウェア RAID をサポートしていません。 次の構成設定を参照してください。
spec: raid: hardwareRAIDVolume: []
ドライバーが RAID に対応していないことを示すエラーメッセージが表示された場合は、 |
rootDeviceHints: deviceName: hctl: model: vendor: serialNumber: minSizeGigabytes: wwn: wwnWithExtension: wwnVendorExtension: rotational: |
|
3.2.2. BareMetalHost status
BareMetalHost
status は、ホストの現在の状態を表し、テスト済みの認証情報、現在のハードウェアの詳細などの情報が含まれます。
パラメーター | 説明 |
---|---|
| シークレットおよびその namespace の参照で、システムが動作中と検証できるベースボード管理コントローラー (BMC) 認証情報のセットが保持されています。 |
| プロビジョニングバックエンドが報告する最後のエラーの詳細 (ある場合)。 |
| ホストがエラー状態になった原因となった問題のクラスを示します。エラータイプは以下のとおりです。
|
hardware: cpu arch: model: clockMegahertz: flags: count: |
|
hardware: firmware: | BIOS ファームウェア情報が含まれます。たとえば、ハードウェアベンダーおよびバージョンなどです。 |
hardware: nics: - ip: name: mac: speedGbps: vlans: vlanId: pxe: |
|
hardware: ramMebibytes: | ホストのメモリー容量 (MiB 単位)。 |
hardware: storage: - name: rotational: sizeBytes: serialNumber: |
|
hardware: systemVendor: manufacturer: productName: serialNumber: |
ホストの |
| ホストのステータスの最終更新時のタイムスタンプ。 |
| サーバーのステータス。ステータスは以下のいずれかになります。
|
| ホストの電源が入っているかどうかを示すブール値。 |
provisioning: state: id: image: raid: firmware: rootDeviceHints: |
|
| プロビジョニングバックエンドに送信された BMC 認証情報の最後のセットを保持するシークレットおよびその namespace への参照。 |
3.3. BareMetalHost リソースの取得
BareMetalHost
リソースには、物理ホストのプロパティーが含まれます。物理ホストのプロパティーをチェックするには、そのBareMetalHost
リソースを取得する必要があります。
手順
BareMetalHost
リソースの一覧を取得します。$ oc get bmh -n openshift-machine-api -o yaml
注記oc get
コマンドで、bmh
の長い形式として、baremetalhost
を使用できます。ホストのリストを取得します。
$ oc get bmh -n openshift-machine-api
特定のホストの
BareMetalHost
リソースを取得します。$ oc get bmh <host_name> -n openshift-machine-api -o yaml
ここで、
<host_name>
はホストの名前です。出力例
apiVersion: metal3.io/v1alpha1 kind: BareMetalHost metadata: creationTimestamp: "2022-06-16T10:48:33Z" finalizers: - baremetalhost.metal3.io generation: 2 name: openshift-worker-0 namespace: openshift-machine-api resourceVersion: "30099" uid: 1513ae9b-e092-409d-be1b-ad08edeb1271 spec: automatedCleaningMode: metadata bmc: address: redfish://10.46.61.19:443/redfish/v1/Systems/1 credentialsName: openshift-worker-0-bmc-secret disableCertificateVerification: true bootMACAddress: 48:df:37:c7:f7:b0 bootMode: UEFI consumerRef: apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: Machine name: ocp-edge-958fk-worker-0-nrfcg namespace: openshift-machine-api customDeploy: method: install_coreos online: true rootDeviceHints: deviceName: /dev/disk/by-id/scsi-<serial_number> userData: name: worker-user-data-managed namespace: openshift-machine-api status: errorCount: 0 errorMessage: "" goodCredentials: credentials: name: openshift-worker-0-bmc-secret namespace: openshift-machine-api credentialsVersion: "16120" hardware: cpu: arch: x86_64 clockMegahertz: 2300 count: 64 flags: - 3dnowprefetch - abm - acpi - adx - aes model: Intel(R) Xeon(R) Gold 5218 CPU @ 2.30GHz firmware: bios: date: 10/26/2020 vendor: HPE version: U30 hostname: openshift-worker-0 nics: - mac: 48:df:37:c7:f7:b3 model: 0x8086 0x1572 name: ens1f3 ramMebibytes: 262144 storage: - hctl: "0:0:0:0" model: VK000960GWTTB name: /dev/disk/by-id/scsi-<serial_number> sizeBytes: 960197124096 type: SSD vendor: ATA systemVendor: manufacturer: HPE productName: ProLiant DL380 Gen10 (868703-B21) serialNumber: CZ200606M3 lastUpdated: "2022-06-16T11:41:42Z" operationalStatus: OK poweredOn: true provisioning: ID: 217baa14-cfcf-4196-b764-744e184a3413 bootMode: UEFI customDeploy: method: install_coreos image: url: "" raid: hardwareRAIDVolumes: null softwareRAIDVolumes: [] rootDeviceHints: deviceName: /dev/disk/by-id/scsi-<serial_number> state: provisioned triedCredentials: credentials: name: openshift-worker-0-bmc-secret namespace: openshift-machine-api credentialsVersion: "16120"
3.4. HostFirmwareSettings リソースについて
HostFirmwareSettings
リソースを使用して、ホストの BIOS 設定を取得および管理できます。ホストが Available
状態に移行すると、Ironic はホストの BIOS 設定を読み取り、HostFirmwareSettings
リソースを作成します。リソースには、ベースボード管理コントローラー (BMC) から返される完全な BIOS 設定が含まれます。BareMetalHost
リソースのfirmware
フィールドは、ベンダーに依存しない 3 つのフィールドを返しますが、HostFirmwareSettings
リソースは、通常ホストごとにベンダー固有のフィールドの多数の BIOS 設定で構成されます。
HostFirmwareSettings
リソースには、以下の 2 つのセクションが含まれます。
-
HostFirmwareSettings
spec -
HostFirmwareSettings
status
3.4.1. HostFirmwareSettings
spec
HostFirmwareSettings
リソースの spec
セクションは、ホストの BIOS の必要な状態を定義し、デフォルトでは空です。Ironic は spec.settings
セクションの設定を使用して、ホストが Preparing
状態の場合、ベースボード管理コントローラー (BMC) を更新します。FirmwareSchema
リソースを使用して、無効な名前と値のペアをホストに送信しないようにします。詳細は、「FirmwareSchema リソースについて」を参照してください。
例
spec:
settings:
ProcTurboMode: Disabled1
- 1
- 前述の例では、
spec.settings
セクションには、ProcTurboMode
BIOS 設定をDisabled
に設定する名前/値のペアが含まれます。
status
セクションに一覧表示される整数パラメーターは文字列として表示されます。たとえば、"1"
と表示されます。spec.settings
セクションで整数を設定する場合、値は引用符なしの整数として設定する必要があります。たとえば、1
と設定します。
3.4.2. HostFirmwareSettings
status
status
は、ホストの BIOS の現在の状態を表します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
status: conditions: - lastTransitionTime: message: observedGeneration: reason: status: type: |
|
status: schema: name: namespace: lastUpdated: |
ファームウェア設定の
|
status: settings: |
|
3.5. HostFirmwareSettings リソースの取得
HostFirmwareSettings
リソースには、物理ホストのベンダー固有の BIOS プロパティーが含まれます。物理ホストの BIOS プロパティーをチェックするには、そのHostFirmwareSettings
リソースを取得する必要があります。
手順
HostFirmwareSettings
リソースの詳細な一覧を取得します。$ oc get hfs -n openshift-machine-api -o yaml
注記oc get
コマンドで、hfs
の長い形式として、hostfirmwaresettings
を使用できます。HostFirmwareSettings
リソースの一覧を取得します。$ oc get hfs -n openshift-machine-api
特定のホストの
HostFirmwareSettings
リソースを取得します。$ oc get hfs <host_name> -n openshift-machine-api -o yaml
ここで、
<host_name>
はホストの名前です。
3.6. HostFirmwareSettings リソースの編集
プロビジョニングされたホストの HostFirmwareSettings
を編集できます。
読み取り専用の値を除き、ホストが プロビジョニング
された状態にある場合にのみ、ホストを編集できます。外部からプロビジョニング
された状態のホストは編集できません。
手順
HostFirmwareSettings
リソースの一覧を取得します。$ oc get hfs -n openshift-machine-api
ホストの
HostFirmwareSettings
リソースを編集します。$ oc edit hfs <host_name> -n openshift-machine-api
ここで、
<host_name>
はプロビジョニングされたホストの名前です。HostFirmwareSettings
リソースは、ターミナルのデフォルトエディターで開きます。spec.settings
セクションに、名前と値のペアを追加します。例
spec: settings: name: value 1
- 1
FirmwareSchema
リソースを使用して、ホストで利用可能な設定を特定します。読み取り専用の値は設定できません。
- 変更を保存し、エディターを終了します。
ホストのマシン名を取得します。
$ oc get bmh <host_name> -n openshift-machine name
ここで、
<host_name>
はホストの名前です。マシン名はCONSUMER
フィールドの下に表示されます。マシンにアノテーションを付け、マシンセットから削除します。
$ oc annotate machine <machine_name> machine.openshift.io/delete-machine=true -n openshift-machine-api
ここで、
<machine_name>
は削除するマシンの名前です。ノードのリストを取得し、ワーカーノードの数をカウントします。
$ oc get nodes
マシンセットを取得します。
$ oc get machinesets -n openshift-machine-api
マシンセットをスケーリングします。
$ oc scale machineset <machineset_name> -n openshift-machine-api --replicas=<n-1>
ここで、
<machineset_name>
はマシンセットの名前で、<n-1>
は減少させたワーカーノードの数です。ホストが
Available
の状態になったら、machineset をスケールアップして、HostFirmwareSettings
リソースの変更を反映させます。$ oc scale machineset <machineset_name> -n openshift-machine-api --replicas=<n>
ここで、
<machineset_name>
はマシンセットの名前で、<n>
はワーカーノードの数です。
3.7. HostFirmware Settings リソースが有効であることの確認
ユーザーが spec.settings
セクションを編集して HostFirmwareSetting
(HFS) リソースに変更を加えると、Bare Metal Operator (BMO) は読み取り専用リソースである FimwareSchema
リソースに対して変更を検証します。この設定が無効な場合、BMO は status.Condition
設定の Type
の値を False
に設定し、イベントを生成して HFS リソースに保存します。以下の手順を使用して、リソースが有効であることを確認します。
手順
HostFirmwareSetting
リソースの一覧を取得します。$ oc get hfs -n openshift-machine-api
特定のホストの
HostFirmwareSettings
リソースが有効であることを確認します。$ oc describe hfs <host_name> -n openshift-machine-api
ここで、
<host_name>
はホストの名前です。出力例
Events: Type Reason Age From Message ---- ------ ---- ---- ------- Normal ValidationFailed 2m49s metal3-hostfirmwaresettings-controller Invalid BIOS setting: Setting ProcTurboMode is invalid, unknown enumeration value - Foo
重要応答が
ValidationFailed
を返す場合、リソース設定にエラーがあり、FirmwareSchema
リソースに準拠するよう値を更新する必要があります。
3.8. FirmwareSchema リソースについて
BIOS 設定は、ハードウェアベンダーやホストモデルによって異なります。FirmwareSchema
リソースは、各ホストモデル上の各 BIOS 設定のタイプおよび制限が含まれる読み取り専用リソースです。データは BMC から Ironic に直接取得されます。FirmwareSchema
を使用すると、HostFirmwareSettings
リソースの spec
フィールドに指定できる有効な値を特定できます。FirmwareSchema
リソースには、その設定および制限から派生する一意の識別子があります。同じホストモデルは同じ FirmwareSchema
識別子を使用します。HostFirmwareSettings
の複数のインスタンスが同じ FirmwareSchema
を使用する可能性が高いです。
パラメーター | 説明 |
---|---|
<BIOS_setting_name> attribute_type: allowable_values: lower_bound: upper_bound: min_length: max_length: read_only: unique: |
|
3.9. FirmwareSchema リソースの取得
各ベンダーの各ホストモデルの BIOS 設定は、それぞれ異なります。HostFirmwareSettings
リソースの spec
セクションを編集する際に、設定する名前/値のペアはそのホストのファームウェアスキーマに準拠している必要があります。有効な名前と値のペアを設定するには、ホストの FirmwareSchema
を取得して確認します。
手順
FirmwareSchema
リソースインスタンスの一覧を取得するには、以下を実行します。$ oc get firmwareschema -n openshift-machine-api
特定の
FirmwareSchema
インスタンスを取得するには、以下を実行します。$ oc get firmwareschema <instance_name> -n openshift-machine-api -o yaml
ここで、
<instance_name>
は、HostFirmwareSettings
リソース (表 3 を参照) に記載されているスキーマインスタンスの名前です。
第4章 OpenShift クラスターでのマルチアーキテクチャーのコンピュートマシンの設定
4.1. マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含むクラスターについて
マルチアーキテクチャー計算マシンを使用する OpenShift Container Platform クラスターは、異なるアーキテクチャーのコンピュートマシンをサポートするクラスターです。マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを備えたクラスターは、Amazon Web Services (AWS) または Microsoft Azure インストーラーによってプロビジョニングされたインフラストラクチャーと、x86_64 コントロールプレーンマシンを備えたベアメタル、IBM Power®、および IBM Z® ユーザーによってプロビジョニングされたインフラストラクチャーでのみ使用できます。
クラスター内に複数のアーキテクチャーを持つノードがある場合、イメージのアーキテクチャーはノードのアーキテクチャーと一致している必要があります。Pod が適切なアーキテクチャーを持つノードに割り当てられていること、およびそれがイメージアーキテクチャーと一致していることを確認する必要があります。ノードへの Pod の割り当ての詳細は、ノードへの Pod の割り当て を参照してください。
Cluster Samples Operator は、マルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを備えたクラスターではサポートされません。この機能がなくてもクラスターを作成できます。詳細は、クラスター機能の有効化 を参照してください。
単一アーキテクチャーのクラスターを、マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンをサポートするクラスターに移行する方法は、マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含むクラスターへの移行 を参照してください。
4.1.1. マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを使用したクラスターの設定
さまざまなプラットフォーム用のマルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターを作成するには、次のセクションのドキュメントを使用できます。
- Azure 上でマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成する
- AWS 上でマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成する
- GCP 上でマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成する
- ベアメタル上でマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成する
- z/VM を使用した IBM Z® および IBM® LinuxONE 上のマルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターの作成
- RHEL KVM を使用した IBM Z® および IBM® LinuxONE 上のマルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターの作成
- IBM Power® 上のマルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターの作成
ゼロからの自動スケーリングは現在、Google Cloud Platform (GCP) ではサポートされていません。
4.2. Azure でマルチアーキテクチャーコンピューティングマシンを使用したクラスターを作成する
マルチアーキテクチャーコンピューティングマシンを使用して Azure クラスターをデプロイするには、まず、マルチアーキテクチャーインストーラーバイナリーを使用する単一アーキテクチャーの Azure インストーラープロビジョニングクラスターを作成する必要があります。Azure インストールの詳細は、カスタマイズを使用した Azure へのクラスターのインストール を参照してください。その後、ARM64 コンピューティングマシンセットをクラスターに追加して、マルチアーキテクチャーコンピューティングマシンを含むクラスターを作成できます。
次の手順では、ARM64 ブートイメージを生成し、ARM64 ブートイメージを使用する Azure コンピューティングマシンセットを作成する方法について説明します。これにより、ARM64 コンピュートノードがクラスターに追加され、必要な量の ARM64 仮想マシン (VM) がデプロイされます。
4.2.1. クラスターの互換性の確認
異なるアーキテクチャーのコンピュートノードをクラスターに追加する前に、クラスターがマルチアーキテクチャー互換であることを確認する必要があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行すると、クラスターがアーキテクチャーペイロードを使用していることを確認できます。
$ oc adm release info -o jsonpath="{ .metadata.metadata}"
検証
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用しています。
{ "release.openshift.io/architecture": "multi", "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
その後、クラスターへのマルチアーキテクチャーコンピュートノードの追加を開始できます。
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用していません。
{ "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
重要クラスターを、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンをサポートするクラスターに移行するには、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターへの移行 の手順に従ってください。
4.2.2. Azure イメージギャラリーを使用した ARM64 ブートイメージの作成
次の手順では、ARM64 ブートイメージを手動で生成する方法について説明します。
前提条件
-
Azure CLI (
az
) をインストールしている。 - マルチアーキテクチャーインストーラーバイナリーを使用して、単一アーキテクチャーの Azure インストーラープロビジョニングクラスターを作成している。
手順
Azure アカウントにログインします。
$ az login
ストレージアカウントを作成し、
arm64
仮想ハードディスク (VHD) をストレージアカウントにアップロードします。OpenShift Container Platform インストールプログラムはリソースグループを作成しますが、ブートイメージをカスタムの名前付きリソースグループにアップロードすることもできます。$ az storage account create -n ${STORAGE_ACCOUNT_NAME} -g ${RESOURCE_GROUP} -l westus --sku Standard_LRS 1
- 1
westus
オブジェクトはリージョンの例です。
生成したストレージアカウントを使用してストレージコンテナーを作成します。
$ az storage container create -n ${CONTAINER_NAME} --account-name ${STORAGE_ACCOUNT_NAME}
URL と
ARM64
VHD 名を抽出するには、OpenShift Container Platform インストールプログラムの JSON ファイルを使用する必要があります。次のコマンドを実行して、
URL
フィールドを抽出し、ファイル名としてRHCOS_VHD_ORIGIN_URL
に設定します。$ RHCOS_VHD_ORIGIN_URL=$(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' | jq -r '.architectures.aarch64."rhel-coreos-extensions"."azure-disk".url')
次のコマンドを実行して、
aarch64
VHD 名を抽出し、ファイル名としてBLOB_NAME
に設定します。$ BLOB_NAME=rhcos-$(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' | jq -r '.architectures.aarch64."rhel-coreos-extensions"."azure-disk".release')-azure.aarch64.vhd
Shared Access Signature (SAS) トークンを生成します。このトークンを使用して、次のコマンドで RHCOS VHD をストレージコンテナーにアップロードします。
$ end=`date -u -d "30 minutes" '+%Y-%m-%dT%H:%MZ'`
$ sas=`az storage container generate-sas -n ${CONTAINER_NAME} --account-name ${STORAGE_ACCOUNT_NAME} --https-only --permissions dlrw --expiry $end -o tsv`
RHCOS VHD をストレージコンテナーにコピーします。
$ az storage blob copy start --account-name ${STORAGE_ACCOUNT_NAME} --sas-token "$sas" \ --source-uri "${RHCOS_VHD_ORIGIN_URL}" \ --destination-blob "${BLOB_NAME}" --destination-container ${CONTAINER_NAME}
次のコマンドを使用して、コピープロセスのステータスを確認できます。
$ az storage blob show -c ${CONTAINER_NAME} -n ${BLOB_NAME} --account-name ${STORAGE_ACCOUNT_NAME} | jq .properties.copy
出力例
{ "completionTime": null, "destinationSnapshot": null, "id": "1fd97630-03ca-489a-8c4e-cfe839c9627d", "incrementalCopy": null, "progress": "17179869696/17179869696", "source": "https://rhcos.blob.core.windows.net/imagebucket/rhcos-411.86.202207130959-0-azure.aarch64.vhd", "status": "success", 1 "statusDescription": null }
- 1
- status パラメーターに
success
オブジェクトが表示されたら、コピープロセスは完了です。
次のコマンドを使用してイメージギャラリーを作成します。
$ az sig create --resource-group ${RESOURCE_GROUP} --gallery-name ${GALLERY_NAME}
イメージギャラリーを使用してイメージ定義を作成します。次のコマンド例では、
rhcos-arm64
がイメージ定義の名前です。$ az sig image-definition create --resource-group ${RESOURCE_GROUP} --gallery-name ${GALLERY_NAME} --gallery-image-definition rhcos-arm64 --publisher RedHat --offer arm --sku arm64 --os-type linux --architecture Arm64 --hyper-v-generation V2
VHD の URL を取得してファイル名として
RHCOS_VHD_URL
に設定するには、次のコマンドを実行します。$ RHCOS_VHD_URL=$(az storage blob url --account-name ${STORAGE_ACCOUNT_NAME} -c ${CONTAINER_NAME} -n "${BLOB_NAME}" -o tsv)
RHCOS_VHD_URL
ファイル、ストレージアカウント、リソースグループ、およびイメージギャラリーを使用して、イメージバージョンを作成します。次の例では、1.0.0
がイメージバージョンです。$ az sig image-version create --resource-group ${RESOURCE_GROUP} --gallery-name ${GALLERY_NAME} --gallery-image-definition rhcos-arm64 --gallery-image-version 1.0.0 --os-vhd-storage-account ${STORAGE_ACCOUNT_NAME} --os-vhd-uri ${RHCOS_VHD_URL}
arm64
ブートイメージが生成されました。次のコマンドを使用して、イメージの ID にアクセスできます。$ az sig image-version show -r $GALLERY_NAME -g $RESOURCE_GROUP -i rhcos-arm64 -e 1.0.0
次の例のイメージ ID は、コンピュートマシンセットの
recourseID
パラメーターで使用されます。resourceID
の例/resourceGroups/${RESOURCE_GROUP}/providers/Microsoft.Compute/galleries/${GALLERY_NAME}/images/rhcos-arm64/versions/1.0.0
4.2.3. マルチアーキテクチャーコンピューティングマシンセットをクラスターに追加する
ARM64 コンピュートノードをクラスターに追加するには、ARM64 ブートイメージを使用する Azure コンピューティングマシンセットを作成する必要があります。Azure で独自のカスタムコンピュートマシンセットを作成するには、"Azure でのコンピュートマシンセットの作成" を参照してください。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
以下のコマンドで、コンピュートマシンセットを作成し、
resourceID
およびvmSize
パラメーターを変更します。このコンピュートマシンセットは、クラスター内のarm64
ワーカーノードを制御します。$ oc create -f arm64-machine-set-0.yaml
arm64
ブートイメージを使用したサンプル YAML コンピュートマシンセットapiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker name: <infrastructure_id>-arm64-machine-set-0 namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 2 selector: matchLabels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-arm64-machine-set-0 template: metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-arm64-machine-set-0 spec: lifecycleHooks: {} metadata: {} providerSpec: value: acceleratedNetworking: true apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 credentialsSecret: name: azure-cloud-credentials namespace: openshift-machine-api image: offer: "" publisher: "" resourceID: /resourceGroups/${RESOURCE_GROUP}/providers/Microsoft.Compute/galleries/${GALLERY_NAME}/images/rhcos-arm64/versions/1.0.0 1 sku: "" version: "" kind: AzureMachineProviderSpec location: <region> managedIdentity: <infrastructure_id>-identity networkResourceGroup: <infrastructure_id>-rg osDisk: diskSettings: {} diskSizeGB: 128 managedDisk: storageAccountType: Premium_LRS osType: Linux publicIP: false publicLoadBalancer: <infrastructure_id> resourceGroup: <infrastructure_id>-rg subnet: <infrastructure_id>-worker-subnet userDataSecret: name: worker-user-data vmSize: Standard_D4ps_v5 2 vnet: <infrastructure_id>-vnet zone: "<zone>"
検証
次のコマンドを入力して、新しい ARM64 マシンが実行されていることを確認します。
$ oc get machineset -n openshift-machine-api
出力例
NAME DESIRED CURRENT READY AVAILABLE AGE <infrastructure_id>-arm64-machine-set-0 2 2 2 2 10m
次のコマンドを使用すると、ノードの準備ができており、スケジュール可能であることを確認できます。
$ oc get nodes
4.3. AWS 上でマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成する
マルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含む AWS クラスターを作成するには、まずマルチアーキテクチャーインストーラーバイナリーを使用して、単一アーキテクチャーの AWS インストーラーによってプロビジョニングされたクラスターを作成する必要があります。AWS のインストールの詳細は、カスタマイズを使用した AWS へのクラスターのインストール を参照してください。その後、ARM64 コンピューティングマシンセットを AWS クラスターに追加できます。
4.3.1. クラスターの互換性の確認
異なるアーキテクチャーのコンピュートノードをクラスターに追加する前に、クラスターがマルチアーキテクチャー互換であることを確認する必要があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行すると、クラスターがアーキテクチャーペイロードを使用していることを確認できます。
$ oc adm release info -o jsonpath="{ .metadata.metadata}"
検証
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用しています。
{ "release.openshift.io/architecture": "multi", "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
その後、クラスターへのマルチアーキテクチャーコンピュートノードの追加を開始できます。
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用していません。
{ "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
重要クラスターを、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンをサポートするクラスターに移行するには、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターへの移行 の手順に従ってください。
4.3.2. ARM64 コンピューティングマシンセットをクラスターに追加する
マルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンでクラスターを設定するには、AWS ARM64 コンピューティングマシンセットを作成する必要があります。これにより、クラスターに ARM64 コンピュートノードが追加され、クラスターにマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンが含まれるようになります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - インストールプログラムを使用して、マルチアーキテクチャーインストーラーバイナリーを含む AMD64 単一アーキテクチャー AWS クラスターを作成しました。
手順
計算マシンセットを作成および変更します。これにより、クラスター内の ARM64 コンピュートノードが制御されます。
$ oc create -f aws-arm64-machine-set-0.yaml
ARM64 コンピュートノードをデプロイするためのサンプル YAML コンピューティングマシンセット
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1 name: <infrastructure_id>-aws-arm64-machine-set-0 2 namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 1 selector: matchLabels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 3 machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>-<zone> 4 template: metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 5 machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> 6 machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>-<zone> 7 spec: metadata: labels: node-role.kubernetes.io/<role>: "" providerSpec: value: ami: id: ami-02a574449d4f4d280 8 apiVersion: awsproviderconfig.openshift.io/v1beta1 blockDevices: - ebs: iops: 0 volumeSize: 120 volumeType: gp2 credentialsSecret: name: aws-cloud-credentials deviceIndex: 0 iamInstanceProfile: id: <infrastructure_id>-worker-profile 9 instanceType: m6g.xlarge 10 kind: AWSMachineProviderConfig placement: availabilityZone: us-east-1a 11 region: <region> 12 securityGroups: - filters: - name: tag:Name values: - <infrastructure_id>-worker-sg 13 subnet: filters: - name: tag:Name values: - <infrastructure_id>-private-<zone> tags: - name: kubernetes.io/cluster/<infrastructure_id> 14 value: owned - name: <custom_tag_name> value: <custom_tag_value> userDataSecret: name: worker-user-data
- 1 2 3 9 13 14
- クラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID を基にするインフラストラクチャー ID を指定します。OpenShift CLI がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。
$ oc get -o jsonpath=‘{.status.infrastructureName}{“\n”}’ infrastructure cluster
- 4 7
- インフラストラクチャー ID、ロールノードラベル、およびゾーンを指定します。
- 5 6
- 追加するロールノードラベルを指定します。
- 8
- OpenShift Container Platform ノードの AWS ゾーンに、ARM64 がサポートする Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) Amazon Machine Image (AMI) を指定します。
$ oc get configmap/coreos-bootimages \ -n openshift-machine-config-operator \ -o jsonpath='{.data.stream}' | jq \ -r '.architectures.<arch>.images.aws.regions."<region>".image'
- 10
- ARM64 がサポートするマシンタイプを指定します。詳細については、"AWS 64 ビット ARM のテスト済みインスタンスタイプ" を参照してください。
- 11
- ゾーンを指定します (例:
us-east-1a)
。選択したゾーンが 64 ビット ARM マシンを提供していることを確認してください。 - 12
- リージョン (例:
us-east-1
) を指定します。選択したゾーンが 64 ビット ARM マシンを提供していることを確認してください。
検証
次のコマンドを入力して、コンピューティングマシンセットのリストを表示します。
$ oc get machineset -n openshift-machine-api
作成した ARM64 マシンセットを確認できます。
出力例
NAME DESIRED CURRENT READY AVAILABLE AGE <infrastructure_id>-aws-arm64-machine-set-0 2 2 2 2 10m
次のコマンドを使用すると、ノードの準備ができており、スケジュール可能であることを確認できます。
$ oc get nodes
4.4. GCP 上でマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成する
マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含む Google Cloud Platform (GCP) クラスターを作成するには、まず、マルチアーキテクチャーインストーラーバイナリーを使用して、単一アーキテクチャーの GCP インストーラーによってプロビジョニングされたクラスターを作成する必要があります。AWS のインストールの詳細は、カスタマイズを使用した GCP へのクラスターのインストール を参照してください。その後、ARM64 コンピュートマシンセットを GCP クラスターに追加できます。
セキュアブートは現在、GCP の ARM64 マシンではサポートされていません
4.4.1. クラスターの互換性の確認
異なるアーキテクチャーのコンピュートノードをクラスターに追加する前に、クラスターがマルチアーキテクチャー互換であることを確認する必要があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行すると、クラスターがアーキテクチャーペイロードを使用していることを確認できます。
$ oc adm release info -o jsonpath="{ .metadata.metadata}"
検証
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用しています。
{ "release.openshift.io/architecture": "multi", "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
その後、クラスターへのマルチアーキテクチャーコンピュートノードの追加を開始できます。
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用していません。
{ "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
重要クラスターを、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンをサポートするクラスターに移行するには、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターへの移行 の手順に従ってください。
4.4.2. ARM64 コンピューティングマシンセットを GCP クラスターに追加する
マルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンでクラスターを設定するには、GCP ARM64 コンピューティングマシンセットを作成する必要があります。これにより、ARM64 コンピュートノードがクラスターに追加されます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - インストールプログラムを使用して、マルチアーキテクチャーインストーラーバイナリーを含む AMD64 単一アーキテクチャー AWS クラスターを作成しました。
手順
計算マシンセットを作成および変更します。これにより、クラスター内の ARM64 コンピュートノードが制御されます。
$ oc create -f gcp-arm64-machine-set-0.yaml
ARM64 コンピュートノードをデプロイするためのサンプル GCP YAML コンピューティングマシンセット
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1 name: <infrastructure_id>-w-a namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 1 selector: matchLabels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-w-a template: metadata: creationTimestamp: null labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 2 machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-w-a spec: metadata: labels: node-role.kubernetes.io/<role>: "" providerSpec: value: apiVersion: gcpprovider.openshift.io/v1beta1 canIPForward: false credentialsSecret: name: gcp-cloud-credentials deletionProtection: false disks: - autoDelete: true boot: true image: <path_to_image> 3 labels: null sizeGb: 128 type: pd-ssd gcpMetadata: 4 - key: <custom_metadata_key> value: <custom_metadata_value> kind: GCPMachineProviderSpec machineType: n1-standard-4 5 metadata: creationTimestamp: null networkInterfaces: - network: <infrastructure_id>-network subnetwork: <infrastructure_id>-worker-subnet projectID: <project_name> 6 region: us-central1 7 serviceAccounts: - email: <infrastructure_id>-w@<project_name>.iam.gserviceaccount.com scopes: - https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform tags: - <infrastructure_id>-worker userDataSecret: name: worker-user-data zone: us-central1-a
- 1
- クラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID を基にするインフラストラクチャー ID を指定します。以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。
$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster
- 2
- 追加するロールノードラベルを指定します。
- 3
- 現在のコンピュートマシンセットで使用されるイメージへのパスを指定します。イメージへのパスにはプロジェクトとイメージ名が必要です。
プロジェクトとイメージ名にアクセスするには、次のコマンドを実行します。
$ oc get configmap/coreos-bootimages \ -n openshift-machine-config-operator \ -o jsonpath='{.data.stream}' | jq \ -r '.architectures.aarch64.images.gcp'
出力例
"gcp": { "release": "415.92.202309142014-0", "project": "rhcos-cloud", "name": "rhcos-415-92-202309142014-0-gcp-aarch64" }
出力の
project
パラメーターとname
パラメーターを使用して、マシンセット内のイメージフィールドへのパスを作成します。イメージへのパスは次の形式に従う必要があります。$ projects/<project>/global/images/<image_name>
- 4
- オプション:
key:value
のペアの形式でカスタムメタデータを指定します。ユースケースの例は、カスタムメタデータの設定 について GCP のドキュメントを参照してください。 - 5
- ARM64 がサポートするマシンタイプを指定します。詳細は、"関連情報" の 64 ビット ARM インフラストラクチャーでの GCP のテスト済みのインスタンスタイプ を参照してください。
- 6
- クラスターに使用する GCP プロジェクトの名前を指定します。
- 7
- リージョンを指定します (例:
us-central1
)。選択したゾーンが 64 ビット ARM マシンを提供していることを確認してください。
検証
次のコマンドを入力して、コンピューティングマシンセットのリストを表示します。
$ oc get machineset -n openshift-machine-api
作成した ARM64 マシンセットを確認できます。
出力例
NAME DESIRED CURRENT READY AVAILABLE AGE <infrastructure_id>-gcp-arm64-machine-set-0 2 2 2 2 10m
次のコマンドを使用すると、ノードの準備ができており、スケジュール可能であることを確認できます。
$ oc get nodes
4.5. ベアメタル上でマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成する
ベアメタル上にマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成するには、既存の単一アーキテクチャーのベアメタルクラスターが必要です。ベアメタルのインストールの詳細は、ユーザーがプロビジョニングしたクラスターをベアメタルにインストールする を参照してください。その後、ベアメタル上の OpenShift Container Platform クラスターに 64 ビット ARM コンピューティングマシンを追加できます。
64 ビット ARM ノードをベアメタルクラスターに追加する前に、クラスターをマルチアーキテクチャーペイロードを使用するクラスターにアップグレードする必要があります。マルチアーキテクチャーペイロードへの移行の詳細は、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを使用したクラスターへの移行 を参照してください。
次の手順では、ISO イメージまたはネットワーク PXE ブートを使用して RHCOS コンピューティングマシンを作成する方法について説明します。これにより、ARM64 ノードをベアメタルクラスターに追加し、マルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターをデプロイメントできるようになります。
4.5.1. クラスターの互換性の確認
異なるアーキテクチャーのコンピュートノードをクラスターに追加する前に、クラスターがマルチアーキテクチャー互換であることを確認する必要があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行すると、クラスターがアーキテクチャーペイロードを使用していることを確認できます。
$ oc adm release info -o jsonpath="{ .metadata.metadata}"
検証
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用しています。
{ "release.openshift.io/architecture": "multi", "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
その後、クラスターへのマルチアーキテクチャーコンピュートノードの追加を開始できます。
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用していません。
{ "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
重要クラスターを、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンをサポートするクラスターに移行するには、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターへの移行 の手順に従ってください。
4.5.2. ISO イメージを使用した RHCOS マシンの作成
ISO イメージを使用して、ベアメタルクラスターの追加の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを作成できます。
前提条件
- クラスターのコンピュートマシンの Ignition 設定ファイルの URL を取得します。このファイルがインストール時に HTTP サーバーにアップロードされている必要があります。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行して、クラスターから Ignition 設定ファイルを抽出します。
$ oc extract -n openshift-machine-api secret/worker-user-data-managed --keys=userData --to=- > worker.ign
-
クラスターからエクスポートした
worker.ign
Ignition 設定ファイルを HTTP サーバーにアップロードします。これらのファイルの URL をメモします。 Ignition ファイルが URL で利用可能であることを検証できます。次の例では、コンピュートノードの Ignition 設定ファイルを取得します。
$ curl -k http://<HTTP_server>/worker.ign
次のコマンドを実行すると、新しいマシンを起動するための ISO イメージにアクセスできます。
RHCOS_VHD_ORIGIN_URL=$(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' | jq -r '.architectures.<architecture>.artifacts.metal.formats.iso.disk.location')
ISO ファイルを使用して、追加のコンピュートマシンに RHCOS をインストールします。クラスターのインストール前にマシンを作成する際に使用したのと同じ方法を使用します。
- ディスクに ISO イメージを書き込み、これを直接起動します。
- LOM インターフェイスで ISO リダイレクトを使用します。
オプションを指定したり、ライブ起動シーケンスを中断したりせずに、RHCOS ISO イメージを起動します。インストーラーが RHCOS ライブ環境でシェルプロンプトを起動するのを待ちます。
注記RHCOS インストールの起動プロセスを中断して、カーネル引数を追加できます。ただし、この ISO 手順では、カーネル引数を追加する代わりに、次の手順で概説するように
coreos-installer
コマンドを使用する必要があります。coreos-installer
コマンドを実行し、インストール要件を満たすオプションを指定します。少なくとも、ノードタイプの Ignition 設定ファイルを参照する URL と、インストール先のデバイスを指定する必要があります。$ sudo coreos-installer install --ignition-url=http://<HTTP_server>/<node_type>.ign <device> --ignition-hash=sha512-<digest> 12
注記TLS を使用する HTTPS サーバーを使用して Ignition 設定ファイルを提供する場合は、
coreos-installer
を実行する前に、内部認証局 (CA) をシステムのトラストストアに追加できます。以下の例では、
/dev/sda
デバイスへのブートストラップノードのインストールを初期化します。ブートストラップノードの Ignition 設定ファイルは、IP アドレス 192.168.1.2 で HTTP Web サーバーから取得されます。$ sudo coreos-installer install --ignition-url=http://192.168.1.2:80/installation_directory/bootstrap.ign /dev/sda --ignition-hash=sha512-a5a2d43879223273c9b60af66b44202a1d1248fc01cf156c46d4a79f552b6bad47bc8cc78ddf0116e80c59d2ea9e32ba53bc807afbca581aa059311def2c3e3b
マシンのコンソールで RHCOS インストールの進捗を監視します。
重要OpenShift Container Platform のインストールを開始する前に、各ノードでインストールが成功していることを確認します。インストールプロセスを監視すると、発生する可能性のある RHCOS インストールの問題の原因を特定する上でも役立ちます。
- 継続してクラスター用の追加のコンピュートマシンを作成します。
4.5.3. PXE または iPXE ブートによる RHCOS マシンの作成
PXE または iPXE ブートを使用して、ベアメタルクラスターの追加の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを作成できます。
前提条件
- クラスターのコンピュートマシンの Ignition 設定ファイルの URL を取得します。このファイルがインストール時に HTTP サーバーにアップロードされている必要があります。
-
クラスターのインストール時に HTTP サーバーにアップロードした RHCOS ISO イメージ、圧縮されたメタル BIOS、
kernel
、およびinitramfs
ファイルの URL を取得します。 - インストール時に OpenShift Container Platform クラスターのマシンを作成するために使用した PXE ブートインフラストラクチャーにアクセスできる必要があります。RHCOS のインストール後にマシンはローカルディスクから起動する必要があります。
-
UEFI を使用する場合、OpenShift Container Platform のインストール時に変更した
grub.conf
ファイルにアクセスできます。
手順
RHCOS イメージの PXE または iPXE インストールが正常に行われていることを確認します。
PXE の場合:
DEFAULT pxeboot TIMEOUT 20 PROMPT 0 LABEL pxeboot KERNEL http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-kernel-<architecture> 1 APPEND initrd=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img coreos.inst.install_dev=/dev/sda coreos.inst.ignition_url=http://<HTTP_server>/worker.ign coreos.live.rootfs_url=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img 2
- 1
- HTTP サーバーにアップロードしたライブ
kernel
ファイルの場所を指定します。 - 2
- HTTP サーバーにアップロードした RHCOS ファイルの場所を指定します。
initrd
パラメーターはライブinitramfs
ファイルの場所であり、coreos.inst.ignition_url
パラメーター値はワーカー Ignition 設定ファイルの場所であり、coreos.live.rootfs_url
パラメーター値はライブrootfs
ファイルの場所になります。coreos.inst.ignition_url
およびcoreos.live.rootfs_url
パラメーターは HTTP および HTTPS のみをサポートします。
注記この設定では、グラフィカルコンソールを使用するマシンでシリアルコンソールアクセスを有効にしません。別のコンソールを設定するには、
APPEND
行に 1 つ以上のconsole=
引数を追加します。たとえば、console=tty0 console=ttyS0
を追加して、最初の PC シリアルポートをプライマリーコンソールとして、グラフィカルコンソールをセカンダリーコンソールとして設定します。詳細は、How does one set up a serial terminal and/or console in Red Hat Enterprise Linux? を参照してください。iPXE (
x86_
64 +aarch64
):kernel http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-kernel-<architecture> initrd=main coreos.live.rootfs_url=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img coreos.inst.install_dev=/dev/sda coreos.inst.ignition_url=http://<HTTP_server>/worker.ign 1 2 initrd --name main http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img 3 boot
- 1
- HTTP サーバーにアップロードした RHCOS ファイルの場所を指定します。
kernel
パラメーター値はkernel
ファイルの場所であり、initrd=main
引数は UEFI システムでの起動に必要であり、coreos.live.rootfs_url
パラメーター値はワーカー Ignition 設定ファイルの場所であり、coreos.inst.ignition_url
パラメーター値はrootfs
のライブファイルの場所です。 - 2
- 複数の NIC を使用する場合、
ip
オプションに単一インターフェイスを指定します。たとえば、eno1
という名前の NIC で DHCP を使用するには、ip=eno1:dhcp
を設定します。 - 3
- HTTP サーバーにアップロードした
initramfs
ファイルの場所を指定します。
注記この設定では、グラフィカルコンソールを備えたマシンでのシリアルコンソールアクセスは有効になりません。別のコンソールを設定するには、
kernel
行に 1 つ以上のconsole=
引数を追加します。たとえば、console=tty0 console=ttyS0
を追加して、最初の PC シリアルポートをプライマリーコンソールとして、グラフィカルコンソールをセカンダリーコンソールとして設定します。詳細は、How does one set up a serial terminal and/or console in Red Hat Enterprise Linux? と、「高度な RHCOS インストール設定」セクションの「PXE および ISO インストール用シリアルコンソールの有効化」を参照してください。注記aarch64
アーキテクチャーで CoreOSkernel
をネットワークブートするには、IMAGE_GZIP
オプションが有効になっているバージョンの iPXE ビルドを使用する必要があります。iPXE のIMAGE_GZIP
オプション を参照してください。aarch64
上の PXE (第 2 段階として UEFI および GRUB を使用) の場合:menuentry 'Install CoreOS' { linux rhcos-<version>-live-kernel-<architecture> coreos.live.rootfs_url=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img coreos.inst.install_dev=/dev/sda coreos.inst.ignition_url=http://<HTTP_server>/worker.ign 1 2 initrd rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img 3 }
- 1
- HTTP/TFTP サーバーにアップロードした RHCOS ファイルの場所を指定します。
kernel
パラメーター値は、TFTP サーバー上のkernel
ファイルの場所になります。coreos.live.rootfs_url
パラメーター値はrootfs
ファイルの場所であり、coreos.inst.ignition_url
パラメーター値は HTTP サーバー上のブートストラップ Ignition 設定ファイルの場所になります。 - 2
- 複数の NIC を使用する場合、
ip
オプションに単一インターフェイスを指定します。たとえば、eno1
という名前の NIC で DHCP を使用するには、ip=eno1:dhcp
を設定します。 - 3
- TFTP サーバーにアップロードした
initramfs
ファイルの場所を指定します。
- PXE または iPXE インフラストラクチャーを使用して、クラスターに必要なコンピュートマシンを作成します。
4.5.4. マシンの証明書署名要求の承認
マシンをクラスターに追加する際に、追加したそれぞれのマシンに対して 2 つの保留状態の証明書署名要求 (CSR) が生成されます。これらの CSR が承認されていることを確認するか、必要な場合はそれらを承認してください。最初にクライアント要求を承認し、次にサーバー要求を承認する必要があります。
前提条件
- マシンがクラスターに追加されています。
手順
クラスターがマシンを認識していることを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 63m v1.27.3 master-1 Ready master 63m v1.27.3 master-2 Ready master 64m v1.27.3
出力には作成したすべてのマシンがリスト表示されます。
注記上記の出力には、一部の CSR が承認されるまで、ワーカーノード (ワーカーノードとも呼ばれる) が含まれない場合があります。
保留中の証明書署名要求 (CSR) を確認し、クラスターに追加したそれぞれのマシンのクライアントおよびサーバー要求に
Pending
またはApproved
ステータスが表示されていることを確認します。$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-8b2br 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending csr-8vnps 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending ...
この例では、2 つのマシンがクラスターに参加しています。このリストにはさらに多くの承認された CSR が表示される可能性があります。
追加したマシンの保留中の CSR すべてが
Pending
ステータスになった後に CSR が承認されない場合には、クラスターマシンの CSR を承認します。注記CSR のローテーションは自動的に実行されるため、クラスターにマシンを追加後 1 時間以内に CSR を承認してください。1 時間以内に承認しない場合には、証明書のローテーションが行われ、各ノードに 3 つ以上の証明書が存在するようになります。これらの証明書すべてを承認する必要があります。クライアントの CSR が承認された後に、Kubelet は提供証明書のセカンダリー CSR を作成します。これには、手動の承認が必要になります。次に、後続の提供証明書の更新要求は、Kubelet が同じパラメーターを持つ新規証明書を要求する場合に
machine-approver
によって自動的に承認されます。注記ベアメタルおよび他の user-provisioned infrastructure などのマシン API ではないプラットフォームで実行されているクラスターの場合、kubelet 提供証明書要求 (CSR) を自動的に承認する方法を実装する必要があります。要求が承認されない場合、API サーバーが kubelet に接続する際に提供証明書が必須であるため、
oc exec
、oc rsh
、およびoc logs
コマンドは正常に実行できません。Kubelet エンドポイントにアクセスする操作には、この証明書の承認が必要です。この方法は新規 CSR の有無を監視し、CSR がsystem:node
またはsystem:admin
グループのnode-bootstrapper
サービスアカウントによって提出されていることを確認し、ノードのアイデンティティーを確認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs --no-run-if-empty oc adm certificate approve
注記一部の Operator は、一部の CSR が承認されるまで利用できない可能性があります。
クライアント要求が承認されたら、クラスターに追加した各マシンのサーバー要求を確認する必要があります。
$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-bfd72 5m26s system:node:ip-10-0-50-126.us-east-2.compute.internal Pending csr-c57lv 5m26s system:node:ip-10-0-95-157.us-east-2.compute.internal Pending ...
残りの CSR が承認されず、それらが
Pending
ステータスにある場合、クラスターマシンの CSR を承認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs oc adm certificate approve
すべてのクライアントおよびサーバーの CSR が承認された後に、マシンのステータスが
Ready
になります。以下のコマンドを実行して、これを確認します。$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 73m v1.27.3 master-1 Ready master 73m v1.27.3 master-2 Ready master 74m v1.27.3 worker-0 Ready worker 11m v1.27.3 worker-1 Ready worker 11m v1.27.3
注記サーバー CSR の承認後にマシンが
Ready
ステータスに移行するまでに数分の時間がかかる場合があります。
関連情報
- CSR の詳細は、Certificate Signing Requests を参照してください。
4.6. z/VM を使用した IBM Z および IBM LinuxONE 上でマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成する
z/VM を使用して IBM Z® および IBM® LinuxONE (s390x
) 上にマルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含むクラスターを作成するには、既存の単一アーキテクチャーの x86_64
クラスターが必要です。その後、s390x
コンピュートマシンを OpenShift Container Platform クラスターに追加できます。
s390x
ノードをクラスターに追加する前に、クラスターをマルチアーキテクチャーペイロードを使用するクラスターにアップグレードする必要があります。マルチアーキテクチャーペイロードへの移行の詳細は、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを使用したクラスターへの移行 を参照してください。
次の手順では、z/VM インスタンスを使用して RHCOS コンピュートマシンを作成する方法を説明します。これにより、s390x
ノードをクラスターに追加し、マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含むクラスターをデプロイメントできるようになります。
4.6.1. クラスターの互換性の確認
異なるアーキテクチャーのコンピュートノードをクラスターに追加する前に、クラスターがマルチアーキテクチャー互換であることを確認する必要があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行すると、クラスターがアーキテクチャーペイロードを使用していることを確認できます。
$ oc adm release info -o jsonpath="{ .metadata.metadata}"
検証
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用しています。
{ "release.openshift.io/architecture": "multi", "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
その後、クラスターへのマルチアーキテクチャーコンピュートノードの追加を開始できます。
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用していません。
{ "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
重要クラスターを、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンをサポートするクラスターに移行するには、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターへの移行 の手順に従ってください。
4.6.2. z/VM を使用した IBM Z 上での RHCOS マシンの作成
z/VM を使用して IBM Z® 上で実行する Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンをさらに作成し、既存のクラスターに接続できます。
前提条件
- ノードのホスト名および逆引き参照を実行できるドメインネームサーバー (DNS) がある。
- 作成するマシンがアクセスできるプロビジョニングマシンで稼働している HTTP または HTTPS サーバーがある。
手順
UDP アグリゲーションを無効にします。
現在、UDP アグリゲーションは IBM Z® ではサポートされておらず、
x86_64
コントロールプレーンと追加のs390x
コンピュートマシンを備えたマルチアーキテクチャーコンピュートクラスターでは自動的に非アクティブ化されません。追加のコンピュートノードがクラスターに正しく追加されるようにするには、UDP アグリゲーションを手動で無効にする必要があります。次の内容を含む YAML ファイル
udp-aggregation-config.yaml
を作成します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap data: disable-udp-aggregation: "true" metadata: name: udp-aggregation-config namespace: openshift-network-operator
次のコマンドを実行して、ConfigMap リソースを作成します。
$ oc create -f udp-aggregation-config.yaml
次のコマンドを実行して、クラスターから Ignition 設定ファイルを抽出します。
$ oc extract -n openshift-machine-api secret/worker-user-data-managed --keys=userData --to=- > worker.ign
-
クラスターからエクスポートした
worker.ign
Ignition 設定ファイルを HTTP サーバーにアップロードします。このファイルの URL をメモします。 Ignition ファイルが URL で利用可能であることを検証できます。次の例では、コンピュートノードの Ignition 設定ファイルを取得します。
$ curl -k http://<HTTP_server>/worker.ign
次のコマンドを実行して、RHEL ライブ
kernel
、initramfs
、およびrootfs
ファイルをダウンロードします。$ curl -LO $(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' \ | jq -r '.architectures.s390x.artifacts.metal.formats.pxe.kernel.location')
$ curl -LO $(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' \ | jq -r '.architectures.s390x.artifacts.metal.formats.pxe.initramfs.location')
$ curl -LO $(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' \ | jq -r '.architectures.s390x.artifacts.metal.formats.pxe.rootfs.location')
-
ダウンロードした RHEL ライブ
kernel
、initramfs
、およびrootfs
ファイルを、追加する z/VM ゲストからアクセスできる HTTP または HTTPS サーバーに移動します。 z/VM ゲストのパラメーターファイルを作成します。次のパラメーターは仮想マシンに固有です。
オプション: 静的 IP アドレスを指定するには、次のエントリーをコロンで区切って
ip=
パラメーターを追加します。- マシンの IP アドレス。
- 空の文字列。
- ゲートウェイ。
- ネットマスク。
-
hostname.domainname
形式のマシンホストおよびドメイン名。この値を省略して、RHCOS に決定させるようにします。 - ネットワークインターフェイス名。この値を省略して、RHCOS に決定させるようにします。
-
値
none
。
-
coreos.inst.ignition_url=
には、worker.ign
ファイルへの URL を指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。 -
coreos.live.rootfs_url=
の場合、起動しているkernel
およびinitramfs
の一致する rootfs アーティファクトを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。 DASD タイプのディスクへのインストールには、以下のタスクを実行します。
-
coreos.inst.install_dev=
には、/dev/dasda
を指定します。 -
rd.dasd=
を使用して、RHCOS がインストールされる DASD を指定します。 その他のパラメーターはすべて変更しません。
以下はパラメーターファイルの例、
additional-worker-dasd.parm
です。rd.neednet=1 \ console=ttysclp0 \ coreos.inst.install_dev=/dev/dasda \ coreos.live.rootfs_url=http://cl1.provide.example.com:8080/assets/rhcos-live-rootfs.s390x.img \ coreos.inst.ignition_url=http://cl1.provide.example.com:8080/ignition/worker.ign \ ip=172.18.78.2::172.18.78.1:255.255.255.0:::none nameserver=172.18.78.1 \ rd.znet=qeth,0.0.bdf0,0.0.bdf1,0.0.bdf2,layer2=1,portno=0 \ zfcp.allow_lun_scan=0 \ rd.dasd=0.0.3490
パラメーターファイルのすべてのオプションを 1 行で記述し、改行文字がないことを確認します。
-
FCP タイプのディスクへのインストールには、以下のタスクを実行します。
rd.zfcp=<adapter>,<wwpn>,<lun>
を使用して RHCOS がインストールされる FCP ディスクを指定します。マルチパスの場合、それぞれの追加のステップについてこのステップを繰り返します。注記複数のパスを使用してインストールする場合は、問題が発生する可能性があるため、後でではなくインストールの直後にマルチパスを有効にする必要があります。
インストールデバイスを
coreos.inst.install_dev=/dev/sda
として設定します。注記追加の LUN が NPIV で設定される場合は、FCP に
zfcp.allow_lun_scan=0
が必要です。CSI ドライバーを使用するためにzfcp.allow_lun_scan=1
を有効にする必要がある場合などには、各ノードが別のノードのブートパーティションにアクセスできないように NPIV を設定する必要があります。その他のパラメーターはすべて変更しません。
重要マルチパスを完全に有効にするには、インストール後の追加の手順が必要です。詳細は、インストール後のマシン設定タスク の “RHCOS でのカーネル引数を使用したマルチパスの有効化“ を参照してください。
以下は、マルチパスを使用するワーカーノードのパラメーターファイルの例
additional-worker-fcp.parm
です。rd.neednet=1 \ console=ttysclp0 \ coreos.inst.install_dev=/dev/sda \ coreos.live.rootfs_url=http://cl1.provide.example.com:8080/assets/rhcos-live-rootfs.s390x.img \ coreos.inst.ignition_url=http://cl1.provide.example.com:8080/ignition/worker.ign \ ip=172.18.78.2::172.18.78.1:255.255.255.0:::none nameserver=172.18.78.1 \ rd.znet=qeth,0.0.bdf0,0.0.bdf1,0.0.bdf2,layer2=1,portno=0 \ zfcp.allow_lun_scan=0 \ rd.zfcp=0.0.1987,0x50050763070bc5e3,0x4008400B00000000 \ rd.zfcp=0.0.19C7,0x50050763070bc5e3,0x4008400B00000000 \ rd.zfcp=0.0.1987,0x50050763071bc5e3,0x4008400B00000000 \ rd.zfcp=0.0.19C7,0x50050763071bc5e3,0x4008400B00000000
パラメーターファイルのすべてのオプションを 1 行で記述し、改行文字がないことを確認します。
-
FTP などを使用し、
initramfs
、kernel
、パラメーターファイル、および RHCOS イメージを z/VM に転送します。FTP でファイルを転送し、仮想リーダーから起動する方法は、Z/VM 環境へのインストール を参照してください。 ファイルを z/VM ゲスト仮想マシンの仮想リーダーに punch します。
IBM® ドキュメントの PUNCH を参照してください。
ヒントCP PUNCH コマンドを使用するか、Linux を使用している場合は、vmur コマンドを使用して 2 つの z/VM ゲスト仮想マシン間でファイルを転送できます。
- ブートストラップマシンで CMS にログインします。
次のコマンドを実行して、リーダーからブートストラップマシンを IPL します。
$ ipl c
IBM® ドキュメントの IPL を参照してください。
4.6.3. マシンの証明書署名要求の承認
マシンをクラスターに追加する際に、追加したそれぞれのマシンに対して 2 つの保留状態の証明書署名要求 (CSR) が生成されます。これらの CSR が承認されていることを確認するか、必要な場合はそれらを承認してください。最初にクライアント要求を承認し、次にサーバー要求を承認する必要があります。
前提条件
- マシンがクラスターに追加されています。
手順
クラスターがマシンを認識していることを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 63m v1.27.3 master-1 Ready master 63m v1.27.3 master-2 Ready master 64m v1.27.3
出力には作成したすべてのマシンがリスト表示されます。
注記上記の出力には、一部の CSR が承認されるまで、ワーカーノード (ワーカーノードとも呼ばれる) が含まれない場合があります。
保留中の証明書署名要求 (CSR) を確認し、クラスターに追加したそれぞれのマシンのクライアントおよびサーバー要求に
Pending
またはApproved
ステータスが表示されていることを確認します。$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-8b2br 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending csr-8vnps 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending ...
この例では、2 つのマシンがクラスターに参加しています。このリストにはさらに多くの承認された CSR が表示される可能性があります。
追加したマシンの保留中の CSR すべてが
Pending
ステータスになった後に CSR が承認されない場合には、クラスターマシンの CSR を承認します。注記CSR のローテーションは自動的に実行されるため、クラスターにマシンを追加後 1 時間以内に CSR を承認してください。1 時間以内に承認しない場合には、証明書のローテーションが行われ、各ノードに 3 つ以上の証明書が存在するようになります。これらの証明書すべてを承認する必要があります。クライアントの CSR が承認された後に、Kubelet は提供証明書のセカンダリー CSR を作成します。これには、手動の承認が必要になります。次に、後続の提供証明書の更新要求は、Kubelet が同じパラメーターを持つ新規証明書を要求する場合に
machine-approver
によって自動的に承認されます。注記ベアメタルおよび他の user-provisioned infrastructure などのマシン API ではないプラットフォームで実行されているクラスターの場合、kubelet 提供証明書要求 (CSR) を自動的に承認する方法を実装する必要があります。要求が承認されない場合、API サーバーが kubelet に接続する際に提供証明書が必須であるため、
oc exec
、oc rsh
、およびoc logs
コマンドは正常に実行できません。Kubelet エンドポイントにアクセスする操作には、この証明書の承認が必要です。この方法は新規 CSR の有無を監視し、CSR がsystem:node
またはsystem:admin
グループのnode-bootstrapper
サービスアカウントによって提出されていることを確認し、ノードのアイデンティティーを確認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs --no-run-if-empty oc adm certificate approve
注記一部の Operator は、一部の CSR が承認されるまで利用できない可能性があります。
クライアント要求が承認されたら、クラスターに追加した各マシンのサーバー要求を確認する必要があります。
$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-bfd72 5m26s system:node:ip-10-0-50-126.us-east-2.compute.internal Pending csr-c57lv 5m26s system:node:ip-10-0-95-157.us-east-2.compute.internal Pending ...
残りの CSR が承認されず、それらが
Pending
ステータスにある場合、クラスターマシンの CSR を承認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs oc adm certificate approve
すべてのクライアントおよびサーバーの CSR が承認された後に、マシンのステータスが
Ready
になります。以下のコマンドを実行して、これを確認します。$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 73m v1.27.3 master-1 Ready master 73m v1.27.3 master-2 Ready master 74m v1.27.3 worker-0 Ready worker 11m v1.27.3 worker-1 Ready worker 11m v1.27.3
注記サーバー CSR の承認後にマシンが
Ready
ステータスに移行するまでに数分の時間がかかる場合があります。
関連情報
- CSR の詳細は、Certificate Signing Requests を参照してください。
4.7. RHEL KVM を使用した IBM Z および IBM LinuxONE 上でマルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含むクラスターを作成する
RHEL KVM を使用して IBM Z® および IBM® LinuxONE (s390x
) 上のマルチアーキテクチャーコンピュートマシンでクラスターを作成するには、既存の単一アーキテクチャー x86_64
クラスターが必要です。その後、s390x
コンピュートマシンを OpenShift Container Platform クラスターに追加できます。
s390x
ノードをクラスターに追加する前に、クラスターをマルチアーキテクチャーペイロードを使用するクラスターにアップグレードする必要があります。マルチアーキテクチャーペイロードへの移行の詳細は、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを使用したクラスターへの移行 を参照してください。
次の手順では、RHEL KVM インスタンスを使用して RHCOS コンピュートマシンを作成する方法を説明します。これにより、s390x
ノードをクラスターに追加し、マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含むクラスターをデプロイメントできるようになります。
4.7.1. クラスターの互換性の確認
異なるアーキテクチャーのコンピュートノードをクラスターに追加する前に、クラスターがマルチアーキテクチャー互換であることを確認する必要があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行すると、クラスターがアーキテクチャーペイロードを使用していることを確認できます。
$ oc adm release info -o jsonpath="{ .metadata.metadata}"
検証
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用しています。
{ "release.openshift.io/architecture": "multi", "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
その後、クラスターへのマルチアーキテクチャーコンピュートノードの追加を開始できます。
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用していません。
{ "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
重要クラスターを、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンをサポートするクラスターに移行するには、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターへの移行 の手順に従ってください。
4.7.2. virt-install
を使用した RHCOS マシンの作成
virt-install
を使用すると、クラスター用にさらに Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを作成できます。
前提条件
- この手順では RHEL KVM ホストと呼ばれる、KVM を使用する RHEL 8.7 以降で実行されている少なくとも 1 つの LPAR がある。
- KVM/QEMU ハイパーバイザーが RHEL KVM ホストにインストーされている
- ノードのホスト名および逆引き参照を実行できるドメインネームサーバー (DNS) がある。
- HTTP または HTTPS サーバーが設定されている。
手順
UDP アグリゲーションを無効にします。
現在、UDP アグリゲーションは IBM Z® ではサポートされておらず、
x86_64
コントロールプレーンと追加のs390x
コンピュートマシンを備えたマルチアーキテクチャーコンピュートクラスターでは自動的に非アクティブ化されません。追加のコンピュートノードがクラスターに正しく追加されるようにするには、UDP アグリゲーションを手動で無効にする必要があります。次の内容を含む YAML ファイル
udp-aggregation-config.yaml
を作成します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap data: disable-udp-aggregation: "true" metadata: name: udp-aggregation-config namespace: openshift-network-operator
次のコマンドを実行して、ConfigMap リソースを作成します。
$ oc create -f udp-aggregation-config.yaml
次のコマンドを実行して、クラスターから Ignition 設定ファイルを抽出します。
$ oc extract -n openshift-machine-api secret/worker-user-data-managed --keys=userData --to=- > worker.ign
-
クラスターからエクスポートした
worker.ign
Ignition 設定ファイルを HTTP サーバーにアップロードします。このファイルの URL をメモします。 Ignition ファイルが URL で利用可能であることを検証できます。次の例では、コンピュートノードの Ignition 設定ファイルを取得します。
$ curl -k http://<HTTP_server>/worker.ign
次のコマンドを実行して、RHEL ライブ
kernel
、initramfs
、およびrootfs
ファイルをダウンロードします。$ curl -LO $(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' \ | jq -r '.architectures.s390x.artifacts.metal.formats.pxe.kernel.location')
$ curl -LO $(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' \ | jq -r '.architectures.s390x.artifacts.metal.formats.pxe.initramfs.location')
$ curl -LO $(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' \ | jq -r '.architectures.s390x.artifacts.metal.formats.pxe.rootfs.location')
-
virt-install
を起動する前に、ダウンロードした RHEL ライブのkernel
ファイル、initramfs
ファイル、およびrootfs
ファイルを HTTP または HTTPS サーバーに移動します。 RHEL
kernel
、initramfs
、および Ignition ファイル、新規ディスクイメージ、および調整された parm 引数を使用して、新規 KVM ゲストノードを作成します。$ virt-install \ --connect qemu:///system \ --name <vm_name> \ --autostart \ --os-variant rhel9.2 \ 1 --cpu host \ --vcpus <vcpus> \ --memory <memory_mb> \ --disk <vm_name>.qcow2,size=<image_size> \ --network network=<virt_network_parm> \ --location <media_location>,kernel=<rhcos_kernel>,initrd=<rhcos_initrd> \ 2 --extra-args "rd.neednet=1" \ --extra-args "coreos.inst.install_dev=/dev/vda" \ --extra-args "coreos.inst.ignition_url=<worker_ign>" \ 3 --extra-args "coreos.live.rootfs_url=<rhcos_rootfs>" \ 4 --extra-args "ip=<ip>::<default_gateway>:<subnet_mask_length>:<hostname>::none:<MTU>" \ 5 --extra-args "nameserver=<dns>" \ --extra-args "console=ttysclp0" \ --noautoconsole \ --wait
- 1
os-variant
には、RHCOS コンピュートマシンの RHEL バージョンを指定します。rhel9.2
が推奨バージョンです。オペレーティングシステムのサポートされている RHEL バージョンを照会するには、次のコマンドを実行します。$ osinfo-query os -f short-id
注記os-variant
では大文字と小文字が区別されます。- 2
--location
には、HTTP サーバーまたは HTTPS サーバーのカーネル/initrd の場所を指定します。- 3
coreos.inst.ignition_url=
には、マシンロールのworker.ign
Ignition ファイルを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。- 4
coreos.live.rootfs_url=
の場合、起動しているkernel
およびinitramfs
の一致する rootfs アーティファクトを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。- 5
- オプション:
hostname
には、クライアントマシンの完全修飾ホスト名を指定します。
注記HAProxy をロードバランサーとして使用している場合は、
/etc/haproxy/haproxy.cfg
設定ファイル内のingress-router-443
およびingress-router-80
の HAProxy ルールを更新します。- 継続してクラスター用の追加のコンピュートマシンを作成します。
4.7.3. マシンの証明書署名要求の承認
マシンをクラスターに追加する際に、追加したそれぞれのマシンに対して 2 つの保留状態の証明書署名要求 (CSR) が生成されます。これらの CSR が承認されていることを確認するか、必要な場合はそれらを承認してください。最初にクライアント要求を承認し、次にサーバー要求を承認する必要があります。
前提条件
- マシンがクラスターに追加されています。
手順
クラスターがマシンを認識していることを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 63m v1.27.3 master-1 Ready master 63m v1.27.3 master-2 Ready master 64m v1.27.3
出力には作成したすべてのマシンがリスト表示されます。
注記上記の出力には、一部の CSR が承認されるまで、ワーカーノード (ワーカーノードとも呼ばれる) が含まれない場合があります。
保留中の証明書署名要求 (CSR) を確認し、クラスターに追加したそれぞれのマシンのクライアントおよびサーバー要求に
Pending
またはApproved
ステータスが表示されていることを確認します。$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-8b2br 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending csr-8vnps 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending ...
この例では、2 つのマシンがクラスターに参加しています。このリストにはさらに多くの承認された CSR が表示される可能性があります。
追加したマシンの保留中の CSR すべてが
Pending
ステータスになった後に CSR が承認されない場合には、クラスターマシンの CSR を承認します。注記CSR のローテーションは自動的に実行されるため、クラスターにマシンを追加後 1 時間以内に CSR を承認してください。1 時間以内に承認しない場合には、証明書のローテーションが行われ、各ノードに 3 つ以上の証明書が存在するようになります。これらの証明書すべてを承認する必要があります。クライアントの CSR が承認された後に、Kubelet は提供証明書のセカンダリー CSR を作成します。これには、手動の承認が必要になります。次に、後続の提供証明書の更新要求は、Kubelet が同じパラメーターを持つ新規証明書を要求する場合に
machine-approver
によって自動的に承認されます。注記ベアメタルおよび他の user-provisioned infrastructure などのマシン API ではないプラットフォームで実行されているクラスターの場合、kubelet 提供証明書要求 (CSR) を自動的に承認する方法を実装する必要があります。要求が承認されない場合、API サーバーが kubelet に接続する際に提供証明書が必須であるため、
oc exec
、oc rsh
、およびoc logs
コマンドは正常に実行できません。Kubelet エンドポイントにアクセスする操作には、この証明書の承認が必要です。この方法は新規 CSR の有無を監視し、CSR がsystem:node
またはsystem:admin
グループのnode-bootstrapper
サービスアカウントによって提出されていることを確認し、ノードのアイデンティティーを確認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs --no-run-if-empty oc adm certificate approve
注記一部の Operator は、一部の CSR が承認されるまで利用できない可能性があります。
クライアント要求が承認されたら、クラスターに追加した各マシンのサーバー要求を確認する必要があります。
$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-bfd72 5m26s system:node:ip-10-0-50-126.us-east-2.compute.internal Pending csr-c57lv 5m26s system:node:ip-10-0-95-157.us-east-2.compute.internal Pending ...
残りの CSR が承認されず、それらが
Pending
ステータスにある場合、クラスターマシンの CSR を承認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs oc adm certificate approve
すべてのクライアントおよびサーバーの CSR が承認された後に、マシンのステータスが
Ready
になります。以下のコマンドを実行して、これを確認します。$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 73m v1.27.3 master-1 Ready master 73m v1.27.3 master-2 Ready master 74m v1.27.3 worker-0 Ready worker 11m v1.27.3 worker-1 Ready worker 11m v1.27.3
注記サーバー CSR の承認後にマシンが
Ready
ステータスに移行するまでに数分の時間がかかる場合があります。
関連情報
- CSR の詳細は、Certificate Signing Requests を参照してください。
4.8. IBM Power 上でマルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含むクラスターを作成する
IBM Power® (ppc64le
) 上でマルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含むクラスターを作成するには、既存の単一アーキテクチャー (x86_64
) クラスターが必要です。その後、ppc64le
コンピュートマシンを OpenShift Container Platform クラスターに追加できます。
ppc64le
ノードをクラスターに追加する前に、クラスターをマルチアーキテクチャーペイロードを使用するクラスターにアップグレードする必要があります。マルチアーキテクチャーペイロードへの移行の詳細は、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを使用したクラスターへの移行 を参照してください。
次の手順では、ISO イメージまたはネットワーク PXE ブートを使用して RHCOS コンピューティングマシンを作成する方法を説明します。これにより、ppc64le
ノードをクラスターに追加し、マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを含むクラスターをデプロイできるようになります。
4.8.1. クラスターの互換性の確認
異なるアーキテクチャーのコンピュートノードをクラスターに追加する前に、クラスターがマルチアーキテクチャー互換であることを確認する必要があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
複数のアーキテクチャーを使用する場合、OpenShift Container Platform ノードのホストは同じストレージレイヤーを共有する必要があります。同じストレージレイヤーがない場合は、nfs-provisioner
などのストレージプロバイダーを使用します。
コンピュートプレーンとコントロールプレーン間のネットワークホップ数をできる限り制限する必要があります。
手順
次のコマンドを実行すると、クラスターがアーキテクチャーペイロードを使用していることを確認できます。
$ oc adm release info -o jsonpath="{ .metadata.metadata}"
検証
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用しています。
{ "release.openshift.io/architecture": "multi", "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
その後、クラスターへのマルチアーキテクチャーコンピュートノードの追加を開始できます。
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用していません。
{ "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
重要クラスターを、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンをサポートするクラスターに移行するには、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターへの移行 の手順に従ってください。
4.8.2. ISO イメージを使用した RHCOS マシンの作成
ISO イメージを使用して、クラスターの追加の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを作成できます。
前提条件
- クラスターのコンピュートマシンの Ignition 設定ファイルの URL を取得します。このファイルがインストール時に HTTP サーバーにアップロードされている必要があります。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行して、クラスターから Ignition 設定ファイルを抽出します。
$ oc extract -n openshift-machine-api secret/worker-user-data-managed --keys=userData --to=- > worker.ign
-
クラスターからエクスポートした
worker.ign
Ignition 設定ファイルを HTTP サーバーにアップロードします。これらのファイルの URL をメモします。 Ignition ファイルが URL で利用可能であることを検証できます。次の例では、コンピュートノードの Ignition 設定ファイルを取得します。
$ curl -k http://<HTTP_server>/worker.ign
次のコマンドを実行すると、新しいマシンを起動するための ISO イメージにアクセスできます。
RHCOS_VHD_ORIGIN_URL=$(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' | jq -r '.architectures.<architecture>.artifacts.metal.formats.iso.disk.location')
ISO ファイルを使用して、追加のコンピュートマシンに RHCOS をインストールします。クラスターのインストール前にマシンを作成する際に使用したのと同じ方法を使用します。
- ディスクに ISO イメージを書き込み、これを直接起動します。
- LOM インターフェイスで ISO リダイレクトを使用します。
オプションを指定したり、ライブ起動シーケンスを中断したりせずに、RHCOS ISO イメージを起動します。インストーラーが RHCOS ライブ環境でシェルプロンプトを起動するのを待ちます。
注記RHCOS インストールの起動プロセスを中断して、カーネル引数を追加できます。ただし、この ISO 手順では、カーネル引数を追加する代わりに、次の手順で概説するように
coreos-installer
コマンドを使用する必要があります。coreos-installer
コマンドを実行し、インストール要件を満たすオプションを指定します。少なくとも、ノードタイプの Ignition 設定ファイルを参照する URL と、インストール先のデバイスを指定する必要があります。$ sudo coreos-installer install --ignition-url=http://<HTTP_server>/<node_type>.ign <device> --ignition-hash=sha512-<digest> 12
注記TLS を使用する HTTPS サーバーを使用して Ignition 設定ファイルを提供する場合は、
coreos-installer
を実行する前に、内部認証局 (CA) をシステムのトラストストアに追加できます。以下の例では、
/dev/sda
デバイスへのブートストラップノードのインストールを初期化します。ブートストラップノードの Ignition 設定ファイルは、IP アドレス 192.168.1.2 で HTTP Web サーバーから取得されます。$ sudo coreos-installer install --ignition-url=http://192.168.1.2:80/installation_directory/bootstrap.ign /dev/sda --ignition-hash=sha512-a5a2d43879223273c9b60af66b44202a1d1248fc01cf156c46d4a79f552b6bad47bc8cc78ddf0116e80c59d2ea9e32ba53bc807afbca581aa059311def2c3e3b
マシンのコンソールで RHCOS インストールの進捗を監視します。
重要OpenShift Container Platform のインストールを開始する前に、各ノードでインストールが成功していることを確認します。インストールプロセスを監視すると、発生する可能性のある RHCOS インストールの問題の原因を特定する上でも役立ちます。
- 継続してクラスター用の追加のコンピュートマシンを作成します。
4.8.3. PXE または iPXE ブートによる RHCOS マシンの作成
PXE または iPXE ブートを使用して、ベアメタルクラスターの追加の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを作成できます。
前提条件
- クラスターのコンピュートマシンの Ignition 設定ファイルの URL を取得します。このファイルがインストール時に HTTP サーバーにアップロードされている必要があります。
-
クラスターのインストール時に HTTP サーバーにアップロードした RHCOS ISO イメージ、圧縮されたメタル BIOS、
kernel
、およびinitramfs
ファイルの URL を取得します。 - インストール時に OpenShift Container Platform クラスターのマシンを作成するために使用した PXE ブートインフラストラクチャーにアクセスできる必要があります。RHCOS のインストール後にマシンはローカルディスクから起動する必要があります。
-
UEFI を使用する場合、OpenShift Container Platform のインストール時に変更した
grub.conf
ファイルにアクセスできます。
手順
RHCOS イメージの PXE または iPXE インストールが正常に行われていることを確認します。
PXE の場合:
DEFAULT pxeboot TIMEOUT 20 PROMPT 0 LABEL pxeboot KERNEL http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-kernel-<architecture> 1 APPEND initrd=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img coreos.inst.install_dev=/dev/sda coreos.inst.ignition_url=http://<HTTP_server>/worker.ign coreos.live.rootfs_url=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img 2
- 1
- HTTP サーバーにアップロードしたライブ
kernel
ファイルの場所を指定します。 - 2
- HTTP サーバーにアップロードした RHCOS ファイルの場所を指定します。
initrd
パラメーターはライブinitramfs
ファイルの場所であり、coreos.inst.ignition_url
パラメーター値はワーカー Ignition 設定ファイルの場所であり、coreos.live.rootfs_url
パラメーター値はライブrootfs
ファイルの場所になります。coreos.inst.ignition_url
およびcoreos.live.rootfs_url
パラメーターは HTTP および HTTPS のみをサポートします。
注記この設定では、グラフィカルコンソールを使用するマシンでシリアルコンソールアクセスを有効にしません。別のコンソールを設定するには、
APPEND
行に 1 つ以上のconsole=
引数を追加します。たとえば、console=tty0 console=ttyS0
を追加して、最初の PC シリアルポートをプライマリーコンソールとして、グラフィカルコンソールをセカンダリーコンソールとして設定します。詳細は、How does one set up a serial terminal and/or console in Red Hat Enterprise Linux? を参照してください。iPXE (
x86_64
+ppc64le
) の場合:kernel http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-kernel-<architecture> initrd=main coreos.live.rootfs_url=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img coreos.inst.install_dev=/dev/sda coreos.inst.ignition_url=http://<HTTP_server>/worker.ign 1 2 initrd --name main http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img 3 boot
- 1
- HTTP サーバーにアップロードした RHCOS ファイルの場所を指定します。
kernel
パラメーター値はkernel
ファイルの場所であり、initrd=main
引数は UEFI システムでの起動に必要であり、coreos.live.rootfs_url
パラメーター値はワーカー Ignition 設定ファイルの場所であり、coreos.inst.ignition_url
パラメーター値はrootfs
のライブファイルの場所です。 - 2
- 複数の NIC を使用する場合、
ip
オプションに単一インターフェイスを指定します。たとえば、eno1
という名前の NIC で DHCP を使用するには、ip=eno1:dhcp
を設定します。 - 3
- HTTP サーバーにアップロードした
initramfs
ファイルの場所を指定します。
注記この設定では、グラフィカルコンソールを備えたマシンでのシリアルコンソールアクセスは有効になりません。別のコンソールを設定するには、
kernel
行に 1 つ以上のconsole=
引数を追加します。たとえば、console=tty0 console=ttyS0
を追加して、最初の PC シリアルポートをプライマリーコンソールとして、グラフィカルコンソールをセカンダリーコンソールとして設定します。詳細は、How does one set up a serial terminal and/or console in Red Hat Enterprise Linux? と、「高度な RHCOS インストール設定」セクションの「PXE および ISO インストール用シリアルコンソールの有効化」を参照してください。注記ppc64le
アーキテクチャーで CoreOSkernel
をネットワークブートするには、IMAGE_GZIP
オプションが有効になっているバージョンの iPXE ビルドを使用する必要があります。iPXE のIMAGE_GZIP
オプション を参照してください。ppc64le
上の PXE (第 2 段階として UEFI と GRUB を使用) の場合:menuentry 'Install CoreOS' { linux rhcos-<version>-live-kernel-<architecture> coreos.live.rootfs_url=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img coreos.inst.install_dev=/dev/sda coreos.inst.ignition_url=http://<HTTP_server>/worker.ign 1 2 initrd rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img 3 }
- 1
- HTTP/TFTP サーバーにアップロードした RHCOS ファイルの場所を指定します。
kernel
パラメーター値は、TFTP サーバー上のkernel
ファイルの場所になります。coreos.live.rootfs_url
パラメーター値はrootfs
ファイルの場所であり、coreos.inst.ignition_url
パラメーター値は HTTP サーバー上のブートストラップ Ignition 設定ファイルの場所になります。 - 2
- 複数の NIC を使用する場合、
ip
オプションに単一インターフェイスを指定します。たとえば、eno1
という名前の NIC で DHCP を使用するには、ip=eno1:dhcp
を設定します。 - 3
- TFTP サーバーにアップロードした
initramfs
ファイルの場所を指定します。
- PXE または iPXE インフラストラクチャーを使用して、クラスターに必要なコンピュートマシンを作成します。
4.8.4. マシンの証明書署名要求の承認
マシンをクラスターに追加する際に、追加したそれぞれのマシンに対して 2 つの保留状態の証明書署名要求 (CSR) が生成されます。これらの CSR が承認されていることを確認するか、必要な場合はそれらを承認してください。最初にクライアント要求を承認し、次にサーバー要求を承認する必要があります。
前提条件
- マシンがクラスターに追加されています。
手順
クラスターがマシンを認識していることを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 63m v1.27.3 master-1 Ready master 63m v1.27.3 master-2 Ready master 64m v1.27.3
出力には作成したすべてのマシンがリスト表示されます。
注記上記の出力には、一部の CSR が承認されるまで、ワーカーノード (ワーカーノードとも呼ばれる) が含まれない場合があります。
保留中の証明書署名要求 (CSR) を確認し、クラスターに追加したそれぞれのマシンのクライアントおよびサーバー要求に
Pending
またはApproved
ステータスが表示されていることを確認します。$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-8b2br 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending csr-8vnps 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending ...
この例では、2 つのマシンがクラスターに参加しています。このリストにはさらに多くの承認された CSR が表示される可能性があります。
追加したマシンの保留中の CSR すべてが
Pending
ステータスになった後に CSR が承認されない場合には、クラスターマシンの CSR を承認します。注記CSR のローテーションは自動的に実行されるため、クラスターにマシンを追加後 1 時間以内に CSR を承認してください。1 時間以内に承認しない場合には、証明書のローテーションが行われ、各ノードに 3 つ以上の証明書が存在するようになります。これらの証明書すべてを承認する必要があります。クライアントの CSR が承認された後に、Kubelet は提供証明書のセカンダリー CSR を作成します。これには、手動の承認が必要になります。次に、後続の提供証明書の更新要求は、Kubelet が同じパラメーターを持つ新規証明書を要求する場合に
machine-approver
によって自動的に承認されます。注記ベアメタルおよび他の user-provisioned infrastructure などのマシン API ではないプラットフォームで実行されているクラスターの場合、kubelet 提供証明書要求 (CSR) を自動的に承認する方法を実装する必要があります。要求が承認されない場合、API サーバーが kubelet に接続する際に提供証明書が必須であるため、
oc exec
、oc rsh
、およびoc logs
コマンドは正常に実行できません。Kubelet エンドポイントにアクセスする操作には、この証明書の承認が必要です。この方法は新規 CSR の有無を監視し、CSR がsystem:node
またはsystem:admin
グループのnode-bootstrapper
サービスアカウントによって提出されていることを確認し、ノードのアイデンティティーを確認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs --no-run-if-empty oc adm certificate approve
注記一部の Operator は、一部の CSR が承認されるまで利用できない可能性があります。
クライアント要求が承認されたら、クラスターに追加した各マシンのサーバー要求を確認する必要があります。
$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-bfd72 5m26s system:node:ip-10-0-50-126.us-east-2.compute.internal Pending csr-c57lv 5m26s system:node:ip-10-0-95-157.us-east-2.compute.internal Pending ...
残りの CSR が承認されず、それらが
Pending
ステータスにある場合、クラスターマシンの CSR を承認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs oc adm certificate approve
すべてのクライアントおよびサーバーの CSR が承認された後に、マシンのステータスが
Ready
になります。以下のコマンドを実行して、これを確認します。$ oc get nodes -o wide
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION INTERNAL-IP EXTERNAL-IP OS-IMAGE KERNEL-VERSION CONTAINER-RUNTIME worker-0-ppc64le Ready worker 42d v1.28.2+e3ba6d9 192.168.200.21 <none> Red Hat Enterprise Linux CoreOS 415.92.202309261919-0 (Plow) 5.14.0-284.34.1.el9_2.ppc64le cri-o://1.28.1-3.rhaos4.15.gitb36169e.el9 worker-1-ppc64le Ready worker 42d v1.28.2+e3ba6d9 192.168.200.20 <none> Red Hat Enterprise Linux CoreOS 415.92.202309261919-0 (Plow) 5.14.0-284.34.1.el9_2.ppc64le cri-o://1.28.1-3.rhaos4.15.gitb36169e.el9 master-0-x86 Ready control-plane,master 75d v1.28.2+e3ba6d9 10.248.0.38 10.248.0.38 Red Hat Enterprise Linux CoreOS 415.92.202309261919-0 (Plow) 5.14.0-284.34.1.el9_2.x86_64 cri-o://1.28.1-3.rhaos4.15.gitb36169e.el9 master-1-x86 Ready control-plane,master 75d v1.28.2+e3ba6d9 10.248.0.39 10.248.0.39 Red Hat Enterprise Linux CoreOS 415.92.202309261919-0 (Plow) 5.14.0-284.34.1.el9_2.x86_64 cri-o://1.28.1-3.rhaos4.15.gitb36169e.el9 master-2-x86 Ready control-plane,master 75d v1.28.2+e3ba6d9 10.248.0.40 10.248.0.40 Red Hat Enterprise Linux CoreOS 415.92.202309261919-0 (Plow) 5.14.0-284.34.1.el9_2.x86_64 cri-o://1.28.1-3.rhaos4.15.gitb36169e.el9 worker-0-x86 Ready worker 75d v1.28.2+e3ba6d9 10.248.0.43 10.248.0.43 Red Hat Enterprise Linux CoreOS 415.92.202309261919-0 (Plow) 5.14.0-284.34.1.el9_2.x86_64 cri-o://1.28.1-3.rhaos4.15.gitb36169e.el9 worker-1-x86 Ready worker 75d v1.28.2+e3ba6d9 10.248.0.44 10.248.0.44 Red Hat Enterprise Linux CoreOS 415.92.202309261919-0 (Plow) 5.14.0-284.34.1.el9_2.x86_64 cri-o://1.28.1-3.rhaos4.15.gitb36169e.el9
注記サーバー CSR の承認後にマシンが
Ready
ステータスに移行するまでに数分の時間がかかる場合があります。
関連情報
- CSR の詳細は、Certificate Signing Requests を参照してください。
4.9. マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを使用したクラスターの管理
4.9.1. マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを使用したクラスター上でのワークロードのスケジュール設定
さまざまなアーキテクチャーのコンピュートノードを含むクラスターにワークロードをデプロイするには、クラスターの注意と監視が必要です。クラスターのノードに Pod を正常に配置するには、さらにアクションが必要な場合があります。
ノードアフィニティー、スケジューリング、テイント、許容範囲の詳細は、次のドキュメントを参照してください。
4.9.1.1. マルチアーキテクチャーノードのワークロードデプロイメントのサンプル
異なるアーキテクチャーのコンピュートノードを含むクラスター上でワークロードをスケジュールする前に、次の使用例を考慮してください。
- ノードアフィニティーを使用してノード上のワークロードをスケジュールする
イメージによってサポートされるアーキテクチャーを持つ一連のノード上でのみワークロードをスケジュールできるようにすることができ、Pod のテンプレート仕様で
spec.affinity.nodeAffinity
フィールドを設定できます。特定のアーキテクチャーに設定された
nodeAffinity
を使用したデプロイメントの例apiVersion: apps/v1 kind: Deployment metadata: # ... spec: # ... template: # ... spec: affinity: nodeAffinity: requiredDuringSchedulingIgnoredDuringExecution: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/arch operator: In values: 1 - amd64 - arm64
- 1
- サポートされるアーキテクチャーを指定します。有効な値には、
amd64
、arm64
、または両方の値が含まれます。
- 特定のアーキテクチャー向けにすべてのノードを taint する
ノードを taint して、そのノード上でそのアーキテクチャーと互換性のないワークロードがスケジュールされるのを回避できます。クラスターが
MachineSet
オブジェクトを使用している場合は、サポートされていないアーキテクチャーのノードでワークロードがスケジュールされるのを回避するために、パラメーターを.spec.template.spec.taints
フィールドに追加できます。ノードを taint する前に、
MachineSet
オブジェクトをスケールダウンするか、使用可能なマシンを削除する必要があります。次のコマンドのいずれかを使用して、マシンセットをスケールダウンできます。$ oc scale --replicas=0 machineset <machineset> -n openshift-machine-api
または、以下を実行します。
$ oc edit machineset <machineset> -n openshift-machine-api
マシンセットのスケーリングの詳細は、「コンピュートマシンセットの変更」を参照してください。
taint セットを含む
MachineSet
の例apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: # ... spec: # ... template: # ... spec: # ... taints: - effect: NoSchedule key: multi-arch.openshift.io/arch value: arm64
次のコマンドを実行して、特定のノードに taint を設定することもできます。
$ oc adm taint nodes <node-name> multi-arch.openshift.io/arch=arm64:NoSchedule
- デフォルト許容範囲の作成
次のコマンドを実行して、namespace にアノテーションを付けて、すべてのワークロードが同じデフォルトの許容範囲を取得できるようにすることができます。
$ oc annotate namespace my-namespace \ 'scheduler.alpha.kubernetes.io/defaultTolerations'='[{"operator": "Exists", "effect": "NoSchedule", "key": "multi-arch.openshift.io/arch"}]'
- ワークロードにおけるアーキテクチャーの taint を許容する
taint が定義されたノードでは、そのノード上でワークロードはスケジュールされません。ただし、Pod の仕様で toleration を設定することで、スケジュールを許可できます。
許容を備えた導入例
apiVersion: apps/v1 kind: Deployment metadata: # ... spec: # ... template: # ... spec: tolerations: - key: "multi-arch.openshift.io/arch" value: "arm64" operator: "Equal" effect: "NoSchedule"
このデプロイメント例は、
multi-arch.openshift.io/arch=arm64
taint が指定されたノードでも許可できます。- taint および許容でのノードアフィニティーの使用
スケジューラーが Pod をスケジュールするためにノードのセットを計算する場合は、ノードアフィニティーによってセットが制限される一方で、許容によってセットが拡大する可能性があります。特定のアーキテクチャーのノードに taint を設定する場合、Pod のスケジュールには次の例の許容が必要です。
ノードアフィニティーと許容セットを使用したデプロイメントの例。
apiVersion: apps/v1 kind: Deployment metadata: # ... spec: # ... template: # ... spec: affinity: nodeAffinity: requiredDuringSchedulingIgnoredDuringExecution: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/arch operator: In values: - amd64 - arm64 tolerations: - key: "multi-arch.openshift.io/arch" value: "arm64" operator: "Equal" effect: "NoSchedule"
関連情報
4.9.2. マルチアーキテクチャーコンピューティングマシンのイメージストリームにマニフェストリストをインポートする
マルチアーキテクチャーの計算マシンを持つ OpenShift Container Platform 4.14 クラスターでは、クラスター内のイメージストリームはマニフェストリストを自動的にインポートしません。マニフェストリストをインポートするには、デフォルトの importMode
オプションを PreserveOriginal
オプションに手動で変更する必要があります。
前提条件
-
OpenShift Container Platform CLI (
oc
) をインストールしている。
手順
次のコマンド例は、
ImageStream
cli-artifacts にパッチを適用して、cli-artifacts:latest
イメージストリームタグがマニフェストリストとしてインポートされるようにする方法を示しています。$ oc patch is/cli-artifacts -n openshift -p '{"spec":{"tags":[{"name":"latest","importPolicy":{"importMode":"PreserveOriginal"}}]}}'
検証
イメージストリームタグを調べて、マニフェストリストが正しくインポートされたことを確認できます。次のコマンドは、特定のタグの個々のアーキテクチャーマニフェストを一覧表示します。
$ oc get istag cli-artifacts:latest -n openshift -oyaml
dockerImageManifests
オブジェクトが存在する場合、マニフェストリストのインポートは成功しています。dockerImageManifests
オブジェクトの出力例dockerImageManifests: - architecture: amd64 digest: sha256:16d4c96c52923a9968fbfa69425ec703aff711f1db822e4e9788bf5d2bee5d77 manifestSize: 1252 mediaType: application/vnd.docker.distribution.manifest.v2+json os: linux - architecture: arm64 digest: sha256:6ec8ad0d897bcdf727531f7d0b716931728999492709d19d8b09f0d90d57f626 manifestSize: 1252 mediaType: application/vnd.docker.distribution.manifest.v2+json os: linux - architecture: ppc64le digest: sha256:65949e3a80349cdc42acd8c5b34cde6ebc3241eae8daaeea458498fedb359a6a manifestSize: 1252 mediaType: application/vnd.docker.distribution.manifest.v2+json os: linux - architecture: s390x digest: sha256:75f4fa21224b5d5d511bea8f92dfa8e1c00231e5c81ab95e83c3013d245d1719 manifestSize: 1252 mediaType: application/vnd.docker.distribution.manifest.v2+json os: linux
第5章 インストール後のマシン設定タスク
OpenShift Container Platform ノードで実行しているオペレーティングシステムに変更を加える必要がある場合があります。これには、ネットワークタイムサービスの設定変更、カーネル引数の追加、特定の方法でのジャーナルの設定などが含まれます。
いくつかの特殊な機能のほかに、OpenShift Container Platform ノードのオペレーティングシステムへの変更のほとんどは、Machine Config Operator によって管理される MachineConfig
オブジェクトというオブジェクトを作成することで実行できます。
このセクションのタスクでは、Machine Config Operator の機能を使用して OpenShift Container Platform ノードでオペレーティングシステム機能を設定する方法を説明します。
NetworkManager は、新しいネットワーク設定を鍵ファイル形式で /etc/NetworkManager/system-connections/
に保存します。
以前は、NetworkManager が、新しいネットワーク設定を ifcfg 形式で /etc/sysconfig/network-scripts/
に保存していました。RHEL 9.0 以降では、RHEL は新しいネットワーク設定を鍵ファイル形式で /etc/NetworkManager/system-connections/
に保存します。以前の形式で /etc/sysconfig/network-scripts/
に保存された接続設定は、引き続き中断されることなく動作します。既存のプロファイルに変更を加えると、そのまま以前のファイルが更新されます。
5.1. Machine Config Operator について
OpenShift Container Platform 4.14 は、オペレーティングシステムとクラスター管理を統合します。クラスターは、クラスターノードでの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) への更新を含め、独自の更新を管理するため、OpenShift Container Platform では事前に設定されたライフサイクル管理が実行され、ノードのアップグレードのオーケストレーションが単純化されます。
OpenShift Container Platform は、ノードの管理を単純化するために 3 つのデーモンセットとコントローラーを採用しています。これらのデーモンセットは、Kubernetes 形式のコンストラクトを使用してオペレーティングシステムの更新とホストの設定変更をオーケストレーションします。これには、以下が含まれます。
-
machine-config-controller
: コントロールプレーンからマシンのアップグレードを調整します。すべてのクラスターノードを監視し、その設定の更新をオーケストレーションします。 -
machine-config-daemon
デーモンセット: クラスターの各ノードで実行され、machine config で定義された設定で、MachineConfigController の指示通りにマシンを更新します。 ノードは、変更を検知すると Pod からドレイン (解放) され、更新を適用して再起動します。これらの変更は、指定されたマシン設定を適用し、kubelet 設定を制御する Ignition 設定ファイルの形式で実行されます。更新自体はコンテナーで行われます。このプロセスは、OpenShift Container Platform と RHCOS の更新を同時に管理する際に不可欠です。 -
machine-config-server
デーモンセット: コントロールプレーンノードがクラスターに参加する際に Ignition 設定ファイルをコントロールプレーンノードに提供します。
このマシン設定は Ignition 設定のサブセットです。machine-config-daemon
はマシン設定を読み取り、OSTree の更新を行う必要があるか、一連の systemd kubelet ファイルの変更、設定の変更、オペレーティングシステムまたは OpenShift Container Platform 設定へのその他の変更などを適用する必要があるかを確認します。
ノード管理操作の実行時に、KubeletConfig
カスタムリソース (CR) を作成または変更します。
マシン設定への変更が行われると、Machine Config Operator (MCO) は変更を有効にするために、対応するすべてのノードを自動的に再起動します。
マシン設定の変更後、変更が適用される前にノードが自動的に起動されないようにするには、対応する machine config pool で spec.paused
フィールドを true
に設定して自動再起動プロセスを一時停止する必要があります。一時停止すると、spec.paused
フィールドを false
に設定し、ノードが新しい設定で再起動されるまで、マシン設定の変更は適用されません。
以下の変更は、ノードの再起動をトリガーしません。
MCO が以下の変更のいずれかを検出すると、ノードのドレインまたは再起動を行わずに更新を適用します。
-
マシン設定の
spec.config.passwd.users.sshAuthorizedKeys
パラメーターの SSH キーの変更。 -
openshift-config
namespace でのグローバルプルシークレットまたはプルシークレットへの変更。 -
Kubernetes API Server Operator による
/etc/kubernetes/kubelet-ca.crt
認証局 (CA) の自動ローテーション。
-
マシン設定の
MCO は、
/etc/containers/registries.conf
ファイルへの変更 (ImageDigestMirrorSet
、ImageTagMirrorSet
、またはImageContentSourcePolicy
オブジェクトの追加や編集など) を検出すると、対応するノードをドレインし、変更を適用し、ノードの分離を解除します。次の変更ではノードドレインは発生しません。-
pull-from-mirror = "digest-only"
パラメーターがミラーごとに設定されたレジストリーの追加。 -
pull-from-mirror = "digest-only"
パラメーターがレジストリーに設定されたミラーの追加。 -
unqualified-search-registries
へのアイテムの追加。
-
ノードの設定が、現在適用されている machine config で指定されているものと完全に一致しない場合があります。この状態は 設定ドリフト と呼ばれます。Machine Config Daemon (MCD) は、ノードの設定ドラフトを定期的にチェックします。MCD が設定のドリフトを検出すると、管理者がノード設定を修正するまで、MCO はノードを degraded
とマークします。degraded 状態のノードは、オンライン状態で動作していますが、更新することはできません。
5.1.1. マシン設定の概要
Machine Config Operator (MCO) は systemd、CRI-O、Kubelet、カーネル、ネットワークマネージャーその他のシステム機能への更新を管理します。また、これはホストに設定ファイルを書き込むことができる MachineConfig
CRD を提供します (machine-config-operator を参照)。MCO の機能や、これが他のコンポーネントとどのように対話するかを理解することは、詳細なシステムレベルの変更を OpenShift Container Platform クラスターに加える上で重要です。以下は、MCO、マシン設定、およびそれらの使用方法について知っておく必要のある点です。
- マシン設定は、名前のアルファベット順、辞書編集上の昇順に処理されます。レンダーコントローラーは、リストの最初のマシン設定をベースとして使用し、残りをベースマシン設定に追加します。
- マシン設定は、OpenShift Container Platform ノードのプールを表す各システムのオペレーティングシステムのファイルまたはサービスに特定の変更を加えることができます。
MCO はマシンのプールのオペレーティングシステムに変更を適用します。すべての OpenShift Container Platform クラスターについては、ワーカーおよびコントロールプレーンノードプールから始まります。ロールラベルを追加することで、ノードのカスタムプールを設定できます。たとえば、アプリケーションが必要とする特定のハードウェア機能が含まれるワーカーノードのカスタムプールを設定できます。ただし、このセクションの例では、デフォルトのプールタイプの変更に重点を置いています。
重要ノードには、
master
またはworker
などの複数のラベルを適用できますが、ノードを 単一 のマシン設定プールのメンバーにすることもできます。-
Machine Config Operator(MCO) は
topology.kubernetes.io/zone
ラベルに基づいて、ゾーンによってアルファベット順に影響を受けるノードを更新するようになりました。ゾーンに複数のノードがある場合、最も古いノードが最初に更新されます。ベアメタルデプロイメントなど、ゾーンを使用しないノードの場合、ノードは年齢別にアップグレードされ、最も古いノードが最初に更新されます。MCO は、マシン設定プールのmaxUnavailable
フィールドで指定されたノード数を一度に更新します。 - 一部のマシン設定は、OpenShift Container Platform がディスクにインストールされる前に行われる必要があります。ほとんどの場合、これは、インストール後のマシン設定として実行されるのではなく、OpenShift Container Platform インストーラープロセスに直接挿入されるマシン設定を作成して実行できます。他の場合に、ノードごとの個別 IP アドレスの設定や高度なディスクのパーティション設定などを行うには、OpenShift Container Platform インストーラーの起動時にカーネル引数を渡すベアメタルのインストールを実行する必要がある場合があります。
- MCO はマシン設定で設定される項目を管理します。MCO が競合するファイルを管理することを明示的に指示されない限り、システムに手動で行う変更は MCO によって上書きされることはありません。つまり、MCO は要求される特定の更新のみを行い、ノード全体に対する制御を要求しません。
- ノードの手動による変更は推奨されません。ノードの使用を中止して新規ノードを起動する必要がある場合は、それらの直接的な変更は失われます。
-
MCO は、
/etc
および/var
ディレクトリーのファイルに書き込みを行う場合にのみサポートされます。ただし、これらの領域のいずれかにシンボリックリンクを指定して書き込み可能になるディレクトリーへのシンボリックリンクもあります。/opt
および/usr/local
ディレクトリーが例になります。 - Ignition は MachineConfig で使用される設定形式です。詳細は、Ignition 設定仕様 v3.2.0 を参照してください。
- Ignition 設定は OpenShift Container Platform のインストール時に直接提供でき、MCO が Ignition 設定を提供するのと同じ方法でフォーマットできますが、MCO では元の Ignition 設定を確認する方法がありません。そのため、それらをデプロイする前に Ignition 設定をマシン設定にラップする必要があります。
-
MCO で管理されるファイルが MCO 外で変更されると、Machine Config Daemon (MCD) はノードを
degraded
として設定します。これは問題のあるファイルを上書きしませんが、継続してdegraded
状態で動作します。 -
マシン設定を使用する主な理由として、これは OpenShift Container Platform クラスターのプールに対して新規ノードを起動する際に適用されます。
machine-api-operator
は新規マシンをプロビジョニングし、MCO がこれを設定します。
MCO は Ignition を設定形式として使用します。OpenShift Container Platform バージョン 4.6 では、Ignition 設定仕様のバージョン 2 から 3 に移行しています。
5.1.1.1. マシン設定で変更できる設定
MCO で変更できるコンポーネントの種類には、以下が含まれます。
config: Ignition 設定オブジェクト (Ignition 設定仕様 を参照してください) を作成し、以下を含む OpenShift Container Platform マシン上でのファイル、systemd サービスおよびその他の機能の変更などを実行できます。
-
Configuration files:
/var
または/etc
ディレクトリーでファイルを作成するか、上書きします。 - systemd units: systemd サービスを作成し、そのステータスを設定するか、追加設定により既存の systemd サービスに追加します。
users and groups: インストール後に passwd セクションで SSH キーを変更します。
重要-
マシン設定を使用した SSH キーの変更は、
core
ユーザーにのみサポートされています。 - マシン設定を使用した新しいユーザーの追加はサポートされていません。
-
マシン設定を使用した SSH キーの変更は、
-
Configuration files:
- kernelArguments: OpenShift Container Platform ノードの起動時に、引数をカーネルコマンドラインに追加します。
-
kernelType: オプションで、標準カーネルの代わりに使用する標準以外のカーネルを特定します。(RAN の) RT カーネルを使用するには、
realtime
を使用します。これは一部のプラットフォームでのみサポートされます。 - fips: FIPS モードを有効にします。FIPS は、インストール後の手順ではなく、インストール時に設定する必要があります。
クラスターで FIPS モードを有効にするには、FIPS モードで動作するように設定された Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピューターからインストールプログラムを実行する必要があります。RHEL での FIPS モードの設定の詳細は、FIPS モードでのシステムのインストール を参照してください。FIPS モードでブートされた Red Hat Enterprise Linux (RHEL) または Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する場合、OpenShift Container Platform コアコンポーネントは、x86_64、ppc64le、および s390x アーキテクチャーのみで、FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用します。
- extensions: 事前にパッケージ化されたソフトウェアを追加して RHCOS 機能を拡張します。この機能には、利用可能な拡張機能には usbguard およびカーネルモジュールが含まれます。
-
カスタムリソース (
ContainerRuntime
およびKubelet
用): マシン設定外で、MCO は CRI-O コンテナーランタイムの設定 (ContainerRuntime
CR) および Kubelet サービス (Kubelet
CR) を変更するために 2 つの特殊なカスタムリソースを管理します。
MCO は、OpenShift Container Platform ノードでオペレーティングシステムコンポーネントを変更できる唯一の Operator という訳ではありません。他の Operator もオペレーティングシステムレベルの機能を変更できます。1 つの例として、Node Tuning Operator を使用して、Tuned デーモンプロファイルを使用したノードレベルのチューニングを実行できます。
インストール後に実行可能な MCO 設定のタスクは、以下の手順に記載されています。OpenShift Container Platform のインストール時またはインストール前に実行する必要のあるシステム設定タスクには、RHCOS ベアメタルのインストールに関する説明を参照してください。
ノードの設定が、現在適用されているマシン設定で指定されているものと完全に一致しない場合があります。この状態は 設定ドリフト と呼ばれます。Machine Config Daemon (MCD) は、ノードの設定ドラフトを定期的にチェックします。MCD が設定のドリフトを検出すると、管理者がノード設定を修正するまで、MCO はノードを degraded
とマークします。degraded 状態のノードは、オンラインであり動作中ですが、更新することはできません。設定ドリフトの詳細は、Understanding configuration drift detection を参照してください。
5.1.1.2. プロジェクト
詳細は、openshift-machine-config-operator GitHub サイトを参照してください。
5.1.2. Machine Config Operator ノードのドレイン動作について
マシン設定を使用して、新しい設定ファイルの追加、systemd ユニットまたはカーネル引数の変更、SSH キーの更新などのシステム機能を変更すると、Machine Config Operator (MCO) がそれらの変更を適用し、各ノードが目的の設定状態にあることを確認します。
変更を加えると、MCO は新しくレンダリングされたマシン設定を生成します。ほとんどの場合、新しくレンダリングされたマシン設定を適用するときに、Operator は、影響を受けるすべてのノードの設定が更新されるまで、影響を受ける各ノードで次の手順を実行します。
- 遮断。MCO は、ノードを追加のワークロードに対してスケジュール不可としてマークします。
- ドレイン。MCO は、ノード上で実行中のすべてのワークロードを終了します。その結果、ワークロードが他のノードに再スケジュールされます。
- 適用。MCO は、必要に応じて新しい設定をノードに書き込みます。
- 再起動します。MCO はノードを再起動します。
- 遮断解除。MCO は、ノードをワークロードに対してスケジュール可能としてマークします。
このプロセス全体を通じて、MCO はマシン設定プールで設定された MaxUnavailable
値に基づいて必要な数の Pod を維持します。
MCO によるノードのドレインを防止できる条件があります。MCO がノードのドレインに失敗すると、Operator はノードを再起動できず、マシン設定を通じてノードに変更を加えることができなくなります。詳細情報と対応手順は、MCCDrainError ランブックを参照してください。
MCO がマスターノード上の Pod をドレインする場合は、次の条件に注意してください。
- シングルノードの OpenShift クラスターでは、MCO はドレイン操作をスキップします。
- MCO は、etcd などのサービスへの干渉を防ぐために、静的 Pod をドレインしません。
場合によっては、ノードがドレインされないことがあります。詳細は、「Machine Config Operator について」を参照してください。
コントロールプレーンの再起動を無効にすることで、ドレイン(解放)および再起動サイクルによって引き起こされる中断を軽減できます。詳細は、Disabling the Machine Config Operator from automatically rebooting を参照してください。
- Machine Config Operator の自動再起動の無効化
5.1.3. 設定ドリフト検出について
ノードのディスク上の状態がマシン設定で設定される内容と異なる場合があります。これは、設定ドリフト と呼ばれます。たとえば、クラスター管理者は、マシン設定で設定されたファイル、systemd ユニットファイル、またはファイルパーミッションを手動で変更する場合があります。これにより、設定のドリフトが発生します。設定ドリフトにより、Machine Config Pool のノード間で問題が発生したり、マシン設定が更新されると問題が発生したりする可能性があります。
Machine Config Operator (MCO) は Machine Config Daemon (MCD) を使用して、設定ドリフトがないかノードを定期的に確認します。検出されると、MCO はノードおよびマシン設定プール (MCP) を Degraded
に設定し、エラーを報告します。degraded 状態のノードは、オンラインであり動作中ですが、更新することはできません。
MCD は、以下の状況の時に設定ドリフトの検出を実行します。
- ノードがブートする時。
- マシン設定で指定されたファイル (Ignition ファイルと systemd ドロップインユニット) がマシン設定以外で変更された時。
新しいマシン設定が適用される前。
注記新しいマシン設定をノードに適用すると、MCD は設定ドリフトの検出を一時的に停止します。新しいマシン設定はノード上のマシン設定とは必ず異なるため、この停止処理が必要です。新しいマシン設定が適用された後に、MCD は新しいマシン設定を使用して設定ドリフトの検出を再開します。
設定ドリフトの検出を実行する際に、MCD はファイルの内容とパーミッションが、現在適用されているマシン設定で指定されるものに完全に一致することを確認します。通常、MCD は検出がトリガーされてから 2 秒未満で設定ドリフトを検出します。
MCD が設定ドリフトを検出すると、MCD は以下のタスクを実行します。
- コンソールログにエラーを出力する
- Kubernetes イベントを生成する
- ノードでのそれ以上の検出を停止する
-
ノードおよび MCP を
degraded
に設定する
MCP をリスト表示して、パフォーマンスが低下したノードがあるかどうかを確認できます。
$ oc get mcp worker
パフォーマンスが低下した MCP がある場合、以下の出力のようにDEGRADEDMACHINECOUNT
フィールドの値がゼロ以外になります。
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE worker rendered-worker-404caf3180818d8ac1f50c32f14b57c3 False True True 2 1 1 1 5h51m
マシン設定プールを調べることで、設定ドリフトによって問題が発生しているかどうかを判別できます。
$ oc describe mcp worker
出力例
... Last Transition Time: 2021-12-20T18:54:00Z Message: Node ci-ln-j4h8nkb-72292-pxqxz-worker-a-fjks4 is reporting: "content mismatch for file \"/etc/mco-test-file\"" 1 Reason: 1 nodes are reporting degraded status on sync Status: True Type: NodeDegraded 2 ...
あるいは、パフォーマンスが低下しているノードが分かっている場合は、そのノードを確認します。
$ oc describe node/ci-ln-j4h8nkb-72292-pxqxz-worker-a-fjks4
出力例
... Annotations: cloud.network.openshift.io/egress-ipconfig: [{"interface":"nic0","ifaddr":{"ipv4":"10.0.128.0/17"},"capacity":{"ip":10}}] csi.volume.kubernetes.io/nodeid: {"pd.csi.storage.gke.io":"projects/openshift-gce-devel-ci/zones/us-central1-a/instances/ci-ln-j4h8nkb-72292-pxqxz-worker-a-fjks4"} machine.openshift.io/machine: openshift-machine-api/ci-ln-j4h8nkb-72292-pxqxz-worker-a-fjks4 machineconfiguration.openshift.io/controlPlaneTopology: HighlyAvailable machineconfiguration.openshift.io/currentConfig: rendered-worker-67bd55d0b02b0f659aef33680693a9f9 machineconfiguration.openshift.io/desiredConfig: rendered-worker-67bd55d0b02b0f659aef33680693a9f9 machineconfiguration.openshift.io/reason: content mismatch for file "/etc/mco-test-file" 1 machineconfiguration.openshift.io/state: Degraded 2 ...
以下の修復策のいずれかを実行して、設定ドリフトを修正し、ノードを Ready
の状態に戻すことができます。
- ノード上のファイルの内容とパーミッションがマシン設定で設定される内容と一致するようにします。手動でファイルの内容を書き換えたり、ファイルパーミッション変更したりすることができます。
パフォーマンスが低下したノードで 強制ファイル を生成します。強制ファイルにより、MCD は通常の設定ドリフトの検出をバイパスし、現在のマシン設定を再度適用します。
注記ノード上で強制ファイルを生成すると、そのノードが再起動されます。
5.1.4. マシン設定プールのステータスの確認
Machine Config Operator (MCO)、そのサブコンポーネント、およびこれが管理するリソースのステータスを表示するには、以下の oc
コマンドを使用します。
手順
各マシン設定プール (MCP) のクラスターで使用可能な MCO 管理ノードの数を確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get machineconfigpool
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE master rendered-master-06c9c4… True False False 3 3 3 0 4h42m worker rendered-worker-f4b64… False True False 3 2 2 0 4h42m
ここでは、以下のようになります。
- UPDATED
-
True
ステータスは、MCO が現在のマシン設定をその MCP のノードに適用したことを示します。現在のマシン設定は、oc get mcp
出力のSTATUS
フィールドに指定されています。False
ステータスは、MCP 内のノードが更新中であることを示します。 - UPDATING
-
True
ステータスは、MCO が、MachineConfigPool
カスタムリソースで指定された目的のマシン設定を、その MCP 内の少なくとも 1 つのノードに適用していることを示します。目的のマシン設定は、新しく編集されたマシン設定です。更新中のノードは、スケジューリングに使用できない場合があります。False
ステータスは、MCP 内のすべてのノードが更新されたことを示します。 - DEGRADED
-
True
ステータスは、MCO がその MCP 内の少なくとも 1 つのノードに現在のまたは目的のマシン設定を適用することをブロックされているか、設定が失敗していることを示します。機能が低下したノードは、スケジューリングに使用できない場合があります。False
ステータスは、MCP 内のすべてのノードの準備ができていることを示します。 - MACHINECOUNT
- その MCP 内のマシンの総数を示します。
- READYMACHINECOUNT
- スケジューリングの準備ができているその MCP 内のマシンの総数を示します。
- UPDATEDMACHINECOUNT
- 現在のマシン設定を持つ MCP 内のマシンの総数を示します。
- DEGRADEDMACHINECOUNT
- 機能低下または調整不能としてマークされている、その MCP 内のマシンの総数を示します。
前の出力では、3 つのコントロールプレーン (マスター) ノードと 3 つのワーカーノードがあります。コントロールプレーン MCP と関連するノードは、現在のマシン設定に更新されます。ワーカー MCP のノードは、目的のマシン設定に更新されています。
UPDATEDMACHINECOUNT
が2
であることからわかるように、ワーカー MCP 内の 2 つのノードが更新され、1 つがまだ更新中です。DEGRADEDMACHINECOUNT
が0
で、DEGRADED
がFalse
であることからわかるように、問題はありません。MCP のノードが更新されている間、
CONFIG
の下にリストされているマシン設定は、MCP の更新元である現在のマシン設定です。更新が完了すると、リストされたマシン設定は、MCP が更新された目的のマシン設定になります。注記ノードが遮断されている場合、そのノードは
READYMACHINECOUNT
には含まれませんが、MACHINECOUNT
には含まれます。また、MCP ステータスはUPDATING
に設定されます。ノードには現在のマシン設定があるため、UPDATEDMACHINECOUNT
の合計にカウントされます。出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE master rendered-master-06c9c4… True False False 3 3 3 0 4h42m worker rendered-worker-c1b41a… False True False 3 2 3 0 4h42m
MachineConfigPool
カスタムリソースを調べて MCP 内のノードのステータスを確認するには、次のコマンドを実行します。$ oc describe mcp worker
出力例
... Degraded Machine Count: 0 Machine Count: 3 Observed Generation: 2 Ready Machine Count: 3 Unavailable Machine Count: 0 Updated Machine Count: 3 Events: <none>
注記ノードが遮断されている場合、そのノードは
Ready Machine Count
に含まれません。Unavailable Machine Count
に含まれます。出力例
... Degraded Machine Count: 0 Machine Count: 3 Observed Generation: 2 Ready Machine Count: 2 Unavailable Machine Count: 1 Updated Machine Count: 3
既存の各
MachineConfig
オブジェクトを表示するには、次のコマンドを実行します。$ oc get machineconfigs
出力例
NAME GENERATEDBYCONTROLLER IGNITIONVERSION AGE 00-master 2c9371fbb673b97a6fe8b1c52... 3.2.0 5h18m 00-worker 2c9371fbb673b97a6fe8b1c52... 3.2.0 5h18m 01-master-container-runtime 2c9371fbb673b97a6fe8b1c52... 3.2.0 5h18m 01-master-kubelet 2c9371fbb673b97a6fe8b1c52… 3.2.0 5h18m ... rendered-master-dde... 2c9371fbb673b97a6fe8b1c52... 3.2.0 5h18m rendered-worker-fde... 2c9371fbb673b97a6fe8b1c52... 3.2.0 5h18m
rendered
として一覧表示されたMachineConfig
オブジェクトが変更されたり、削除されたりすることが意図されていないことに注意してください。特定のマシン設定 (この場合は
01-master-kubelet
) の内容を表示するには、次のコマンドを実行します。$ oc describe machineconfigs 01-master-kubelet
コマンドの出力は、この
MachineConfig
オブジェクトに設定ファイル (cloud.conf
およびkubelet.conf
) と systemd サービス (Kubernetes Kubelet) の両方が含まれていることを示しています。出力例
Name: 01-master-kubelet ... Spec: Config: Ignition: Version: 3.2.0 Storage: Files: Contents: Source: data:, Mode: 420 Overwrite: true Path: /etc/kubernetes/cloud.conf Contents: Source: data:,kind%3A%20KubeletConfiguration%0AapiVersion%3A%20kubelet.config.k8s.io%2Fv1beta1%0Aauthentication%3A%0A%20%20x509%3A%0A%20%20%20%20clientCAFile%3A%20%2Fetc%2Fkubernetes%2Fkubelet-ca.crt%0A%20%20anonymous... Mode: 420 Overwrite: true Path: /etc/kubernetes/kubelet.conf Systemd: Units: Contents: [Unit] Description=Kubernetes Kubelet Wants=rpc-statd.service network-online.target crio.service After=network-online.target crio.service ExecStart=/usr/bin/hyperkube \ kubelet \ --config=/etc/kubernetes/kubelet.conf \ ...
適用するマシン設定で問題が発生した場合は、この変更を常に取り消すことができます。たとえば、oc create -f ./myconfig.yaml
を実行してマシン設定を適用した場合、次のコマンドを実行してそのマシン設定を削除できます。
$ oc delete -f ./myconfig.yaml
これが唯一の問題である場合、影響を受けるプールのノードは動作が低下していない状態に戻るはずです。これにより、レンダリングされた設定は、直前のレンダリングされた状態にロールバックされます。
独自のマシン設定をクラスターに追加する場合、直前の例に示されたコマンドを使用して、それらのステータスと、それらが適用されるプールの関連するステータスを確認できます。
5.1.5. 証明書の表示と操作
次の証明書はクラスター内で Machine Config Controller (MCC) によって処理され、ControllerConfig
リソースにあります。
-
/etc/kubernetes/kubelet-ca.crt
-
/etc/kubernetes/static-pod-resources/configmaps/cloud-config/ca-bundle.pem
-
/etc/pki/ca-trust/source/anchors/openshift-config-user-ca-bundle.crt
MCC は、イメージレジストリー証明書とそれに関連するユーザーバンドル証明書も処理します。
証明書の元となる基礎バンドル、署名データとサブジェクトデータなど、リストされた証明書に関する情報を取得できます。
前提条件
-
この手順には、
Python-yq
RPM パッケージがインストールされていなければ実行できないオプションの手順が含まれています。
手順
次のコマンドを実行して、詳細な証明書情報を取得します。
$ oc get controllerconfig/machine-config-controller -o yaml | yq -y '.status.controllerCertificates'
出力例
- bundleFile: KubeAPIServerServingCAData notAfter: '2034-10-23T13:13:02Z' notBefore: '2024-10-25T13:13:02Z' signer: CN=admin-kubeconfig-signer,OU=openshift subject: CN=admin-kubeconfig-signer,OU=openshift - bundleFile: KubeAPIServerServingCAData notAfter: '2024-10-26T13:13:05Z' notBefore: '2024-10-25T13:27:14Z' signer: CN=kubelet-signer,OU=openshift subject: CN=kube-csr-signer_@1729862835 - bundleFile: KubeAPIServerServingCAData notAfter: '2024-10-26T13:13:05Z' notBefore: '2024-10-25T13:13:05Z' signer: CN=kubelet-signer,OU=openshift subject: CN=kubelet-signer,OU=openshift # ...
次のコマンドを使用してマシン設定プールのステータスを確認し、
ControllerConfig
リソースで見つかった情報のより単純なバージョンを取得します。$ oc get mcp master -o yaml | yq -y '.status.certExpirys'
出力例
- bundle: KubeAPIServerServingCAData expiry: '2034-10-23T13:13:02Z' subject: CN=admin-kubeconfig-signer,OU=openshift - bundle: KubeAPIServerServingCAData expiry: '2024-10-26T13:13:05Z' subject: CN=kube-csr-signer_@1729862835 - bundle: KubeAPIServerServingCAData expiry: '2024-10-26T13:13:05Z' subject: CN=kubelet-signer,OU=openshift - bundle: KubeAPIServerServingCAData expiry: '2025-10-25T13:13:05Z' subject: CN=kube-apiserver-to-kubelet-signer,OU=openshift # ...
このメソッドは、マシン設定プール情報をすでに使用している OpenShift Container Platform アプリケーションを対象としています。
ノード上にあるイメージレジストリー証明書を確認します。
ノードにログインします。
$ oc debug node/<node_name>
/host
をデバッグシェル内のルートディレクトリーとして設定します。sh-5.1# chroot /host
/etc/docker/cert.d
ディレクトリーの内容を確認します。sh-5.1# ls /etc/docker/certs.d
出力例
image-registry.openshift-image-registry.svc.cluster.local:5000 image-registry.openshift-image-registry.svc:5000
5.2. MachineConfig オブジェクトを使用したノードの設定
このセクションのタスクを使用して、MachineConfig
オブジェクトを作成し、OpenShift Container Platform ノードで実行されているファイル、systemd ユニットファイルその他のオペレーティングシステム機能を変更することができます。マシン設定の使用に関する詳細は、SSH 認証キーの 更新、イメージ署名の検証、SCTP の有効化、および OpenShift Container Platform の iSCSI イニシエーター名の設定 に関するコンテンツを参照してください。
OpenShift Container Platform は Ignition 仕様バージョン 3.2 をサポートします。今後作成する新規のマシン設定はすべて Ignition 仕様バージョン 3.2 をベースとする必要があります。OpenShift Container Platform クラスターをアップグレードする場合、既存の Ignition 仕様バージョン 2.x マシン設定は仕様バージョン 3.2 に自動的に変換されます。
ノードの設定が、現在適用されている machine config で指定されているものと完全に一致しない場合があります。この状態は 設定ドリフト と呼ばれます。Machine Config Daemon (MCD) は、ノードの設定ドラフトを定期的にチェックします。MCD が設定のドリフトを検出すると、管理者がノード設定を修正するまで、MCO はノードを degraded
とマークします。degraded 状態のノードは、オンラインであり動作中ですが、更新することはできません。設定ドリフトの詳細は、Understanding configuration drift detection を参照してください。
他の設定ファイルを OpenShift Container Platform ノードに追加する方法は、以下の「chrony タイムサービスの設定」の手順をモデルとして使用します。
5.2.1. chrony タイムサービスの設定
chrony タイムサービス (chronyd
) で使用されるタイムサーバーおよび関連する設定は、chrony.conf
ファイルのコンテンツを変更し、それらのコンテンツをマシン設定としてノードに渡して設定できます。
手順
chrony.conf
ファイルのコンテンツを含む Butane 設定を作成します。たとえば、ワーカーノードで chrony を設定するには、99-worker-chrony.bu
ファイルを作成します。注記Butane の詳細は、「Butane を使用したマシン設定の作成」を参照してください。
variant: openshift version: 4.14.0 metadata: name: 99-worker-chrony 1 labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker 2 storage: files: - path: /etc/chrony.conf mode: 0644 3 overwrite: true contents: inline: | pool 0.rhel.pool.ntp.org iburst 4 driftfile /var/lib/chrony/drift makestep 1.0 3 rtcsync logdir /var/log/chrony
- 1 2
- コントロールプレーンノードでは、これらの両方の場所で
worker
の代わりにmaster
を使用します。 - 3
- マシン設定ファイルの
mode
フィールドに 8 進数の値でモードを指定します。ファイルを作成し、変更を適用すると、mode
は 10 進数の値に変換されます。oc get mc <mc-name> -o yaml
コマンドで YAML ファイルを確認できます。 - 4
- DHCP サーバーが提供するものなど、有効な到達可能なタイムソースを指定します。または、NTP サーバーの
1.rhel.pool.ntp.org
、2.rhel.pool.ntp.org
、または3.rhel.pool.ntp.org
のいずれかを指定できます。
Butane を使用して、ノードに配信される設定を含む
MachineConfig
オブジェクトファイル (99-worker-chrony.yaml
) を生成します。$ butane 99-worker-chrony.bu -o 99-worker-chrony.yaml
以下の 2 つの方法のいずれかで設定を適用します。
-
クラスターがまだ起動していない場合は、マニフェストファイルを生成した後に、
MachineConfig
オブジェクトファイルを<installation_directory>/openshift
ディレクトリーに追加してから、クラスターの作成を続行します。 クラスターがすでに実行中の場合は、ファイルを適用します。
$ oc apply -f ./99-worker-chrony.yaml
-
クラスターがまだ起動していない場合は、マニフェストファイルを生成した後に、
関連情報
5.2.2. chrony タイムサービスの無効化
MachineConfig
カスタムリソース (CR) を使用して、特定のロールを持つノードの chrony タイムサービス (chronyd
) を無効にすることができます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてログインしている。
手順
指定されたノードロールの
chronyd
を無効にするMachineConfig
CR を作成します。以下の YAML を
disable-chronyd.yaml
ファイルに保存します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: <node_role> 1 name: disable-chronyd spec: config: ignition: version: 3.2.0 systemd: units: - contents: | [Unit] Description=NTP client/server Documentation=man:chronyd(8) man:chrony.conf(5) After=ntpdate.service sntp.service ntpd.service Conflicts=ntpd.service systemd-timesyncd.service ConditionCapability=CAP_SYS_TIME [Service] Type=forking PIDFile=/run/chrony/chronyd.pid EnvironmentFile=-/etc/sysconfig/chronyd ExecStart=/usr/sbin/chronyd $OPTIONS ExecStartPost=/usr/libexec/chrony-helper update-daemon PrivateTmp=yes ProtectHome=yes ProtectSystem=full [Install] WantedBy=multi-user.target enabled: false name: "chronyd.service"
- 1
chronyd
を無効にするノードロール (例:master
)。
以下のコマンドを実行して
MachineConfig
CR を作成します。$ oc create -f disable-chronyd.yaml
5.2.3. カーネル引数のノードへの追加
特殊なケースとして、クラスターのノードセットにカーネル引数を追加する必要がある場合があります。これは十分に注意して実行する必要があり、設定する引数による影響を十分に理解している必要があります。
カーネル引数を正しく使用しないと、システムが起動不可能になる可能性があります。
設定可能なカーネル引数の例には、以下が含まれます。
-
nosmt: カーネルの対称マルチスレッド (SMT) を無効にします。マルチスレッドは、各 CPU の複数の論理スレッドを許可します。潜在的なクロススレッド攻撃に関連するリスクを減らすために、マルチテナント環境での
nosmt
の使用を検討できます。SMT を無効にすることは、基本的にパフォーマンスよりもセキュリティーを重視する選択をしていることになります。 - systemd.unified_cgroup_hierarchy: Linux コントロールグループバージョン 2 (cgroup v2) を有効にします。cgroup v2 は、カーネル コントロールグループ の次のバージョンであり、複数の改善点を備えています。
enforcing=0: SELinux (Security Enhanced Linux) を Permissive モードで実行するように設定します。Permissive モードでは、システムは、SELinux が読み込んだセキュリティーポリシーを実行しているかのように動作します。これには、オブジェクトのラベル付けや、アクセスを拒否したエントリーをログに出力するなどの動作が含まれますが、いずれの操作も拒否される訳ではありません。Permissive モードは、実稼働システムでの使用はサポートされませんが、デバッグには役に立ちます。
警告実稼働環境の RHCOS での SELinux の無効化はサポートされていません。ノード上で SELinux が無効になったら、再プロビジョニングしてから実稼働クラスターに再び追加する必要があります。
カーネル引数の一覧と説明は、Kernel.org カーネルパラメーター を参照してください。
次の手順では、以下を特定する MachineConfig
オブジェクトを作成します。
- カーネル引数を追加する一連のマシン。この場合、ワーカーロールを持つマシン。
- 既存のカーネル引数の最後に追加されるカーネル引数。
- マシン設定のリストで変更が適用される場所を示すラベル。
前提条件
- 作業用の OpenShift Container Platform クラスターに対する管理者権限が必要です。
手順
OpenShift Container Platform クラスターの既存の
MachineConfig
をリスト表示し、マシン設定にラベルを付ける方法を判別します。$ oc get MachineConfig
出力例
NAME GENERATEDBYCONTROLLER IGNITIONVERSION AGE 00-master 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 00-worker 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-master-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-master-ssh 3.2.0 40m 99-worker-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-worker-ssh 3.2.0 40m rendered-master-23e785de7587df95a4b517e0647e5ab7 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m rendered-worker-5d596d9293ca3ea80c896a1191735bb1 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m
カーネル引数を識別する
MachineConfig
オブジェクトファイルを作成します (例:05-worker-kernelarg-selinuxpermissive.yaml
)。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker1 name: 05-worker-kernelarg-selinuxpermissive2 spec: kernelArguments: - enforcing=03
新規のマシン設定を作成します。
$ oc create -f 05-worker-kernelarg-selinuxpermissive.yaml
マシン設定で新規の追加内容を確認します。
$ oc get MachineConfig
出力例
NAME GENERATEDBYCONTROLLER IGNITIONVERSION AGE 00-master 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 00-worker 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 05-worker-kernelarg-selinuxpermissive 3.2.0 105s 99-master-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-master-ssh 3.2.0 40m 99-worker-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-worker-ssh 3.2.0 40m rendered-master-23e785de7587df95a4b517e0647e5ab7 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m rendered-worker-5d596d9293ca3ea80c896a1191735bb1 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m
ノードを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-0-136-161.ec2.internal Ready worker 28m v1.27.3 ip-10-0-136-243.ec2.internal Ready master 34m v1.27.3 ip-10-0-141-105.ec2.internal Ready,SchedulingDisabled worker 28m v1.27.3 ip-10-0-142-249.ec2.internal Ready master 34m v1.27.3 ip-10-0-153-11.ec2.internal Ready worker 28m v1.27.3 ip-10-0-153-150.ec2.internal Ready master 34m v1.27.3
変更が適用されているため、各ワーカーノードのスケジューリングが無効にされていることを確認できます。
ワーカーノードのいずれかに移動し、カーネルコマンドライン引数 (ホストの
/proc/cmdline
内) をリスト表示して、カーネル引数が機能することを確認します。$ oc debug node/ip-10-0-141-105.ec2.internal
出力例
Starting pod/ip-10-0-141-105ec2internal-debug ... To use host binaries, run `chroot /host` sh-4.2# cat /host/proc/cmdline BOOT_IMAGE=/ostree/rhcos-... console=tty0 console=ttyS0,115200n8 rootflags=defaults,prjquota rw root=UUID=fd0... ostree=/ostree/boot.0/rhcos/16... coreos.oem.id=qemu coreos.oem.id=ec2 ignition.platform.id=ec2 enforcing=0 sh-4.2# exit
enforcing=0
引数が他のカーネル引数に追加されていることを確認できるはずです。
5.2.4. RHCOS のカーネル引数でのマルチパスの有効化
Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) はプライマリーディスクでのマルチパスをサポートするようになり、ハードウェア障害に対する対障害性が強化され、ホストの可用性を強化できるようになりました。インストール後のサポートは、マシン設定を使用してマルチパスをアクティベートすることで利用できます。
インストール時のマルチパスの有効化が、OpenShift Container Platform 4.8 以降でプロビジョニングされるノードでサポートおよび推奨されるようになりました。非最適化パスに対して I/O があると、I/O システムエラーが発生するように設定するには、インストール時にマルチパスを有効にする必要があります。インストール時にマルチパスを有効にする方法は、"ベアメタルへのインストールの RHCOS でのカーネル引数を使用したマルチパスの有効化" を参照してください。
IBM Z® および IBM® LinuxONE では、インストール時にクラスターを設定した場合のみマルチパスを有効にできます。詳細は、IBM Z® および IBM® LinuxONE への z/VM を使用したクラスターのインストール の RHCOS の「インストールおよび OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスの開始」を参照してください。
OpenShift Container Platform 4.18 クラスターが、マルチパスが設定された IBM Power® の "vSCSI" ストレージを持つ単一の VIOS ホストでインストール後のアクティビティーとしてインストールまたは設定されている場合、マルチパスが有効になっている CoreOS ノードは起動に失敗します。ノードに使用できるパスは 1 つだけなので、これは想定内の動作です。
前提条件
- バージョン 4.7 以降を使用する OpenShift Container Platform クラスターが実行中である。
- 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
- ディスクでマルチパスが有効になっていることを確認しました。マルチパスは、HBA アダプターを介して SAN に接続されているホストでのみサポートされます。
手順
インストール後にコントロールプレーンノードでマルチパスを有効にするには、以下を実行します。
以下の例のように、
master
ラベルを追加し、マルチパスカーネル引数を特定するようクラスターに指示する99-master-kargs-mpath.yaml
などのマシン設定ファイルを作成します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: "master" name: 99-master-kargs-mpath spec: kernelArguments: - 'rd.multipath=default' - 'root=/dev/disk/by-label/dm-mpath-root'
インストール後にワーカーノードでマルチパスを有効にするには、以下を実行します。
worker
ラベルを追加し、マルチパスカーネル引数などを特定するようクラスターに指示する99-worker-kargs-mpath.yaml
などのマシン設定ファイルを作成します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: "worker" name: 99-worker-kargs-mpath spec: kernelArguments: - 'rd.multipath=default' - 'root=/dev/disk/by-label/dm-mpath-root'
以前に作成したマスターまたはワーカー YAML ファイルのいずれかを使用して新規のマシン設定を作成します。
$ oc create -f ./99-worker-kargs-mpath.yaml
マシン設定で新規の追加内容を確認します。
$ oc get MachineConfig
出力例
NAME GENERATEDBYCONTROLLER IGNITIONVERSION AGE 00-master 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 00-worker 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-master-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-master-ssh 3.2.0 40m 99-worker-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-worker-kargs-mpath 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 105s 99-worker-ssh 3.2.0 40m rendered-master-23e785de7587df95a4b517e0647e5ab7 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m rendered-worker-5d596d9293ca3ea80c896a1191735bb1 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m
ノードを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-0-136-161.ec2.internal Ready worker 28m v1.27.3 ip-10-0-136-243.ec2.internal Ready master 34m v1.27.3 ip-10-0-141-105.ec2.internal Ready,SchedulingDisabled worker 28m v1.27.3 ip-10-0-142-249.ec2.internal Ready master 34m v1.27.3 ip-10-0-153-11.ec2.internal Ready worker 28m v1.27.3 ip-10-0-153-150.ec2.internal Ready master 34m v1.27.3
変更が適用されているため、各ワーカーノードのスケジューリングが無効にされていることを確認できます。
ワーカーノードのいずれかに移動し、カーネルコマンドライン引数 (ホストの
/proc/cmdline
内) をリスト表示して、カーネル引数が機能することを確認します。$ oc debug node/ip-10-0-141-105.ec2.internal
出力例
Starting pod/ip-10-0-141-105ec2internal-debug ... To use host binaries, run `chroot /host` sh-4.2# cat /host/proc/cmdline ... rd.multipath=default root=/dev/disk/by-label/dm-mpath-root ... sh-4.2# exit
追加したカーネル引数が表示されるはずです。
関連情報
- インストール時にマルチパスを有効にする場合の詳細は、RHCOS のカーネル引数でのマルチパスの有効化 を参照してください。
5.2.5. リアルタイムカーネルのノードへの追加
一部の OpenShift Container Platform ワークロードには、高度な決定論的アプローチが必要になります。Linux はリアルタイムのオペレーティングシステムではありませんが、Linux のリアルタイムカーネルには、リアルタイムの特性を持つオペレーティングシステムを提供するプリエンプティブなスケジューラーが含まれます。
OpenShift Container Platform ワークロードでこれらのリアルタイムの特性が必要な場合、マシンを Linux のリアルタイムカーネルに切り替えることができます。OpenShift Container Platform 4.14 の場合、MachineConfig
オブジェクトを使用してこの切り替えを行うことができます。変更はマシン設定の kernelType
設定を realtime
に変更するだけで簡単に行えますが、この変更を行う前に他のいくつかの点を考慮する必要があります。
- 現在、リアルタイムカーネルはワーカーノードでのみサポートされ、使用できるのはラジオアクセスネットワーク (RAN) のみになります。
- 以下の手順は、Red Hat Enterprise Linux for Real Time 8 で認定されているシステムを使用したベアメタルのインストールで完全にサポートされます。
- OpenShift Container Platform でのリアルタイムサポートは、特定のサブスクリプションに制限されます。
- 以下の手順は、Google Cloud Platform での使用もサポートされます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスター (バージョン 4.4 以降) が実行中である。
- 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
手順
リアルタイムカーネルのマシン設定を作成します。
realtime
カーネルタイプのMachineConfig
オブジェクトが含まれる YAML ファイル (99-worker-realtime.yaml
など) を作成します。以下の例では、すべてのワーカーノードにリアルタイムカーネルを使用するようにクラスターに指示します。$ cat << EOF > 99-worker-realtime.yaml apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: "worker" name: 99-worker-realtime spec: kernelType: realtime EOF
マシン設定をクラスターに追加します。以下を入力してマシン設定をクラスターに追加します。
$ oc create -f 99-worker-realtime.yaml
リアルタイムカーネルを確認します。影響を受けるそれぞれのノードの再起動後に、クラスターにログインして以下のコマンドを実行し、リアルタイムカーネルが設定されたノードのセットの通常のカーネルを置き換えていることを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-0-143-147.us-east-2.compute.internal Ready worker 103m v1.27.3 ip-10-0-146-92.us-east-2.compute.internal Ready worker 101m v1.27.3 ip-10-0-169-2.us-east-2.compute.internal Ready worker 102m v1.27.3
$ oc debug node/ip-10-0-143-147.us-east-2.compute.internal
出力例
Starting pod/ip-10-0-143-147us-east-2computeinternal-debug ... To use host binaries, run `chroot /host` sh-4.4# uname -a Linux <worker_node> 4.18.0-147.3.1.rt24.96.el8_1.x86_64 #1 SMP PREEMPT RT Wed Nov 27 18:29:55 UTC 2019 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
カーネル名には
rt
が含まれ、"PREEMPT RT" のテキストは、これがリアルタイムカーネルであることを示します。通常のカーネルに戻るには、
MachineConfig
オブジェクトを削除します。$ oc delete -f 99-worker-realtime.yaml
5.2.6. journald の設定
OpenShift Container Platform ノードで journald
サービスの設定が必要な場合は、適切な設定ファイルを変更し、そのファイルをマシン設定としてノードの適切なプールに渡すことで実行できます。
この手順では、/etc/systemd/journald.conf
ファイルの journald
速度制限の設定を変更し、それらをワーカーノードに適用する方法を説明します。このファイルの使用方法に関する情報は、journald.conf
man ページを参照してください。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターが実行中である。
- 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
手順
必要な設定で
/etc/systemd/journald.conf
ファイルが含まれる Butane 設定ファイル40-worker-custom -journald.bu
を作成します。注記Butane の詳細は、「Butane を使用したマシン設定の作成」を参照してください。
variant: openshift version: 4.14.0 metadata: name: 40-worker-custom-journald labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker storage: files: - path: /etc/systemd/journald.conf mode: 0644 overwrite: true contents: inline: | # Disable rate limiting RateLimitInterval=1s RateLimitBurst=10000 Storage=volatile Compress=no MaxRetentionSec=30s
Butane を使用して、ワーカーノードに配信される設定を含む
MachineConfig
オブジェクトファイル (40-worker-custom-journald.yaml
) を生成します。$ butane 40-worker-custom-journald.bu -o 40-worker-custom-journald.yaml
マシン設定をプールに適用します。
$ oc apply -f 40-worker-custom-journald.yaml
新規マシン設定が適用され、ノードの状態が低下した状態にないことを確認します。これには数分の時間がかかる場合があります。各ノードで新規マシン設定が正常に適用されるため、ワーカープールには更新が進行中であることが表示されます。
$ oc get machineconfigpool NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE master rendered-master-35 True False False 3 3 3 0 34m worker rendered-worker-d8 False True False 3 1 1 0 34m
変更が適用されたことを確認するには、ワーカーノードにログインします。
$ oc get node | grep worker ip-10-0-0-1.us-east-2.compute.internal Ready worker 39m v0.0.0-master+$Format:%h$ $ oc debug node/ip-10-0-0-1.us-east-2.compute.internal Starting pod/ip-10-0-141-142us-east-2computeinternal-debug ... ... sh-4.2# chroot /host sh-4.4# cat /etc/systemd/journald.conf # Disable rate limiting RateLimitInterval=1s RateLimitBurst=10000 Storage=volatile Compress=no MaxRetentionSec=30s sh-4.4# exit
関連情報
5.2.7. 拡張機能の RHCOS への追加
RHCOS はコンテナー指向の最小限の RHEL オペレーティングシステムであり、すべてのプラットフォームで OpenShift Container Platform クラスターに共通の機能セットを提供するように設計されています。ソフトウェアパッケージを RHCOS システムに追加することは一般的に推奨されていませんが、MCO は RHCOS ノードに最小限の機能セットを追加するために使用できる extensions
機能を提供します。
現時点で、以下の拡張機能が利用可能です。
-
usbguard:
usbguard
拡張機能を追加すると、RHCOS システムを割り込みの USB デバイスから保護します。詳細は、USBGuard を参照してください。 -
kerberos:
kerberos
拡張機能を追加すると、ユーザーとマシンの両方がネットワークに対して自分自身を識別し、管理者が設定したエリアとサービスへの定義済みの制限付きアクセスを取得できるメカニズムが提供されます。Kerberos クライアントのセットアップ方法や Kerberos 化された NFS 共有のマウント方法などの詳細は、Kerberos の使用 を参照してください。
以下の手順では、マシン設定を使用して 1 つ以上の拡張機能を RHCOS ノードに追加する方法を説明します。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスター (バージョン 4.6 以降) が実行中である。
- 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
手順
拡張機能のマシン設定を作成します。
MachineConfig
extensions
オブジェクトが含まれる YAML ファイル (例:80-extensions.yaml
) を作成します。この例では、クラスターに対してusbguard
拡張機能を追加するように指示します。$ cat << EOF > 80-extensions.yaml apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker name: 80-worker-extensions spec: config: ignition: version: 3.2.0 extensions: - usbguard EOF
マシン設定をクラスターに追加します。以下を入力してマシン設定をクラスターに追加します。
$ oc create -f 80-extensions.yaml
これにより、すべてのワーカーノードで
usbguard
の rpm パッケージがインストールされるように設定できます。拡張機能が適用されていることを確認します。
$ oc get machineconfig 80-worker-extensions
出力例
NAME GENERATEDBYCONTROLLER IGNITIONVERSION AGE 80-worker-extensions 3.2.0 57s
新規マシン設定が適用され、ノードの状態が低下した状態にないことを確認します。これには数分の時間がかかる場合があります。各マシンで新規マシン設定が正常に適用されるため、ワーカープールには更新が進行中であることが表示されます。
$ oc get machineconfigpool
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE master rendered-master-35 True False False 3 3 3 0 34m worker rendered-worker-d8 False True False 3 1 1 0 34m
拡張機能を確認します。拡張機能が適用されたことを確認するには、以下を実行します。
$ oc get node | grep worker
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-0-169-2.us-east-2.compute.internal Ready worker 102m v1.27.3
$ oc debug node/ip-10-0-169-2.us-east-2.compute.internal
出力例
... To use host binaries, run `chroot /host` sh-4.4# chroot /host sh-4.4# rpm -q usbguard usbguard-0.7.4-4.el8.x86_64.rpm
5.2.8. マシン設定マニフェストでのカスタムファームウェアブロブの読み込み
/usr/lib
内のファームウェアブロブのデフォルトの場所は読み取り専用であるため、検索パスを更新して、カスタムファームウェアブロブを特定できます。これにより、ブロブが RHCOS によって管理されない場合に、マシン設定マニフェストでローカルファームウェアブロブを読み込むことができます。
手順
Butane 設定ファイル
98-worker-firmware-blob.bu
を作成します。このファイルは、root 所有でローカルストレージに書き込みできるように、検索パスを更新します。以下の例では、カスタムブロブファイルをローカルワークステーションからノードの/var/lib/firmware
下に配置しています。注記Butane の詳細は、「Butane を使用したマシン設定の作成」を参照してください。
カスタムファームウェアブロブ用の Butane 設定ファイル
variant: openshift version: 4.14.0 metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker name: 98-worker-firmware-blob storage: files: - path: /var/lib/firmware/<package_name> 1 contents: local: <package_name> 2 mode: 0644 3 openshift: kernel_arguments: - 'firmware_class.path=/var/lib/firmware' 4
- 1
- ファームウェアパッケージのコピー先となるノードのパスを設定します。
- 2
- Butane を実行しているシステムのローカルファイルディレクトリーから読み取るコンテンツを含むファイルを指定します。ローカルファイルのパスは
files-dir
ディレクトリーからの相対パスで、以下の手順の Butane で--files-dir
オプションを使用して指定する必要があります。 - 3
- RHCOS ノードのファイルのパーミッションを設定します。
0644
パーミッションを設定することが推奨されます。 - 4
firmware_class.path
パラメーターは、ローカルワークステーションからノードのルートファイルシステムにコピーされたカスタムファームウェアブロブを検索するカーネルの検索パスをカスタマイズします。この例では、/var/lib/firmware
をカスタマイズされたパスとして使用します。
Butane を実行して、ローカルワークステーション上の
98-worker-firmware-blob.yaml
という名前のファームウェアブロブのコピーを使用するMachineConfig
オブジェクトファイルを生成します。ファームウェアブロブには、ノードに配信される設定が含まれます。次の例では、--files-dir
オプションを使用して、ローカルファイルが配置されるワークステーション上のディレクトリーを指定します。$ butane 98-worker-firmware-blob.bu -o 98-worker-firmware-blob.yaml --files-dir <directory_including_package_name>
以下の 2 つの方法のいずれかで、設定をノードに適用します。
-
クラスターがまだ起動していない場合は、マニフェストファイルを生成した後に、
MachineConfig
オブジェクトファイルを<installation_directory>/openshift
ディレクトリーに追加してから、クラスターの作成を続行します。 クラスターがすでに実行中の場合は、ファイルを適用します。
$ oc apply -f 98-worker-firmware-blob.yaml
MachineConfig
オブジェクト YAML ファイルは、マシンの設定を終了するために作成されます。
-
クラスターがまだ起動していない場合は、マニフェストファイルを生成した後に、
-
将来的に
MachineConfig
オブジェクトを更新する必要がある場合に備えて、Butane 設定を保存します。
関連情報
5.2.9. ノードアクセス用のコアユーザーパスワードの変更
デフォルトでは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) はクラスター内のノードに core
という名前のユーザーを作成します。core
ユーザーを使用して、クラウドプロバイダーのシリアルコンソールまたはベアメタルベースボードコントローラーマネージャー (BMC) を介してノードにアクセスできます。これは、たとえば、ノードがダウンしていて、SSH または oc debug node
コマンドを使用して、そのノードにアクセスできない場合に役立ちます。ただし、デフォルトでは、このユーザーにはパスワードがないため、パスワードを作成しないとログインできません。
マシン設定を使用して、core
ユーザーのパスワードを作成できます。Machine Config Operator (MCO) がパスワードを割り当て、そのパスワードを /etc/shadow
ファイルに挿入して、core
ユーザーでログインできるようにします。MCO はパスワードハッシュを調べません。そのため、パスワードに問題がある場合、MCO は報告できません。
- パスワードは、クラウドプロバイダーのシリアルコンソールまたは BMC を介してのみ機能します。SSH では動作しません。
-
/etc/shadow
ファイルまたはパスワードを設定する systemd ユニットを含むマシン設定がある場合、パスワードハッシュよりも優先されます。
必要に応じて、パスワードの作成に使用したマシン設定を編集して、パスワードを変更できます。また、マシン設定を削除することでパスワードを削除できます。マシン設定を削除しても、ユーザーアカウントは削除されません。
手順
オペレーティングシステムでサポートされているツールを使用して、ハッシュ化されたパスワードを作成します。たとえば次のコマンドを実行し、
mkpasswd
を使用してハッシュ化されたパスワードを作成します。$ mkpasswd -m SHA-512 testpass
出力例
$ $6$CBZwA6s6AVFOtiZe$aUKDWpthhJEyR3nnhM02NM1sKCpHn9XN.NPrJNQ3HYewioaorpwL3mKGLxvW0AOb4pJxqoqP4nFX77y0p00.8.
core
ユーザー名とハッシュ化されたパスワードを含むマシン設定ファイルを作成します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker name: set-core-user-password spec: config: ignition: version: 3.2.0 passwd: users: - name: core 1 passwordHash: <password> 2
次のコマンドを実行して、マシン設定を作成します。
$ oc create -f <file-name>.yaml
ノードは再起動せず、しばらくすると使用可能になります。次の例に示すように、
oc get mcp
を使用して、マシン設定プールが更新されるのを監視できます。NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE master rendered-master-d686a3ffc8fdec47280afec446fce8dd True False False 3 3 3 0 64m worker rendered-worker-4605605a5b1f9de1d061e9d350f251e5 False True False 3 0 0 0 64m
検証
ノードが
UPDATED=True
状態に戻ったら、次のコマンドを実行してノードのデバッグセッションを開始します。$ oc debug node/<node_name>
次のコマンドを実行して、デバッグシェル内のルートディレクトリーとして
/host
を設定します。sh-4.4# chroot /host
/etc/shadow
ファイルの内容を確認します。出力例
... core:$6$2sE/010goDuRSxxv$o18K52wor.wIwZp:19418:0:99999:7::: ...
ハッシュ化されたパスワードは、
core
ユーザーに割り当てられます。
5.3. MCO 関連のカスタムリソースの設定
MCO は MachineConfig
オブジェクトを管理する以外にも、2 つのカスタムリソース (CR)(KubeletConfig
および ContainerRuntimeConfig
) を管理します。これらの CR を使用すると、Kubelet および CRI-O コンテナーランタイムサービスの動作に影響を与えるノードレベルの設定を変更することができます。
5.3.1. kubelet パラメーターを編集するための KubeletConfig CRD の作成
kubelet 設定は、現時点で Ignition 設定としてシリアル化されているため、直接編集することができます。ただし、新規の kubelet-config-controller
も Machine Config Controller (MCC) に追加されます。これにより、KubeletConfig
カスタムリソース (CR) を使用して kubelet パラメーターを編集できます。
kubeletConfig
オブジェクトのフィールドはアップストリーム Kubernetes から kubelet に直接渡されるため、kubelet はそれらの値を直接検証します。kubeletConfig
オブジェクトに無効な値により、クラスターノードが利用できなくなります。有効な値は、Kubernetes ドキュメント を参照してください。
以下のガイダンスを参照してください。
-
既存の
KubeletConfig
CR を編集して既存の設定を編集するか、変更ごとに新規 CR を作成する代わりに新規の設定を追加する必要があります。CR を作成するのは、別のマシン設定プールを変更する場合、または一時的な変更を目的とした変更の場合のみにして、変更を元に戻すことができるようにすることを推奨します。 -
マシン設定プールごとに、そのプールに加える設定変更をすべて含めて、
KubeletConfig
CR を 1 つ作成します。 -
必要に応じて、クラスターごとに 10 を制限し、複数の
KubeletConfig
CR を作成します。最初のKubeletConfig
CR について、Machine Config Operator (MCO) はkubelet
で追加されたマシン設定を作成します。それぞれの後続の CR で、コントローラーは数字の接尾辞が付いた別のkubelet
マシン設定を作成します。たとえば、kubelet
マシン設定があり、その接尾辞が-2
の場合に、次のkubelet
マシン設定には-3
が付けられます。
kubelet またはコンテナーのランタイム設定をカスタムマシン設定プールに適用する場合、machineConfigSelector
のカスタムロールは、カスタムマシン設定プールの名前と一致する必要があります。
たとえば、次のカスタムマシン設定プールの名前は infra
であるため、カスタムロールも infra
にする必要があります。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: name: infra spec: machineConfigSelector: matchExpressions: - {key: machineconfiguration.openshift.io/role, operator: In, values: [worker,infra]} # ...
マシン設定を削除する場合は、制限を超えないようにそれらを逆の順序で削除する必要があります。たとえば、kubelet-3
マシン設定を、kubelet-2
マシン設定を削除する前に削除する必要があります。
接尾辞が kubelet-9
のマシン設定があり、別の KubeletConfig
CR を作成する場合には、kubelet
マシン設定が 10 未満の場合でも新規マシン設定は作成されません。
KubeletConfig
CR の例
$ oc get kubeletconfig
NAME AGE set-max-pods 15m
KubeletConfig
マシン設定を示す例
$ oc get mc | grep kubelet
... 99-worker-generated-kubelet-1 b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 26m ...
以下の手順は、ワーカーノードでノードあたりの Pod の最大数を設定する方法を示しています。
前提条件
設定するノードタイプの静的な
MachineConfigPool
CR に関連付けられたラベルを取得します。以下のいずれかの手順を実行します。マシン設定プールを表示します。
$ oc describe machineconfigpool <name>
以下に例を示します。
$ oc describe machineconfigpool worker
出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: creationTimestamp: 2019-02-08T14:52:39Z generation: 1 labels: custom-kubelet: set-max-pods 1
- 1
- ラベルが追加されると、
labels
の下に表示されます。
ラベルが存在しない場合は、キー/値のペアを追加します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=set-max-pods
手順
選択可能なマシン設定オブジェクトを表示します。
$ oc get machineconfig
デフォルトで、2 つの kubelet 関連の設定である
01-master-kubelet
および01-worker-kubelet
を選択できます。ノードあたりの最大 Pod の現在の値を確認します。
$ oc describe node <node_name>
以下に例を示します。
$ oc describe node ci-ln-5grqprb-f76d1-ncnqq-worker-a-mdv94
Allocatable
スタンザでvalue: pods: <value>
を検索します。出力例
Allocatable: attachable-volumes-aws-ebs: 25 cpu: 3500m hugepages-1Gi: 0 hugepages-2Mi: 0 memory: 15341844Ki pods: 250
ワーカーノードでノードあたりの最大の Pod を設定するには、kubelet 設定を含むカスタムリソースファイルを作成します。
重要特定のマシン設定プールをターゲットとする kubelet 設定は、依存するプールにも影響します。たとえば、ワーカーノードを含むプール用の kubelet 設定を作成すると、インフラストラクチャーノードを含むプールを含むすべてのサブセットプールにも設定が適用されます。これを回避するには、ワーカーノードのみを含む選択式を使用して新しいマシン設定プールを作成し、kubelet 設定でこの新しいプールをターゲットにする必要があります。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: set-max-pods spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: set-max-pods 1 kubeletConfig: maxPods: 500 2
注記kubelet が API サーバーと通信する速度は、1 秒あたりのクエリー (QPS) およびバースト値により異なります。デフォルト値の
50
(kubeAPIQPS
の場合) および100
(kubeAPIBurst
の場合) は、各ノードで制限された Pod が実行されている場合には十分な値です。ノード上に CPU およびメモリーリソースが十分にある場合には、kubelet QPS およびバーストレートを更新することが推奨されます。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: set-max-pods spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: set-max-pods kubeletConfig: maxPods: <pod_count> kubeAPIBurst: <burst_rate> kubeAPIQPS: <QPS>
ラベルを使用してワーカーのマシン設定プールを更新します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=set-max-pods
KubeletConfig
オブジェクトを作成します。$ oc create -f change-maxPods-cr.yaml
KubeletConfig
オブジェクトが作成されていることを確認します。$ oc get kubeletconfig
出力例
NAME AGE set-max-pods 15m
クラスター内のワーカーノードの数によっては、ワーカーノードが 1 つずつ再起動されるのを待機します。3 つのワーカーノードを持つクラスターの場合は、10 分から 15 分程度かかる可能性があります。
変更がノードに適用されていることを確認します。
maxPods
値が変更されたワーカーノードで確認します。$ oc describe node <node_name>
Allocatable
スタンザを見つけます。... Allocatable: attachable-volumes-gce-pd: 127 cpu: 3500m ephemeral-storage: 123201474766 hugepages-1Gi: 0 hugepages-2Mi: 0 memory: 14225400Ki pods: 500 1 ...
- 1
- この例では、
pods
パラメーターはKubeletConfig
オブジェクトに設定した値を報告するはずです。
KubeletConfig
オブジェクトの変更を確認します。$ oc get kubeletconfigs set-max-pods -o yaml
これは、以下の例のように
True
およびtype:Success
のステータスを表示します。spec: kubeletConfig: maxPods: 500 machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: set-max-pods status: conditions: - lastTransitionTime: "2021-06-30T17:04:07Z" message: Success status: "True" type: Success
5.3.2. CRI-O パラメーターを編集するための ContainerRuntimeConfig CR の作成
特定のマシン設定プール (MCP) に関連付けられたノードの OpenShift Container Platform CRI-O ランタイムに関連付けられる設定の一部を変更することができます。ContainerRuntimeConfig
カスタムリソース (CR) を使用して、設定値を設定し、MCP に一致するラベルを追加します。次に、MCO は関連付けられたノードで crio.conf
および storage.conf
設定ファイルを更新された値を使用して再ビルドします。
ContainerRuntimeConfig
CR を使用して実装された変更を元に戻すには、CR を削除する必要があります。マシン設定プールからラベルを削除しても、変更は元に戻されません。
ContainerRuntimeConfig
CR を使用して以下の設定を変更することができます。
PID 制限:
ContainerRuntimeConfig
での PID 制限の設定は非推奨になる予定です。PID 制限が必要な場合は、代わりにKubeletConfig
CR のpodPidsLimit
フィールドを使用することを推奨します。デフォルトのpodPidsLimit
値は4096
で、デフォルトのpids_limit
値は0
です。podPidsLimit
がpids_limit
より低いと、有効なコンテナー PID 制限はpodPidsLimit
に設定された値により定義されます。注記CRI-O フラグはコンテナーの cgroup に適用され、Kubelet フラグは Pod の cgroup に設定されます。それに応じて PID 制限を調整してください。
-
Log level:
logLevel
パラメーターは CRI-Olog_level
パラメーターを設定します。これはログメッセージの詳細レベルです。デフォルトはinfo
(log_level = info
) です。他のオプションには、fatal
、panic
、error
、warn
、debug
、およびtrace
が含まれます。 -
Overlay size:
overlaySize
パラメーターは、コンテナーイメージの最大サイズである CRI-O Overlay ストレージドライバーのsize
パラメーターを設定します。 -
最大ログサイズ:
ContainerRuntimeConfig
での最大ログサイズの設定は非推奨になる予定です。最大ログサイズが必要な場合は、代わりにKubeletConfig
CR のcontainerLogMaxSize
フィールドを使用することを推奨します。 -
コンテナーランタイム:
defaultRuntime
パラメーターは、コンテナーランタイムをrunc
またはcrun
に設定します。デフォルトはrunc
です。
マシン設定プールごとに、そのプールに加える設定変更をすべて含めて、ContainerRuntimeConfig
CR を 1 つ割り当てる必要があります。同じコンテンツをすべてのプールに適用している場合には、すべてのプールに必要となるのは ContainerRuntimeConfig
CR 1 つだけです。
既存の ContainerRuntimeConfig
CR を編集して既存の設定を編集するか、変更ごとに新規 CR を作成する代わりに新規の設定を追加する必要があります。異なるマシン設定プールを変更する場合や、変更が一時的で元に戻すことができる場合のみ、新しい ContainerRuntimeConfig
CR の作成を推奨しています。
必要に応じて複数の ContainerRuntimeConfig
CR を作成できます。この場合、制限はクラスターごとに 10 個となっています。最初の ContainerRuntimeConfig
CR について、MCO は containerruntime
で追加されたマシン設定を作成します。それぞれの後続の CR で、コントローラーは数字の接尾辞が付いた新規の containerruntime
マシン設定を作成します。たとえば、containerruntime
マシン設定に -2
接尾辞がある場合、次の containerruntime
マシン設定が -3
を付けて追加されます。
マシン設定を削除する場合、制限を超えないようにそれらを逆の順序で削除する必要があります。たとえば、containerruntime-3
マシン設定を、containerruntime-2
マシン設定を削除する前に削除する必要があります。
接尾辞が containerruntime-9
のマシン設定があり、別の ContainerRuntimeConfig
CR を作成する場合には、containerruntime
マシン設定が 10 未満の場合でも新規マシン設定は作成されません。
複数の ContainerRuntimeConfig
CR を示す例
$ oc get ctrcfg
出力例
NAME AGE ctr-overlay 15m ctr-level 5m45s
複数の containerruntime
マシン設定を示す例
$ oc get mc | grep container
出力例
... 01-master-container-runtime b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 57m ... 01-worker-container-runtime b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 57m ... 99-worker-generated-containerruntime b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 26m 99-worker-generated-containerruntime-1 b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 17m 99-worker-generated-containerruntime-2 b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 7m26s ...
次の例では、log_level
フィールドを debug
に設定し、オーバーレイサイズを 8 GB に設定します。
ContainerRuntimeConfig
CR の例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: ContainerRuntimeConfig metadata: name: overlay-size spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: '' 1 containerRuntimeConfig: logLevel: debug 2 overlaySize: 8G 3 defaultRuntime: "crun" 4
手順
ContainerRuntimeConfig
CR を使用して CRI-O 設定を変更するには、以下を実行します。
ContainerRuntimeConfig
CR の YAML ファイルを作成します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: ContainerRuntimeConfig metadata: name: overlay-size spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: '' 1 containerRuntimeConfig: 2 logLevel: debug overlaySize: 8G
ContainerRuntimeConfig
CR を作成します。$ oc create -f <file_name>.yaml
CR が作成されたことを確認します。
$ oc get ContainerRuntimeConfig
出力例
NAME AGE overlay-size 3m19s
新規の
containerruntime
マシン設定が作成されていることを確認します。$ oc get machineconfigs | grep containerrun
出力例
99-worker-generated-containerruntime 2c9371fbb673b97a6fe8b1c52691999ed3a1bfc2 3.2.0 31s
すべてが準備状態にあるものとして表示されるまでマシン設定プールをモニターします。
$ oc get mcp worker
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE worker rendered-worker-169 False True False 3 1 1 0 9h
設定が CRI-O で適用されたことを確認します。
マシン設定プールのノードに対して
oc debug
セッションを開き、chroot /host
を実行します。$ oc debug node/<node_name>
sh-4.4# chroot /host
crio.conf
ファイルの変更を確認します。sh-4.4# crio config | grep 'log_level'
出力例
log_level = "debug"
`storage.conf` ファイルの変更を確認します。
sh-4.4# head -n 7 /etc/containers/storage.conf
出力例
[storage] driver = "overlay" runroot = "/var/run/containers/storage" graphroot = "/var/lib/containers/storage" [storage.options] additionalimagestores = [] size = "8G"
5.3.3. CRI-O を使用した Overlay のデフォルトのコンテナールートパーティションの最大サイズの設定
各コンテナーのルートパーティションには、基礎となるホストの利用可能なディスク領域がすべて表示されます。以下のガイダンスに従って、すべてのコンテナーのルートディスクの最大サイズを設定します。
Overlay の最大サイズや、ログレベルなどの他の CRI-O オプションを設定するには、以下の ContainerRuntimeConfig
カスタムリソース定義 (CRD) を作成します。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: ContainerRuntimeConfig metadata: name: overlay-size spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-crio: overlay-size containerRuntimeConfig: logLevel: debug overlaySize: 8G
手順
設定オブジェクトを作成します。
$ oc apply -f overlaysize.yml
新規の CRI-O 設定をワーカーノードに適用するには、ワーカーのマシン設定プールを編集します。
$ oc edit machineconfigpool worker
ContainerRuntimeConfig
CRD に設定したmatchLabels
名に基づいてcustom-crio
ラベルを追加します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: creationTimestamp: "2020-07-09T15:46:34Z" generation: 3 labels: custom-crio: overlay-size machineconfiguration.openshift.io/mco-built-in: ""
変更を保存して、マシン設定を表示します。
$ oc get machineconfigs
新規の
99-worker-generated-containerruntime
およびrendered-worker-xyz
オブジェクトが作成されます。出力例
99-worker-generated-containerruntime 4173030d89fbf4a7a0976d1665491a4d9a6e54f1 3.2.0 7m42s rendered-worker-xyz 4173030d89fbf4a7a0976d1665491a4d9a6e54f1 3.2.0 7m36s
これらのオブジェクトの作成後に、変更が適用されるようにマシン設定プールを監視します。
$ oc get mcp worker
ワーカーノードには、マシン数、更新数およびその他の詳細と共に
UPDATING
がTrue
として表示されます。出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE worker rendered-worker-xyz False True False 3 2 2 0 20h
完了すると、ワーカーノードは
UPDATING
をFalse
に戻し、UPDATEDMACHINECOUNT
数はMACHINECOUNT
に一致します。出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE worker rendered-worker-xyz True False False 3 3 3 0 20h
ワーカーマシンを見ると、新規の 8 GB の最大サイズの設定がすべてのワーカーに適用されていることを確認できます。
出力例
head -n 7 /etc/containers/storage.conf [storage] driver = "overlay" runroot = "/var/run/containers/storage" graphroot = "/var/lib/containers/storage" [storage.options] additionalimagestores = [] size = "8G"
コンテナー内では、ルートパーティションが 8 GB であることを確認できます。
出力例
~ $ df -h Filesystem Size Used Available Use% Mounted on overlay 8.0G 8.0K 8.0G 0% /
5.3.4. CRI-O のデフォルト機能のドロップインファイルの作成
特定のマシン設定プール (MCP) に関連付けられたノードの OpenShift Container Platform CRI-O ランタイムに関連付けられる設定の一部を変更することができます。コントローラーカスタムリソース(CR)を使用して、設定値を設定し、MCP に一致するラベルを追加します。次に、MCO は関連付けられたノードで crio.conf
および storage.conf
設定ファイルを更新された値を使用して再ビルドします。
以前のバージョンの OpenShift Container Platform には、デフォルトで特定のマシン設定が含まれていました。OpenShift Container Platform の新しいバージョンに更新する場合、これらのマシン設定は保持され、同じ OpenShift Container Platform バージョンで実行されているクラスターが同じマシン設定を持つようにします。
必要に応じて複数の ContainerRuntimeConfig
CR を作成できます。この場合、制限はクラスターごとに 10 個となっています。最初の ContainerRuntimeConfig
CR について、MCO は containerruntime
で追加されたマシン設定を作成します。それぞれの後続の CR で、コントローラーは数字の接尾辞が付いた新規の containerruntime マシン設定を作成します。たとえば、containerruntime
マシン設定に -2
接尾辞がある場合、次の containerruntime
マシン設定が -3
を付けて追加されます。
マシン設定を削除する場合は、制限を超えないようにそれらを逆の順序で削除する必要があります。たとえば、containerruntime -3 マシン
を削除する前に削除します。
設定を、containerruntime
-2 マシン設定
接尾辞が containerruntime-9
のマシン設定があり、別の ContainerRuntimeConfig
CR を作成する場合には、containerruntime
マシン設定が 10 未満の場合でも新規マシン設定は作成されません。
複数の ContainerRuntimeConfig
CR の例
$ oc get ctrcfg
出力例
NAME AGE ctr-overlay 15m ctr-level 5m45s
複数の containerruntime
関連のシステム設定の例
$ cat /proc/1/status | grep Cap
$ capsh --decode=<decode_CapBnd_value> 1
- 1
- &
lt;decode_CapBnd_value>
; をデコードする特定の値に置き換えます。
第6章 インストール後のクラスタータスク
OpenShift Container Platform のインストール後に、クラスターをさらに拡張し、要件に合わせてカスタマイズできます。
6.1. 利用可能なクラスターのカスタマイズ
OpenShift Container Platform クラスターのデプロイ後は、大半のクラスター設定およびカスタマイズが終了していることになります。数多くの設定リソースが利用可能です。
クラスターを IBM Z® にインストールする場合は、すべての特長および機能が利用可能である訳ではありません。
イメージレジストリー、ネットワーク設定、イメージビルドの動作およびアイデンティティープロバイダーなどのクラスターの主要な機能を設定するために設定リソースを変更します。
これらのリソースを使用して制御する設定の現在の記述は、oc explain
コマンドを使用します (例: oc explain builds --api-version=config.openshift.io/v1
)。
6.1.1. クラスター設定リソース
すべてのクラスター設定リソースはグローバルにスコープが設定され (namespace は設定されない)、cluster
という名前が付けられます。
リソース名 | 説明 |
---|---|
| 証明書および認証局 などの API サーバー設定を提供します。 |
| クラスターの アイデンティティープロバイダー および認証設定を制御します。 |
| クラスター上のすべてのビルドの、デフォルトおよび強制された 設定 を制御します。 |
| ログアウト動作 を含む Web コンソールインターフェイスの動作を設定します。 |
| FeatureGates を有効にして、テクノロジープレビュー機能を使用できるようにします。 |
| 特定の イメージレジストリー が処理される方法を設定します (allowed、disallowed、insecure、CA の詳細)。 |
| ルートのデフォルトドメインなどの ルーティング に関連する設定の詳細。 |
| 内部 OAuth サーバー フローに関連するアイデンティティープロバイダーと他の動作を設定します。 |
| プロジェクトテンプレートを含む プロジェクトの作成方法 を設定します。 |
| 外部ネットワークアクセスを必要とするコンポーネントで使用されるプロキシーを定義します。注: すべてのコンポーネントがこの値を使用する訳ではありません。 |
| プロファイルやデフォルトのノードセレクターなどの スケジューラー の動作を設定します。 |
6.1.2. Operator 設定リソース
これらの設定リソースは、cluster
という名前のクラスタースコープのインスタンスです。これは、特定の Operator によって所有される特定コンポーネントの動作を制御します。
リソース名 | 説明 |
---|---|
| ブランドのカスタマイズなどのコンソールの外観の制御 |
| パブリックルーティング、ログレベル、プロキシー設定、リソース制約、レプリカ数、ストレージタイプなどの OpenShift イメージレジストリー設定 を設定します。 |
| Samples Operator を設定して、クラスターにインストールされるイメージストリームとテンプレートのサンプルを制御します。 |
6.1.3. 追加の設定リソース
これらの設定リソースは、特定コンポーネントの単一インスタンスを表します。場合によっては、リソースの複数のインスタンスを作成して、複数のインスタンスを要求できます。他の場合には、Operator は特定の namespace の特定のリソースインスタンス名のみを使用できます。追加のリソースインスタンスの作成方法や作成するタイミングの詳細は、コンポーネント固有のドキュメントを参照してください。
リソース名 | インスタンス名 | Namespace | 説明 |
---|---|---|---|
|
|
| Alertmanager デプロイメントパラメーターを制御します。 |
|
|
| ドメイン、レプリカ数、証明書、およびコントローラーの配置などの Ingress Operator 動作を設定します。 |
6.1.4. 情報リソース
これらのリソースを使用して、クラスターに関する情報を取得します。設定によっては、これらのリソースの直接編集が必要になる場合があります。
リソース名 | インスタンス名 | 説明 |
---|---|---|
|
|
OpenShift Container Platform 4.14 では、実稼働クラスターの |
|
| クラスターの DNS 設定を変更することはできません。DNS Operator ステータスを表示 できます。 |
|
| クラスターはそのクラウドプロバイダーとの対話を可能にする設定の詳細。 |
|
| インストール後にクラスターのネットワークを変更することはできません。ネットワークをカスタマイズするには、インストール時にネットワークをカスタマイズする プロセスを実行します。 |
6.2. ワーカーノードの追加
OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしたら、ワーカーノードを追加してクラスターリソースをスケーリングできます。インストール方法とクラスターの環境に応じて、ワーカーノードを追加するさまざまな方法があります。
6.2.1. installer-provisioned infrastructure へのワーカーノードの追加
installer-provisioned infrastructure クラスターの場合、MachineSet
オブジェクトを手動または自動でスケーリングして、利用可能なベアメタルホストの数に一致させることができます。
ベアメタルホストを追加するには、すべてのネットワーク前提条件を設定し、関連する baremetalhost
オブジェクトを設定してから、クラスターにワーカーノードをプロビジョニングする必要があります。手動で、または Web コンソールを使用して、ベアメタルホストを追加できます。
6.2.2. user-provisioned infrastructure クラスターへのワーカーノードの追加
user-provisioned infrastructure クラスターの場合、RHEL または RHCOS ISO イメージを使用し、クラスター Ignition 設定ファイルを使用してこれをクラスターに接続することで、ワーカーノードを追加できます。RHEL ワーカーノードの場合、次の例では、Ansible Playbook を使用してクラスターにワーカーノードを追加します。RHCOS ワーカーノードの場合、次の例では、ISO イメージとネットワークブートを使用してワーカーノードをクラスターに追加します。
6.2.3. Assisted Installer によって管理されるクラスターへのワーカーノードの追加
Assisted Installer によって管理されるクラスターの場合、Red Hat OpenShift Cluster Manager コンソール、Assisted Installer REST API を使用してワーカーノードを追加するか、ISO イメージとクラスター Ignition 設定ファイルを使用してワーカーノードを手動で追加することができます。
6.2.4. Kubernetes のマルチクラスターエンジンによって管理されるクラスターへのワーカーノードの追加
Kubernetes のマルチクラスターエンジンによって管理されるクラスターの場合、専用のマルチクラスターエンジンコンソールを使用してワーカーノードを追加することができます。
6.3. ワーカーノードの調整
デプロイメント時にワーカーノードのサイズを誤って設定した場合には、1 つ以上の新規コンピュートマシンセットを作成してそれらをスケールアップしてから、元のコンピュートマシンセットを削除する前にスケールダウンしてこれらのワーカーノードを調整します。
6.3.1. コンピュートマシンセットとマシン設定プールの相違点について
MachineSet
オブジェクトは、クラウドまたはマシンプロバイダーに関する OpenShift Container Platform ノードを記述します。
MachineConfigPool
オブジェクトにより、MachineConfigController
コンポーネントがアップグレードのコンテキストでマシンのステータスを定義し、提供できるようになります。
MachineConfigPool
オブジェクトにより、ユーザーはマシン設定プールの OpenShift Container Platform ノードにアップグレードをデプロイメントする方法を設定できます。
NodeSelector
オブジェクトは MachineSet
オブジェクトへの参照に置き換えることができます。
6.3.2. コンピュートマシンセットの手動スケーリング
コンピュートマシンセットのマシンのインスタンスを追加したり、削除したりする必要がある場合、コンピュートマシンセットを手動でスケーリングできます。
このガイダンスは、完全に自動化された installer-provisioned infrastructure のインストールに関連します。user-provisioned infrastructure のカスタマイズされたインストールにはコンピュートマシンセットがありません。
前提条件
-
OpenShift Container Platform クラスターおよび
oc
コマンドラインをインストールすること。 -
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして、oc
にログインする。
手順
次のコマンドを実行して、クラスター内のコンピュートマシンセットを表示します。
$ oc get machinesets -n openshift-machine-api
コンピュートマシンセットは
<clusterid>-worker-<aws-region-az>
の形式で一覧表示されます。次のコマンドを実行して、クラスター内のコンピュートマシンを表示します。
$ oc get machine -n openshift-machine-api
次のコマンドを実行して、削除するコンピュートマシンに注釈を設定します。
$ oc annotate machine/<machine_name> -n openshift-machine-api machine.openshift.io/delete-machine="true"
次のいずれかのコマンドを実行して、コンピュートマシンセットをスケーリングします。
$ oc scale --replicas=2 machineset <machineset> -n openshift-machine-api
または、以下を実行します。
$ oc edit machineset <machineset> -n openshift-machine-api
ヒントまたは、以下の YAML を適用してコンピュートマシンセットをスケーリングすることもできます。
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: name: <machineset> namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 2
コンピュートマシンセットをスケールアップまたはスケールダウンできます。新規マシンが利用可能になるまで数分の時間がかかります。
重要デフォルトでは、マシンコントローラーは、成功するまでマシンによってサポートされるノードをドレイン (解放) しようとします。Pod 中断バジェットの設定が間違っているなど、状況によっては、ドレイン操作が成功しない可能性があります。排水操作が失敗した場合、マシンコントローラーはマシンの取り外しを続行できません。
特定のマシンの
machine.openshift.io/exclude-node-draining
にアノテーションを付けると、ノードのドレイン (解放) を省略できます。
検証
次のコマンドを実行して、目的のマシンが削除されたことを確認します。
$ oc get machines
6.3.3. コンピュートマシンセットの削除ポリシー
Random
、Newest
、および Oldest
は 3 つのサポートされる削除オプションです。デフォルトは Random
です。これは、コンピュートマシンセットのスケールダウン時にランダムなマシンが選択され、削除されることを意味します。削除ポリシーは、特定のコンピュートマシンセットを変更し、ユースケースに基づいて設定できます。
spec: deletePolicy: <delete_policy> replicas: <desired_replica_count>
削除に関する特定のマシンの優先順位は、削除ポリシーに関係なく、関連するマシンにアノテーション machine.openshift.io/delete-machine=true
を追加して設定できます。
デフォルトで、OpenShift Container Platform ルーター Pod はワーカーにデプロイされます。ルーターは Web コンソールなどの一部のクラスターリソースにアクセスすることが必要であるため、ルーター Pod をまず再配置しない限り、ワーカーのコンピュートマシンセットを 0
にスケーリングできません。
カスタムのコンピュートマシンセットは、サービスを特定のノードサービスで実行し、それらのサービスがワーカーのコンピュートマシンセットのスケールダウン時にコントローラーによって無視されるようにする必要があるユースケースで使用できます。これにより、サービスの中断が回避されます。
6.3.4. クラスタースコープのデフォルトノードセレクターの作成
クラスター内の作成されたすべての Pod を特定のノードに制限するために、デフォルトのクラスタースコープのノードセレクターをノード上のラベルと共に Pod で使用することができます。
クラスタースコープのノードセレクターを使用する場合、クラスターで Pod を作成すると、OpenShift Container Platform はデフォルトのノードセレクターを Pod に追加し、一致するラベルのあるノードで Pod をスケジュールします。
スケジューラー Operator カスタムリソース (CR) を編集して、クラスタースコープのノードセレクターを設定します。ラベルをノード、コンピュートマシンセット、またはマシン設定に追加します。コンピュートマシンセットにラベルを追加すると、ノードまたはマシンが停止した場合に、新規ノードにそのラベルが追加されます。ノードまたはマシン設定に追加されるラベルは、ノードまたはマシンが停止すると維持されません。
Pod にキーと値のペアを追加できます。ただし、デフォルトキーの異なる値を追加することはできません。
手順
デフォルトのクラスタースコープのセレクターを追加するには、以下を実行します。
スケジューラー Operator CR を編集して、デフォルトのクラスタースコープのノードクラスターを追加します。
$ oc edit scheduler cluster
ノードセレクターを含むスケジューラー Operator CR のサンプル
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: Scheduler metadata: name: cluster ... spec: defaultNodeSelector: type=user-node,region=east 1 mastersSchedulable: false
- 1
- 適切な
<key>:<value>
ペアが設定されたノードセレクターを追加します。
この変更を加えた後に、
openshift-kube-apiserver
プロジェクトの Pod の再デプロイを待機します。これには数分の時間がかかる場合があります。デフォルトのクラスター全体のノードセレクターは、Pod の再起動まで有効になりません。コンピュートマシンセットを使用するか、ノードを直接編集してラベルをノードに追加します。
コンピュートマシンセットを使用して、ノードの作成時にコンピュートマシンセットによって管理されるノードにラベルを追加します。
以下のコマンドを実行してラベルを
MachineSet
オブジェクトに追加します。$ oc patch MachineSet <name> --type='json' -p='[{"op":"add","path":"/spec/template/spec/metadata/labels", "value":{"<key>"="<value>","<key>"="<value>"}}]' -n openshift-machine-api 1
- 1
- それぞれのラベルに
<key>/<value>
ペアを追加します。
以下に例を示します。
$ oc patch MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c --type='json' -p='[{"op":"add","path":"/spec/template/spec/metadata/labels", "value":{"type":"user-node","region":"east"}}]' -n openshift-machine-api
ヒントあるいは、以下の YAML を適用してコンピュートマシンセットにラベルを追加することもできます。
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: name: <machineset> namespace: openshift-machine-api spec: template: spec: metadata: labels: region: "east" type: "user-node"
oc edit
コマンドを使用して、ラベルがMachineSet
オブジェクトに追加されていることを確認します。以下に例を示します。
$ oc edit MachineSet abc612-msrtw-worker-us-east-1c -n openshift-machine-api
MachineSet
オブジェクトの例apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet ... spec: ... template: metadata: ... spec: metadata: labels: region: east type: user-node ...
0
にスケールダウンし、ノードをスケールアップして、そのコンピュートマシンセットに関連付けられたノードを再デプロイします。以下に例を示します。
$ oc scale --replicas=0 MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c -n openshift-machine-api
$ oc scale --replicas=1 MachineSet ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c -n openshift-machine-api
ノードの準備ができ、利用可能な状態になったら、
oc get
コマンドを使用してラベルがノードに追加されていることを確認します。$ oc get nodes -l <key>=<value>
以下に例を示します。
$ oc get nodes -l type=user-node
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-c-vmqzp Ready worker 61s v1.27.3
ラベルをノードに直接追加します。
ノードの
Node
オブジェクトを編集します。$ oc label nodes <name> <key>=<value>
たとえば、ノードにラベルを付けるには、以下を実行します。
$ oc label nodes ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-b-tgq49 type=user-node region=east
ヒントあるいは、以下の YAML を適用してノードにラベルを追加することもできます。
kind: Node apiVersion: v1 metadata: name: <node_name> labels: type: "user-node" region: "east"
oc get
コマンドを使用して、ラベルがノードに追加されていることを確認します。$ oc get nodes -l <key>=<value>,<key>=<value>
以下に例を示します。
$ oc get nodes -l type=user-node,region=east
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ci-ln-l8nry52-f76d1-hl7m7-worker-b-tgq49 Ready worker 17m v1.27.3
6.4. ワーカーレイテンシープロファイルを使用したレイテンシーの高い環境でのクラスターの安定性の向上
クラスター管理者が遅延テストを実行してプラットフォームを検証した際に、遅延が大きい場合でも安定性を確保するために、クラスターの動作を調整する必要性が判明することがあります。クラスター管理者が変更する必要があるのは、ファイルに記録されている 1 つのパラメーターだけです。このパラメーターは、監視プロセスがステータスを読み取り、クラスターの健全性を解釈する方法に影響を与える 4 つのパラメーターを制御するものです。1 つのパラメーターのみを変更し、サポートしやすく簡単な方法でクラスターをチューニングできます。
Kubelet
プロセスは、クラスターの健全性を監視する上での出発点です。Kubelet
は、OpenShift Container Platform クラスター内のすべてのノードのステータス値を設定します。Kubernetes コントローラーマネージャー (kube controller
) は、デフォルトで 10 秒ごとにステータス値を読み取ります。ノードのステータス値を読み取ることができない場合、設定期間が経過すると、kube controller
とそのノードとの接続が失われます。デフォルトの動作は次のとおりです。
-
コントロールプレーン上のノードコントローラーが、ノードの健全性を
Unhealthy
に更新し、ノードのReady
状態を `Unknown` とマークします。 - この操作に応じて、スケジューラーはそのノードへの Pod のスケジューリングを停止します。
-
ノードライフサイクルコントローラーが、
NoExecute
effect を持つnode.kubernetes.io/unreachable
taint をノードに追加し、デフォルトでノード上のすべての Pod を 5 分後にエビクトするようにスケジュールします。
この動作は、ネットワークが遅延の問題を起こしやすい場合、特にネットワークエッジにノードがある場合に問題が発生する可能性があります。場合によっては、ネットワークの遅延が原因で、Kubernetes コントローラーマネージャーが正常なノードから更新を受信できないことがあります。Kubelet
は、ノードが正常であっても、ノードから Pod を削除します。
この問題を回避するには、ワーカーレイテンシープロファイル を使用して、Kubelet
と Kubernetes コントローラーマネージャーがアクションを実行する前にステータスの更新を待機する頻度を調整できます。これらの調整により、コントロールプレーンとワーカーノード間のネットワーク遅延が最適でない場合に、クラスターが適切に動作するようになります。
これらのワーカーレイテンシープロファイルには、3 つのパラメーターセットが含まれています。パラメーターは、遅延の増加に対するクラスターの反応を制御するように、慎重に調整された値で事前定義されています。試験により手作業で最良の値を見つける必要はありません。
クラスターのインストール時、またはクラスターネットワークのレイテンシーの増加に気付いたときはいつでも、ワーカーレイテンシープロファイルを設定できます。
6.4.1. ワーカーレイテンシープロファイルについて
ワーカーレイテンシープロファイルは、4 つの異なるカテゴリーからなる慎重に調整されたパラメーターです。これらの値を実装する 4 つのパラメーターは、node-status-update-frequency
、node-monitor-grace-period
、default-not-ready-toleration-seconds
、および default-unreachable-toleration-seconds
です。これらのパラメーターにより、遅延の問題に対するクラスターの反応を制御できる値を使用できます。手作業で最適な値を決定する必要はありません。
これらのパラメーターの手動設定はサポートされていません。パラメーター設定が正しくないと、クラスターの安定性に悪影響が及びます。
すべてのワーカーレイテンシープロファイルは、次のパラメーターを設定します。
- node-status-update-frequency
- kubelet がノードのステータスを API サーバーにポストする頻度を指定します。
- node-monitor-grace-period
-
Kubernetes コントローラーマネージャーが、ノードを異常とマークし、
node.kubernetes.io/not-ready
またはnode.kubernetes.io/unreachable
taint をノードに追加する前に、kubelet からの更新を待機する時間を秒単位で指定します。 - default-not-ready-toleration-seconds
- ノードを異常とマークした後、Kube API Server Operator がそのノードから Pod を削除するまでに待機する時間を秒単位で指定します。
- default-unreachable-toleration-seconds
- ノードを到達不能とマークした後、Kube API Server Operator がそのノードから Pod を削除するまでに待機する時間を秒単位で指定します。
次の Operator は、ワーカーレイテンシープロファイルの変更を監視し、それに応じて対応します。
-
Machine Config Operator (MCO) は、ワーカーノードの
node-status-update-frequency
パラメーターを更新します。 -
Kubernetes コントローラーマネージャーは、コントロールプレーンノードの
node-monitor-grace-period
パラメーターを更新します。 -
Kubernetes API Server Operator は、コントロールプレーンノードの
default-not-ready-toleration-seconds
およびdefault-unreachable-toleration-seconds
パラメーターを更新します。
ほとんどの場合はデフォルト設定が機能しますが、OpenShift Container Platform は、ネットワークで通常よりも高いレイテンシーが発生している状況に対して、他に 2 つのワーカーレイテンシープロファイルを提供します。次のセクションでは、3 つのワーカーレイテンシープロファイルを説明します。
- デフォルトのワーカーレイテンシープロファイル
Default
プロファイルを使用すると、各Kubelet
が 10 秒ごとにステータスを更新します (node-status-update-frequency
)。Kube Controller Manager
は、Kubelet
のステータスを 5 秒ごとにチェックします (node-monitor-grace-period
)。Kubernetes コントローラーマネージャーは、
Kubelet
が異常であると判断するまでに、Kubelet
からのステータス更新を 40 秒待機します。ステータスが提供されない場合、Kubernetes コントローラーマネージャーは、ノードにnode.kubernetes.io/not-ready
またはnode.kubernetes.io/unreachable
taint のマークを付け、そのノードの Pod を削除します。そのノードの Pod に
NoExecute
taint がある場合、その Pod はtolerationSeconds
に従って実行されます。Pod に taint がない場合、その Pod は 300 秒以内に削除されます (Kube API Server
のdefault-not-ready-toleration-seconds
およびdefault-unreachable-toleration-seconds
設定)。プロファイル コンポーネント パラメーター 値 デフォルト
kubelet
node-status-update-frequency
10s
Kubelet コントローラーマネージャー
node-monitor-grace-period
40s
Kubernetes API Server Operator
default-not-ready-toleration-seconds
300s
Kubernetes API Server Operator
default-unreachable-toleration-seconds
300s
- 中規模のワーカーレイテンシープロファイル
ネットワークレイテンシーが通常の場合、
MediumUpdateAverageReaction
プロファイルを使用します。MediumUpdateAverageReaction
プロファイルは、kubelet の更新の頻度を 20 秒に減らし、Kubernetes コントローラーマネージャーがそれらの更新を待機する期間を 2 分に変更します。そのノード上の Pod の Pod 排除期間は 60 秒に短縮されます。Pod にtolerationSeconds
パラメーターがある場合、エビクションはそのパラメーターで指定された期間待機します。Kubernetes コントローラーマネージャーは、ノードが異常であると判断するまでに 2 分間待機します。別の 1 分間でエビクションプロセスが開始されます。
プロファイル コンポーネント パラメーター 値 MediumUpdateAverageReaction
kubelet
node-status-update-frequency
20s
Kubelet コントローラーマネージャー
node-monitor-grace-period
2m
Kubernetes API Server Operator
default-not-ready-toleration-seconds
60s
Kubernetes API Server Operator
default-unreachable-toleration-seconds
60s
- ワーカーの低レイテンシープロファイル
ネットワーク遅延が非常に高い場合は、
LowUpdateSlowReaction
プロファイルを使用します。LowUpdateSlowReaction
プロファイルは、kubelet の更新頻度を 1 分に減らし、Kubernetes コントローラーマネージャーがそれらの更新を待機する時間を 5 分に変更します。そのノード上の Pod の Pod 排除期間は 60 秒に短縮されます。Pod にtolerationSeconds
パラメーターがある場合、エビクションはそのパラメーターで指定された期間待機します。Kubernetes コントローラーマネージャーは、ノードが異常であると判断するまでに 5 分間待機します。別の 1 分間でエビクションプロセスが開始されます。
プロファイル コンポーネント パラメーター 値 LowUpdateSlowReaction
kubelet
node-status-update-frequency
1m
Kubelet コントローラーマネージャー
node-monitor-grace-period
5m
Kubernetes API Server Operator
default-not-ready-toleration-seconds
60s
Kubernetes API Server Operator
default-unreachable-toleration-seconds
60s
6.4.2. ワーカーレイテンシープロファイルの使用と変更
ネットワークの遅延に対処するためにワーカー遅延プロファイルを変更するには、node.config
オブジェクトを編集してプロファイルの名前を追加します。遅延が増加または減少したときに、いつでもプロファイルを変更できます。
ワーカーレイテンシープロファイルは、一度に 1 つずつ移行する必要があります。たとえば、Default
プロファイルから LowUpdateSlowReaction
ワーカーレイテンシープロファイルに直接移行することはできません。まず Default
ワーカーレイテンシープロファイルから MediumUpdateAverageReaction
プロファイルに移行し、次に LowUpdateSlowReaction
プロファイルに移行する必要があります。同様に、Default
プロファイルに戻る場合は、まずロープロファイルからミディアムプロファイルに移行し、次に Default
に移行する必要があります。
OpenShift Container Platform クラスターのインストール時にワーカーレイテンシープロファイルを設定することもできます。
手順
デフォルトのワーカーレイテンシープロファイルから移動するには、以下を実行します。
中規模のワーカーのレイテンシープロファイルに移動します。
node.config
オブジェクトを編集します。$ oc edit nodes.config/cluster
spec.workerLatencyProfile: MediumUpdateAverageReaction
を追加します。node.config
オブジェクトの例apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: Node metadata: annotations: include.release.openshift.io/ibm-cloud-managed: "true" include.release.openshift.io/self-managed-high-availability: "true" include.release.openshift.io/single-node-developer: "true" release.openshift.io/create-only: "true" creationTimestamp: "2022-07-08T16:02:51Z" generation: 1 name: cluster ownerReferences: - apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: ClusterVersion name: version uid: 36282574-bf9f-409e-a6cd-3032939293eb resourceVersion: "1865" uid: 0c0f7a4c-4307-4187-b591-6155695ac85b spec: workerLatencyProfile: MediumUpdateAverageReaction 1 # ...
- 1
- 中規模のワーカーレイテンシーポリシーを指定します。
変更が適用されると、各ワーカーノードでのスケジューリングは無効になります。
必要に応じて、ワーカーのレイテンシーが低いプロファイルに移動します。
node.config
オブジェクトを編集します。$ oc edit nodes.config/cluster
spec.workerLatencyProfile
の値をLowUpdateSlowReaction
に変更します。node.config
オブジェクトの例apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: Node metadata: annotations: include.release.openshift.io/ibm-cloud-managed: "true" include.release.openshift.io/self-managed-high-availability: "true" include.release.openshift.io/single-node-developer: "true" release.openshift.io/create-only: "true" creationTimestamp: "2022-07-08T16:02:51Z" generation: 1 name: cluster ownerReferences: - apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: ClusterVersion name: version uid: 36282574-bf9f-409e-a6cd-3032939293eb resourceVersion: "1865" uid: 0c0f7a4c-4307-4187-b591-6155695ac85b spec: workerLatencyProfile: LowUpdateSlowReaction 1 # ...
- 1
- 低ワーカーレイテンシーポリシーの使用を指定します。
変更が適用されると、各ワーカーノードでのスケジューリングは無効になります。
検証
全ノードが
Ready
状態に戻ると、以下のコマンドを使用して Kubernetes Controller Manager を確認し、これが適用されていることを確認できます。$ oc get KubeControllerManager -o yaml | grep -i workerlatency -A 5 -B 5
出力例
# ... - lastTransitionTime: "2022-07-11T19:47:10Z" reason: ProfileUpdated status: "False" type: WorkerLatencyProfileProgressing - lastTransitionTime: "2022-07-11T19:47:10Z" 1 message: all static pod revision(s) have updated latency profile reason: ProfileUpdated status: "True" type: WorkerLatencyProfileComplete - lastTransitionTime: "2022-07-11T19:20:11Z" reason: AsExpected status: "False" type: WorkerLatencyProfileDegraded - lastTransitionTime: "2022-07-11T19:20:36Z" status: "False" # ...
- 1
- プロファイルが適用され、アクティブであることを指定します。
ミディアムプロファイルからデフォルト、またはデフォルトからミディアムに変更する場合、node.config
オブジェクトを編集し、spec.workerLatencyProfile
パラメーターを適切な値に設定します。
6.5. コントロールプレーンマシンの管理
コントロールプレーンマシンセット は、コンピュートマシンセットがコンピュートマシンに提供するものと同様の管理機能をコントロールプレーンマシンに提供します。クラスター上のコントロールプレーンマシンセットの可用性と初期ステータスは、クラウドプロバイダーと、インストールした OpenShift Container Platform のバージョンによって異なります。詳細は、コントロールプレーンマシンセットの概要 を参照してください。
6.6. 実稼働環境用のインフラストラクチャーマシンセットの作成
コンピュートマシンセットを作成して、デフォルトのルーター、統合コンテナーイメージレジストリー、およびクラスターメトリクスおよびモニタリングのコンポーネントなどのインフラストラクチャーコンポーネントのみをホストするマシンを作成できます。これらのインフラストラクチャーマシンは、環境の実行に必要なサブスクリプションの合計数にカウントされません。
実稼働デプロイメントでは、インフラストラクチャーコンポーネントを保持するために 3 つ以上のコンピュートマシンセットをデプロイすることが推奨されます。OpenShift Logging と Red Hat OpenShift Service Mesh の両方が Elasticsearch をデプロイします。これには、3 つのインスタンスを異なるノードにインストールする必要があります。これらの各ノードは、高可用性のために異なるアベイラビリティーゾーンにデプロイできます。このような設定では、各アベイラビリティーゾーンに 1 つずつ、3 つの異なるコンピュートマシンセットが必要です。複数のアベイラビリティーゾーンを持たないグローバル Azure リージョンでは、アベイラビリティーセットを使用して高可用性を確保できます。
インフラストラクチャーノードおよびインフラストラクチャーノードで実行できるコンポーネントの情報は、Creating infrastructure machine setsを参照してください。
インフラストラクチャーノードを作成するには、マシンセットを使用する か ノードにラベルを割り当てる か、マシン設定プールを使用します。
これらの手順で使用できるサンプルマシンセットについては、さまざまなクラウド用のマシンセットの作成 を参照してください。
特定のノードセレクターをすべてのインフラストラクチャーコンポーネントに適用すると、OpenShift Container Platform は そのラベルを持つノードでそれらのワークロードをスケジュール します。
6.6.1. コンピュートマシンセットの作成
インストールプログラムによって作成されるコンピュートセットセットに加えて、独自のマシンセットを作成して、選択した特定のワークロードのマシンコンピューティングリソースを動的に管理できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして、oc
にログインする。
手順
コンピュートマシンセットのカスタムリソース (CR) サンプルを含む新しい YAML ファイルを作成し、
<file_name>.yaml
という名前を付けます。<clusterID>
および<role>
パラメーターの値を設定していることを確認します。オプション: 特定のフィールドに設定する値がわからない場合は、クラスターから既存のコンピュートマシンセットを確認できます。
クラスター内のコンピュートマシンセットをリスト表示するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get machinesets -n openshift-machine-api
出力例
NAME DESIRED CURRENT READY AVAILABLE AGE agl030519-vplxk-worker-us-east-1a 1 1 1 1 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1b 1 1 1 1 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1c 1 1 1 1 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1d 0 0 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1e 0 0 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1f 0 0 55m
特定のコンピュートマシンセットカスタムリソース (CR) 値を表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get machineset <machineset_name> \ -n openshift-machine-api -o yaml
出力例
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1 name: <infrastructure_id>-<role> 2 namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 1 selector: matchLabels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role> template: metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role> spec: providerSpec: 3 ...
次のコマンドを実行して
MachineSet
CR を作成します。$ oc create -f <file_name>.yaml
検証
次のコマンドを実行して、コンピュートマシンセットのリストを表示します。
$ oc get machineset -n openshift-machine-api
出力例
NAME DESIRED CURRENT READY AVAILABLE AGE agl030519-vplxk-infra-us-east-1a 1 1 1 1 11m agl030519-vplxk-worker-us-east-1a 1 1 1 1 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1b 1 1 1 1 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1c 1 1 1 1 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1d 0 0 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1e 0 0 55m agl030519-vplxk-worker-us-east-1f 0 0 55m
新しいコンピュートマシンセットが利用可能になると、
DESIRED
とCURRENT
の値が一致します。コンピュートマシンセットが使用できない場合は、数分待ってからコマンドを再実行してください。
6.6.2. 専用インフラストラクチャーノードの作成
installer-provisioned infrastructure 環境またはコントロールプレーンノードがマシン API によって管理されているクラスターについて、Creating infrastructure machine set を参照してください。
クラスターの要件により、インフラストラクチャー ( infra
ノードとも呼ばれる) がプロビジョニングされます。インストーラーは、コントロールプレーンノードとワーカーノードのプロビジョニングのみを提供します。ワーカーノードは、ラベル付けによって、インフラストラクチャーノードまたはアプリケーション (app
とも呼ばれる) として指定できます。
手順
アプリケーションノードとして機能させるワーカーノードにラベルを追加します。
$ oc label node <node-name> node-role.kubernetes.io/app=""
インフラストラクチャーノードとして機能する必要のあるワーカーノードにラベルを追加します。
$ oc label node <node-name> node-role.kubernetes.io/infra=""
該当するノードに
infra
ロールおよびapp
ロールがあるかどうかを確認します。$ oc get nodes
デフォルトのクラスタースコープのセレクターを作成するには、以下を実行します。デフォルトのノードセレクターはすべての namespace で作成された Pod に適用されます。これにより、Pod の既存のノードセレクターとの交差が作成され、Pod のセレクターをさらに制限します。
重要デフォルトのノードセレクターのキーが Pod のラベルのキーと競合する場合、デフォルトのノードセレクターは適用されません。
ただし、Pod がスケジュール対象外になる可能性のあるデフォルトノードセレクターを設定しないでください。たとえば、Pod のラベルが
node-role.kubernetes.io/master=""
などの別のノードロールに設定されている場合、デフォルトのノードセレクターをnode-role.kubernetes.io/infra=""
などの特定のノードロールに設定すると、Pod がスケジュール不能になる可能性があります。このため、デフォルトのノードセレクターを特定のノードロールに設定する際には注意が必要です。または、プロジェクトノードセレクターを使用して、クラスター全体でのノードセレクターの競合を避けることができます。
Scheduler
オブジェクトを編集します。$ oc edit scheduler cluster
適切なノードセレクターと共に
defaultNodeSelector
フィールドを追加します。apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: Scheduler metadata: name: cluster spec: defaultNodeSelector: node-role.kubernetes.io/infra="" 1 # ...
- 1
- この例のノードセレクターは、デフォルトでインフラストラクチャーノードに Pod をデプロイします。
- 変更を適用するためにファイルを保存します。
これで、インフラストラクチャーリソースを新しくラベル付けされた infra
ノードに移動できます。
関連情報
- プロジェクトノードセレクターを設定してクラスター全体のノードセレクターキーの競合を回避する方法に関する詳細は、Project node selectors を参照してください。
6.6.3. インフラストラクチャーマシンのマシン設定プール作成
インフラストラクチャーマシンに専用の設定が必要な場合は、infra プールを作成する必要があります。
手順
特定のラベルを持つ infra ノードとして割り当てるノードに、ラベルを追加します。
$ oc label node <node_name> <label>
$ oc label node ci-ln-n8mqwr2-f76d1-xscn2-worker-c-6fmtx node-role.kubernetes.io/infra=
ワーカーロールとカスタムロールの両方をマシン設定セレクターとして含まれるマシン設定プールを作成します。
$ cat infra.mcp.yaml
出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: name: infra spec: machineConfigSelector: matchExpressions: - {key: machineconfiguration.openshift.io/role, operator: In, values: [worker,infra]} 1 nodeSelector: matchLabels: node-role.kubernetes.io/infra: "" 2
注記カスタムマシン設定プールは、ワーカープールからマシン設定を継承します。カスタムプールは、ワーカープールのターゲット設定を使用しますが、カスタムプールのみをターゲットに設定する変更をデプロイする機能を追加します。カスタムプールはワーカープールから設定を継承するため、ワーカープールへの変更もカスタムプールに適用されます。
YAML ファイルを用意した後に、マシン設定プールを作成できます。
$ oc create -f infra.mcp.yaml
マシン設定をチェックして、インフラストラクチャー設定が正常にレンダリングされていることを確認します。
$ oc get machineconfig
出力例
NAME GENERATEDBYCONTROLLER IGNITIONVERSION CREATED 00-master 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 31d 00-worker 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 31d 01-master-container-runtime 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 31d 01-master-kubelet 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 31d 01-worker-container-runtime 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 31d 01-worker-kubelet 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 31d 99-master-1ae2a1e0-a115-11e9-8f14-005056899d54-registries 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 31d 99-master-ssh 3.2.0 31d 99-worker-1ae64748-a115-11e9-8f14-005056899d54-registries 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 31d 99-worker-ssh 3.2.0 31d rendered-infra-4e48906dca84ee702959c71a53ee80e7 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 23m rendered-master-072d4b2da7f88162636902b074e9e28e 5b6fb8349a29735e48446d435962dec4547d3090 3.2.0 31d rendered-master-3e88ec72aed3886dec061df60d16d1af 02c07496ba0417b3e12b78fb32baf6293d314f79 3.2.0 31d rendered-master-419bee7de96134963a15fdf9dd473b25 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 17d rendered-master-53f5c91c7661708adce18739cc0f40fb 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 13d rendered-master-a6a357ec18e5bce7f5ac426fc7c5ffcd 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 7d3h rendered-master-dc7f874ec77fc4b969674204332da037 5b6fb8349a29735e48446d435962dec4547d3090 3.2.0 31d rendered-worker-1a75960c52ad18ff5dfa6674eb7e533d 5b6fb8349a29735e48446d435962dec4547d3090 3.2.0 31d rendered-worker-2640531be11ba43c61d72e82dc634ce6 5b6fb8349a29735e48446d435962dec4547d3090 3.2.0 31d rendered-worker-4e48906dca84ee702959c71a53ee80e7 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 7d3h rendered-worker-4f110718fe88e5f349987854a1147755 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 17d rendered-worker-afc758e194d6188677eb837842d3b379 02c07496ba0417b3e12b78fb32baf6293d314f79 3.2.0 31d rendered-worker-daa08cc1e8f5fcdeba24de60cd955cc3 365c1cfd14de5b0e3b85e0fc815b0060f36ab955 3.2.0 13d
新規のマシン設定には、接頭辞
rendered-infra-*
が表示されるはずです。オプション: カスタムプールへの変更をデプロイするには、
infra
などのラベルとしてカスタムプール名を使用するマシン設定を作成します。これは必須ではありませんが、説明の目的でのみ表示されていることに注意してください。これにより、インフラストラクチャーノードのみに固有のカスタム設定を適用できます。注記新規マシン設定プールの作成後に、MCO はそのプールに新たにレンダリングされた設定を生成し、そのプールに関連付けられたノードは再起動して、新規設定を適用します。
マシン設定を作成します。
$ cat infra.mc.yaml
出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: name: 51-infra labels: machineconfiguration.openshift.io/role: infra 1 spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - path: /etc/infratest mode: 0644 contents: source: data:,infra
- 1
- ノードに追加したラベルを
nodeSelector
として追加します。
マシン設定を infra のラベルが付いたノードに適用します。
$ oc create -f infra.mc.yaml
新規のマシン設定プールが利用可能であることを確認します。
$ oc get mcp
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE infra rendered-infra-60e35c2e99f42d976e084fa94da4d0fc True False False 1 1 1 0 4m20s master rendered-master-9360fdb895d4c131c7c4bebbae099c90 True False False 3 3 3 0 91m worker rendered-worker-60e35c2e99f42d976e084fa94da4d0fc True False False 2 2 2 0 91m
この例では、ワーカーノードが infra ノードに変更されました。
関連情報
- カスタムプールでインフラマシンをグループ化する方法に関する詳細は、Node configuration management with machine config pools を参照してください。
6.7. マシンセットリソースのインフラストラクチャーノードへの割り当て
インフラストラクチャーマシンセットの作成後、worker
および infra
ロールが新規の infra ノードに適用されます。infra
ロールが割り当てられたノードは、worker
ロールも適用されている場合でも、環境を実行するために必要なサブスクリプションの合計数にはカウントされません。
ただし、infra ノードに worker ロールが割り当てられている場合は、ユーザーのワークロードが誤って infra ノードに割り当てられる可能性があります。これを回避するには、taint を、制御する必要のある Pod の infra ノードおよび toleration に適用できます。
6.7.1. taint および toleration を使用したインフラストラクチャーノードのワークロードのバインディング
infra
および worker
ロールが割り当てられている infra ノードがある場合、ユーザーのワークロードがこれに割り当てられないようにノードを設定する必要があります。
infra ノード用に作成されたデュアル infra,worker
ラベルを保持し、taint および toleration を使用してユーザーのワークロードがスケジュールされているノードを管理するすることを推奨します。ノードから worker
ラベルを削除する場合には、カスタムプールを作成して管理する必要があります。master
または worker
以外のラベルが割り当てられたノードは、カスタムプールなしには MCO で認識されません。worker
ラベルを維持すると、カスタムラベルを選択するカスタムプールが存在しない場合に、ノードをデフォルトのワーカーマシン設定プールで管理できます。infra
ラベルは、サブスクリプションの合計数にカウントされないクラスターと通信します。
前提条件
-
追加の
MachineSet
を OpenShift Container Platform クラスターに設定します。
手順
taint を infra ノードに追加し、ユーザーのワークロードをこれにスケジュールできないようにします。
ノードに taint があるかどうかを判別します。
$ oc describe nodes <node_name>
出力例
oc describe node ci-ln-iyhx092-f76d1-nvdfm-worker-b-wln2l Name: ci-ln-iyhx092-f76d1-nvdfm-worker-b-wln2l Roles: worker ... Taints: node-role.kubernetes.io/infra:NoSchedule ...
この例では、ノードに taint があることを示しています。次の手順に進み、toleration を Pod に追加してください。
ユーザーワークロードをスケジューリングできないように、taint を設定していない場合は、以下を実行します。
$ oc adm taint nodes <node_name> <key>=<value>:<effect>
以下に例を示します。
$ oc adm taint nodes node1 node-role.kubernetes.io/infra=reserved:NoSchedule
ヒントまたは、以下の YAML を適用して taint を追加できます。
kind: Node apiVersion: v1 metadata: name: <node_name> labels: ... spec: taints: - key: node-role.kubernetes.io/infra effect: NoSchedule value: reserved ...
この例では、taint を、
node-role.kubernetes.io/infra
キーおよびNoSchedule
effect の taint を持つnode1
に配置します。effect がNoSchedule
のノードは、taint を容認する Pod のみをスケジュールしますが、既存の Pod はノードにスケジュールされたままになります。注記Descheduler が使用されると、ノードの taint に違反する Pod はクラスターからエビクトされる可能性があります。
上記の NoSchedule Effect の taint とともに、NoExecute Effect の taint を追加します。
$ oc adm taint nodes <node_name> <key>=<value>:<effect>
以下に例を示します。
$ oc adm taint nodes node1 node-role.kubernetes.io/infra=reserved:NoExecute
ヒントまたは、以下の YAML を適用して taint を追加できます。
kind: Node apiVersion: v1 metadata: name: <node_name> labels: ... spec: taints: - key: node-role.kubernetes.io/infra effect: NoExecute value: reserved ...
この例では、taint を、
node-role.kubernetes.io/infra
キーおよびNoExecute
effect の taint を持つnode1
に配置します。NoExecute
effect を持つノードは、taint を容認する Pod のみをスケジュールします。effect は、一致する toleration を持たないノードから既存の Pod を削除します。
ルーター、レジストリーおよびモニタリングのワークロードなどの、infra ノードにスケジュールする必要のある Pod 設定の toleration を追加します。以下のコードを
Pod
オブジェクトの仕様に追加します。tolerations: - effect: NoSchedule 1 key: node-role.kubernetes.io/infra 2 value: reserved 3 - effect: NoExecute 4 key: node-role.kubernetes.io/infra 5 operator: Exists 6 value: reserved 7
こ toleration は、
oc adm taint
コマンドで作成された taint と一致します。この toleration のある Pod は infra ノードにスケジュールできます。注記OLM でインストールされた Operator の Pod を infra ノードに常に移動できる訳ではありません。Operator Pod を移動する機能は、各 Operator の設定によって異なります。
- スケジューラーを使用して Pod を infra ノードにスケジュールします。詳細は、Pod のノードへの配置の制御 に関するドキュメントを参照してください。
関連情報
- ノードへの Pod のスケジューリングに関する一般的な情報については、Controlling pod placement using the scheduler を参照してください。
6.8. リソースのインフラストラクチャーマシンセットへの移行
インフラストラクチャーリソースの一部はデフォルトでクラスターにデプロイされます。それらは、作成したインフラストラクチャーマシンセットに移行できます。
6.8.1. ルーターの移動
ルーター Pod を異なるコンピュートマシンセットにデプロイできます。デフォルトで、この Pod はワーカーノードにデプロイされます。
前提条件
- 追加のコンピュートマシンセットを OpenShift Container Platform クラスターに設定します。
手順
ルーター Operator の
IngressController
カスタムリソースを表示します。$ oc get ingresscontroller default -n openshift-ingress-operator -o yaml
コマンド出力は以下のテキストのようになります。
apiVersion: operator.openshift.io/v1 kind: IngressController metadata: creationTimestamp: 2019-04-18T12:35:39Z finalizers: - ingresscontroller.operator.openshift.io/finalizer-ingresscontroller generation: 1 name: default namespace: openshift-ingress-operator resourceVersion: "11341" selfLink: /apis/operator.openshift.io/v1/namespaces/openshift-ingress-operator/ingresscontrollers/default uid: 79509e05-61d6-11e9-bc55-02ce4781844a spec: {} status: availableReplicas: 2 conditions: - lastTransitionTime: 2019-04-18T12:36:15Z status: "True" type: Available domain: apps.<cluster>.example.com endpointPublishingStrategy: type: LoadBalancerService selector: ingresscontroller.operator.openshift.io/deployment-ingresscontroller=default
ingresscontroller
リソースを編集し、nodeSelector
をinfra
ラベルを使用するように変更します。$ oc edit ingresscontroller default -n openshift-ingress-operator
spec: nodePlacement: nodeSelector: 1 matchLabels: node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - effect: NoSchedule key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved - effect: NoExecute key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved
- 1
- 適切な値が設定された
nodeSelector
パラメーターを、移動する必要のあるコンポーネントに追加します。表示されている形式のnodeSelector
を使用することも、ノードに指定された値に基づいて<key>: <value>
ペアを使用することもできます。インフラストラクチャーノードに taint を追加した場合は、一致する toleration も追加します。
ルーター Pod が
infra
ノードで実行されていることを確認します。ルーター Pod のリストを表示し、実行中の Pod のノード名をメモします。
$ oc get pod -n openshift-ingress -o wide
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE IP NODE NOMINATED NODE READINESS GATES router-default-86798b4b5d-bdlvd 1/1 Running 0 28s 10.130.2.4 ip-10-0-217-226.ec2.internal <none> <none> router-default-955d875f4-255g8 0/1 Terminating 0 19h 10.129.2.4 ip-10-0-148-172.ec2.internal <none> <none>
この例では、実行中の Pod は
ip-10-0-217-226.ec2.internal
ノードにあります。実行中の Pod のノードのステータスを表示します。
$ oc get node <node_name> 1
- 1
- Pod のリストより取得した
<node_name>
を指定します。
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-0-217-226.ec2.internal Ready infra,worker 17h v1.27.3
ロールのリストに
infra
が含まれているため、Pod は正しいノードで実行されます。
6.8.2. デフォルトレジストリーの移行
レジストリー Operator を、その Pod を複数の異なるノードにデプロイするように設定します。
前提条件
- 追加のコンピュートマシンセットを OpenShift Container Platform クラスターに設定します。
手順
config/instance
オブジェクトを表示します。$ oc get configs.imageregistry.operator.openshift.io/cluster -o yaml
出力例
apiVersion: imageregistry.operator.openshift.io/v1 kind: Config metadata: creationTimestamp: 2019-02-05T13:52:05Z finalizers: - imageregistry.operator.openshift.io/finalizer generation: 1 name: cluster resourceVersion: "56174" selfLink: /apis/imageregistry.operator.openshift.io/v1/configs/cluster uid: 36fd3724-294d-11e9-a524-12ffeee2931b spec: httpSecret: d9a012ccd117b1e6616ceccb2c3bb66a5fed1b5e481623 logging: 2 managementState: Managed proxy: {} replicas: 1 requests: read: {} write: {} storage: s3: bucket: image-registry-us-east-1-c92e88cad85b48ec8b312344dff03c82-392c region: us-east-1 status: ...
config/instance
オブジェクトを編集します。$ oc edit configs.imageregistry.operator.openshift.io/cluster
spec: affinity: podAntiAffinity: preferredDuringSchedulingIgnoredDuringExecution: - podAffinityTerm: namespaces: - openshift-image-registry topologyKey: kubernetes.io/hostname weight: 100 logLevel: Normal managementState: Managed nodeSelector: 1 node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - effect: NoSchedule key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved - effect: NoExecute key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved
- 1
- 適切な値が設定された
nodeSelector
パラメーターを、移動する必要のあるコンポーネントに追加します。表示されている形式のnodeSelector
を使用することも、ノードに指定された値に基づいて<key>: <value>
ペアを使用することもできます。インフラストラクチャーノードに taint を追加した場合は、一致する toleration も追加します。
レジストリー Pod がインフラストラクチャーノードに移動していることを確認します。
以下のコマンドを実行して、レジストリー Pod が置かれているノードを特定します。
$ oc get pods -o wide -n openshift-image-registry
ノードに指定したラベルがあることを確認します。
$ oc describe node <node_name>
コマンド出力を確認し、
node-role.kubernetes.io/infra
がLABELS
リストにあることを確認します。
6.8.3. モニタリングソリューションの移動
監視スタックには、Prometheus、Thanos Querier、Alertmanager などの複数のコンポーネントが含まれています。Cluster Monitoring Operator は、このスタックを管理します。モニタリングスタックをインフラストラクチャーノードに再デプロイするために、カスタム config map を作成して適用できます。
手順
cluster-monitoring-config
config map を編集し、nodeSelector
を変更してinfra
ラベルを使用します。$ oc edit configmap cluster-monitoring-config -n openshift-monitoring
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: cluster-monitoring-config namespace: openshift-monitoring data: config.yaml: |+ alertmanagerMain: nodeSelector: 1 node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoSchedule - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoExecute prometheusK8s: nodeSelector: node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoSchedule - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoExecute prometheusOperator: nodeSelector: node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoSchedule - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoExecute k8sPrometheusAdapter: nodeSelector: node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoSchedule - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoExecute kubeStateMetrics: nodeSelector: node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoSchedule - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoExecute telemeterClient: nodeSelector: node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoSchedule - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoExecute openshiftStateMetrics: nodeSelector: node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoSchedule - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoExecute thanosQuerier: nodeSelector: node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoSchedule - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoExecute monitoringPlugin: nodeSelector: node-role.kubernetes.io/infra: "" tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoSchedule - key: node-role.kubernetes.io/infra value: reserved effect: NoExecute
- 1
- 適切な値が設定された
nodeSelector
パラメーターを、移動する必要のあるコンポーネントに追加します。表示されている形式のnodeSelector
を使用することも、ノードに指定された値に基づいて<key>: <value>
ペアを使用することもできます。インフラストラクチャーノードに taint を追加した場合は、一致する toleration も追加します。
モニタリング Pod が新規マシンに移行することを確認します。
$ watch 'oc get pod -n openshift-monitoring -o wide'
コンポーネントが
infra
ノードに移動していない場合は、このコンポーネントを持つ Pod を削除します。$ oc delete pod -n openshift-monitoring <pod>
削除された Pod からのコンポーネントが
infra
ノードに再作成されます。
6.8.4. ロギングリソースの移動
ロギングリソースの移動の詳細は、以下を参照してください。
6.9. クラスターへの自動スケーリングの適用
自動スケーリングの OpenShift Container Platform クラスターへの適用には、クラスターへの Cluster Autoscaler のデプロイと各マシンタイプの Machine Autoscaler のデプロイが必要です。
詳細は、OpenShift Container Platform クラスターへの自動スケーリングの適用 を参照し てください。
6.10. Linux cgroup の設定
OpenShift Container Platform 4.14 以降、OpenShift Container Platform はクラスター内で Linux コントロールグループバージョン 2 (cgroup v2) を使用します。OpenShift Container Platform 4.13 以前で cgroup v1 を使用している場合、OpenShift Container Platform 4.14 に移行しても、cgroup 設定はバージョン 2 に自動的に更新されません。OpenShift Container Platform 4.14 の新規インストールでは、デフォルトで cgroup v2 が使用されます。ただし、インストール時に Linux コントロールグループバージョン 1 (cgroup v1) を有効にできます。
cgroup v2 は、Linux cgroup API の現行バージョンです。cgroup v2 では、統一された階層、安全なサブツリー委譲、Pressure Stall Information 等の新機能、および強化されたリソース管理および分離など、cgroup v1 に対していくつかの改善が行われています。ただし、cgroup v2 には、cgroup v1 とは異なる CPU、メモリー、および I/O 管理特性があります。したがって、一部のワークロードでは、cgroup v2 を実行するクラスター上のメモリーまたは CPU 使用率にわずかな違いが発生する可能性があります。
必要に応じて、cgroup v1 と cgroup v2 の間で変更できます。OpenShift Container Platform で cgroup v1 を有効にすると、クラスター内のすべての cgroup v2 コントローラーと階層が無効になります。
Telco では、cgroups v2 サポートがないため、低レイテンシー、リアルタイム、および Data Plane Development Kit (DPDK)ワークロードに PerformanceProfile
を使用するクラスターは自動的に cgroups v1 に戻ります。PerformanceProfile
を使用している場合は、cgroup v2 を有効にすることはできません。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスター (バージョン 4.12 以降) が実行中。
- 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
手順
ノードで cgroup v1 を有効にします。
node.config
オブジェクトを編集します。$ oc edit nodes.config/cluster
Add
spec.cgroupMode: "v1"
:node.config
オブジェクトの例apiVersion: config.openshift.io/v2 kind: Node metadata: annotations: include.release.openshift.io/ibm-cloud-managed: "true" include.release.openshift.io/self-managed-high-availability: "true" include.release.openshift.io/single-node-developer: "true" release.openshift.io/create-only: "true" creationTimestamp: "2022-07-08T16:02:51Z" generation: 1 name: cluster ownerReferences: - apiVersion: config.openshift.io/v2 kind: ClusterVersion name: version uid: 36282574-bf9f-409e-a6cd-3032939293eb resourceVersion: "1865" uid: 0c0f7a4c-4307-4187-b591-6155695ac85b spec: cgroupMode: "v1" 1 ...
- 1
- cgroup v1 を有効にします。
検証
マシン設定をチェックして、新しいマシン設定が追加されたことを確認します。
$ oc get mc
出力例
NAME GENERATEDBYCONTROLLER IGNITIONVERSION AGE 00-master 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 00-worker 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 97-master-generated-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-worker-generated-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-master-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-master-ssh 3.2.0 40m 99-worker-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-worker-ssh 3.2.0 40m rendered-master-23d4317815a5f854bd3553d689cfe2e9 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 10s 1 rendered-master-23e785de7587df95a4b517e0647e5ab7 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m rendered-worker-5d596d9293ca3ea80c896a1191735bb1 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m rendered-worker-dcc7f1b92892d34db74d6832bcc9ccd4 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 10s
- 1
- 予想どおり、新しいマシン設定が作成されます。
新しい
kernelArguments
が新しいマシン設定に追加されたことを確認します。$ oc describe mc <name>
cgroup v1 の出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v2 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker name: 05-worker-kernelarg-selinuxpermissive spec: kernelArguments: systemd.unified_cgroup_hierarchy=0 1 systemd.legacy_systemd_cgroup_controller=1 2
ノードをチェックして、ノードのスケジューリングが無効になっていることを確認します。これは、変更が適用されていることを示しています。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-master-0 Ready,SchedulingDisabled master 58m v1.27.3 ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-master-1 Ready master 58m v1.27.3 ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-master-2 Ready master 58m v1.27.3 ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-worker-a-h5gt4 Ready,SchedulingDisabled worker 48m v1.27.3 ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-worker-b-7vtmd Ready worker 48m v1.27.3 ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-worker-c-rhzkv Ready worker 48m v1.27.3
ノードが
Ready
状態に戻ったら、そのノードのデバッグセッションを開始します。$ oc debug node/<node_name>
/host
をデバッグシェル内のルートディレクトリーとして設定します。sh-4.4# chroot /host
sys/fs/cgroup/cgroup2fs
ファイルがノードに存在することを確認します。このファイルは cgroup v1 によって作成されます。$ stat -c %T -f /sys/fs/cgroup
出力例
cgroup2fs
6.11. FeatureGate の使用によるテクノロジープレビュー機能の有効化
FeatureGate
カスタムリソース (CR) を編集して、クラスターのすべてのノードに対して現在のテクノロジープレビュー機能のサブセットをオンにすることができます。
6.11.1. フィーチャーゲートについて
FeatureGate
カスタムリソース (CR) を使用して、クラスター内の特定の機能セットを有効にすることができます。機能セットは、デフォルトで有効にされない OpenShift Container Platform 機能のコレクションです。
FeatureGate
CR を使用して、以下の機能セットをアクティブにすることができます。
TechPreviewNoUpgrade
.この機能セットは、現在のテクノロジープレビュー機能のサブセットです。この機能セットを使用すると、テストクラスターでこれらのテクノロジープレビュー機能を有効にすることができます。そこでは、これらの機能を完全にテストできますが、運用クラスターでは機能を無効にしたままにできます。警告クラスターで
TechPreviewNoUpgrade
機能セットを有効にすると、元に戻すことができず、マイナーバージョンの更新が妨げられます。本番クラスターでは、この機能セットを有効にしないでください。この機能セットにより、以下のテクノロジープレビュー機能が有効になります。
-
外部クラウドプロバイダー。vSphere、AWS、Azure、GCP 上にあるクラスターの外部クラウドプロバイダーのサポートを有効にします。OpenStack のサポートは GA です。これは内部機能であり、ほとんどのユーザーは操作する必要はありません。(
ExternalCloudProvider
) -
OpenShift Builds の共有リソース CSI ドライバー。Container Storage Interface (CSI) を有効にします。(
CSIDriverSharedResource
) -
ノード上のスワップメモリー。ノードごとに OpenShift Container Platform ワークロードのスワップメモリーの使用を有効にします。(
NodeSwap
) -
OpenStack Machine API プロバイダー。このゲートは効果がなく、今後のリリースでこの機能セットから削除される予定です。(
MachineAPIProviderOpenStack
) -
Insights Operator。
InsightsDataGather
CRD を有効にし、ユーザーがいくつかの Insights データ収集オプションを設定できるようにします。この機能セットにより、DataGather
CRD も有効になり、ユーザーがオンデマンドで Insights データ収集を実行できるようになります。(InsightsConfigAPI
) -
Retroactive デフォルトストレージクラス。PVC 作成時にデフォルトのストレージクラスがない場合に、OpenShift Container Platform は PVC に対してデフォルトのストレージクラスを遡及的に割り当てることができます。(
RetroactiveDefaultStorageClass
) -
動的リソース割り当て API。Pod とコンテナー間でリソースを要求および共有するための新しい API が有効になります。これは内部機能であり、ほとんどのユーザーは操作する必要はありません。(
DynamicResourceAllocation
) -
Pod セキュリティーアドミッションの適用。Pod セキュリティーアドミッションの制限付き強制モードを有効にします。警告をログに記録するだけでなく、Pod のセキュリティー基準に違反している場合、Pod は拒否されます。(
OpenShiftPodSecurityAdmission
) -
StatefulSet Pod の可用性アップグレードの制限。ユーザーは、更新中に使用できないステートフルセット Pod の最大数を定義できるため、アプリケーションのダウンタイムが削減されます。(
MaxUnavailableStatefulSet
) -
管理ネットワークポリシーとベースライン管理ネットワークポリシー。OVN-Kubernetes CNI プラグインを実行しているクラスターで、Network Policy V2 API に含まれる
AdminNetworkPolicy
リソースとBaselineAdminNetworkPolicy
リソースを有効にします。クラスター管理者は、namespace が作成される前に、クラスター範囲のポリシーと保護措置をクラスター全体に適用できます。ネットワーク管理者は、ユーザーが上書きできないネットワークトラフィック制御を強制することで、クラスターを保護できます。ネットワーク管理者は、必要に応じて、クラスター内のユーザーが上書きできる任意のベースラインネットワークトラフィック制御を強制できます。現在、これらの API はクラスター内トラフィックのポリシーの表現のみをサポートしています。(AdminNetworkPolicy
) -
MatchConditions
は、この Webhook にリクエストを送信するために満たす必要がある条件のリストです。Match Conditions は、ルール、namespaceSelector、および objectSelector ですでに一致しているリクエストをフィルター処理します。matchConditions
の空のリストは、すべてのリクエストに一致します。(admissionWebhookMatchConditions
) -
ゲートウェイ API。OpenShift Container Platform Gateway API を有効にするには、
ServiceMeshControlPlane
リソース (gateGatewayAPI
) のtechPreview.gatewayAPI
仕様で、enabled
フィールドの値をtrue
に設定します。 -
sigstoreImageVerification
-
gcpLabelsTags
-
vSphereStaticIPs
-
routeExternalCertificate
-
automatedEtcdBackup
-
外部クラウドプロバイダー。vSphere、AWS、Azure、GCP 上にあるクラスターの外部クラウドプロバイダーのサポートを有効にします。OpenStack のサポートは GA です。これは内部機能であり、ほとんどのユーザーは操作する必要はありません。(
6.11.2. Web コンソールで機能セットの有効化
FeatureGate
カスタムリソース (CR) を編集して、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用してクラスター内のすべてのノードの機能セットを有効にすることができます。
手順
機能セットを有効にするには、以下を実行します。
- OpenShift Container Platform Web コンソールで、Administration → Custom Resource Definitions ページに切り替えます。
- Custom Resource Definitions ページで、FeatureGate をクリックします。
- Custom Resource Definition Details ページで、Instances タブをクリックします。
- cluster フィーチャーゲートをクリックし、YAML タブをクリックします。
cluster インスタンスを編集して特定の機能セットを追加します。
警告クラスターで
TechPreviewNoUpgrade
機能セットを有効にすると、元に戻すことができず、マイナーバージョンの更新が妨げられます。本番クラスターでは、この機能セットを有効にしないでください。フィーチャーゲートカスタムリソースのサンプル
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: FeatureGate metadata: name: cluster 1 # ... spec: featureSet: TechPreviewNoUpgrade 2
変更を保存すると、新規マシン設定が作成され、マシン設定プールが更新され、変更が適用されている間に各ノードのスケジューリングが無効になります。
検証
ノードが準備完了状態に戻った後、ノード上の kubelet.conf
ファイルを確認することで、フィーチャーゲートが有効になっていることを確認できます。
- Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Compute → Nodes に移動します。
- ノードを選択します。
- Node details ページで Terminal をクリックします。
ターミナルウィンドウで、root ディレクトリーを
/host
に切り替えます。sh-4.2# chroot /host
kubelet.conf
ファイルを表示します。sh-4.2# cat /etc/kubernetes/kubelet.conf
出力例
# ... featureGates: InsightsOperatorPullingSCA: true, LegacyNodeRoleBehavior: false # ...
true
として一覧表示されている機能は、クラスターで有効になっています。注記一覧表示される機能は、OpenShift Container Platform のバージョンによって異なります。
6.11.3. CLI を使用した機能セットの有効化
FeatureGate
カスタムリソース (CR) を編集し、OpenShift CLI (oc
) を使用してクラスター内のすべてのノードの機能セットを有効にすることができます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
機能セットを有効にするには、以下を実行します。
cluster
という名前のFeatureGate
CR を編集します。$ oc edit featuregate cluster
警告クラスターで
TechPreviewNoUpgrade
機能セットを有効にすると、元に戻すことができず、マイナーバージョンの更新が妨げられます。本番クラスターでは、この機能セットを有効にしないでください。FeatureGate カスタムリソースのサンプル
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: FeatureGate metadata: name: cluster 1 # ... spec: featureSet: TechPreviewNoUpgrade 2
変更を保存すると、新規マシン設定が作成され、マシン設定プールが更新され、変更が適用されている間に各ノードのスケジューリングが無効になります。
検証
ノードが準備完了状態に戻った後、ノード上の kubelet.conf
ファイルを確認することで、フィーチャーゲートが有効になっていることを確認できます。
- Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Compute → Nodes に移動します。
- ノードを選択します。
- Node details ページで Terminal をクリックします。
ターミナルウィンドウで、root ディレクトリーを
/host
に切り替えます。sh-4.2# chroot /host
kubelet.conf
ファイルを表示します。sh-4.2# cat /etc/kubernetes/kubelet.conf
出力例
# ... featureGates: InsightsOperatorPullingSCA: true, LegacyNodeRoleBehavior: false # ...
true
として一覧表示されている機能は、クラスターで有効になっています。注記一覧表示される機能は、OpenShift Container Platform のバージョンによって異なります。
6.12. etcd タスク
etcd のバックアップ、etcd 暗号化の有効化または無効化、または etcd データのデフラグを行います。
6.12.1. etcd 暗号化について
デフォルトで、etcd データは OpenShift Container Platform で暗号化されません。クラスターの etcd 暗号化を有効にして、データセキュリティーのレイヤーを追加で提供することができます。たとえば、etcd バックアップが正しくない公開先に公開される場合に機密データが失われないように保護することができます。
etcd の暗号化を有効にすると、以下の OpenShift API サーバーおよび Kubernetes API サーバーリソースが暗号化されます。
- シークレット
- config map
- ルート
- OAuth アクセストークン
- OAuth 認証トークン
etcd 暗号を有効にすると、暗号化キーが作成されます。etcd バックアップから復元するには、これらのキーが必要です。
etcd 暗号化は、キーではなく、値のみを暗号化します。リソースの種類、namespace、およびオブジェクト名は暗号化されません。
バックアップ中に etcd 暗号化が有効になっている場合は、static_kuberesources_<datetimestamp>.tar.gz
ファイルに etcd スナップショットの暗号化キーが含まれています。セキュリティー上の理由から、このファイルは etcd スナップショットとは別に保存してください。ただし、このファイルは、それぞれの etcd スナップショットから etcd の以前の状態を復元するために必要です。
6.12.2. サポートされている暗号化の種類
以下の暗号化タイプは、OpenShift Container Platform で etcd データを暗号化するためにサポートされています。
- AES-CBC
- 暗号化を実行するために、PKCS#7 パディングと 32 バイトの鍵を含む AES-CBC を使用します。暗号化キーは毎週ローテーションされます。
- AES-GCM
- AES-GCM とランダムナンスおよび 32 バイトキーを使用して暗号化を実行します。暗号化キーは毎週ローテーションされます。
6.12.3. etcd 暗号化の有効化
etcd 暗号化を有効にして、クラスターで機密性の高いリソースを暗号化できます。
初期暗号化プロセスが完了するまで、etcd リソースをバックアップしないでください。暗号化プロセスが完了しない場合、バックアップは一部のみ暗号化される可能性があります。
etcd 暗号化を有効にすると、いくつかの変更が発生する可能性があります。
- etcd 暗号化は、いくつかのリソースのメモリー消費に影響を与える可能性があります。
- リーダーがバックアップを提供する必要があるため、バックアップのパフォーマンスに一時的な影響が生じる場合があります。
- ディスク I/O は、バックアップ状態を受け取るノードに影響を与える可能性があります。
etcd データベースは、AES-GCM または AES-CBC 暗号化で暗号化できます。
etcd データベースをある暗号化タイプから別の暗号化タイプに移行するには、API サーバーの spec.encryption.type
フィールドを変更します。etcd データの新しい暗号化タイプへの移行は自動的に行われます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
APIServer
オブジェクトを変更します。$ oc edit apiserver
spec.encryption.type
フィールドをaesgcm
またはaescbc
に設定します。spec: encryption: type: aesgcm 1
- 1
- AES-CBC 暗号化の場合は
aescbc
に、AES-GCM 暗号化の場合はaesgcm
に設定します。
変更を適用するためにファイルを保存します。
暗号化プロセスが開始されます。etcd データベースのサイズによっては、このプロセスが完了するまでに 20 分以上かかる場合があります。
etcd 暗号化が正常に行われたことを確認します。
OpenShift API サーバーの
Encrypted
ステータスを確認し、そのリソースが正常に暗号化されたことを確認します。$ oc get openshiftapiserver -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="Encrypted")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
この出力には、暗号化が正常に実行されると
EncryptionCompleted
が表示されます。EncryptionCompleted All resources encrypted: routes.route.openshift.io
出力に
EncryptionInProgress
が表示される場合、これは暗号化が進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。Kubernetes API サーバーの
Encrypted
ステータス状態を確認し、そのリソースが正常に暗号化されたことを確認します。$ oc get kubeapiserver -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="Encrypted")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
この出力には、暗号化が正常に実行されると
EncryptionCompleted
が表示されます。EncryptionCompleted All resources encrypted: secrets, configmaps
出力に
EncryptionInProgress
が表示される場合、これは暗号化が進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。OpenShift OAuth API サーバーの
Encrypted
ステータスを確認し、そのリソースが正常に暗号化されたことを確認します。$ oc get authentication.operator.openshift.io -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="Encrypted")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
この出力には、暗号化が正常に実行されると
EncryptionCompleted
が表示されます。EncryptionCompleted All resources encrypted: oauthaccesstokens.oauth.openshift.io, oauthauthorizetokens.oauth.openshift.io
出力に
EncryptionInProgress
が表示される場合、これは暗号化が進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。
6.12.4. etcd 暗号化の無効化
クラスターで etcd データの暗号化を無効にできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
APIServer
オブジェクトを変更します。$ oc edit apiserver
encryption
フィールドタイプをidentity
に設定します。spec: encryption: type: identity 1
- 1
identity
タイプはデフォルト値であり、暗号化は実行されないことを意味します。
変更を適用するためにファイルを保存します。
復号化プロセスが開始されます。クラスターのサイズによっては、このプロセスが完了するまで 20 分以上かかる場合があります。
etcd の復号化が正常に行われたことを確認します。
OpenShift API サーバーの
Encrypted
ステータス条件を確認し、そのリソースが正常に暗号化されたことを確認します。$ oc get openshiftapiserver -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="Encrypted")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
この出力には、復号化が正常に実行されると
DecryptionCompleted
が表示されます。DecryptionCompleted Encryption mode set to identity and everything is decrypted
出力に
DecryptionInProgress
が表示される場合、これは復号化が進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。Kubernetes API サーバーの
Encrypted
ステータス状態を確認し、そのリソースが正常に復号化されたことを確認します。$ oc get kubeapiserver -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="Encrypted")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
この出力には、復号化が正常に実行されると
DecryptionCompleted
が表示されます。DecryptionCompleted Encryption mode set to identity and everything is decrypted
出力に
DecryptionInProgress
が表示される場合、これは復号化が進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。OpenShift API サーバーの
Encrypted
ステータス条件を確認し、そのリソースが正常に復号化されたことを確認します。$ oc get authentication.operator.openshift.io -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="Encrypted")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
この出力には、復号化が正常に実行されると
DecryptionCompleted
が表示されます。DecryptionCompleted Encryption mode set to identity and everything is decrypted
出力に
DecryptionInProgress
が表示される場合、これは復号化が進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。
6.12.5. etcd データのバックアップ
以下の手順に従って、etcd スナップショットを作成し、静的 Pod のリソースをバックアップして etcd データをバックアップします。このバックアップは保存でき、etcd を復元する必要がある場合に後で使用することができます。
単一のコントロールプレーンホストからのバックアップのみを保存します。クラスター内の各コントロールプレーンホストからのバックアップは取得しないでください。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 クラスター全体のプロキシーが有効になっているかどうかを確認している。
ヒントoc get proxy cluster -o yaml
の出力を確認して、プロキシーが有効にされているかどうかを確認できます。プロキシーは、httpProxy
、httpsProxy
、およびnoProxy
フィールドに値が設定されている場合に有効にされます。
手順
コントロールプレーンノードの root としてデバッグセッションを開始します。
$ oc debug --as-root node/<node_name>
デバッグシェルで root ディレクトリーを
/host
に変更します。sh-4.4# chroot /host
クラスター全体のプロキシーが有効になっている場合は、次のコマンドを実行して、
NO_PROXY
、HTTP_PROXY
、およびHTTPS_PROXY
環境変数をエクスポートします。$ export HTTP_PROXY=http://<your_proxy.example.com>:8080
$ export HTTPS_PROXY=https://<your_proxy.example.com>:8080
$ export NO_PROXY=<example.com>
デバッグシェルで
cluster-backup.sh
スクリプトを実行し、バックアップの保存先となる場所を渡します。ヒントcluster-backup.sh
スクリプトは etcd Cluster Operator のコンポーネントとして維持され、etcdctl snapshot save
コマンドに関連するラッパーです。sh-4.4# /usr/local/bin/cluster-backup.sh /home/core/assets/backup
スクリプトの出力例
found latest kube-apiserver: /etc/kubernetes/static-pod-resources/kube-apiserver-pod-6 found latest kube-controller-manager: /etc/kubernetes/static-pod-resources/kube-controller-manager-pod-7 found latest kube-scheduler: /etc/kubernetes/static-pod-resources/kube-scheduler-pod-6 found latest etcd: /etc/kubernetes/static-pod-resources/etcd-pod-3 ede95fe6b88b87ba86a03c15e669fb4aa5bf0991c180d3c6895ce72eaade54a1 etcdctl version: 3.4.14 API version: 3.4 {"level":"info","ts":1624647639.0188997,"caller":"snapshot/v3_snapshot.go:119","msg":"created temporary db file","path":"/home/core/assets/backup/snapshot_2021-06-25_190035.db.part"} {"level":"info","ts":"2021-06-25T19:00:39.030Z","caller":"clientv3/maintenance.go:200","msg":"opened snapshot stream; downloading"} {"level":"info","ts":1624647639.0301006,"caller":"snapshot/v3_snapshot.go:127","msg":"fetching snapshot","endpoint":"https://10.0.0.5:2379"} {"level":"info","ts":"2021-06-25T19:00:40.215Z","caller":"clientv3/maintenance.go:208","msg":"completed snapshot read; closing"} {"level":"info","ts":1624647640.6032252,"caller":"snapshot/v3_snapshot.go:142","msg":"fetched snapshot","endpoint":"https://10.0.0.5:2379","size":"114 MB","took":1.584090459} {"level":"info","ts":1624647640.6047094,"caller":"snapshot/v3_snapshot.go:152","msg":"saved","path":"/home/core/assets/backup/snapshot_2021-06-25_190035.db"} Snapshot saved at /home/core/assets/backup/snapshot_2021-06-25_190035.db {"hash":3866667823,"revision":31407,"totalKey":12828,"totalSize":114446336} snapshot db and kube resources are successfully saved to /home/core/assets/backup
この例では、コントロールプレーンホストの
/home/core/assets/backup/
ディレクトリーにファイルが 2 つ作成されます。-
snapshot_<datetimestamp>.db
: このファイルは etcd スナップショットです。cluster-backup.sh
スクリプトで、その有効性を確認します。 static_kuberesources_<datetimestamp>.tar.gz
: このファイルには、静的 Pod のリソースが含まれます。etcd 暗号化が有効にされている場合、etcd スナップショットの暗号化キーも含まれます。注記etcd 暗号化が有効にされている場合、セキュリティー上の理由から、この 2 つ目のファイルを etcd スナップショットとは別に保存することが推奨されます。ただし、このファイルは etcd スナップショットから復元するために必要になります。
etcd 暗号化はキーではなく値のみを暗号化することに注意してください。つまり、リソースタイプ、namespace、およびオブジェクト名は暗号化されません。
-
6.12.6. etcd データのデフラグ
大規模で密度の高いクラスターの場合に、キースペースが過剰に拡大し、スペースのクォータを超過すると、etcd は低下するパフォーマンスの影響を受ける可能性があります。etcd を定期的に維持および最適化して、データストアのスペースを解放します。Prometheus で etcd メトリックをモニターし、必要に応じてデフラグします。そうしないと、etcd はクラスター全体のアラームを発生させ、クラスターをメンテナンスモードにして、キーの読み取りと削除のみを受け入れる可能性があります。
これらの主要な指標をモニターします。
-
etcd_server_quota_backend_bytes
、これは現在のクォータ制限です -
etcd_mvcc_db_total_size_in_use_in_bytes
、これはヒストリーコンパクション後の実際のデータベース使用状況を示します。 -
etcd_mvcc_db_total_size_in_bytes
はデフラグ待ちの空き領域を含むデータベースサイズを表します。
etcd データをデフラグし、etcd 履歴の圧縮などのディスクの断片化を引き起こすイベント後にディスク領域を回収します。
履歴の圧縮は 5 分ごとに自動的に行われ、これによりバックエンドデータベースにギャップが生じます。この断片化された領域は etcd が使用できますが、ホストファイルシステムでは利用できません。ホストファイルシステムでこの領域を使用できるようにするには、etcd をデフラグする必要があります。
デフラグは自動的に行われますが、手動でトリガーすることもできます。
etcd Operator はクラスター情報を使用してユーザーの最も効率的な操作を決定するため、ほとんどの場合、自動デフラグが適しています。
6.12.6.1. 自動デフラグ
etcd Operator はディスクを自動的にデフラグします。手動による介入は必要ありません。
以下のログのいずれかを表示して、デフラグプロセスが成功したことを確認します。
- etcd ログ
- cluster-etcd-operator Pod
- Operator ステータスのエラーログ
自動デフラグにより、Kubernetes コントローラーマネージャーなどのさまざまな OpenShift コアコンポーネントでリーダー選出の失敗が発生し、失敗したコンポーネントの再起動がトリガーされる可能性があります。再起動は無害であり、次に実行中のインスタンスへのフェイルオーバーをトリガーするか、再起動後にコンポーネントが再び作業を再開します。
最適化が成功した場合のログ出力の例
etcd member has been defragmented: <member_name>, memberID: <member_id>
最適化に失敗した場合のログ出力の例
failed defrag on member: <member_name>, memberID: <member_id>: <error_message>
6.12.6.2. 手動デフラグ
Prometheus アラートは、手動でのデフラグを使用する必要がある場合を示します。アラートは次の 2 つの場合に表示されます。
- etcd が使用可能なスペースの 50% 以上を 10 分を超過して使用する場合
- etcd が合計データベースサイズの 50% 未満を 10 分を超過してアクティブに使用している場合
また、PromQL 式を使用した最適化によって解放される etcd データベースのサイズ (MB 単位) を確認することで、最適化が必要かどうかを判断することもできます ((etcd_mvcc_db_total_size_in_bytes - etcd_mvcc_db_total_size_in_use_in_bytes)/1024/1024
)。
etcd のデフラグはプロセスを阻止するアクションです。etcd メンバーはデフラグが完了するまで応答しません。このため、各 Pod のデフラグアクションごとに少なくとも 1 分間待機し、クラスターが回復できるようにします。
以下の手順に従って、各 etcd メンバーで etcd データをデフラグします。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
リーダーを最後にデフラグする必要があるため、どの etcd メンバーがリーダーであるかを判別します。
etcd Pod のリストを取得します。
$ oc -n openshift-etcd get pods -l k8s-app=etcd -o wide
出力例
etcd-ip-10-0-159-225.example.redhat.com 3/3 Running 0 175m 10.0.159.225 ip-10-0-159-225.example.redhat.com <none> <none> etcd-ip-10-0-191-37.example.redhat.com 3/3 Running 0 173m 10.0.191.37 ip-10-0-191-37.example.redhat.com <none> <none> etcd-ip-10-0-199-170.example.redhat.com 3/3 Running 0 176m 10.0.199.170 ip-10-0-199-170.example.redhat.com <none> <none>
Pod を選択し、以下のコマンドを実行して、どの etcd メンバーがリーダーであるかを判別します。
$ oc rsh -n openshift-etcd etcd-ip-10-0-159-225.example.redhat.com etcdctl endpoint status --cluster -w table
出力例
Defaulting container name to etcdctl. Use 'oc describe pod/etcd-ip-10-0-159-225.example.redhat.com -n openshift-etcd' to see all of the containers in this pod. +---------------------------+------------------+---------+---------+-----------+------------+-----------+------------+--------------------+--------+ | ENDPOINT | ID | VERSION | DB SIZE | IS LEADER | IS LEARNER | RAFT TERM | RAFT INDEX | RAFT APPLIED INDEX | ERRORS | +---------------------------+------------------+---------+---------+-----------+------------+-----------+------------+--------------------+--------+ | https://10.0.191.37:2379 | 251cd44483d811c3 | 3.5.9 | 104 MB | false | false | 7 | 91624 | 91624 | | | https://10.0.159.225:2379 | 264c7c58ecbdabee | 3.5.9 | 104 MB | false | false | 7 | 91624 | 91624 | | | https://10.0.199.170:2379 | 9ac311f93915cc79 | 3.5.9 | 104 MB | true | false | 7 | 91624 | 91624 | | +---------------------------+------------------+---------+---------+-----------+------------+-----------+------------+--------------------+--------+
この出力の
IS LEADER
列に基づいて、https://10.0.199.170:2379
エンドポイントがリーダーになります。このエンドポイントを直前の手順の出力に一致させると、リーダーの Pod 名はetcd-ip-10-0-199-170.example.redhat.com
になります。
etcd メンバーのデフラグ。
実行中の etcd コンテナーに接続し、リーダーでは ない Pod の名前を渡します。
$ oc rsh -n openshift-etcd etcd-ip-10-0-159-225.example.redhat.com
ETCDCTL_ENDPOINTS
環境変数の設定を解除します。sh-4.4# unset ETCDCTL_ENDPOINTS
etcd メンバーのデフラグを実行します。
sh-4.4# etcdctl --command-timeout=30s --endpoints=https://localhost:2379 defrag
出力例
Finished defragmenting etcd member[https://localhost:2379]
タイムアウトエラーが発生した場合は、コマンドが正常に実行されるまで
--command-timeout
の値を増やします。データベースサイズが縮小されていることを確認します。
sh-4.4# etcdctl endpoint status -w table --cluster
出力例
+---------------------------+------------------+---------+---------+-----------+------------+-----------+------------+--------------------+--------+ | ENDPOINT | ID | VERSION | DB SIZE | IS LEADER | IS LEARNER | RAFT TERM | RAFT INDEX | RAFT APPLIED INDEX | ERRORS | +---------------------------+------------------+---------+---------+-----------+------------+-----------+------------+--------------------+--------+ | https://10.0.191.37:2379 | 251cd44483d811c3 | 3.5.9 | 104 MB | false | false | 7 | 91624 | 91624 | | | https://10.0.159.225:2379 | 264c7c58ecbdabee | 3.5.9 | 41 MB | false | false | 7 | 91624 | 91624 | | 1 | https://10.0.199.170:2379 | 9ac311f93915cc79 | 3.5.9 | 104 MB | true | false | 7 | 91624 | 91624 | | +---------------------------+------------------+---------+---------+-----------+------------+-----------+------------+--------------------+--------+
この例では、この etcd メンバーのデータベースサイズは、開始時のサイズの 104 MB ではなく 41 MB です。
これらの手順を繰り返して他の etcd メンバーのそれぞれに接続し、デフラグします。常に最後にリーダーをデフラグします。
etcd Pod が回復するように、デフラグアクションごとに 1 分以上待機します。etcd Pod が回復するまで、etcd メンバーは応答しません。
領域のクォータの超過により
NOSPACE
アラームがトリガーされる場合、それらをクリアします。NOSPACE
アラームがあるかどうかを確認します。sh-4.4# etcdctl alarm list
出力例
memberID:12345678912345678912 alarm:NOSPACE
アラームをクリアします。
sh-4.4# etcdctl alarm disarm
6.12.7. クラスターの直前の状態への復元
保存された etcd
のバックアップを使用して、クラスターの以前の状態を復元したり、大多数のコントロールプレーンホストが失われたクラスターを復元したりできます。
クラスターがコントロールプレーンマシンセットを使用している場合、より簡単な etcd
リカバリー手順は、「コントロールプレーンマシンセットのトラブルシューティング」を参照してください。
クラスターを復元する際に、同じ z-stream リリースから取得した etcd
バックアップを使用する必要があります。たとえば、OpenShift Container Platform 4.7.2 クラスターは、4.7.2 から取得した etcd
バックアップを使用する必要があります。
前提条件
-
インストール時に使用したものと同様、証明書ベースの
kubeconfig
ファイルを介して、cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスします。 - リカバリーホストとして使用する正常なコントロールプレーンホストがあること。
- コントロールプレーンホストへの SSH アクセス。
-
etcd
スナップショットと静的 Pod のリソースの両方を含むバックアップディレクトリー (同じバックアップから取られるもの)。ディレクトリー内のファイル名は、snapshot_<datetimestamp>.db
およびstatic_kuberesources_<datetimestamp>.tar.gz
の形式にする必要があります。
非リカバリーコントロールプレーンノードの場合は、SSH 接続を確立したり、静的 Pod を停止したりする必要はありません。他のリカバリー以外のコントロールプレーンマシンを 1 つずつ削除し、再作成します。
手順
- リカバリーホストとして使用するコントロールプレーンホストを選択します。これは、復元操作を実行するホストです。
リカバリーホストを含む、各コントロールプレーンノードへの SSH 接続を確立します。
kube-apiserver
は復元プロセスの開始後にアクセスできなくなるため、コントロールプレーンノードにはアクセスできません。このため、別のターミナルで各コントロールプレーンホストに SSH 接続を確立することが推奨されます。重要この手順を完了しないと、復元手順を完了するためにコントロールプレーンホストにアクセスすることができなくなり、この状態からクラスターを回復できなくなります。
etcd
バックアップディレクトリーをリカバリーコントロールプレーンホストにコピーします。この手順では、
etcd
スナップショットおよび静的 Pod のリソースを含むbackup
ディレクトリーを、リカバリーコントロールプレーンホストの/home/core/
ディレクトリーにコピーしていることを前提としています。他のすべてのコントロールプレーンノードで静的 Pod を停止します。
注記リカバリーホストで静的 Pod を停止する必要はありません。
- リカバリーホストではないコントロールプレーンホストにアクセスします。
以下を実行して、既存の etcd Pod ファイルを kubelet マニフェストディレクトリーから移動します。
$ sudo mv -v /etc/kubernetes/manifests/etcd-pod.yaml /tmp
以下を使用して、
etcd
Pod が停止していることを確認します。$ sudo crictl ps | grep etcd | egrep -v "operator|etcd-guard"
このコマンドの出力が空でない場合は、数分待ってからもう一度確認してください。
以下を実行して、既存の
kube-apiserver
ファイルを kubelet マニフェストディレクトリーから移動します。$ sudo mv -v /etc/kubernetes/manifests/kube-apiserver-pod.yaml /tmp
以下を実行して、
kube-apiserver
コンテナーが停止していることを確認します。$ sudo crictl ps | grep kube-apiserver | egrep -v "operator|guard"
このコマンドの出力が空でない場合は、数分待ってからもう一度確認してください。
以下を使用して、既存の
kube-controller-manager
ファイルを kubelet マニフェストディレクトリーから移動します。$ sudo mv -v /etc/kubernetes/manifests/kube-controller-manager-pod.yaml /tmp
以下を実行して、
kube-controller-manager
コンテナーが停止していることを確認します。$ sudo crictl ps | grep kube-controller-manager | egrep -v "operator|guard"
このコマンドの出力が空でない場合は、数分待ってからもう一度確認してください。
以下を使用して、既存の
kube-scheduler
ファイルを kubelet マニフェストディレクトリーから移動します。$ sudo mv -v /etc/kubernetes/manifests/kube-scheduler-pod.yaml /tmp
以下を使用して、
kube-scheduler
コンテナーが停止していることを確認します。$ sudo crictl ps | grep kube-scheduler | egrep -v "operator|guard"
このコマンドの出力が空でない場合は、数分待ってからもう一度確認してください。
次の例を使用して、
etcd
データディレクトリーを別の場所に移動します。$ sudo mv -v /var/lib/etcd/ /tmp
/etc/kubernetes/manifests/keepalived.yaml
ファイルが存在し、ノードが削除された場合は、次の手順に従います。/etc/kubernetes/manifests/keepalived.yaml
ファイルを kubelet マニフェストディレクトリーから移動します。$ sudo mv -v /etc/kubernetes/manifests/keepalived.yaml /tmp
keepalived
デーモンによって管理されているコンテナーが停止していることを確認します。$ sudo crictl ps --name keepalived
コマンドの出力は空であるはずです。空でない場合は、数分待機してから再度確認します。
コントロールプレーンに仮想 IP (VIP) が割り当てられているかどうかを確認します。
$ ip -o address | egrep '<api_vip>|<ingress_vip>'
報告された仮想 IP ごとに、次のコマンドを実行して仮想 IP を削除します。
$ sudo ip address del <reported_vip> dev <reported_vip_device>
- リカバリーホストではない他のコントロールプレーンホストでこの手順を繰り返します。
- リカバリーコントロールプレーンホストにアクセスします。
keepalived
デーモンが使用されている場合は、リカバリーコントロールプレーンノードが仮想 IP を所有していることを確認します。$ ip -o address | grep <api_vip>
仮想 IP のアドレスが存在する場合、出力内で強調表示されます。仮想 IP が設定されていないか、正しく設定されていない場合、このコマンドは空の文字列を返します。
クラスター全体のプロキシーが有効になっている場合は、
NO_PROXY
、HTTP_PROXY
、およびHTTPS_PROXY
環境変数をエクスポートしていることを確認します。ヒントoc get proxy cluster -o yaml
の出力を確認して、プロキシーが有効にされているかどうかを確認できます。プロキシーは、httpProxy
、httpsProxy
、およびnoProxy
フィールドに値が設定されている場合に有効にされます。リカバリーコントロールプレーンホストで復元スクリプトを実行し、パスを
etcd
バックアップディレクトリーに渡します。$ sudo -E /usr/local/bin/cluster-restore.sh /home/core/assets/backup
スクリプトの出力例
...stopping kube-scheduler-pod.yaml ...stopping kube-controller-manager-pod.yaml ...stopping etcd-pod.yaml ...stopping kube-apiserver-pod.yaml Waiting for container etcd to stop .complete Waiting for container etcdctl to stop .............................complete Waiting for container etcd-metrics to stop complete Waiting for container kube-controller-manager to stop complete Waiting for container kube-apiserver to stop ..........................................................................................complete Waiting for container kube-scheduler to stop complete Moving etcd data-dir /var/lib/etcd/member to /var/lib/etcd-backup starting restore-etcd static pod starting kube-apiserver-pod.yaml static-pod-resources/kube-apiserver-pod-7/kube-apiserver-pod.yaml starting kube-controller-manager-pod.yaml static-pod-resources/kube-controller-manager-pod-7/kube-controller-manager-pod.yaml starting kube-scheduler-pod.yaml static-pod-resources/kube-scheduler-pod-8/kube-scheduler-pod.yaml
cluster-restore.sh スクリプトは、
etcd
、kube-apiserver
、kube-controller-manager
、およびkube-scheduler
Pod が停止され、復元プロセスの最後に開始されたことを示す必要があります。注記最後の
etcd
バックアップの後にノード証明書が更新された場合、復元プロセスによってノードがNotReady
状態になる可能性があります。ノードをチェックして、
Ready
状態であることを確認します。以下のコマンドを実行します。
$ oc get nodes -w
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION host-172-25-75-28 Ready master 3d20h v1.27.3 host-172-25-75-38 Ready infra,worker 3d20h v1.27.3 host-172-25-75-40 Ready master 3d20h v1.27.3 host-172-25-75-65 Ready master 3d20h v1.27.3 host-172-25-75-74 Ready infra,worker 3d20h v1.27.3 host-172-25-75-79 Ready worker 3d20h v1.27.3 host-172-25-75-86 Ready worker 3d20h v1.27.3 host-172-25-75-98 Ready infra,worker 3d20h v1.27.3
すべてのノードが状態を報告するのに数分かかる場合があります。
NotReady
状態のノードがある場合は、ノードにログインし、各ノードの/var/lib/kubelet/pki
ディレクトリーからすべての PEM ファイルを削除します。ノードに SSH 接続するか、Web コンソールのターミナルウィンドウを使用できます。$ ssh -i <ssh-key-path> core@<master-hostname>
サンプル
pki
ディレクトリーsh-4.4# pwd /var/lib/kubelet/pki sh-4.4# ls kubelet-client-2022-04-28-11-24-09.pem kubelet-server-2022-04-28-11-24-15.pem kubelet-client-current.pem kubelet-server-current.pem
すべてのコントロールプレーンホストで kubelet サービスを再起動します。
復元ホストから以下を実行します。
$ sudo systemctl restart kubelet.service
- 他のすべてのコントロールプレーンホストでこの手順を繰り返します。
保留中の証明書署名要求 (CSR) を承認します。
注記単一ノードクラスターや 3 つのスケジュール可能なコントロールプレーンノードで構成されるクラスターなど、ワーカーノードを持たないクラスターには、承認する保留中の CSR はありません。この手順にリストされているすべてのコマンドをスキップできます。
次のコマンドを実行して、現在の CSR のリストを取得します。
$ oc get csr
出力例
NAME AGE SIGNERNAME REQUESTOR CONDITION csr-2s94x 8m3s kubernetes.io/kubelet-serving system:node:<node_name> Pending 1 csr-4bd6t 8m3s kubernetes.io/kubelet-serving system:node:<node_name> Pending 2 csr-4hl85 13m kubernetes.io/kube-apiserver-client-kubelet system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending 3 csr-zhhhp 3m8s kubernetes.io/kube-apiserver-client-kubelet system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending 4 ...
次のコマンドを実行して、CSR の詳細と CSR が有効であることを確認します。
$ oc describe csr <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
以下を実行して、有効な
node-bootstrapper
CSR をそれぞれ承認します。$ oc adm certificate approve <csr_name>
user-provisioned installation の場合、以下を実行して各 kubelet service CSR を承認します。
$ oc adm certificate approve <csr_name>
単一メンバーのコントロールプレーンが正常に起動していることを確認します。
以下を使用して、リカバリーホストから
etcd
コンテナーが実行中であることを確認します。$ sudo crictl ps | grep etcd | egrep -v "operator|etcd-guard"
出力例
3ad41b7908e32 36f86e2eeaaffe662df0d21041eb22b8198e0e58abeeae8c743c3e6e977e8009 About a minute ago Running etcd 0 7c05f8af362f0
以下を使用して、リカバリーホストから
etcd
Pod が実行されていることを確認します。$ oc -n openshift-etcd get pods -l k8s-app=etcd
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE etcd-ip-10-0-143-125.ec2.internal 1/1 Running 1 2m47s
ステータスが
Pending
の場合や出力に複数の実行中のetcd
Pod が一覧表示される場合、数分待機してから再度チェックを行います。
OVNKubernetes
ネットワークプラグインを使用している場合は、ovnkube-controlplane
Pod を再起動する必要があります。以下を実行して、すべての
ovnkube-controlplane
Pod を削除します。$ oc -n openshift-ovn-kubernetes delete pod -l app=ovnkube-control-plane
次のコマンドを使用して、すべての
ovnkube-controlplane
Pod が再デプロイされたことを確認します。$ oc -n openshift-ovn-kubernetes get pod -l app=ovnkube-control-plane
OVN-Kubernetes ネットワークプラグインを使用している場合は、すべてのノードで Open Virtual Network (OVN) Kubernetes Pod を 1 つずつ再起動します。次の手順を使用して、各ノードで OVN-Kubernetes Pod を再起動します。
重要次の順序で OVN-Kubernetes Pod を再起動します。
- リカバリーコントロールプレーンホスト
- 他のコントロールプレーンホスト (利用可能な場合)
- 他のノード
注記検証および変更用の受付 Webhook は Pod を拒否することができます。
failurePolicy
をFail
に設定して追加の Webhook を追加すると、Pod が拒否され、復元プロセスが失敗する可能性があります。これは、クラスターの状態の復元中に Webhook を保存および削除することで回避できます。クラスターの状態が正常に復元された後に、Webhook を再度有効にできます。または、クラスターの状態の復元中に
failurePolicy
を一時的にIgnore
に設定できます。クラスターの状態が正常に復元された後に、failurePolicy
をFail
にすることができます。ノースバウンドデータベース (nbdb) とサウスバウンドデータベース (sbdb) を削除します。Secure Shell (SSH) を使用して復元ホストと残りのコントロールプレーンノードにアクセスし、以下を実行します。
$ sudo rm -f /var/lib/ovn-ic/etc/*.db
OpenVSwitch サービスを再起動します。Secure Shell (SSH) を使用してノードにアクセスし、次のコマンドを実行します。
$ sudo systemctl restart ovs-vswitchd ovsdb-server
次のコマンドを実行して、ノード上の
ovnkube-node
Pod を削除します。<node>
は、再起動するノードの名前に置き換えます。$ oc -n openshift-ovn-kubernetes delete pod -l app=ovnkube-node --field-selector=spec.nodeName==<node>
以下を使用して、
ovnkube-node
Pod が再度実行されていることを確認します。$ oc -n openshift-ovn-kubernetes get pod -l app=ovnkube-node --field-selector=spec.nodeName==<node>
注記Pod が再起動するまでに数分かかる場合があります。
他の非復旧のコントロールプレーンマシンを 1 つずつ削除して再作成します。マシンが再作成された後、新しいリビジョンが強制され、
etcd
が自動的にスケールアップします。ユーザーがプロビジョニングしたベアメタルインストールを使用する場合は、最初に作成したときと同じ方法を使用して、コントロールプレーンマシンを再作成できます。詳細は、「ユーザーによってプロビジョニングされるクラスターのベアメタルへのインストール」を参照してください。
警告リカバリーホストのマシンを削除し、再作成しないでください。
installer-provisioned infrastructure を実行している場合、またはマシン API を使用してマシンを作成している場合は、以下の手順を実行します。
警告リカバリーホストのマシンを削除し、再作成しないでください。
installer-provisioned infrastructure でのベアメタルインストールの場合、コントロールプレーンマシンは再作成されません。詳細は、「ベアメタルコントロールプレーンノードの交換」を参照してください。
失われたコントロールプレーンホストのいずれかのマシンを取得します。
クラスターにアクセスできるターミナルで、cluster-admin ユーザーとして以下のコマンドを実行します。
$ oc get machines -n openshift-machine-api -o wide
出力例:
NAME PHASE TYPE REGION ZONE AGE NODE PROVIDERID STATE clustername-8qw5l-master-0 Running m4.xlarge us-east-1 us-east-1a 3h37m ip-10-0-131-183.ec2.internal aws:///us-east-1a/i-0ec2782f8287dfb7e stopped 1 clustername-8qw5l-master-1 Running m4.xlarge us-east-1 us-east-1b 3h37m ip-10-0-143-125.ec2.internal aws:///us-east-1b/i-096c349b700a19631 running clustername-8qw5l-master-2 Running m4.xlarge us-east-1 us-east-1c 3h37m ip-10-0-154-194.ec2.internal aws:///us-east-1c/i-02626f1dba9ed5bba running clustername-8qw5l-worker-us-east-1a-wbtgd Running m4.large us-east-1 us-east-1a 3h28m ip-10-0-129-226.ec2.internal aws:///us-east-1a/i-010ef6279b4662ced running clustername-8qw5l-worker-us-east-1b-lrdxb Running m4.large us-east-1 us-east-1b 3h28m ip-10-0-144-248.ec2.internal aws:///us-east-1b/i-0cb45ac45a166173b running clustername-8qw5l-worker-us-east-1c-pkg26 Running m4.large us-east-1 us-east-1c 3h28m ip-10-0-170-181.ec2.internal aws:///us-east-1c/i-06861c00007751b0a running
- 1
- これは、失われたコントロールプレーンホストのコントロールプレーンマシンです (
ip-10-0-131-183.ec2.internal
)。
以下を実行して、失われたコントロールプレーンホストのマシンを削除します。
$ oc delete machine -n openshift-machine-api clustername-8qw5l-master-0 1
- 1
- 失われたコントロールプレーンホストのコントロールプレーンマシンの名前を指定します。
失われたコントロールプレーンホストのマシンを削除すると、新しいマシンが自動的にプロビジョニングされます。
以下を実行して、新しいマシンが作成されたことを確認します。
$ oc get machines -n openshift-machine-api -o wide
出力例:
NAME PHASE TYPE REGION ZONE AGE NODE PROVIDERID STATE clustername-8qw5l-master-1 Running m4.xlarge us-east-1 us-east-1b 3h37m ip-10-0-143-125.ec2.internal aws:///us-east-1b/i-096c349b700a19631 running clustername-8qw5l-master-2 Running m4.xlarge us-east-1 us-east-1c 3h37m ip-10-0-154-194.ec2.internal aws:///us-east-1c/i-02626f1dba9ed5bba running clustername-8qw5l-master-3 Provisioning m4.xlarge us-east-1 us-east-1a 85s ip-10-0-173-171.ec2.internal aws:///us-east-1a/i-015b0888fe17bc2c8 running 1 clustername-8qw5l-worker-us-east-1a-wbtgd Running m4.large us-east-1 us-east-1a 3h28m ip-10-0-129-226.ec2.internal aws:///us-east-1a/i-010ef6279b4662ced running clustername-8qw5l-worker-us-east-1b-lrdxb Running m4.large us-east-1 us-east-1b 3h28m ip-10-0-144-248.ec2.internal aws:///us-east-1b/i-0cb45ac45a166173b running clustername-8qw5l-worker-us-east-1c-pkg26 Running m4.large us-east-1 us-east-1c 3h28m ip-10-0-170-181.ec2.internal aws:///us-east-1c/i-06861c00007751b0a running
- 1
- 新規マシン
clustername-8qw5l-master-3
が作成され、Provisioning
からRunning
にフェーズが変更されると準備状態になります。
新規マシンが作成されるまでに数分の時間がかかる場合があります。
etcd
クラスター Operator は、マシンまたはノードが正常な状態に戻ると自動的に同期します。- リカバリーホストではない喪失したコントロールプレーンホストで、これらのステップを繰り返します。
次のように入力して、クォーラムガードをオフにします。
$ oc patch etcd/cluster --type=merge -p '{"spec": {"unsupportedConfigOverrides": {"useUnsupportedUnsafeNonHANonProductionUnstableEtcd": true}}}'
このコマンドにより、シークレットを正常に再作成し、静的 Pod をロールアウトできるようになります。
リカバリーホスト内の別のターミナルウィンドウで、以下を実行してリカバリー
kubeconfig
ファイルをエクスポートします。$ export KUBECONFIG=/etc/kubernetes/static-pod-resources/kube-apiserver-certs/secrets/node-kubeconfigs/localhost-recovery.kubeconfig
etcd
の再デプロイメントを強制的に実行します。リカバリー
kubeconfig
ファイルをエクスポートしたのと同じターミナルウィンドウで、以下を実行します。$ oc patch etcd cluster -p='{"spec": {"forceRedeploymentReason": "recovery-'"$( date --rfc-3339=ns )"'"}}' --type=merge 1
- 1
forceRedeploymentReason
値は一意である必要があります。そのため、タイムスタンプが付加されます。
etcd
クラスター Operator が再デプロイメントを実行すると、初期ブートストラップのスケールアップと同様に、既存のノードが新規 Pod と共に起動します。次のように入力して、クォーラムガードをオンに戻します。
$ oc patch etcd/cluster --type=merge -p '{"spec": {"unsupportedConfigOverrides": null}}'
以下を実行すると、
unsupportedConfigOverrides
セクションがオブジェクトから削除されたことを確認できます。$ oc get etcd/cluster -oyaml
すべてのノードが最新のリビジョンに更新されていることを確認します。
クラスターにアクセスできるターミナルで、
cluster-admin
ユーザーとして以下を実行します。$ oc get etcd -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="NodeInstallerProgressing")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
etcd
のNodeInstallerProgressing
ステータス条件を確認し、すべてのノードが最新のリビジョンであることを確認します。更新が正常に実行されると、この出力にはAllNodesAtLatestRevision
が表示されます。AllNodesAtLatestRevision 3 nodes are at revision 7 1
- 1
- この例では、最新のリビジョン番号は
7
です。
出力に
2 nodes are at revision 6; 1 nodes are at revision 7
などの複数のリビジョン番号が含まれる場合、これは更新が依然として進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。etcd
の再デプロイ後に、コントロールプレーンの新規ロールアウトを強制的に実行します。kubelet は内部ロードバランサーを使用して API サーバーに接続されているため、kube-apiserver
は他のノードに再インストールされます。クラスターにアクセスできるターミナルで、
cluster-admin
ユーザーとして以下を実行します。kube-apiserver
の新規ロールアウトを強制します。$ oc patch kubeapiserver cluster -p='{"spec": {"forceRedeploymentReason": "recovery-'"$( date --rfc-3339=ns )"'"}}' --type=merge
すべてのノードが最新のリビジョンに更新されていることを確認します。
$ oc get kubeapiserver -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="NodeInstallerProgressing")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
NodeInstallerProgressing
状況条件を確認し、すべてのノードが最新のリビジョンであることを確認します。更新が正常に実行されると、この出力にはAllNodesAtLatestRevision
が表示されます。AllNodesAtLatestRevision 3 nodes are at revision 7 1
- 1
- この例では、最新のリビジョン番号は
7
です。
出力に
2 nodes are at revision 6; 1 nodes are at revision 7
などの複数のリビジョン番号が含まれる場合、これは更新が依然として進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。次のコマンドを実行して、Kubernetes コントローラーマネージャーの新規ロールアウトを強制します。
$ oc patch kubecontrollermanager cluster -p='{"spec": {"forceRedeploymentReason": "recovery-'"$( date --rfc-3339=ns )"'"}}' --type=merge
以下を実行して、すべてのノードが最新リビジョンに更新されていることを確認します。
$ oc get kubecontrollermanager -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="NodeInstallerProgressing")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
NodeInstallerProgressing
状況条件を確認し、すべてのノードが最新のリビジョンであることを確認します。更新が正常に実行されると、この出力にはAllNodesAtLatestRevision
が表示されます。AllNodesAtLatestRevision 3 nodes are at revision 7 1
- 1
- この例では、最新のリビジョン番号は
7
です。
出力に
2 nodes are at revision 6; 1 nodes are at revision 7
などの複数のリビジョン番号が含まれる場合、これは更新が依然として進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。以下を実行して、
kube-scheduler
の新規ロールアウトを強制します。$ oc patch kubescheduler cluster -p='{"spec": {"forceRedeploymentReason": "recovery-'"$( date --rfc-3339=ns )"'"}}' --type=merge
以下を使用して、すべてのノードが最新のリビジョンに更新されていることを確認します。
$ oc get kubescheduler -o=jsonpath='{range .items[0].status.conditions[?(@.type=="NodeInstallerProgressing")]}{.reason}{"\n"}{.message}{"\n"}'
NodeInstallerProgressing
状況条件を確認し、すべてのノードが最新のリビジョンであることを確認します。更新が正常に実行されると、この出力にはAllNodesAtLatestRevision
が表示されます。AllNodesAtLatestRevision 3 nodes are at revision 7 1
- 1
- この例では、最新のリビジョン番号は
7
です。
出力に
2 nodes are at revision 6; 1 nodes are at revision 7
などの複数のリビジョン番号が含まれる場合、これは更新が依然として進行中であることを意味します。数分待機した後に再試行します。
すべてのコントロールプレーンホストが起動しており、クラスターに参加していることを確認します。
クラスターにアクセスできるターミナルで、
cluster-admin
ユーザーとして以下のコマンドを実行します。$ oc -n openshift-etcd get pods -l k8s-app=etcd
出力例
etcd-ip-10-0-143-125.ec2.internal 2/2 Running 0 9h etcd-ip-10-0-154-194.ec2.internal 2/2 Running 0 9h etcd-ip-10-0-173-171.ec2.internal 2/2 Running 0 9h
リカバリー手順の後にすべてのワークロードが通常の操作に戻るようにするには、すべてのコントロールプレーンノードを再起動します。
前の手順が完了したら、すべてのサービスが復元された状態に戻るまで数分間待つ必要がある場合があります。たとえば、oc login
を使用した認証は、OAuth サーバー Pod が再起動するまですぐに機能しない可能性があります。
即時認証に system:admin
kubeconfig
ファイルを使用することを検討してください。この方法は、OAuth トークンではなく SSL/TLS クライアント証明書に基づいて認証を行います。以下のコマンドを実行し、このファイルを使用して認証できます。
$ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig
以下のコマンドを実行て、認証済みユーザー名を表示します。
$ oc whoami
6.12.8. 永続ストレージの状態復元に関する問題および回避策
OpenShift Container Platform クラスターがいずれかの形式の永続ストレージを使用する場合に、クラスターの状態は通常 etcd 外に保存されます。たとえば、Pod で実行されている Elasticsearch クラスター、または StatefulSet
オブジェクトで実行されているデータベースなどである可能性があります。etcd バックアップから復元する場合には、OpenShift Container Platform のワークロードのステータスも復元されます。ただし、etcd スナップショットが古い場合には、ステータスは無効または期限切れの可能性があります。
永続ボリューム (PV) の内容は etcd スナップショットには含まれません。etcd スナップショットから OpenShift Container Platform クラスターを復元する時に、重要ではないワークロードから重要なデータにアクセスしたり、その逆ができたりする場合があります。
以下は、古いステータスを生成するシナリオ例です。
- MySQL データベースが PV オブジェクトでバックアップされる Pod で実行されている。etcd スナップショットから OpenShift Container Platform を復元すると、Pod の起動を繰り返し試行しても、ボリュームをストレージプロバイダーに戻したり、実行中の MySQL Pod が生成したりされるわけではありません。この Pod は、ストレージプロバイダーでボリュームを復元し、次に PV を編集して新規ボリュームを参照するように手動で復元する必要があります。
- Pod P1 は、ノード X に割り当てられているボリューム A を使用している。別の Pod がノード Y にある同じボリュームを使用している場合に etcd スナップショットが作成された場合に、etcd の復元が実行されると、ボリュームがノード Y に割り当てられていることが原因で Pod P1 が正常に起動できなくなる可能性があります。OpenShift Container Platform はこの割り当てを認識せず、ボリュームが自動的に切り離されるわけではありません。これが生じる場合には、ボリュームをノード Y から手動で切り離し、ノード X に割り当ててることで Pod P1 を起動できるようにします。
- クラウドプロバイダーまたはストレージプロバイダーの認証情報が etcd スナップショットの作成後に更新された。これが原因で、プロバイダーの認証情報に依存する CSI ドライバーまたは Operator が機能しなくなります。これらのドライバーまたは Operator で必要な認証情報を手動で更新する必要がある場合があります。
デバイスが etcd スナップショットの作成後に OpenShift Container Platform ノードから削除されたか、名前が変更された。ローカルストレージ Operator で、
/dev/disk/by-id
または/dev
ディレクトリーから管理する各 PV のシンボリックリンクが作成されます。この状況では、ローカル PV が存在しないデバイスを参照してしまう可能性があります。この問題を修正するには、管理者は以下を行う必要があります。
- デバイスが無効な PV を手動で削除します。
- 各ノードからシンボリックリンクを削除します。
-
LocalVolume
またはLocalVolumeSet
オブジェクトを削除します (ストレージ → 永続ストレージの設定 → ローカルボリュームを使用した永続ストレージ → ローカルストレージ Operator のリソースの削除 を参照)。
6.13. Pod の Disruption Budget (停止状態の予算)
Pod の Disruption Budget について理解し、これを設定します。
6.13.1. Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) を使用して起動している Pod の数を指定する方法
Pod 中断バジェット では、メンテナンスのためのノードのドレインなど、運用中の Pod に対する安全制約を指定できます。
PodDisruptionBudget
は、同時に起動している必要のあるレプリカの最小数またはパーセンテージを指定する API オブジェクトです。これらをプロジェクトに設定することは、ノードのメンテナンス (クラスターのスケールダウンまたはクラスターのアップグレードなどの実行) 時に役立ち、この設定は (ノードの障害時ではなく) 自発的なエビクションの場合にのみ許可されます。
PodDisruptionBudget
オブジェクトの設定は、次の主要な部分で構成されます。
- 一連の Pod に対するラベルのクエリー機能であるラベルセレクター。
同時に利用可能にする必要のある Pod の最小数を指定する可用性レベル。
-
minAvailable
は、中断時にも常に利用可能である必要のある Pod 数です。 -
maxUnavailable
は、中断時に利用不可にできる Pod 数です。
-
Available
は、Ready=True
の状態にある Pod 数を指します。ready=True
は、要求に対応でき、一致するすべてのサービスの負荷分散プールに追加する必要がある Pod を指します。
maxUnavailable
の 0%
または 0
あるいは minAvailable
の 100%
、ないしはレプリカ数に等しい値は許可されますが、これによりノードがドレイン (解放) されないようにブロックされる可能性があります。
OpenShift Container Platform のすべてのマシン設定プールにおける maxUnavailable
のデフォルト設定は 1
です。この値を変更せず、一度に 1 つのコントロールプレーンノードを更新することを推奨します。コントロールプレーンプールのこの値を 3
に変更しないでください。
以下を実行して、Pod の Disruption Budget をすべてのプロジェクトで確認することができます。
$ oc get poddisruptionbudget --all-namespaces
出力例
NAMESPACE NAME MIN AVAILABLE MAX UNAVAILABLE ALLOWED DISRUPTIONS AGE openshift-apiserver openshift-apiserver-pdb N/A 1 1 121m openshift-cloud-controller-manager aws-cloud-controller-manager 1 N/A 1 125m openshift-cloud-credential-operator pod-identity-webhook 1 N/A 1 117m openshift-cluster-csi-drivers aws-ebs-csi-driver-controller-pdb N/A 1 1 121m openshift-cluster-storage-operator csi-snapshot-controller-pdb N/A 1 1 122m openshift-cluster-storage-operator csi-snapshot-webhook-pdb N/A 1 1 122m openshift-console console N/A 1 1 116m #...
PodDisruptionBudget
は、最低でも minAvailable
Pod がシステムで実行されている場合は正常であるとみなされます。この制限を超えるすべての Pod はエビクションの対象となります。
Pod の優先順位およびプリエンプションの設定に基づいて、優先順位の低い Pod は Pod の Disruption Budget の要件を無視して削除される可能性があります。
6.13.2. Pod の Disruption Budget を使用して起動している Pod 数の指定
同時に起動している必要のあるレプリカの最小数またはパーセンテージは、PodDisruptionBudget
オブジェクトを使用して指定します。
手順
Pod の Disruption Budget を設定するには、以下を実行します。
YAML ファイルを以下のようなオブジェクト定義で作成します。
apiVersion: policy/v1 1 kind: PodDisruptionBudget metadata: name: my-pdb spec: minAvailable: 2 2 selector: 3 matchLabels: name: my-pod
または、以下を実行します。
apiVersion: policy/v1 1 kind: PodDisruptionBudget metadata: name: my-pdb spec: maxUnavailable: 25% 2 selector: 3 matchLabels: name: my-pod
以下のコマンドを実行してオブジェクトをプロジェクトに追加します。
$ oc create -f </path/to/file> -n <project_name>
6.13.3. 正常でない Pod のエビクションポリシーの指定
Pod の Disruption Budget (PDB: 停止状態の予算) を使用して同時に利用可能にする必要のある Pod 数を指定する場合、正常でない Pod がエビクション対象とみなされる条件も定義できます。
以下のポリシーから選択できます。
- IfHealthyBudget
- 正常ではない実行中の Pod は、保護されたアプリケーションが停止されない場合に限りエビクトできます。
- AlwaysAllow
正常ではない実行中の Pod は、Pod の Disruption Budget の条件が満たされているかどうかにかかわらずエビクトできます。このポリシーは、Pod が
CrashLoopBackOff
状態でスタックしているアプリケーションやReady
ステータスの報告に失敗しているアプリケーションなど、正常に動作しないアプリケーションをエビクトするために使用できます。注記ノードドレイン中に誤動作するアプリケーションのエビクションをサポートするには、
PodDisruptionBudget
オブジェクトのunhealthyPodEvictionPolicy
フィールドをAlwaysAllow
に設定することを推奨します。デフォルトの動作では、ドレインを続行する前に、アプリケーション Pod が正常になるまで待機します。
手順
PodDisruptionBudget
オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成し、正常でない Pod のエビクションポリシーを指定します。pod-disruption-budget.yaml
ファイルの例apiVersion: policy/v1 kind: PodDisruptionBudget metadata: name: my-pdb spec: minAvailable: 2 selector: matchLabels: name: my-pod unhealthyPodEvictionPolicy: AlwaysAllow 1
- 1
- 正常でない Pod エビクションポリシーとして
IfHealthyBudget
またはAlwaysAllow
のいずれかを選択します。unhealthyPodEvictionPolicy
フィールドが空の場合、デフォルトはIfHealthyBudget
です。
以下のコマンドを実行して
PodDisruptionBudget
オブジェクトを作成します。$ oc create -f pod-disruption-budget.yaml
PDB で正常でない Pod のエビクションポリシーが AlwaysAllow
に設定されている場合、ノードをドレイン (解放)、この PDB が保護する正常に動作しないアプリケーションの Pod をエビクトできます。
関連情報
- フィーチャーゲートを使用した機能の有効化
- Kubernetes ドキュメントの Unhealthy Pod Eviction Policy
第7章 インストール後のノードタスク
OpenShift Container Platform のインストール後に、特定のノードタスクでクラスターをさらに拡張し、要件に合わせてカスタマイズできます。
7.1. RHEL コンピュートマシンの OpenShift Container Platform クラスターへの追加
RHEL コンピュートノードについて理解し、これを使用します。
7.1.1. RHEL コンピュートノードのクラスターへの追加について
OpenShift Container Platform 4.14 では、x86_64
アーキテクチャー上で user-provisioned infrastructure インストール または installer-provisioned infrastructure インストールを使用する場合、クラスター内のコンピューティングマシンとして Red Hat Enterprise Linux (RHEL) マシンを使用するオプションがあります。クラスター内のコントロールプレーンマシンには Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンを使用する必要があります。
クラスターで RHEL コンピュートマシンを使用することを選択した場合は、すべてのオペレーティングシステムのライフサイクル管理とメンテナンスを担当します。システムの更新を実行し、パッチを適用し、その他すべての必要なタスクを完了する必要があります。
installer-provisioned infrastructure クラスターの場合、installer-provisioned infrastructure クラスターの自動スケーリングにより Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピューティングマシンがデフォルトで追加されるため、RHEL コンピューティングマシンを手動で追加する必要があります。
- OpenShift Container Platform をクラスター内のマシンから削除するには、オペレーティングシステムを破棄する必要があるため、クラスターに追加する RHEL マシンには専用のハードウェアを使用する必要があります。
- swap メモリーは、OpenShift Container Platform クラスターに追加されるすべての RHEL マシンで無効にされます。これらのマシンで swap メモリーを有効にすることはできません。
7.1.2. RHEL コンピュートノードのシステム要件
OpenShift Container Platform 環境の Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピュートマシンは以下の最低のハードウェア仕様およびシステムレベルの要件を満たしている必要があります。
- まず、お使いの Red Hat アカウントに有効な OpenShift Container Platform サブスクリプションがなければなりません。これがない場合は、営業担当者にお問い合わせください。
- 実稼働環境では予想されるワークロードに対応するコンピュートーノードを提供する必要があります。クラスター管理者は、予想されるワークロードを計算し、オーバーヘッドの約 10 % を追加する必要があります。実稼働環境の場合、ノードホストの障害が最大容量に影響を与えることがないよう、十分なリソースを割り当てるようにします。
各システムは、以下のハードウェア要件を満たしている必要があります。
- 物理または仮想システム、またはパブリックまたはプライベート IaaS で実行されるインスタンス。
ベース OS: "最小" インストールオプションを備えた RHEL 8.6 以降。
重要OpenShift Container Platform クラスターへの RHEL 7 コンピュートマシンの追加はサポートされません。
以前の OpenShift Container Platform のバージョンで以前にサポートされていた RHEL 7 コンピュートマシンがある場合、RHEL 8 にアップグレードすることはできません。新しい RHEL 8 ホストをデプロイする必要があり、古い RHEL 7 ホストを削除する必要があります。詳細は、「ノードの削除」セクションを参照してください。
OpenShift Container Platform で非推奨となったか、削除された主な機能の最新の一覧は、OpenShift Container Platform リリースノートの 非推奨および削除された機能 セクションを参照してください。
- FIPS モードで OpenShift Container Platform をデプロイしている場合、起動する前に FIPS を RHEL マシン上で有効にする必要があります。RHEL 8 ドキュメントのInstalling a RHEL 8 system with FIPS mode enabledを参照してください。
クラスターで FIPS モードを有効にするには、FIPS モードで動作するように設定された Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピューターからインストールプログラムを実行する必要があります。RHEL での FIPS モードの設定の詳細は、FIPS モードでのシステムのインストール を参照してください。FIPS モードでブートされた Red Hat Enterprise Linux (RHEL) または Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する場合、OpenShift Container Platform コアコンポーネントは、x86_64、ppc64le、および s390x アーキテクチャーのみで、FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用します。
- NetworkManager 1.0 以降。
- 1 vCPU。
- 最小 8 GB の RAM。
-
/var/
を含むファイルシステムの最小 15 GB のハードディスク領域。 -
/usr/local/bin/
を含むファイルシステムの最小 1 GB のハードディスク領域。 一時ディレクトリーを含むファイルシステムの最小 1 GB のハードディスク領域。システムの一時ディレクトリーは、Python の標準ライブラリーの tempfile モジュールで定義されるルールに基づいて決定されます。
-
各システムは、システムプロバイダーの追加の要件を満たす必要があります。たとえば、クラスターを VMware vSphere にインストールしている場合、ディスクはその ストレージガイドライン に応じて設定され、
disk.enableUUID=true
属性が設定される必要があります。 - 各システムは、DNS で解決可能なホスト名を使用してクラスターの API エンドポイントにアクセスできる必要があります。配置されているネットワークセキュリティーアクセス制御は、クラスターの API サービスエンドポイントへのシステムアクセスを許可する必要があります。
-
各システムは、システムプロバイダーの追加の要件を満たす必要があります。たとえば、クラスターを VMware vSphere にインストールしている場合、ディスクはその ストレージガイドライン に応じて設定され、
関連情報
7.1.2.1. 証明書署名要求の管理
ユーザーがプロビジョニングするインフラストラクチャーを使用する場合、クラスターの自動マシン管理へのアクセスは制限されるため、インストール後にクラスターの証明書署名要求 (CSR) のメカニズムを提供する必要があります。kube-controller-manager
は kubelet クライアント CSR のみを承認します。machine-approver
は、kubelet 認証情報を使用して要求される提供証明書の有効性を保証できません。適切なマシンがこの要求を発行したかどうかを確認できないためです。kubelet 提供証明書の要求の有効性を検証し、それらを承認する方法を判別し、実装する必要があります。
7.1.3. Playbook 実行のためのマシンの準備
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) をオペレーティングシステムとして使用するコンピュートマシンを OpenShift Container Platform 4.14 クラスターに追加する前に、新たなノードをクラスターに追加する Ansible Playbook を実行する RHEL 8 マシンを準備する必要があります。このマシンはクラスターの一部にはなりませんが、クラスターにアクセスできる必要があります。
前提条件
-
Playbook を実行するマシンに OpenShift CLI (
oc
) をインストールします。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてログインしている。
手順
-
クラスターの
kubeconfig
ファイルおよびクラスターのインストールに使用したインストールプログラムが RHEL 8 マシン上にあることを確認します。これを実行する 1 つの方法として、クラスターのインストールに使用したマシンと同じマシンを使用することができます。 - マシンを、コンピュートマシンとして使用する予定のすべての RHEL ホストにアクセスできるように設定します。Bastion と SSH プロキシーまたは VPN の使用など、所属する会社で許可されるすべての方法を利用できます。
すべての RHEL ホストへの SSH アクセスを持つユーザーを Playbook を実行するマシンで設定します。
重要SSH キーベースの認証を使用する場合、キーを SSH エージェントで管理する必要があります。
これを実行していない場合には、マシンを RHSM に登録し、
OpenShift
サブスクリプションのプールをこれにアタッチします。マシンを RHSM に登録します。
# subscription-manager register --username=<user_name> --password=<password>
RHSM から最新のサブスクリプションデータをプルします。
# subscription-manager refresh
利用可能なサブスクリプションをリスト表示します。
# subscription-manager list --available --matches '*OpenShift*'
直前のコマンドの出力で、OpenShift Container Platform サブスクリプションのプール ID を見つけ、これをアタッチします。
# subscription-manager attach --pool=<pool_id>
OpenShift Container Platform 4.14 で必要なリポジトリーを有効にします。
# subscription-manager repos \ --enable="rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms" \ --enable="rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms" \ --enable="rhocp-4.14-for-rhel-8-x86_64-rpms"
openshift-ansible
を含む必要なパッケージをインストールします。# yum install openshift-ansible openshift-clients jq
openshift-ansible
パッケージはインストールプログラムユーティリティーを提供し、Ansible Playbook などのクラスターに RHEL コンピュートノードを追加するために必要な他のパッケージおよび関連する設定ファイルをプルします。openshift-clients
はoc
CLI を提供し、jq
パッケージはコマンドライン上での JSON 出力の表示方法を向上させます。
7.1.4. RHEL コンピュートノードの準備
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) マシンを OpenShift Container Platform クラスターに追加する前に、各ホストを Red Hat Subscription Manager (RHSM) に登録し、有効な OpenShift Container Platform サブスクリプションをアタッチし、必要なリポジトリーを有効にする必要があります。
各ホストで RHSM に登録します。
# subscription-manager register --username=<user_name> --password=<password>
RHSM から最新のサブスクリプションデータをプルします。
# subscription-manager refresh
利用可能なサブスクリプションをリスト表示します。
# subscription-manager list --available --matches '*OpenShift*'
直前のコマンドの出力で、OpenShift Container Platform サブスクリプションのプール ID を見つけ、これをアタッチします。
# subscription-manager attach --pool=<pool_id>
yum リポジトリーをすべて無効にします。
有効にされている RHSM リポジトリーをすべて無効にします。
# subscription-manager repos --disable="*"
残りの yum リポジトリーをリスト表示し、
repo id
にあるそれらの名前をメモします (ある場合) 。# yum repolist
yum-config-manager
を使用して、残りの yum リポジトリーを無効にします。# yum-config-manager --disable <repo_id>
または、すべてのリポジトリーを無効にします。
# yum-config-manager --disable \*
利用可能なリポジトリーが多い場合には、数分の時間がかかることがあります。
OpenShift Container Platform 4.14 で必要なリポジトリーのみを有効にします。
# subscription-manager repos \ --enable="rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms" \ --enable="rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms" \ --enable="rhocp-4.14-for-rhel-8-x86_64-rpms" \ --enable="fast-datapath-for-rhel-8-x86_64-rpms"
ホストで firewalld を停止し、無効にします。
# systemctl disable --now firewalld.service
注記firewalld は、後で有効にすることはできません。これを実行する場合、ワーカー上の OpenShift Container Platform ログにはアクセスできません。
7.1.5. RHEL コンピュートマシンのクラスターへの追加
Red Hat Enterprise Linux をオペレーティングシステムとして使用するコンピュートマシンを OpenShift Container Platform 4.14 クラスターに追加することができます。
前提条件
- Playbook を実行するマシンに必要なパッケージをインストールし、必要な設定が行われています。
- インストール用の RHEL ホストを準備しています。
手順
Playbook を実行するために準備しているマシンで以下の手順を実行します。
コンピュートマシンホストおよび必要な変数を定義する
/<path>/inventory/hosts
という名前の Ansible インベントリーファイルを作成します。[all:vars] ansible_user=root 1 #ansible_become=True 2 openshift_kubeconfig_path="~/.kube/config" 3 [new_workers] 4 mycluster-rhel8-0.example.com mycluster-rhel8-1.example.com
- 1
- Ansible タスクをリモートコンピュートマシンで実行するユーザー名を指定します。
- 2
ansible_user
のroot
を指定しない場合、ansible_become
をTrue
に設定し、ユーザーに sudo パーミッションを割り当てる必要があります。- 3
- クラスターの
kubeconfig
ファイルへのパスを指定します。 - 4
- クラスターに追加する各 RHEL マシンをリスト表示します。各ホストについて完全修飾ドメイン名を指定する必要があります。この名前は、クラスターがマシンにアクセスするために使用するホスト名であるため、マシンにアクセスできるように正しいパブリックまたはプライベートの名前を設定します。
Ansible Playbook ディレクトリーに移動します。
$ cd /usr/share/ansible/openshift-ansible
Playbook を実行します。
$ ansible-playbook -i /<path>/inventory/hosts playbooks/scaleup.yml 1
- 1
<path>
には、作成した Ansible インベントリーファイルへのパスを指定します。
7.1.6. Ansible ホストファイルの必須パラメーター
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピュートマシンをクラスターに追加する前に、以下のパラメーターを Ansible ホストファイルに定義する必要があります。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| パスワードなしの SSH ベースの認証を許可する SSH ユーザー。SSH キーベースの認証を使用する場合、キーを SSH エージェントで管理する必要があります。 |
システム上のユーザー名。デフォルト値は |
|
|
|
|
クラスターの | 設定ファイルのパスと名前。 |
7.1.7. オプション: RHCOS コンピュートマシンのクラスターからの削除
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピュートマシンをクラスターに追加した後に、オプションで Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを削除し、リソースを解放できます。
前提条件
- RHEL コンピュートマシンをクラスターに追加済みです。
手順
マシンのリストを表示し、RHCOS コンピューマシンのノード名を記録します。
$ oc get nodes -o wide
それぞれの RHCOS コンピュートマシンについて、ノードを削除します。
oc adm cordon
コマンドを実行して、ノードにスケジュール対象外 (unschedulable) のマークを付けます。$ oc adm cordon <node_name> 1
- 1
- RHCOS コンピュートマシンのノード名を指定します。
ノードからすべての Pod をドレイン (解放) します。
$ oc adm drain <node_name> --force --delete-emptydir-data --ignore-daemonsets 1
- 1
- 分離した RHCOS コンピュートマシンのノード名を指定します。
ノードを削除します。
$ oc delete nodes <node_name> 1
- 1
- ドレイン (解放) した RHCOS コンピュートマシンのノード名を指定します。
コンピュートマシンのリストを確認し、RHEL ノードのみが残っていることを確認します。
$ oc get nodes -o wide
- RHCOS マシンをクラスターのコンピュートマシンのロードバランサーから削除します。仮想マシンを削除したり、RHCOS コンピュートマシンの物理ハードウェアを再イメージ化したりできます。
7.2. RHCOS コンピュートマシンの OpenShift Container Platform クラスターへの追加
ベアメタルの OpenShift Container Platform クラスターに Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを追加することができます。
ベアメタルインフラストラクチャーにインストールされているクラスターにコンピュートマシンを追加する前に、それが使用する RHCOS マシンを作成する必要があります。ISO イメージまたはネットワーク PXE ブートを使用してマシンを作成できます。
7.2.1. 前提条件
- クラスターをベアメタルにインストールしている。
- クラスターの作成に使用したインストールメディアおよび Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージがある。これらのファイルがない場合は、インストール手順 に従って取得する必要があります。
7.2.2. ISO イメージを使用した RHCOS マシンの作成
ISO イメージを使用して、ベアメタルクラスターの追加の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを作成できます。
前提条件
- クラスターのコンピュートマシンの Ignition 設定ファイルの URL を取得します。このファイルがインストール時に HTTP サーバーにアップロードされている必要があります。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行して、クラスターから Ignition 設定ファイルを抽出します。
$ oc extract -n openshift-machine-api secret/worker-user-data-managed --keys=userData --to=- > worker.ign
-
クラスターからエクスポートした
worker.ign
Ignition 設定ファイルを HTTP サーバーにアップロードします。これらのファイルの URL をメモします。 Ignition ファイルが URL で利用可能であることを検証できます。次の例では、コンピュートノードの Ignition 設定ファイルを取得します。
$ curl -k http://<HTTP_server>/worker.ign
次のコマンドを実行すると、新しいマシンを起動するための ISO イメージにアクセスできます。
RHCOS_VHD_ORIGIN_URL=$(oc -n openshift-machine-config-operator get configmap/coreos-bootimages -o jsonpath='{.data.stream}' | jq -r '.architectures.<architecture>.artifacts.metal.formats.iso.disk.location')
ISO ファイルを使用して、追加のコンピュートマシンに RHCOS をインストールします。クラスターのインストール前にマシンを作成する際に使用したのと同じ方法を使用します。
- ディスクに ISO イメージを書き込み、これを直接起動します。
- LOM インターフェイスで ISO リダイレクトを使用します。
オプションを指定したり、ライブ起動シーケンスを中断したりせずに、RHCOS ISO イメージを起動します。インストーラーが RHCOS ライブ環境でシェルプロンプトを起動するのを待ちます。
注記RHCOS インストールの起動プロセスを中断して、カーネル引数を追加できます。ただし、この ISO 手順では、カーネル引数を追加する代わりに、次の手順で概説するように
coreos-installer
コマンドを使用する必要があります。coreos-installer
コマンドを実行し、インストール要件を満たすオプションを指定します。少なくとも、ノードタイプの Ignition 設定ファイルを参照する URL と、インストール先のデバイスを指定する必要があります。$ sudo coreos-installer install --ignition-url=http://<HTTP_server>/<node_type>.ign <device> --ignition-hash=sha512-<digest> 12
注記TLS を使用する HTTPS サーバーを使用して Ignition 設定ファイルを提供する場合は、
coreos-installer
を実行する前に、内部認証局 (CA) をシステムのトラストストアに追加できます。以下の例では、
/dev/sda
デバイスへのブートストラップノードのインストールを初期化します。ブートストラップノードの Ignition 設定ファイルは、IP アドレス 192.168.1.2 で HTTP Web サーバーから取得されます。$ sudo coreos-installer install --ignition-url=http://192.168.1.2:80/installation_directory/bootstrap.ign /dev/sda --ignition-hash=sha512-a5a2d43879223273c9b60af66b44202a1d1248fc01cf156c46d4a79f552b6bad47bc8cc78ddf0116e80c59d2ea9e32ba53bc807afbca581aa059311def2c3e3b
マシンのコンソールで RHCOS インストールの進捗を監視します。
重要OpenShift Container Platform のインストールを開始する前に、各ノードでインストールが成功していることを確認します。インストールプロセスを監視すると、発生する可能性のある RHCOS インストールの問題の原因を特定する上でも役立ちます。
- 継続してクラスター用の追加のコンピュートマシンを作成します。
7.2.3. PXE または iPXE ブートによる RHCOS マシンの作成
PXE または iPXE ブートを使用して、ベアメタルクラスターの追加の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートマシンを作成できます。
前提条件
- クラスターのコンピュートマシンの Ignition 設定ファイルの URL を取得します。このファイルがインストール時に HTTP サーバーにアップロードされている必要があります。
-
クラスターのインストール時に HTTP サーバーにアップロードした RHCOS ISO イメージ、圧縮されたメタル BIOS、
kernel
、およびinitramfs
ファイルの URL を取得します。 - インストール時に OpenShift Container Platform クラスターのマシンを作成するために使用した PXE ブートインフラストラクチャーにアクセスできる必要があります。RHCOS のインストール後にマシンはローカルディスクから起動する必要があります。
-
UEFI を使用する場合、OpenShift Container Platform のインストール時に変更した
grub.conf
ファイルにアクセスできます。
手順
RHCOS イメージの PXE または iPXE インストールが正常に行われていることを確認します。
PXE の場合:
DEFAULT pxeboot TIMEOUT 20 PROMPT 0 LABEL pxeboot KERNEL http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-kernel-<architecture> 1 APPEND initrd=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img coreos.inst.install_dev=/dev/sda coreos.inst.ignition_url=http://<HTTP_server>/worker.ign coreos.live.rootfs_url=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img 2
- 1
- HTTP サーバーにアップロードしたライブ
kernel
ファイルの場所を指定します。 - 2
- HTTP サーバーにアップロードした RHCOS ファイルの場所を指定します。
initrd
パラメーターはライブinitramfs
ファイルの場所であり、coreos.inst.ignition_url
パラメーター値はワーカー Ignition 設定ファイルの場所であり、coreos.live.rootfs_url
パラメーター値はライブrootfs
ファイルの場所になります。coreos.inst.ignition_url
およびcoreos.live.rootfs_url
パラメーターは HTTP および HTTPS のみをサポートします。
注記この設定では、グラフィカルコンソールを使用するマシンでシリアルコンソールアクセスを有効にしません。別のコンソールを設定するには、
APPEND
行に 1 つ以上のconsole=
引数を追加します。たとえば、console=tty0 console=ttyS0
を追加して、最初の PC シリアルポートをプライマリーコンソールとして、グラフィカルコンソールをセカンダリーコンソールとして設定します。詳細は、How does one set up a serial terminal and/or console in Red Hat Enterprise Linux? を参照してください。iPXE (
x86_
64 +aarch64
):kernel http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-kernel-<architecture> initrd=main coreos.live.rootfs_url=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img coreos.inst.install_dev=/dev/sda coreos.inst.ignition_url=http://<HTTP_server>/worker.ign 1 2 initrd --name main http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img 3 boot
- 1
- HTTP サーバーにアップロードした RHCOS ファイルの場所を指定します。
kernel
パラメーター値はkernel
ファイルの場所であり、initrd=main
引数は UEFI システムでの起動に必要であり、coreos.live.rootfs_url
パラメーター値はワーカー Ignition 設定ファイルの場所であり、coreos.inst.ignition_url
パラメーター値はrootfs
のライブファイルの場所です。 - 2
- 複数の NIC を使用する場合、
ip
オプションに単一インターフェイスを指定します。たとえば、eno1
という名前の NIC で DHCP を使用するには、ip=eno1:dhcp
を設定します。 - 3
- HTTP サーバーにアップロードした
initramfs
ファイルの場所を指定します。
注記この設定では、グラフィカルコンソールを備えたマシンでのシリアルコンソールアクセスは有効になりません。別のコンソールを設定するには、
kernel
行に 1 つ以上のconsole=
引数を追加します。たとえば、console=tty0 console=ttyS0
を追加して、最初の PC シリアルポートをプライマリーコンソールとして、グラフィカルコンソールをセカンダリーコンソールとして設定します。詳細は、How does one set up a serial terminal and/or console in Red Hat Enterprise Linux? と、「高度な RHCOS インストール設定」セクションの「PXE および ISO インストール用シリアルコンソールの有効化」を参照してください。注記aarch64
アーキテクチャーで CoreOSkernel
をネットワークブートするには、IMAGE_GZIP
オプションが有効になっているバージョンの iPXE ビルドを使用する必要があります。iPXE のIMAGE_GZIP
オプション を参照してください。aarch64
上の PXE (第 2 段階として UEFI および GRUB を使用) の場合:menuentry 'Install CoreOS' { linux rhcos-<version>-live-kernel-<architecture> coreos.live.rootfs_url=http://<HTTP_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img coreos.inst.install_dev=/dev/sda coreos.inst.ignition_url=http://<HTTP_server>/worker.ign 1 2 initrd rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img 3 }
- 1
- HTTP/TFTP サーバーにアップロードした RHCOS ファイルの場所を指定します。
kernel
パラメーター値は、TFTP サーバー上のkernel
ファイルの場所になります。coreos.live.rootfs_url
パラメーター値はrootfs
ファイルの場所であり、coreos.inst.ignition_url
パラメーター値は HTTP サーバー上のブートストラップ Ignition 設定ファイルの場所になります。 - 2
- 複数の NIC を使用する場合、
ip
オプションに単一インターフェイスを指定します。たとえば、eno1
という名前の NIC で DHCP を使用するには、ip=eno1:dhcp
を設定します。 - 3
- TFTP サーバーにアップロードした
initramfs
ファイルの場所を指定します。
- PXE または iPXE インフラストラクチャーを使用して、クラスターに必要なコンピュートマシンを作成します。
7.2.4. マシンの証明書署名要求の承認
マシンをクラスターに追加する際に、追加したそれぞれのマシンに対して 2 つの保留状態の証明書署名要求 (CSR) が生成されます。これらの CSR が承認されていることを確認するか、必要な場合はそれらを承認してください。最初にクライアント要求を承認し、次にサーバー要求を承認する必要があります。
前提条件
- マシンがクラスターに追加されています。
手順
クラスターがマシンを認識していることを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 63m v1.27.3 master-1 Ready master 63m v1.27.3 master-2 Ready master 64m v1.27.3
出力には作成したすべてのマシンがリスト表示されます。
注記上記の出力には、一部の CSR が承認されるまで、ワーカーノード (ワーカーノードとも呼ばれる) が含まれない場合があります。
保留中の証明書署名要求 (CSR) を確認し、クラスターに追加したそれぞれのマシンのクライアントおよびサーバー要求に
Pending
またはApproved
ステータスが表示されていることを確認します。$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-8b2br 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending csr-8vnps 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending ...
この例では、2 つのマシンがクラスターに参加しています。このリストにはさらに多くの承認された CSR が表示される可能性があります。
追加したマシンの保留中の CSR すべてが
Pending
ステータスになった後に CSR が承認されない場合には、クラスターマシンの CSR を承認します。注記CSR のローテーションは自動的に実行されるため、クラスターにマシンを追加後 1 時間以内に CSR を承認してください。1 時間以内に承認しない場合には、証明書のローテーションが行われ、各ノードに 3 つ以上の証明書が存在するようになります。これらの証明書すべてを承認する必要があります。クライアントの CSR が承認された後に、Kubelet は提供証明書のセカンダリー CSR を作成します。これには、手動の承認が必要になります。次に、後続の提供証明書の更新要求は、Kubelet が同じパラメーターを持つ新規証明書を要求する場合に
machine-approver
によって自動的に承認されます。注記ベアメタルおよび他の user-provisioned infrastructure などのマシン API ではないプラットフォームで実行されているクラスターの場合、kubelet 提供証明書要求 (CSR) を自動的に承認する方法を実装する必要があります。要求が承認されない場合、API サーバーが kubelet に接続する際に提供証明書が必須であるため、
oc exec
、oc rsh
、およびoc logs
コマンドは正常に実行できません。Kubelet エンドポイントにアクセスする操作には、この証明書の承認が必要です。この方法は新規 CSR の有無を監視し、CSR がsystem:node
またはsystem:admin
グループのnode-bootstrapper
サービスアカウントによって提出されていることを確認し、ノードのアイデンティティーを確認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs --no-run-if-empty oc adm certificate approve
注記一部の Operator は、一部の CSR が承認されるまで利用できない可能性があります。
クライアント要求が承認されたら、クラスターに追加した各マシンのサーバー要求を確認する必要があります。
$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-bfd72 5m26s system:node:ip-10-0-50-126.us-east-2.compute.internal Pending csr-c57lv 5m26s system:node:ip-10-0-95-157.us-east-2.compute.internal Pending ...
残りの CSR が承認されず、それらが
Pending
ステータスにある場合、クラスターマシンの CSR を承認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR に以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs oc adm certificate approve
すべてのクライアントおよびサーバーの CSR が承認された後に、マシンのステータスが
Ready
になります。以下のコマンドを実行して、これを確認します。$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION master-0 Ready master 73m v1.27.3 master-1 Ready master 73m v1.27.3 master-2 Ready master 74m v1.27.3 worker-0 Ready worker 11m v1.27.3 worker-1 Ready worker 11m v1.27.3
注記サーバー CSR の承認後にマシンが
Ready
ステータスに移行するまでに数分の時間がかかる場合があります。
関連情報
- CSR の詳細は、Certificate Signing Requests を参照してください。
7.2.5. AWS でのカスタム /var
パーティションを持つ新規 RHCOS ワーカーノードの追加
OpenShift Container Platform は、ブートストラップ時に処理されるマシン設定を使用したインストール時のデバイスのパーティション設定をサポートします。ただし、/var
パーティション設定を使用する場合は、デバイス名はインストール時に決定する必要があり、変更することはできません。デバイス命名スキーマが異なる場合は、異なるインスタンスタイプをノードとして追加することはできません。たとえば、m4.large
インスタンスにデフォルトの AWS デバイス名 (dev/xvdb
) で/var
パーティションを設定した場合、m5.large
インスタンスはデフォルトで /dev/nvme1n1
デバイスを使用するため、直接 AWS m5.large
インスタンスを追加することはできません。異なる命名スキーマにより、デバイスはパーティション設定に失敗する可能性があります。
本セクションの手順では、インストール時に設定したものとは異なるデバイス名を使用するインスタンスと共に、新規の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) コンピュートノードを追加する方法を説明します。カスタムユーザーデータシークレットを作成し、新規コンピュートマシンセットを設定します。これらの手順は AWS クラスターに固有のものです。この原則は、他のクラウドデプロイメントにも適用されます。ただし、デバイスの命名スキーマは他のデプロイメントでは異なり、ケースごとに決定する必要があります。
手順
コマンドラインで、
openshift-machine-api
namespace に移動します。$ oc project openshift-machine-api
worker-user-data
シークレットから新規シークレットを作成します。シークレットの
userData
セクションをテキストファイルにエクスポートします。$ oc get secret worker-user-data --template='{{index .data.userData | base64decode}}' | jq > userData.txt
テキストファイルを編集して、新規ノードに使用するパーティションの
storage
、filesystems
、およびsystemd
スタンザを追加します。必要に応じて Ignition 設定パラメーター を指定できます。注記ignition
スタンザの値は変更しないでください。{ "ignition": { "config": { "merge": [ { "source": "https:...." } ] }, "security": { "tls": { "certificateAuthorities": [ { "source": "data:text/plain;charset=utf-8;base64,.....==" } ] } }, "version": "3.2.0" }, "storage": { "disks": [ { "device": "/dev/nvme1n1", 1 "partitions": [ { "label": "var", "sizeMiB": 50000, 2 "startMiB": 0 3 } ] } ], "filesystems": [ { "device": "/dev/disk/by-partlabel/var", 4 "format": "xfs", 5 "path": "/var" 6 } ] }, "systemd": { "units": [ 7 { "contents": "[Unit]\nBefore=local-fs.target\n[Mount]\nWhere=/var\nWhat=/dev/disk/by-partlabel/var\nOptions=defaults,pquota\n[Install]\nWantedBy=local-fs.target\n", "enabled": true, "name": "var.mount" } ] } }
- 1
- AWS ブロックデバイスへの絶対パスを指定します。
- 2
- データパーティションのサイズをメビバイト単位で指定します。
- 3
- メビバイト単位でパーティションの開始点を指定します。データパーティションをブートディスクに追加する場合は、最小値の 25000 MB (メビバイト) が推奨されます。ルートファイルシステムは、指定したオフセットまでの利用可能な領域をすべて埋めるためにサイズを自動的に変更します。値の指定がない場合や、指定した値が推奨される最小値よりも小さい場合、生成されるルートファイルシステムのサイズは小さ過ぎるため、RHCOS の再インストールでデータパーティションの最初の部分が上書きされる可能性があります。
- 4
/var
パーティションへの絶対パスを指定します。- 5
- ファイルシステムのフォーマットを指定します。
- 6
- Ignition がルートファイルシステムがマウントされる場所に対して相対的な場所で実行される、ファイルシステムのマウントポイントを指定します。これは実際のルートにマウントする場所と同じである必要はありませんが、同じにすることが推奨されます。
- 7
/dev/disk/by-partlabel/var
デバイスを/var
パーティションにマウントする systemd マウントユニットを定義します。
disableTemplating
セクションをwork-user-data
シークレットからテキストファイルに展開します。$ oc get secret worker-user-data --template='{{index .data.disableTemplating | base64decode}}' | jq > disableTemplating.txt
2 つのテキストファイルから新しいユーザーデータのシークレットファイルを作成します。このユーザーデータのシークレットは、
userData.txt
ファイルの追加のノードパーティション情報を新規作成されたノードに渡します。$ oc create secret generic worker-user-data-x5 --from-file=userData=userData.txt --from-file=disableTemplating=disableTemplating.txt
新規ノードの新規コンピュートマシンセットを作成します。
AWS 向けに設定される新規のコンピュートマシンセット YAML ファイルを、以下のように作成します。必要なパーティションおよび新規に作成されたユーザーデータシークレットを追加します。
ヒント既存のコンピュートマシンセットをテンプレートとして使用し、新規ノード用に必要に応じてパラメーターを変更します。
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: auto-52-92tf4 name: worker-us-east-2-nvme1n1 1 namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 1 selector: matchLabels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: auto-52-92tf4 machine.openshift.io/cluster-api-machineset: auto-52-92tf4-worker-us-east-2b template: metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: auto-52-92tf4 machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker machine.openshift.io/cluster-api-machineset: auto-52-92tf4-worker-us-east-2b spec: metadata: {} providerSpec: value: ami: id: ami-0c2dbd95931a apiVersion: awsproviderconfig.openshift.io/v1beta1 blockDevices: - DeviceName: /dev/nvme1n1 2 ebs: encrypted: true iops: 0 volumeSize: 120 volumeType: gp2 - DeviceName: /dev/nvme1n2 3 ebs: encrypted: true iops: 0 volumeSize: 50 volumeType: gp2 credentialsSecret: name: aws-cloud-credentials deviceIndex: 0 iamInstanceProfile: id: auto-52-92tf4-worker-profile instanceType: m6i.large kind: AWSMachineProviderConfig metadata: creationTimestamp: null placement: availabilityZone: us-east-2b region: us-east-2 securityGroups: - filters: - name: tag:Name values: - auto-52-92tf4-worker-sg subnet: id: subnet-07a90e5db1 tags: - name: kubernetes.io/cluster/auto-52-92tf4 value: owned userDataSecret: name: worker-user-data-x5 4
コンピュートマシンセットを作成します。
$ oc create -f <file-name>.yaml
マシンが利用可能になるまでに少し時間がかかる場合があります。
新しいパーティションとノードが作成されたことを確認します。
コンピュートマシンセットが作成されていることを確認します。
$ oc get machineset
出力例
NAME DESIRED CURRENT READY AVAILABLE AGE ci-ln-2675bt2-76ef8-bdgsc-worker-us-east-1a 1 1 1 1 124m ci-ln-2675bt2-76ef8-bdgsc-worker-us-east-1b 2 2 2 2 124m worker-us-east-2-nvme1n1 1 1 1 1 2m35s 1
- 1
- これが新しいコンピュートマシンセットです。
新規ノードが作成されていることを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-0-128-78.ec2.internal Ready worker 117m v1.27.3 ip-10-0-146-113.ec2.internal Ready master 127m v1.27.3 ip-10-0-153-35.ec2.internal Ready worker 118m v1.27.3 ip-10-0-176-58.ec2.internal Ready master 126m v1.27.3 ip-10-0-217-135.ec2.internal Ready worker 2m57s v1.27.3 1 ip-10-0-225-248.ec2.internal Ready master 127m v1.27.3 ip-10-0-245-59.ec2.internal Ready worker 116m v1.27.3
- 1
- これは新しいノードです。
カスタム
/var
パーティションが新しいノードに作成されていることを確認します。$ oc debug node/<node-name> -- chroot /host lsblk
以下に例を示します。
$ oc debug node/ip-10-0-217-135.ec2.internal -- chroot /host lsblk
出力例
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT nvme0n1 202:0 0 120G 0 disk |-nvme0n1p1 202:1 0 1M 0 part |-nvme0n1p2 202:2 0 127M 0 part |-nvme0n1p3 202:3 0 384M 0 part /boot `-nvme0n1p4 202:4 0 119.5G 0 part /sysroot nvme1n1 202:16 0 50G 0 disk `-nvme1n1p1 202:17 0 48.8G 0 part /var 1
- 1
nvme1n1
デバイスが/var
パーティションにマウントされます。
関連情報
- OpenShift Container Platform がディスクパーティションを使用する仕組みについては、Disk partitioningをしてください。
7.3. マシンヘルスチェックのデプロイ
マシンヘルスチェックについて確認し、これをデプロイします。
高度なマシン管理およびスケーリング機能は、Machine API が動作しているクラスターでのみ使用できます。user-provisioned infrastructure を持つクラスターでは、Machine API を使用するために追加の検証と設定が必要です。
インフラストラクチャープラットフォームタイプが none
のクラスターでは、Machine API を使用できません。この制限は、クラスターに接続されている計算マシンが、この機能をサポートするプラットフォームにインストールされている場合でも適用されます。このパラメーターは、インストール後に変更することはできません。
クラスターのプラットフォームタイプを表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get infrastructure cluster -o jsonpath='{.status.platform}'
7.3.1. マシンのヘルスチェック
マシンのヘルスチェックは、コンピュートマシンセットまたはコントロールプレーンマシンセットにより管理されるマシンにのみ適用できます。
マシンの正常性を監視するには、リソースを作成し、コントローラーの設定を定義します。5 分間 NotReady
ステータスにすることや、node-problem-detector に永続的な条件を表示すること、および監視する一連のマシンのラベルなど、チェックする条件を設定します。
MachineHealthCheck
リソースを監視するコントローラーは定義済みのステータスをチェックします。マシンがヘルスチェックに失敗した場合、このマシンは自動的に検出され、その代わりとなるマシンが作成されます。マシンが削除されると、machine deleted
イベントが表示されます。
マシンの削除による破壊的な影響を制限するために、コントローラーは 1 度に 1 つのノードのみをドレイン (解放) し、これを削除します。マシンのターゲットプールで許可される maxUnhealthy
しきい値を上回る数の正常でないマシンがある場合、修復が停止するため、手動による介入が可能になります。
タイムアウトについて注意深い検討が必要であり、ワークロードと要件を考慮してください。
- タイムアウトの時間が長くなると、正常でないマシンのワークロードのダウンタイムが長くなる可能性があります。
-
タイムアウトが短すぎると、修復ループが生じる可能性があります。たとえば、
NotReady
ステータスを確認するためのタイムアウトは、マシンが起動プロセスを完了できるように十分な時間を設定する必要があります。
チェックを停止するには、リソースを削除します。
7.3.1.1. マシンヘルスチェックのデプロイ時の制限
マシンヘルスチェックをデプロイする前に考慮すべき制限事項があります。
- マシンセットが所有するマシンのみがマシンヘルスチェックによって修復されます。
- マシンのノードがクラスターから削除される場合、マシンヘルスチェックはマシンが正常ではないとみなし、すぐにこれを修復します。
-
nodeStartupTimeout
の後にマシンの対応するノードがクラスターに加わらない場合、マシンは修復されます。 -
Machine
リソースフェーズがFailed
の場合、マシンはすぐに修復されます。
関連情報
7.3.2. サンプル MachineHealthCheck リソース
ベアメタルを除くすべてのクラウドベースのインストールタイプの MachineHealthCheck
リソースは、以下の YAML ファイルのようになります。
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineHealthCheck metadata: name: example 1 namespace: openshift-machine-api spec: selector: matchLabels: machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 2 machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> 3 machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <cluster_name>-<label>-<zone> 4 unhealthyConditions: - type: "Ready" timeout: "300s" 5 status: "False" - type: "Ready" timeout: "300s" 6 status: "Unknown" maxUnhealthy: "40%" 7 nodeStartupTimeout: "10m" 8
- 1
- デプロイするマシンヘルスチェックの名前を指定します。
- 2 3
- チェックする必要のあるマシンプールのラベルを指定します。
- 4
- 追跡するマシンセットを
<cluster_name>-<label>-<zone>
形式で指定します。たとえば、prod-node-us-east-1a
とします。 - 5 6
- ノードの状態のタイムアウト期間を指定します。タイムアウト期間の条件が満たされると、マシンは修正されます。タイムアウトの時間が長くなると、正常でないマシンのワークロードのダウンタイムが長くなる可能性があります。
- 7
- ターゲットプールで同時に修復できるマシンの数を指定します。これはパーセンテージまたは整数として設定できます。正常でないマシンの数が
maxUnhealthy
で設定された制限を超える場合、修復は実行されません。 - 8
- マシンが正常でないと判別される前に、ノードがクラスターに参加するまでマシンヘルスチェックが待機する必要のあるタイムアウト期間を指定します。
matchLabels
はあくまでもサンプルであるため、特定のニーズに応じてマシングループをマッピングする必要があります。
7.3.2.1. マシンヘルスチェックによる修復の一時停止 (short-circuiting)
一時停止 (short-circuiting) が実行されることにより、マシンのヘルスチェックはクラスターが正常な場合にのみマシンを修復するようになります。一時停止 (short-circuiting) は、MachineHealthCheck
リソースの maxUnhealthy
フィールドで設定されます。
ユーザーがマシンの修復前に maxUnhealthy
フィールドの値を定義する場合、MachineHealthCheck
は maxUnhealthy
の値を、正常でないと判別するターゲットプール内のマシン数と比較します。正常でないマシンの数が maxUnhealthy
の制限を超える場合、修復は実行されません。
maxUnhealthy
が設定されていない場合、値は 100%
にデフォルト設定され、マシンはクラスターの状態に関係なく修復されます。
適切な maxUnhealthy
値は、デプロイするクラスターの規模や、MachineHealthCheck
が対応するマシンの数によって異なります。たとえば、maxUnhealthy
値を使用して複数のアベイラビリティーゾーン間で複数のマシンセットに対応でき、ゾーン全体が失われると、maxUnhealthy
の設定によりクラスター内で追加の修復を防ぐことができます。複数のアベイラビリティーゾーンを持たないグローバル Azure リージョンでは、アベイラビリティーセットを使用して高可用性を確保できます。
コントロールプレーンの MachineHealthCheck
リソースを設定する場合は、maxUnhealthy
の値を 1
に設定します。
この設定により、複数のコントロールプレーンマシンが異常であると思われる場合に、マシンのヘルスチェックがアクションを実行しないことが保証されます。複数の異常なコントロールプレーンマシンは、etcd クラスターが劣化していること、または障害が発生したマシンを置き換えるためのスケーリング操作が進行中であることを示している可能性があります。
etcd クラスターが劣化している場合は、手動での介入が必要になる場合があります。スケーリング操作が進行中の場合は、マシンのヘルスチェックで完了できるようにする必要があります。
maxUnhealthy
フィールドは整数またはパーセンテージのいずれかに設定できます。maxUnhealthy
の値によって、修復の実装が異なります。
7.3.2.1.1. 絶対値を使用した maxUnhealthy の設定
maxUnhealthy
が 2
に設定される場合:
- 2 つ以下のノードが正常でない場合に、修復が実行されます。
- 3 つ以上のノードが正常でない場合は、修復は実行されません。
これらの値は、マシンヘルスチェックによってチェックされるマシン数と別個の値です。
7.3.2.1.2. パーセンテージを使用した maxUnhealthy の設定
maxUnhealthy
が 40%
に設定され、25 のマシンがチェックされる場合:
- 10 以下のノードが正常でない場合に、修復が実行されます。
- 11 以上のノードが正常でない場合は、修復は実行されません。
maxUnhealthy
が 40%
に設定され、6 マシンがチェックされる場合:
- 2 つ以下のノードが正常でない場合に、修復が実行されます。
- 3 つ以上のノードが正常でない場合は、修復は実行されません。
チェックされる maxUnhealthy
マシンの割合が整数ではない場合、マシンの許可される数は切り捨てられます。
7.3.3. マシンヘルスチェックリソースの作成
クラスター内のマシンセットの MachineHealthCheck
リソースを作成できます。
マシンのヘルスチェックは、コンピュートマシンセットまたはコントロールプレーンマシンセットにより管理されるマシンにのみ適用できます。
前提条件
-
oc
コマンドラインインターフェイスをインストールします。
手順
-
マシンヘルスチェックの定義を含む
healthcheck.yml
ファイルを作成します。 healthcheck.yml
ファイルをクラスターに適用します。$ oc apply -f healthcheck.yml
7.3.4. コンピュートマシンセットの手動スケーリング
コンピュートマシンセットのマシンのインスタンスを追加したり、削除したりする必要がある場合、コンピュートマシンセットを手動でスケーリングできます。
このガイダンスは、完全に自動化された installer-provisioned infrastructure のインストールに関連します。user-provisioned infrastructure のカスタマイズされたインストールにはコンピュートマシンセットがありません。
前提条件
-
OpenShift Container Platform クラスターおよび
oc
コマンドラインをインストールすること。 -
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして、oc
にログインする。
手順
次のコマンドを実行して、クラスター内のコンピュートマシンセットを表示します。
$ oc get machinesets -n openshift-machine-api
コンピュートマシンセットは
<clusterid>-worker-<aws-region-az>
の形式で一覧表示されます。次のコマンドを実行して、クラスター内のコンピュートマシンを表示します。
$ oc get machine -n openshift-machine-api
次のコマンドを実行して、削除するコンピュートマシンに注釈を設定します。
$ oc annotate machine/<machine_name> -n openshift-machine-api machine.openshift.io/delete-machine="true"
次のいずれかのコマンドを実行して、コンピュートマシンセットをスケーリングします。
$ oc scale --replicas=2 machineset <machineset> -n openshift-machine-api
または、以下を実行します。
$ oc edit machineset <machineset> -n openshift-machine-api
ヒントまたは、以下の YAML を適用してコンピュートマシンセットをスケーリングすることもできます。
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: name: <machineset> namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 2
コンピュートマシンセットをスケールアップまたはスケールダウンできます。新規マシンが利用可能になるまで数分の時間がかかります。
重要デフォルトでは、マシンコントローラーは、成功するまでマシンによってサポートされるノードをドレイン (解放) しようとします。Pod 中断バジェットの設定が間違っているなど、状況によっては、ドレイン操作が成功しない可能性があります。排水操作が失敗した場合、マシンコントローラーはマシンの取り外しを続行できません。
特定のマシンの
machine.openshift.io/exclude-node-draining
にアノテーションを付けると、ノードのドレイン (解放) を省略できます。
検証
次のコマンドを実行して、目的のマシンが削除されたことを確認します。
$ oc get machines
7.3.5. コンピュートマシンセットとマシン設定プールの相違点について
MachineSet
オブジェクトは、クラウドまたはマシンプロバイダーに関する OpenShift Container Platform ノードを記述します。
MachineConfigPool
オブジェクトにより、MachineConfigController
コンポーネントがアップグレードのコンテキストでマシンのステータスを定義し、提供できるようになります。
MachineConfigPool
オブジェクトにより、ユーザーはマシン設定プールの OpenShift Container Platform ノードにアップグレードをデプロイメントする方法を設定できます。
NodeSelector
オブジェクトは MachineSet
オブジェクトへの参照に置き換えることができます。
7.4. ノードホストに関する推奨プラクティス
OpenShift Container Platform ノードの設定ファイルには、重要なオプションが含まれています。たとえば、podsPerCore
および maxPods
の 2 つのパラメーターはノードにスケジュールできる Pod の最大数を制御します。
両方のオプションが使用されている場合、2 つの値の低い方の値により、ノード上の Pod 数が制限されます。これらの値を超えると、以下の状態が生じる可能性があります。
- CPU 使用率の増大。
- Pod のスケジューリングの速度が遅くなる。
- (ノードのメモリー量によって) メモリー不足のシナリオが生じる可能性。
- IP アドレスのプールを消費する。
- リソースのオーバーコミット、およびこれによるアプリケーションのパフォーマンスの低下。
Kubernetes では、単一コンテナーを保持する Pod は実際には 2 つのコンテナーを使用します。2 つ目のコンテナーは実際のコンテナーの起動前にネットワークを設定するために使用されます。そのため、10 の Pod を使用するシステムでは、実際には 20 のコンテナーが実行されていることになります。
クラウドプロバイダーからのディスク IOPS スロットリングは CRI-O および kubelet に影響を与える可能性があります。ノード上に多数の I/O 集約型 Pod が実行されている場合、それらはオーバーロードする可能性があります。ノード上のディスク I/O を監視し、ワークロード用に十分なスループットを持つボリュームを使用することが推奨されます。
podsPerCore
パラメーターは、ノードのプロセッサーコアの数に基づいて、ノードが実行できる Pod の数を設定します。たとえば、4 プロセッサーコアを搭載したノードで podsPerCore
が 10
に設定される場合、このノードで許可される Pod の最大数は 40
になります。
kubeletConfig: podsPerCore: 10
podsPerCore
を 0
に設定すると、この制限が無効になります。デフォルトは 0
です。podsPerCore
パラメーターの値は、maxPods
パラメーターの値を超えることはできません。
maxPods
パラメーターは、ノードのプロパティーに関係なく、ノードが実行できる Pod の数を固定値に設定します。
kubeletConfig: maxPods: 250
7.4.1. kubelet パラメーターを編集するための KubeletConfig CRD の作成
kubelet 設定は、現時点で Ignition 設定としてシリアル化されているため、直接編集することができます。ただし、新規の kubelet-config-controller
も Machine Config Controller (MCC) に追加されます。これにより、KubeletConfig
カスタムリソース (CR) を使用して kubelet パラメーターを編集できます。
kubeletConfig
オブジェクトのフィールドはアップストリーム Kubernetes から kubelet に直接渡されるため、kubelet はそれらの値を直接検証します。kubeletConfig
オブジェクトに無効な値により、クラスターノードが利用できなくなります。有効な値は、Kubernetes ドキュメント を参照してください。
以下のガイダンスを参照してください。
-
既存の
KubeletConfig
CR を編集して既存の設定を編集するか、変更ごとに新規 CR を作成する代わりに新規の設定を追加する必要があります。CR を作成するのは、別のマシン設定プールを変更する場合、または一時的な変更を目的とした変更の場合のみにして、変更を元に戻すことができるようにすることを推奨します。 -
マシン設定プールごとに、そのプールに加える設定変更をすべて含めて、
KubeletConfig
CR を 1 つ作成します。 -
必要に応じて、クラスターごとに 10 を制限し、複数の
KubeletConfig
CR を作成します。最初のKubeletConfig
CR について、Machine Config Operator (MCO) はkubelet
で追加されたマシン設定を作成します。それぞれの後続の CR で、コントローラーは数字の接尾辞が付いた別のkubelet
マシン設定を作成します。たとえば、kubelet
マシン設定があり、その接尾辞が-2
の場合に、次のkubelet
マシン設定には-3
が付けられます。
kubelet またはコンテナーのランタイム設定をカスタムマシン設定プールに適用する場合、machineConfigSelector
のカスタムロールは、カスタムマシン設定プールの名前と一致する必要があります。
たとえば、次のカスタムマシン設定プールの名前は infra
であるため、カスタムロールも infra
にする必要があります。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: name: infra spec: machineConfigSelector: matchExpressions: - {key: machineconfiguration.openshift.io/role, operator: In, values: [worker,infra]} # ...
マシン設定を削除する場合は、制限を超えないようにそれらを逆の順序で削除する必要があります。たとえば、kubelet-3
マシン設定を、kubelet-2
マシン設定を削除する前に削除する必要があります。
接尾辞が kubelet-9
のマシン設定があり、別の KubeletConfig
CR を作成する場合には、kubelet
マシン設定が 10 未満の場合でも新規マシン設定は作成されません。
KubeletConfig
CR の例
$ oc get kubeletconfig
NAME AGE set-max-pods 15m
KubeletConfig
マシン設定を示す例
$ oc get mc | grep kubelet
... 99-worker-generated-kubelet-1 b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 26m ...
以下の手順は、ワーカーノードでノードあたりの Pod の最大数を設定する方法を示しています。
前提条件
設定するノードタイプの静的な
MachineConfigPool
CR に関連付けられたラベルを取得します。以下のいずれかの手順を実行します。マシン設定プールを表示します。
$ oc describe machineconfigpool <name>
以下に例を示します。
$ oc describe machineconfigpool worker
出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: creationTimestamp: 2019-02-08T14:52:39Z generation: 1 labels: custom-kubelet: set-max-pods 1
- 1
- ラベルが追加されると、
labels
の下に表示されます。
ラベルが存在しない場合は、キー/値のペアを追加します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=set-max-pods
手順
選択可能なマシン設定オブジェクトを表示します。
$ oc get machineconfig
デフォルトで、2 つの kubelet 関連の設定である
01-master-kubelet
および01-worker-kubelet
を選択できます。ノードあたりの最大 Pod の現在の値を確認します。
$ oc describe node <node_name>
以下に例を示します。
$ oc describe node ci-ln-5grqprb-f76d1-ncnqq-worker-a-mdv94
Allocatable
スタンザでvalue: pods: <value>
を検索します。出力例
Allocatable: attachable-volumes-aws-ebs: 25 cpu: 3500m hugepages-1Gi: 0 hugepages-2Mi: 0 memory: 15341844Ki pods: 250
ワーカーノードでノードあたりの最大の Pod を設定するには、kubelet 設定を含むカスタムリソースファイルを作成します。
重要特定のマシン設定プールをターゲットとする kubelet 設定は、依存するプールにも影響します。たとえば、ワーカーノードを含むプール用の kubelet 設定を作成すると、インフラストラクチャーノードを含むプールを含むすべてのサブセットプールにも設定が適用されます。これを回避するには、ワーカーノードのみを含む選択式を使用して新しいマシン設定プールを作成し、kubelet 設定でこの新しいプールをターゲットにする必要があります。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: set-max-pods spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: set-max-pods 1 kubeletConfig: maxPods: 500 2
注記kubelet が API サーバーと通信する速度は、1 秒あたりのクエリー (QPS) およびバースト値により異なります。デフォルト値の
50
(kubeAPIQPS
の場合) および100
(kubeAPIBurst
の場合) は、各ノードで制限された Pod が実行されている場合には十分な値です。ノード上に CPU およびメモリーリソースが十分にある場合には、kubelet QPS およびバーストレートを更新することが推奨されます。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: set-max-pods spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: set-max-pods kubeletConfig: maxPods: <pod_count> kubeAPIBurst: <burst_rate> kubeAPIQPS: <QPS>
ラベルを使用してワーカーのマシン設定プールを更新します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=set-max-pods
KubeletConfig
オブジェクトを作成します。$ oc create -f change-maxPods-cr.yaml
KubeletConfig
オブジェクトが作成されていることを確認します。$ oc get kubeletconfig
出力例
NAME AGE set-max-pods 15m
クラスター内のワーカーノードの数によっては、ワーカーノードが 1 つずつ再起動されるのを待機します。3 つのワーカーノードを持つクラスターの場合は、10 分から 15 分程度かかる可能性があります。
変更がノードに適用されていることを確認します。
maxPods
値が変更されたワーカーノードで確認します。$ oc describe node <node_name>
Allocatable
スタンザを見つけます。... Allocatable: attachable-volumes-gce-pd: 127 cpu: 3500m ephemeral-storage: 123201474766 hugepages-1Gi: 0 hugepages-2Mi: 0 memory: 14225400Ki pods: 500 1 ...
- 1
- この例では、
pods
パラメーターはKubeletConfig
オブジェクトに設定した値を報告するはずです。
KubeletConfig
オブジェクトの変更を確認します。$ oc get kubeletconfigs set-max-pods -o yaml
これは、以下の例のように
True
およびtype:Success
のステータスを表示します。spec: kubeletConfig: maxPods: 500 machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: set-max-pods status: conditions: - lastTransitionTime: "2021-06-30T17:04:07Z" message: Success status: "True" type: Success
7.4.3. コントロールプレーンノードのサイジング
コントロールプレーンノードのリソース要件は、クラスター内のノードとオブジェクトの数とタイプによって異なります。次のコントロールプレーンノードサイズの推奨事項は、コントロールプレーン密度に焦点を当てたテストまたは クラスター密度 の結果に基づいています。このテストでは、指定された数の namespace にわたって次のオブジェクトを作成します。
- 1 イメージストリーム
- 1 ビルド
-
5 つのデプロイメント、
sleep
状態の 2 つの Pod レプリカ、4 つのシークレット、4 つの config map、およびそれぞれ 1 つの下位 API ボリュームのマウント - 5 つのサービス。それぞれが以前のデプロイメントの 1 つの TCP/8080 および TCP/8443 ポートを指します。
- 以前のサービスの最初を指す 1 つのルート
- 2048 個のランダムな文字列文字を含む 10 個のシークレット
- 2048 個のランダムな文字列文字を含む 10 個の config map
ワーカーノードの数 | クラスター密度 (namespace) | CPU コア数 | メモリー (GB) |
---|---|---|---|
24 | 500 | 4 | 16 |
120 | 1000 | 8 | 32 |
252 | 4000 | 16、ただし OVN-Kubernetes ネットワークプラグインを使用する場合は 24 | 64、ただし OVN-Kubernetes ネットワークプラグインを使用する場合は 128 |
501、ただし OVN-Kubernetes ネットワークプラグインではテストされていません | 4000 | 16 | 96 |
上の表のデータは、r5.4xlarge インスタンスをコントロールプレーンノードとして使用し、m5.2xlarge インスタンスをワーカーノードとして使用する、AWS 上で実行される OpenShift Container Platform をベースとしています。
3 つのコントロールプレーンノードがある大規模で高密度のクラスターでは、いずれかのノードが停止、起動、または障害が発生すると、CPU とメモリーの使用量が急上昇します。障害は、電源、ネットワーク、または基礎となるインフラストラクチャーの予期しない問題、またはコストを節約するためにシャットダウンした後にクラスターが再起動する意図的なケースが原因である可能性があります。残りの 2 つのコントロールプレーンノードは、高可用性を維持するために負荷を処理する必要があります。これにより、リソースの使用量が増えます。これは、コントロールプレーンモードが遮断 (cordon)、ドレイン (解放) され、オペレーティングシステムおよびコントロールプレーン Operator の更新を適用するために順次再起動されるため、アップグレード時に想定される動作になります。障害が繰り返し発生しないようにするには、コントロールプレーンノードでの全体的な CPU およびメモリーリソース使用状況を、利用可能な容量の最大 60% に維持し、使用量の急増に対応できるようにします。リソース不足による潜在的なダウンタイムを回避するために、コントロールプレーンノードの CPU およびメモリーを適宜増やします。
ノードのサイジングは、クラスター内のノードおよびオブジェクトの数によって異なります。また、オブジェクトがそのクラスター上でアクティブに作成されるかどうかによっても異なります。オブジェクトの作成時に、コントロールプレーンは、オブジェクトが running
フェーズにある場合と比較し、リソースの使用状況においてよりアクティブな状態になります。
Operator Lifecycle Manager (OLM) はコントロールプレーンノードで実行され、OLM のメモリーフットプリントは OLM がクラスター上で管理する必要のある namespace およびユーザーによってインストールされる Operator の数によって異なります。OOM による強制終了を防ぐには、コントロールプレーンノードのサイズを適切に設定する必要があります。以下のデータポイントは、クラスター最大のテストの結果に基づいています。
namespace 数 | アイドル状態の OLM メモリー (GB) | ユーザー Operator が 5 つインストールされている OLM メモリー (GB) |
---|---|---|
500 | 0.823 | 1.7 |
1000 | 1.2 | 2.5 |
1500 | 1.7 | 3.2 |
2000 | 2 | 4.4 |
3000 | 2.7 | 5.6 |
4000 | 3.8 | 7.6 |
5000 | 4.2 | 9.02 |
6000 | 5.8 | 11.3 |
7000 | 6.6 | 12.9 |
8000 | 6.9 | 14.8 |
9000 | 8 | 17.7 |
10,000 | 9.9 | 21.6 |
以下の設定でのみ、実行中の OpenShift Container Platform 4.14 クラスターでコントロールプレーンのノードサイズを変更できます。
- ユーザーがプロビジョニングしたインストール方法でインストールされたクラスター。
- installer-provisioned infrastructure インストール方法でインストールされた AWS クラスター。
- コントロールプレーンマシンセットを使用してコントロールプレーンマシンを管理するクラスター。
他のすべての設定では、合計ノード数を見積もり、インストール時に推奨されるコントロールプレーンノードサイズを使用する必要があります。
この推奨事項は、ネットワークプラグインとして OpenShift SDN を使用して OpenShift Container Platform クラスターでキャプチャーされたデータポイントに基づいています。
OpenShift Container Platform 4.14 では、OpenShift Container Platform 3.11 以前のバージョンと比較すると、CPU コア (500 ミリコア) の半分がデフォルトでシステムによって予約されるようになりました。サイズはこれを考慮に入れて決定されます。
7.4.4. CPU マネージャーの設定
手順
オプション: ノードにラベルを指定します。
# oc label node perf-node.example.com cpumanager=true
CPU マネージャーを有効にする必要のあるノードの
MachineConfigPool
を編集します。この例では、すべてのワーカーで CPU マネージャーが有効にされています。# oc edit machineconfigpool worker
ラベルをワーカーのマシン設定プールに追加します。
metadata: creationTimestamp: 2020-xx-xxx generation: 3 labels: custom-kubelet: cpumanager-enabled
KubeletConfig
、cpumanager-kubeletconfig.yaml
、カスタムリソース (CR) を作成します。直前の手順で作成したラベルを参照し、適切なノードを新規の kubelet 設定で更新します。machineConfigPoolSelector
セクションを参照してください。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: cpumanager-enabled spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: cpumanager-enabled kubeletConfig: cpuManagerPolicy: static 1 cpuManagerReconcilePeriod: 5s 2
動的な kubelet 設定を作成します。
# oc create -f cpumanager-kubeletconfig.yaml
これにより、CPU マネージャー機能が kubelet 設定に追加され、必要な場合には Machine Config Operator (MCO) がノードを再起動します。CPU マネージャーを有効にするために再起動する必要はありません。
マージされた kubelet 設定を確認します。
# oc get machineconfig 99-worker-XXXXXX-XXXXX-XXXX-XXXXX-kubelet -o json | grep ownerReference -A7
出力例
"ownerReferences": [ { "apiVersion": "machineconfiguration.openshift.io/v1", "kind": "KubeletConfig", "name": "cpumanager-enabled", "uid": "7ed5616d-6b72-11e9-aae1-021e1ce18878" } ]
ワーカーで更新された
kubelet.conf
を確認します。# oc debug node/perf-node.example.com sh-4.2# cat /host/etc/kubernetes/kubelet.conf | grep cpuManager
出力例
cpuManagerPolicy: static 1 cpuManagerReconcilePeriod: 5s 2
コア 1 つまたは複数を要求する Pod を作成します。制限および要求の CPU の値は整数にする必要があります。これは、対象の Pod 専用のコア数です。
# cat cpumanager-pod.yaml
出力例
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: generateName: cpumanager- spec: containers: - name: cpumanager image: gcr.io/google_containers/pause:3.2 resources: requests: cpu: 1 memory: "1G" limits: cpu: 1 memory: "1G" nodeSelector: cpumanager: "true"
Pod を作成します。
# oc create -f cpumanager-pod.yaml
Pod がラベル指定されたノードにスケジュールされていることを確認します。
# oc describe pod cpumanager
出力例
Name: cpumanager-6cqz7 Namespace: default Priority: 0 PriorityClassName: <none> Node: perf-node.example.com/xxx.xx.xx.xxx ... Limits: cpu: 1 memory: 1G Requests: cpu: 1 memory: 1G ... QoS Class: Guaranteed Node-Selectors: cpumanager=true
cgroups
が正しく設定されていることを確認します。pause
プロセスのプロセス ID (PID) を取得します。# ├─init.scope │ └─1 /usr/lib/systemd/systemd --switched-root --system --deserialize 17 └─kubepods.slice ├─kubepods-pod69c01f8e_6b74_11e9_ac0f_0a2b62178a22.slice │ ├─crio-b5437308f1a574c542bdf08563b865c0345c8f8c0b0a655612c.scope │ └─32706 /pause
Quality of Service (QoS) 層
Guaranteed
の Pod は、kubepods.slice
に配置されます。他の QoS 層の Pod は、kubepods
の子であるcgroups
に配置されます。# cd /sys/fs/cgroup/cpuset/kubepods.slice/kubepods-pod69c01f8e_6b74_11e9_ac0f_0a2b62178a22.slice/crio-b5437308f1ad1a7db0574c542bdf08563b865c0345c86e9585f8c0b0a655612c.scope # for i in `ls cpuset.cpus tasks` ; do echo -n "$i "; cat $i ; done
出力例
cpuset.cpus 1 tasks 32706
対象のタスクで許可される CPU リストを確認します。
# grep ^Cpus_allowed_list /proc/32706/status
出力例
Cpus_allowed_list: 1
システム上の別の Pod (この場合は
burstable
QoS 層にある Pod) が、Guaranteed
Pod に割り当てられたコアで実行できないことを確認します。# cat /sys/fs/cgroup/cpuset/kubepods.slice/kubepods-besteffort.slice/kubepods-besteffort-podc494a073_6b77_11e9_98c0_06bba5c387ea.slice/crio-c56982f57b75a2420947f0afc6cafe7534c5734efc34157525fa9abbf99e3849.scope/cpuset.cpus 0 # oc describe node perf-node.example.com
出力例
... Capacity: attachable-volumes-aws-ebs: 39 cpu: 2 ephemeral-storage: 124768236Ki hugepages-1Gi: 0 hugepages-2Mi: 0 memory: 8162900Ki pods: 250 Allocatable: attachable-volumes-aws-ebs: 39 cpu: 1500m ephemeral-storage: 124768236Ki hugepages-1Gi: 0 hugepages-2Mi: 0 memory: 7548500Ki pods: 250 ------- ---- ------------ ---------- --------------- ------------- --- default cpumanager-6cqz7 1 (66%) 1 (66%) 1G (12%) 1G (12%) 29m Allocated resources: (Total limits may be over 100 percent, i.e., overcommitted.) Resource Requests Limits -------- -------- ------ cpu 1440m (96%) 1 (66%)
この仮想マシンには、2 つの CPU コアがあります。
system-reserved
設定は 500 ミリコアを予約し、Node Allocatable
の量になるようにノードの全容量からコアの半分を引きます。ここでAllocatable CPU
は 1500 ミリコアであることを確認できます。これは、それぞれがコアを 1 つ受け入れるので、CPU マネージャー Pod の 1 つを実行できることを意味します。1 つのコア全体は 1000 ミリコアに相当します。2 つ目の Pod をスケジュールしようとする場合、システムは Pod を受け入れますが、これがスケジュールされることはありません。NAME READY STATUS RESTARTS AGE cpumanager-6cqz7 1/1 Running 0 33m cpumanager-7qc2t 0/1 Pending 0 11s
7.5. Huge Page
Huge Page を理解し、これを設定します。
7.5.1. Huge Page の機能
メモリーは Page と呼ばれるブロックで管理されます。多くのシステムでは、1 ページは 4Ki です。メモリー 1Mi は 256 ページに、メモリー 1Gi は 256,000 ページに相当します。CPU には、内蔵のメモリー管理ユニットがあり、ハードウェアでこのようなページリストを管理します。トランスレーションルックアサイドバッファー (TLB: Translation Lookaside Buffer) は、仮想から物理へのページマッピングの小規模なハードウェアキャッシュのことです。ハードウェアの指示で渡された仮想アドレスが TLB にあれば、マッピングをすばやく決定できます。そうでない場合には、TLB ミスが発生し、システムは速度が遅く、ソフトウェアベースのアドレス変換にフォールバックされ、パフォーマンスの問題が発生します。TLB のサイズは固定されているので、TLB ミスの発生率を減らすには Page サイズを大きくする必要があります。
Huge Page とは、4Ki より大きいメモリーページのことです。x86_64 アーキテクチャーでは、2Mi と 1Gi の 2 つが一般的な Huge Page サイズです。別のアーキテクチャーではサイズは異なります。Huge Page を使用するには、アプリケーションが認識できるようにコードを書き込む必要があります。Transparent Huge Page (THP) は、アプリケーションによる認識なしに、Huge Page の管理を自動化しようとしますが、制約があります。特に、ページサイズは 2Mi に制限されます。THP では、THP のデフラグが原因で、メモリー使用率が高くなり、断片化が起こり、パフォーマンスの低下につながり、メモリーページがロックされてしまう可能性があります。このような理由から、アプリケーションは THP ではなく、事前割り当て済みの Huge Page を使用するように設計 (また推奨) される場合があります。
7.5.2. Huge Page がアプリケーションによって消費される仕組み
ノードは、Huge Page の容量をレポートできるように Huge Page を事前に割り当てる必要があります。ノードは、単一サイズの Huge Page のみを事前に割り当てることができます。
Huge Page は、リソース名の hugepages-<size>
を使用してコンテナーレベルのリソース要件で消費可能です。この場合、サイズは特定のノードでサポートされる整数値を使用した最もコンパクトなバイナリー表記です。たとえば、ノードが 2048KiB ページサイズをサポートする場合、これはスケジュール可能なリソース hugepages-2Mi
を公開します。CPU やメモリーとは異なり、Huge Page はオーバーコミットをサポートしません。
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
generateName: hugepages-volume-
spec:
containers:
- securityContext:
privileged: true
image: rhel7:latest
command:
- sleep
- inf
name: example
volumeMounts:
- mountPath: /dev/hugepages
name: hugepage
resources:
limits:
hugepages-2Mi: 100Mi 1
memory: "1Gi"
cpu: "1"
volumes:
- name: hugepage
emptyDir:
medium: HugePages
- 1
hugepages
のメモリー量は、実際に割り当てる量に指定します。この値は、ページサイズで乗算したhugepages
のメモリー量に指定しないでください。たとえば、Huge Page サイズが 2MB と仮定し、アプリケーションに Huge Page でバックアップする RAM 100 MB を使用する場合には、Huge Page は 50 に指定します。OpenShift Container Platform により、計算処理が実行されます。上記の例にあるように、100MB
を直接指定できます。
指定されたサイズの Huge Page の割り当て
プラットフォームによっては、複数の Huge Page サイズをサポートするものもあります。特定のサイズの Huge Page を割り当てるには、Huge Page の起動コマンドパラメーターの前に、Huge Page サイズの選択パラメーター hugepagesz=<size>
を指定してください。<size>
の値は、バイトで指定する必要があります。その際、オプションでスケール接尾辞 [kKmMgG
] を指定できます。デフォルトの Huge Page サイズは、default_hugepagesz=<size>
の起動パラメーターで定義できます。
Huge page の要件
- Huge Page 要求は制限と同じでなければなりません。制限が指定されているにもかかわらず、要求が指定されていない場合には、これがデフォルトになります。
- Huge Page は、Pod のスコープで分割されます。コンテナーの分割は、今後のバージョンで予定されています。
-
Huge Page がサポートする
EmptyDir
ボリュームは、Pod 要求よりも多くの Huge Page メモリーを消費することはできません。 -
shmget()
でSHM_HUGETLB
を使用して Huge Page を消費するアプリケーションは、proc/sys/vm/hugetlb_shm_group に一致する補助グループで実行する必要があります。
7.5.3. 起動時の Huge Page 設定
ノードは、OpenShift Container Platform クラスターで使用される Huge Page を事前に割り当てる必要があります。Huge Page を予約する方法は、ブート時とランタイム時に実行する 2 つの方法があります。ブート時の予約は、メモリーが大幅に断片化されていないために成功する可能性が高くなります。Node Tuning Operator は、現時点で特定のノードでの Huge Page のブート時の割り当てをサポートします。
手順
ノードの再起動を最小限にするには、以下の手順の順序に従う必要があります。
ラベルを使用して同じ Huge Page 設定を必要とするすべてのノードにラベルを付けます。
$ oc label node <node_using_hugepages> node-role.kubernetes.io/worker-hp=
以下の内容でファイルを作成し、これに
hugepages-tuned-boottime.yaml
という名前を付けます。apiVersion: tuned.openshift.io/v1 kind: Tuned metadata: name: hugepages 1 namespace: openshift-cluster-node-tuning-operator spec: profile: 2 - data: | [main] summary=Boot time configuration for hugepages include=openshift-node [bootloader] cmdline_openshift_node_hugepages=hugepagesz=2M hugepages=50 3 name: openshift-node-hugepages recommend: - machineConfigLabels: 4 machineconfiguration.openshift.io/role: "worker-hp" priority: 30 profile: openshift-node-hugepages
チューニングされた
hugepages
オブジェクトの作成$ oc create -f hugepages-tuned-boottime.yaml
以下の内容でファイルを作成し、これに
hugepages-mcp.yaml
という名前を付けます。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: name: worker-hp labels: worker-hp: "" spec: machineConfigSelector: matchExpressions: - {key: machineconfiguration.openshift.io/role, operator: In, values: [worker,worker-hp]} nodeSelector: matchLabels: node-role.kubernetes.io/worker-hp: ""
マシン設定プールを作成します。
$ oc create -f hugepages-mcp.yaml
断片化されていないメモリーが十分にある場合、worker-hp
マシン設定プールのすべてのノードには 50 2Mi の Huge Page が割り当てられているはずです。
$ oc get node <node_using_hugepages> -o jsonpath="{.status.allocatable.hugepages-2Mi}" 100Mi
TuneD ブートローダープラグインは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ワーカーノードのみサポートします。
7.6. デバイスプラグインについて
デバイスプラグインは、クラスター間でハードウェアデバイスを使用する際の一貫した移植可能なソリューションを提供します。デバイスプラグインは、拡張メカニズムを通じてこれらのデバイスをサポートし (これにより、コンテナーがこれらのデバイスを利用できるようになります)、デバイスのヘルスチェックを実施し、それらを安全に共有します。
OpenShift Container Platform はデバイスのプラグイン API をサポートしますが、デバイスプラグインコンテナーは個別のベンダーによりサポートされます。
デバイスプラグインは、特定のハードウェアリソースの管理を行う、ノード上で実行される gRPC サービスです (kubelet
の外部にあります)。デバイスプラグインは以下のリモートプロシージャーコール (RPC) をサポートしている必要があります。
service DevicePlugin { // GetDevicePluginOptions returns options to be communicated with Device // Manager rpc GetDevicePluginOptions(Empty) returns (DevicePluginOptions) {} // ListAndWatch returns a stream of List of Devices // Whenever a Device state change or a Device disappears, ListAndWatch // returns the new list rpc ListAndWatch(Empty) returns (stream ListAndWatchResponse) {} // Allocate is called during container creation so that the Device // Plug-in can run device specific operations and instruct Kubelet // of the steps to make the Device available in the container rpc Allocate(AllocateRequest) returns (AllocateResponse) {} // PreStartcontainer is called, if indicated by Device Plug-in during // registration phase, before each container start. Device plug-in // can run device specific operations such as resetting the device // before making devices available to the container rpc PreStartcontainer(PreStartcontainerRequest) returns (PreStartcontainerResponse) {} }
デバイスプラグインの例
デバイスプラグイン参照の実装を容易にするために、vendor/k8s.io/kubernetes/pkg/kubelet/cm/deviceplugin/device_plugin_stub.go という Device Manager コードのスタブデバイスプラグインを使用できます。
7.6.1. デバイスプラグインのデプロイ方法
- デーモンセットは、デバイスプラグインのデプロイメントに推奨される方法です。
- 起動時にデバイスプラグインは、Device Manager から RPC を送信するためにノードの /var/lib/kubelet/device-plugin/ での UNIX ドメインソケットの作成を試行します。
- デバイスプラグインは、ソケットの作成のほかにもハードウェアリソース、ホストファイルシステムへのアクセスを管理する必要があるため、特権付きセキュリティーコンテキストで実行される必要があります。
- デプロイメント手順の詳細は、それぞれのデバイスプラグインの実装で確認できます。
7.6.2. Device Manager について
Device Manager は、特殊なノードのハードウェアリソースを、デバイスプラグインとして知られるプラグインを使用して公開するメカニズムを提供します。
特殊なハードウェアは、アップストリームのコード変更なしに公開できます。
OpenShift Container Platform はデバイスのプラグイン API をサポートしますが、デバイスプラグインコンテナーは個別のベンダーによりサポートされます。
Device Manager はデバイスを 拡張リソース として公開します。ユーザー Pod は、他の 拡張リソース を要求するために使用されるのと同じ 制限/要求 メカニズムを使用して Device Manager で公開されるデバイスを消費できます。
使用開始時に、デバイスプラグインは /var/lib/kubelet/device-plugins/kubelet.sock の Register
を起動して Device Manager に自己登録し、Device Manager の要求を提供するために /var/lib/kubelet/device-plugins/<plugin>.sock で gRPC サービスを起動します。
Device Manager は、新規登録要求の処理時にデバイスプラグインサービスで ListAndWatch
リモートプロシージャーコール (RPC) を起動します。応答として Device Manager は gRPC ストリームでプラグインから デバイス オブジェクトの一覧を取得します。Device Manager はプラグインからの新規の更新の有無についてストリームを監視します。プラグイン側では、プラグインはストリームを開いた状態にし、デバイスの状態に変更があった場合には常に新規デバイスの一覧が同じストリーム接続で Device Manager に送信されます。
新規 Pod の受付要求の処理時に、Kubelet はデバイスの割り当てのために要求された Extended Resource
を Device Manager に送信します。Device Manager はそのデータベースにチェックインして対応するプラグインが存在するかどうかを確認します。プラグインが存在し、ローカルキャッシュと共に割り当て可能な空きデバイスがある場合、Allocate
RPC がその特定デバイスのプラグインで起動します。
さらにデバイスプラグインは、ドライバーのインストール、デバイスの初期化、およびデバイスのリセットなどの他のいくつかのデバイス固有の操作も実行できます。これらの機能は実装ごとに異なります。
7.6.3. Device Manager の有効化
Device Manager を有効にし、デバイスプラグインを実装してアップストリームのコード変更なしに特殊なハードウェアを公開できるようにします。
Device Manager は、特殊なノードのハードウェアリソースを、デバイスプラグインとして知られるプラグインを使用して公開するメカニズムを提供します。
次のコマンドを入力して、設定するノードタイプの静的な
MachineConfigPool
CRD に関連付けられたラベルを取得します。以下のいずれかの手順を実行します。マシン設定を表示します。
# oc describe machineconfig <name>
以下に例を示します。
# oc describe machineconfig 00-worker
出力例
Name: 00-worker Namespace: Labels: machineconfiguration.openshift.io/role=worker 1
- 1
- Device Manager に必要なラベル。
手順
設定変更のためのカスタムリソース (CR) を作成します。
Device Manager CR の設定例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: devicemgr 1 spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: machineconfiguration.openshift.io: devicemgr 2 kubeletConfig: feature-gates: - DevicePlugins=true 3
Device Manager を作成します。
$ oc create -f devicemgr.yaml
出力例
kubeletconfig.machineconfiguration.openshift.io/devicemgr created
- Device Manager が実際に有効にされるように、/var/lib/kubelet/device-plugins/kubelet.sock がノードで作成されていることを確認します。これは、Device Manager の gRPC サーバーが新規プラグインの登録がないかどうかリッスンする UNIX ドメインソケットです。このソケットファイルは、Device Manager が有効にされている場合にのみ Kubelet の起動時に作成されます。
7.7. taint および toleration
taint および toleration を理解し、これらを使用します。
7.7.1. taint および toleration について
taint により、ノードは Pod に一致する toleration がない場合に Pod のスケジュールを拒否することができます。
taint は Node
仕様 (NodeSpec
) でノードに適用され、toleration は Pod
仕様 (PodSpec
) で Pod に適用されます。taint をノードに適用する場合、スケジューラーは Pod が taint を容認しない限り、Pod をそのノードに配置することができません。
ノード仕様の taint の例
apiVersion: v1 kind: Node metadata: name: my-node #... spec: taints: - effect: NoExecute key: key1 value: value1 #...
Pod
仕様での toleration の例
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: my-pod #... spec: tolerations: - key: "key1" operator: "Equal" value: "value1" effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 3600 #...
taint および toleration は、key、value、および effect で構成されます。
パラメーター | 説明 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
|
| ||||||
|
| ||||||
| effect は以下のいずれかにすることができます。
| ||||||
|
|
NoSchedule
taint をコントロールプレーンノードに追加すると、ノードには、デフォルトで追加されるnode-role.kubernetes.io/master=:NoSchedule
taint が必要です。以下に例を示します。
apiVersion: v1 kind: Node metadata: annotations: machine.openshift.io/machine: openshift-machine-api/ci-ln-62s7gtb-f76d1-v8jxv-master-0 machineconfiguration.openshift.io/currentConfig: rendered-master-cdc1ab7da414629332cc4c3926e6e59c name: my-node #... spec: taints: - effect: NoSchedule key: node-role.kubernetes.io/master #...
toleration は taint と一致します。
operator
パラメーターがEqual
に設定されている場合:-
key
パラメーターは同じになります。 -
value
パラメーターは同じになります。 -
effect
パラメーターは同じになります。
-
operator
パラメーターがExists
に設定されている場合:-
key
パラメーターは同じになります。 -
effect
パラメーターは同じになります。
-
以下の taint は OpenShift Container Platform に組み込まれています。
-
node.kubernetes.io/not-ready
: ノードは準備状態にありません。これはノード条件Ready=False
に対応します。 -
node.kubernetes.io/unreachable
: ノードはノードコントローラーから到達不能です。これはノード条件Ready=Unknown
に対応します。 -
node.kubernetes.io/memory-pressure
: ノードにはメモリー不足の問題が発生しています。これはノード条件MemoryPressure=True
に対応します。 -
node.kubernetes.io/disk-pressure
: ノードにはディスク不足の問題が発生しています。これはノード条件DiskPressure=True
に対応します。 -
node.kubernetes.io/network-unavailable
: ノードのネットワークは使用できません。 -
node.kubernetes.io/unschedulable
: ノードはスケジュールが行えません。 -
node.cloudprovider.kubernetes.io/uninitialized
: ノードコントローラーが外部のクラウドプロバイダーを使用して起動すると、この taint はノード上に設定され、使用不可能とマークされます。cloud-controller-manager のコントローラーがこのノードを初期化した後に、kubelet がこの taint を削除します。 node.kubernetes.io/pid-pressure
: ノードが pid 不足の状態です。これはノード条件PIDPressure=True
に対応します。重要OpenShift Container Platform では、デフォルトの pid.available
evictionHard
は設定されません。
7.7.2. taint および toleration の追加
toleration を Pod に、taint をノードに追加することで、ノードはノード上でスケジュールする必要のある (またはスケジュールすべきでない) Pod を制御できます。既存の Pod およびノードの場合、最初に toleration を Pod に追加してから taint をノードに追加して、toleration を追加する前に Pod がノードから削除されないようにする必要があります。
手順
Pod
仕様をtolerations
スタンザを含めるように編集して、toleration を Pod に追加します。Equal 演算子を含む Pod 設定ファイルのサンプル
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: my-pod #... spec: tolerations: - key: "key1" 1 value: "value1" operator: "Equal" effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 3600 2 #...
以下に例を示します。
Exists 演算子を含む Pod 設定ファイルのサンプル
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: my-pod #... spec: tolerations: - key: "key1" operator: "Exists" 1 effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 3600 #...
- 1
Exists
Operator はvalue
を取りません。
この例では、taint を、キー
key1
、値value1
、および taint effectNoExecute
を持つnode1
に taint を配置します。taint および toleration コンポーネント の表で説明されているパラメーターと共に以下のコマンドを使用して taint をノードに追加します。
$ oc adm taint nodes <node_name> <key>=<value>:<effect>
以下に例を示します。
$ oc adm taint nodes node1 key1=value1:NoExecute
このコマンドは、キー
key1
、値value1
、および effectNoExecute
を持つ taint をnode1
に配置します。注記NoSchedule
taint をコントロールプレーンノードに追加すると、ノードには、デフォルトで追加されるnode-role.kubernetes.io/master=:NoSchedule
taint が必要です。以下に例を示します。
apiVersion: v1 kind: Node metadata: annotations: machine.openshift.io/machine: openshift-machine-api/ci-ln-62s7gtb-f76d1-v8jxv-master-0 machineconfiguration.openshift.io/currentConfig: rendered-master-cdc1ab7da414629332cc4c3926e6e59c name: my-node #... spec: taints: - effect: NoSchedule key: node-role.kubernetes.io/master #...
Pod の toleration はノードの taint に一致します。いずれかの toleration のある Pod は
node1
にスケジュールできます。
7.7.3. コンピュートマシンセットを使用した taint および toleration の追加
コンピュートマシンセットを使用して taint をノードに追加できます。MachineSet
オブジェクトに関連付けられるすべてのノードが taint で更新されます。toleration は、ノードに直接追加された taint と同様に、コンピュートマシンセットによって追加される taint に応答します。
手順
Pod
仕様をtolerations
スタンザを含めるように編集して、toleration を Pod に追加します。Equal
演算子を含む Pod 設定ファイルのサンプルapiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: my-pod #... spec: tolerations: - key: "key1" 1 value: "value1" operator: "Equal" effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 3600 2 #...
以下に例を示します。
Exists
演算子を含む Pod 設定ファイルのサンプルapiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: my-pod #... spec: tolerations: - key: "key1" operator: "Exists" effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 3600 #...
taint を
MachineSet
オブジェクトに追加します。taint を付けるノードの
MachineSet
YAML を編集するか、新規MachineSet
オブジェクトを作成できます。$ oc edit machineset <machineset>
taint を
spec.template.spec
セクションに追加します。コンピュートマシンセット仕様の taint の例
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: name: my-machineset #... spec: #... template: #... spec: taints: - effect: NoExecute key: key1 value: value1 #...
この例では、キー
key1
、値value1
、および taint effectNoExecute
を持つ taint をノードに配置します。コンピュートマシンセットを 0 にスケールダウンします。
$ oc scale --replicas=0 machineset <machineset> -n openshift-machine-api
ヒントまたは、以下の YAML を適用してコンピュートマシンセットをスケーリングすることもできます。
apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: name: <machineset> namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 0
マシンが削除されるまで待機します。
コンピュートマシンセットを随時スケールアップします。
$ oc scale --replicas=2 machineset <machineset> -n openshift-machine-api
または、以下を実行します。
$ oc edit machineset <machineset> -n openshift-machine-api
マシンが起動するまで待ちます。taint は
MachineSet
オブジェクトに関連付けられたノードに追加されます。
7.7.4. taint および toleration 使用してユーザーをノードにバインドする
ノードのセットを特定のユーザーセットによる排他的な使用のために割り当てる必要がある場合、toleration をそれらの Pod に追加します。次に、対応する taint をそれらのノードに追加します。toleration が設定された Pod は、taint が付けられたノードまたはクラスター内の他のノードを使用できます。
Pod が taint が付けられたノードのみにスケジュールされるようにするには、ラベルを同じノードセットに追加し、ノードのアフィニティーを Pod に追加し、Pod がそのラベルの付いたノードのみにスケジュールできるようにします。
手順
ノードをユーザーの使用可能な唯一のノードとして設定するには、以下を実行します。
対応する taint をそれらのノードに追加します。
以下に例を示します。
$ oc adm taint nodes node1 dedicated=groupName:NoSchedule
ヒントまたは、以下の YAML を適用して taint を追加できます。
kind: Node apiVersion: v1 metadata: name: my-node #... spec: taints: - key: dedicated value: groupName effect: NoSchedule #...
- カスタム受付コントローラーを作成して toleration を Pod に追加します。
7.7.5. taint および toleration を使用して特殊ハードウェアを持つノードを制御する
ノードの小規模なサブセットが特殊ハードウェアを持つクラスターでは、taint および toleration を使用して、特殊ハードウェアを必要としない Pod をそれらのノードから切り離し、特殊ハードウェアを必要とする Pod をそのままにすることができます。また、特殊ハードウェアを必要とする Pod に対して特定のノードを使用することを要求することもできます。
これは、特殊ハードウェアを必要とする Pod に toleration を追加し、特殊ハードウェアを持つノードに taint を付けることで実行できます。
手順
特殊ハードウェアを持つノードが特定の Pod 用に予約されるようにするには、以下を実行します。
toleration を特別なハードウェアを必要とする Pod に追加します。
以下に例を示します。
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: my-pod #... spec: tolerations: - key: "disktype" value: "ssd" operator: "Equal" effect: "NoSchedule" tolerationSeconds: 3600 #...
以下のコマンドのいずれかを使用して、特殊ハードウェアを持つノードに taint を設定します。
$ oc adm taint nodes <node-name> disktype=ssd:NoSchedule
または、以下を実行します。
$ oc adm taint nodes <node-name> disktype=ssd:PreferNoSchedule
ヒントまたは、以下の YAML を適用して taint を追加できます。
kind: Node apiVersion: v1 metadata: name: my_node #... spec: taints: - key: disktype value: ssd effect: PreferNoSchedule #...
7.7.6. taint および toleration の削除
必要に応じてノードから taint を、Pod から toleration をそれぞれ削除できます。最初に toleration を Pod に追加してから taint をノードに追加して、toleration を追加する前に Pod がノードから削除されないようにする必要があります。
手順
taint および toleration を削除するには、以下を実行します。
ノードから taint を削除するには、以下を実行します。
$ oc adm taint nodes <node-name> <key>-
以下に例を示します。
$ oc adm taint nodes ip-10-0-132-248.ec2.internal key1-
出力例
node/ip-10-0-132-248.ec2.internal untainted
Pod から toleration を削除するには、toleration を削除するための
Pod
仕様を編集します。apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: my-pod #... spec: tolerations: - key: "key2" operator: "Exists" effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 3600 #...
7.8. Topology Manager
Topology Manager を理解し、これを使用します。
7.8.1. Topology Manager ポリシー
Topology Manager は、CPU マネージャーや Device Manager などの Hint Provider からトポロジーのヒントを収集し、収集したヒントを使用して Pod
リソースを調整することで、すべての Quality of Service (QoS) クラスの Pod
リソースを調整します。
Topology Manager は、cpumanager-enabled
という名前の KubeletConfig
カスタムリソース (CR) で割り当てる 4 つの割り当てポリシーをサポートしています。
none
ポリシー- これはデフォルトのポリシーで、トポロジーの配置は実行しません。
best-effort
ポリシー-
best-effort
トポロジー管理ポリシーを持つ Pod のそれぞれのコンテナーの場合、kubelet は各 Hint Provider を呼び出してそれらのリソースの可用性を検出します。この情報を使用して、Topology Manager は、そのコンテナーの推奨される NUMA ノードのアフィニティーを保存します。アフィニティーが優先されない場合、Topology Manager はこれを保管し、ノードに対して Pod を許可します。 restricted
ポリシー-
restricted
トポロジー管理ポリシーを持つ Pod のそれぞれのコンテナーの場合、kubelet は各 Hint Provider を呼び出してそれらのリソースの可用性を検出します。この情報を使用して、Topology Manager は、そのコンテナーの推奨される NUMA ノードのアフィニティーを保存します。アフィニティーが優先されない場合、Topology Manager はこの Pod をノードから拒否します。これにより、Pod が Pod の受付の失敗によりTerminated
状態になります。 single-numa-node
ポリシー-
single-numa-node
トポロジー管理ポリシーがある Pod のそれぞれのコンテナーの場合、kubelet は各 Hint Provider を呼び出してそれらのリソースの可用性を検出します。この情報を使用して、Topology Manager は単一の NUMA ノードのアフィニティーが可能かどうかを判別します。可能である場合、Pod はノードに許可されます。単一の NUMA ノードアフィニティーが使用できない場合には、Topology Manager は Pod をノードから拒否します。これにより、Pod は Pod の受付失敗と共に Terminated (終了) 状態になります。
7.8.2. Topology Manager のセットアップ
Topology Manager を使用するには、cpumanager-enabled
という名前の KubeletConfig
カスタムリソース (CR) で割り当てポリシーを設定する必要があります。CPU マネージャーをセットアップしている場合は、このファイルが存在している可能性があります。ファイルが存在しない場合は、作成できます。
前提条件
-
CPU マネージャーのポリシーを
static
に設定します。
手順
Topology Manager をアクティブにするには、以下を実行します。
カスタムリソースで Topology Manager 割り当てポリシーを設定します。
$ oc edit KubeletConfig cpumanager-enabled
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: cpumanager-enabled spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: cpumanager-enabled kubeletConfig: cpuManagerPolicy: static 1 cpuManagerReconcilePeriod: 5s topologyManagerPolicy: single-numa-node 2
7.8.3. Pod の Topology Manager ポリシーとの対話
以下のサンプル Pod
仕様は、Pod の Topology Manger との対話を説明しています。
以下の Pod は、リソース要求や制限が指定されていないために BestEffort
QoS クラスで実行されます。
spec: containers: - name: nginx image: nginx
以下の Pod は、要求が制限よりも小さいために Burstable
QoS クラスで実行されます。
spec: containers: - name: nginx image: nginx resources: limits: memory: "200Mi" requests: memory: "100Mi"
選択したポリシーが none
以外の場合は、Topology Manager はこれらの Pod
仕様のいずれかも考慮しません。
以下の最後のサンプル Pod は、要求が制限と等しいために Guaranteed QoS クラスで実行されます。
spec: containers: - name: nginx image: nginx resources: limits: memory: "200Mi" cpu: "2" example.com/device: "1" requests: memory: "200Mi" cpu: "2" example.com/device: "1"
Topology Manager はこの Pod を考慮します。Topology Manager はヒントプロバイダー (CPU マネージャーおよび Device Manager ) を参照して、Pod のトポロジーヒントを取得します。
Topology Manager はこの情報を使用して、このコンテナーに最適なトポロジーを保管します。この Pod の場合、CPU マネージャーおよび Device Manager は、リソース割り当ての段階でこの保存された情報を使用します。
7.9. リソース要求とオーバーコミット
各コンピュートリソースについて、コンテナーはリソース要求および制限を指定できます。スケジューリングの決定は要求に基づいて行われ、ノードに要求される値を満たす十分な容量があることが確認されます。コンテナーが制限を指定するものの、要求を省略する場合、要求はデフォルトで制限値に設定されます。コンテナーは、ノードの指定される制限を超えることはできません。
制限の実施方法は、コンピュートリソースのタイプによって異なります。コンテナーが要求または制限を指定しない場合、コンテナーはリソース保証のない状態でノードにスケジュールされます。実際に、コンテナーはローカルの最も低い優先順位で利用できる指定リソースを消費できます。リソースが不足する状態では、リソース要求を指定しないコンテナーに最低レベルの quality of service が設定されます。
スケジューリングは要求されるリソースに基づいて行われる一方で、クォータおよびハード制限はリソース制限のことを指しており、これは要求されるリソースよりも高い値に設定できます。要求と制限の間の差異は、オーバーコミットのレベルを定めるものとなります。たとえば、コンテナーに 1Gi のメモリー要求と 2Gi のメモリー制限が指定される場合、コンテナーのスケジューリングはノードで 1Gi を利用可能とする要求に基づいて行われますが、2Gi まで使用することができます。そのため、この場合のオーバーコミットは 200% になります。
7.10. Cluster Resource Override Operator を使用したクラスターレベルのオーバーコミット
Cluster Resource Override Operator は、クラスター内のすべてのノードでオーバーコミットのレベルを制御し、コンテナーの密度を管理できる受付 Webhook です。Operator は、特定のプロジェクトのノードが定義されたメモリーおよび CPU 制限を超える場合に制御します。
以下のセクションで説明されているように、OpenShift Container Platform コンソールまたは CLI を使用して Cluster Resource Override Operator をインストールする必要があります。インストール時に、以下の例のように、オーバーコミットのレベルを設定する ClusterResourceOverride
カスタムリソース (CR) を作成します。
apiVersion: operator.autoscaling.openshift.io/v1 kind: ClusterResourceOverride metadata: name: cluster 1 spec: podResourceOverride: spec: memoryRequestToLimitPercent: 50 2 cpuRequestToLimitPercent: 25 3 limitCPUToMemoryPercent: 200 4 # ...
- 1
- 名前は
cluster
でなければなりません。 - 2
- オプション: コンテナーのメモリー制限が指定されているか、デフォルトに設定されている場合、メモリー要求は制限のパーセンテージ (1-100) に対して上書きされます。デフォルトは 50 です。
- 3
- オプション: コンテナーの CPU 制限が指定されているか、デフォルトに設定されている場合、CPU 要求は、1-100 までの制限のパーセンテージに対応して上書きされます。デフォルトは 25 です。
- 4
- オプション: コンテナーのメモリー制限が指定されているか、デフォルトに設定されている場合、CPU 制限は、指定されている場合にメモリーのパーセンテージに対して上書きされます。1Gi の RAM の 100 パーセントでのスケーリングは、1 CPU コアに等しくなります。これは、CPU 要求を上書きする前に処理されます (設定されている場合)。デフォルトは 200 です。
Cluster Resource Override Operator の上書きは、制限がコンテナーに設定されていない場合は影響を与えません。個別プロジェクトごとのデフォルト制限を使用して LimitRange
オブジェクトを作成するか、Pod
仕様で制限を設定し、上書きが適用されるようにします。
設定時に、以下のラベルを各プロジェクトの namespace オブジェクトに適用し、上書きをプロジェクトごとに有効にできます。
apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: # ... labels: clusterresourceoverrides.admission.autoscaling.openshift.io/enabled: "true" # ...
Operator は ClusterResourceOverride
CR の有無を監視し、ClusterResourceOverride
受付 Webhook が Operator と同じ namespace にインストールされるようにします。
7.10.1. Web コンソールを使用した Cluster Resource Override Operator のインストール
クラスターでオーバーコミットを制御できるように、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して Cluster Resource Override Operator をインストールできます。
前提条件
-
制限がコンテナーに設定されていない場合、Cluster Resource Override Operator は影響を与えません。
LimitRange
オブジェクトを使用してプロジェクトのデフォルト制限を指定するか、Pod
仕様で制限を設定して上書きが適用されるようにする必要があります。
手順
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して Cluster Resource Override Operator をインストールするには、以下を実行します。
OpenShift Container Platform Web コンソールで、Home → Projects に移動します。
- Create Project をクリックします。
-
clusterresourceoverride-operator
をプロジェクトの名前として指定します。 - Create をクリックします。
Operators → OperatorHub に移動します。
- 利用可能な Operator のリストから ClusterResourceOverride Operator を選択し、Install をクリックします。
- Install Operator ページで、A specific Namespace on the cluster が Installation Mode に選択されていることを確認します。
- clusterresourceoverride-operator が Installed Namespace に選択されていることを確認します。
- Update Channel および Approval Strategy を選択します。
- Install をクリックします。
Installed Operators ページで、ClusterResourceOverride をクリックします。
- ClusterResourceOverride Operator 詳細ページで、Create ClusterResourceOverride をクリックします。
Create ClusterResourceOverride ページで、YAML view をクリックして、YAML テンプレートを編集し、必要に応じてオーバーコミット値を設定します。
apiVersion: operator.autoscaling.openshift.io/v1 kind: ClusterResourceOverride metadata: name: cluster 1 spec: podResourceOverride: spec: memoryRequestToLimitPercent: 50 2 cpuRequestToLimitPercent: 25 3 limitCPUToMemoryPercent: 200 4 # ...
- 1
- 名前は
cluster
でなければなりません。 - 2
- オプション: コンテナーメモリーの制限を上書きするためのパーセンテージが使用される場合は、これを 1-100 までの値で指定します。デフォルトは 50 です。
- 3
- オプション: コンテナー CPU の制限を上書きするためのパーセンテージが使用される場合は、これを 1-100 までの値で指定します。デフォルトは 25 です。
- 4
- オプション: コンテナーメモリーの制限を上書きするためのパーセンテージが使用される場合は、これを指定します。1Gi の RAM の 100 パーセントでのスケーリングは、1 CPU コアに等しくなります。これは、CPU 要求を上書きする前に処理されます (設定されている場合)。デフォルトは 200 です。
- Create をクリックします。
クラスターカスタムリソースのステータスをチェックして、受付 Webhook の現在の状態を確認します。
- ClusterResourceOverride Operator ページで、cluster をクリックします。
ClusterResourceOverride Details ページで、YAML をクリックします。Webhook の呼び出し時に、
mutatingWebhookConfigurationRef
セクションが表示されます。apiVersion: operator.autoscaling.openshift.io/v1 kind: ClusterResourceOverride metadata: annotations: kubectl.kubernetes.io/last-applied-configuration: | {"apiVersion":"operator.autoscaling.openshift.io/v1","kind":"ClusterResourceOverride","metadata":{"annotations":{},"name":"cluster"},"spec":{"podResourceOverride":{"spec":{"cpuRequestToLimitPercent":25,"limitCPUToMemoryPercent":200,"memoryRequestToLimitPercent":50}}}} creationTimestamp: "2019-12-18T22:35:02Z" generation: 1 name: cluster resourceVersion: "127622" selfLink: /apis/operator.autoscaling.openshift.io/v1/clusterresourceoverrides/cluster uid: 978fc959-1717-4bd1-97d0-ae00ee111e8d spec: podResourceOverride: spec: cpuRequestToLimitPercent: 25 limitCPUToMemoryPercent: 200 memoryRequestToLimitPercent: 50 status: # ... mutatingWebhookConfigurationRef: 1 apiVersion: admissionregistration.k8s.io/v1 kind: MutatingWebhookConfiguration name: clusterresourceoverrides.admission.autoscaling.openshift.io resourceVersion: "127621" uid: 98b3b8ae-d5ce-462b-8ab5-a729ea8f38f3 # ...
- 1
ClusterResourceOverride
受付 Webhook への参照。
7.10.2. CLI を使用した Cluster Resource Override Operator のインストール
OpenShift Container Platform CLI を使用して Cluster Resource Override Operator をインストールし、クラスターでのオーバーコミットを制御できます。
前提条件
-
制限がコンテナーに設定されていない場合、Cluster Resource Override Operator は影響を与えません。
LimitRange
オブジェクトを使用してプロジェクトのデフォルト制限を指定するか、Pod
仕様で制限を設定して上書きが適用されるようにする必要があります。
手順
CLI を使用して Cluster Resource Override Operator をインストールするには、以下を実行します。
Cluster Resource Override の namespace を作成します。
Cluster Resource Override Operator の
Namespace
オブジェクト YAML ファイル (cro-namespace.yaml
など) を作成します。apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: name: clusterresourceoverride-operator
namespace を作成します。
$ oc create -f <file-name>.yaml
以下に例を示します。
$ oc create -f cro-namespace.yaml
Operator グループを作成します。
Cluster Resource Override Operator の
OperatorGroup
オブジェクトの YAML ファイル (cro-og.yaml など) を作成します。apiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: clusterresourceoverride-operator namespace: clusterresourceoverride-operator spec: targetNamespaces: - clusterresourceoverride-operator
Operator グループを作成します。
$ oc create -f <file-name>.yaml
以下に例を示します。
$ oc create -f cro-og.yaml
サブスクリプションを作成します。
Cluster Resource Override Operator の
Subscription
オブジェクト YAML ファイル (cro-sub.yaml など) を作成します。apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: clusterresourceoverride namespace: clusterresourceoverride-operator spec: channel: "4.14" name: clusterresourceoverride source: redhat-operators sourceNamespace: openshift-marketplace
サブスクリプションを作成します。
$ oc create -f <file-name>.yaml
以下に例を示します。
$ oc create -f cro-sub.yaml
ClusterResourceOverride
カスタムリソース (CR) オブジェクトをclusterresourceoverride-operator
namespace に作成します。clusterresourceoverride-operator
namespace に切り替えます。$ oc project clusterresourceoverride-operator
Cluster Resource Override Operator の
ClusterResourceOverride
オブジェクト YAML ファイル (cro-cr.yaml など) を作成します。apiVersion: operator.autoscaling.openshift.io/v1 kind: ClusterResourceOverride metadata: name: cluster 1 spec: podResourceOverride: spec: memoryRequestToLimitPercent: 50 2 cpuRequestToLimitPercent: 25 3 limitCPUToMemoryPercent: 200 4
- 1
- 名前は
cluster
でなければなりません。 - 2
- オプション: コンテナーメモリーの制限を上書きするためのパーセンテージが使用される場合は、これを 1-100 までの値で指定します。デフォルトは 50 です。
- 3
- オプション: コンテナー CPU の制限を上書きするためのパーセンテージが使用される場合は、これを 1-100 までの値で指定します。デフォルトは 25 です。
- 4
- オプション: コンテナーメモリーの制限を上書きするためのパーセンテージが使用される場合は、これを指定します。1Gi の RAM の 100 パーセントでのスケーリングは、1 CPU コアに等しくなります。これは、CPU 要求を上書きする前に処理されます (設定されている場合)。デフォルトは 200 です。
ClusterResourceOverride
オブジェクトを作成します。$ oc create -f <file-name>.yaml
以下に例を示します。
$ oc create -f cro-cr.yaml
クラスターカスタムリソースのステータスをチェックして、受付 Webhook の現在の状態を確認します。
$ oc get clusterresourceoverride cluster -n clusterresourceoverride-operator -o yaml
Webhook の呼び出し時に、
mutatingWebhookConfigurationRef
セクションが表示されます。出力例
apiVersion: operator.autoscaling.openshift.io/v1 kind: ClusterResourceOverride metadata: annotations: kubectl.kubernetes.io/last-applied-configuration: | {"apiVersion":"operator.autoscaling.openshift.io/v1","kind":"ClusterResourceOverride","metadata":{"annotations":{},"name":"cluster"},"spec":{"podResourceOverride":{"spec":{"cpuRequestToLimitPercent":25,"limitCPUToMemoryPercent":200,"memoryRequestToLimitPercent":50}}}} creationTimestamp: "2019-12-18T22:35:02Z" generation: 1 name: cluster resourceVersion: "127622" selfLink: /apis/operator.autoscaling.openshift.io/v1/clusterresourceoverrides/cluster uid: 978fc959-1717-4bd1-97d0-ae00ee111e8d spec: podResourceOverride: spec: cpuRequestToLimitPercent: 25 limitCPUToMemoryPercent: 200 memoryRequestToLimitPercent: 50 status: # ... mutatingWebhookConfigurationRef: 1 apiVersion: admissionregistration.k8s.io/v1 kind: MutatingWebhookConfiguration name: clusterresourceoverrides.admission.autoscaling.openshift.io resourceVersion: "127621" uid: 98b3b8ae-d5ce-462b-8ab5-a729ea8f38f3 # ...
- 1
ClusterResourceOverride
受付 Webhook への参照。
7.10.3. クラスターレベルのオーバーコミットの設定
Cluster Resource Override Operator には、Operator がオーバーコミットを制御する必要のある各プロジェクトの ClusterResourceOverride
カスタムリソース (CR) およびラベルが必要です。
前提条件
-
制限がコンテナーに設定されていない場合、Cluster Resource Override Operator は影響を与えません。
LimitRange
オブジェクトを使用してプロジェクトのデフォルト制限を指定するか、Pod
仕様で制限を設定して上書きが適用されるようにする必要があります。
手順
クラスターレベルのオーバーコミットを変更するには、以下を実行します。
ClusterResourceOverride
CR を編集します。apiVersion: operator.autoscaling.openshift.io/v1 kind: ClusterResourceOverride metadata: name: cluster spec: podResourceOverride: spec: memoryRequestToLimitPercent: 50 1 cpuRequestToLimitPercent: 25 2 limitCPUToMemoryPercent: 200 3 # ...
- 1
- オプション: コンテナーメモリーの制限を上書きするためのパーセンテージが使用される場合は、これを 1-100 までの値で指定します。デフォルトは 50 です。
- 2
- オプション: コンテナー CPU の制限を上書きするためのパーセンテージが使用される場合は、これを 1-100 までの値で指定します。デフォルトは 25 です。
- 3
- オプション: コンテナーメモリーの制限を上書きするためのパーセンテージが使用される場合は、これを指定します。1Gi の RAM の 100 パーセントでのスケーリングは、1 CPU コアに等しくなります。これは、CPU 要求を上書きする前に処理されます (設定されている場合)。デフォルトは 200 です。
以下のラベルが Cluster Resource Override Operator がオーバーコミットを制御する必要のある各プロジェクトの namespace オブジェクトに追加されていることを確認します。
apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: # ... labels: clusterresourceoverrides.admission.autoscaling.openshift.io/enabled: "true" 1 # ...
- 1
- このラベルを各プロジェクトに追加します。
7.11. ノードレベルのオーバーコミット
quality of service (QOS) 保証、CPU 制限、またはリソースの予約など、特定ノードでオーバーコミットを制御するさまざまな方法を使用できます。特定のノードおよび特定のプロジェクトのオーバーコミットを無効にすることもできます。
7.11.1. コンピュートリソースとコンテナーについて
コンピュートリソースに関するノードで実施される動作は、リソースタイプによって異なります。
7.11.1.1. コンテナーの CPU 要求について
コンテナーには要求する CPU の量が保証され、さらにコンテナーで指定される任意の制限までノードで利用可能な CPU を消費できます。複数のコンテナーが追加の CPU の使用を試行する場合、CPU 時間が各コンテナーで要求される CPU の量に基づいて分配されます。
たとえば、あるコンテナーが 500m の CPU 時間を要求し、別のコンテナーが 250m の CPU 時間を要求した場合、ノードで利用可能な追加の CPU 時間は 2:1 の比率でコンテナー間で分配されます。コンテナーが制限を指定している場合、指定した制限を超えて CPU を使用しないようにスロットリングされます。CPU 要求は、Linux カーネルの CFS 共有サポートを使用して適用されます。デフォルトで、CPU 制限は、Linux カーネルの CFS クォータサポートを使用して 100ms の測定間隔で適用されます。 ただし、これは無効にすることができます。
7.11.1.2. コンテナーのメモリー要求について
コンテナーには要求するメモリー量が保証されます。コンテナーは要求したよりも多くのメモリーを使用できますが、いったん要求した量を超えた場合には、ノードのメモリーが不足している状態では強制終了される可能性があります。コンテナーが要求した量よりも少ないメモリーを使用する場合、システムタスクやデーモンがノードのリソース予約で確保されている分よりも多くのメモリーを必要としない限りそれが強制終了されることはありません。コンテナーがメモリーの制限を指定する場合、その制限量を超えると即時に強制終了されます。
7.11.2. オーバーコミットメントおよび QoS (Quality of Service)クラスについて
ノードは、要求を指定しない Pod がスケジュールされている場合やノードのすべての Pod での制限の合計が利用可能なマシンの容量を超える場合に オーバーコミット されます。
オーバーコミットされる環境では、ノード上の Pod がいずれかの時点で利用可能なコンピュートリソースよりも多くの量の使用を試行することができます。これが生じると、ノードはそれぞれの Pod に優先順位を指定する必要があります。この決定を行うために使用される機能は、Quality of Service (QoS) クラスと呼ばれます。
Pod は、優先度の高い順に 3 つの QoS クラスの 1 つとして指定されます。
優先順位 | クラス名 | 説明 |
---|---|---|
1 (最高) | Guaranteed | 制限およびオプションの要求がすべてのリソースに設定されている場合 (0 と等しくない) でそれらの値が等しい場合、Pod は Guaranteed として分類されます。 |
2 | Burstable | 制限およびオプションの要求がすべてのリソースに設定されている場合 (0 と等しくない) でそれらの値が等しくない場合、Pod は Burstable として分類されます。 |
3 (最低) | BestEffort | 要求および制限がリソースのいずれにも設定されない場合、Pod は BestEffort として分類されます。 |
メモリーは圧縮できないリソースであるため、メモリー不足の状態では、最も優先順位の低いコンテナーが最初に強制終了されます。
- Guaranteed コンテナーは優先順位が最も高いコンテナーとして見なされ、保証されます。 強制終了されるのは、これらのコンテナーで制限を超えるか、システムがメモリー不足の状態にあるものの、エビクトできる優先順位の低いコンテナーが他にない場合のみです。
- システム不足の状態にある Burstable コンテナーは、制限を超過し、BestEffort コンテナーが他に存在しない場合に強制終了される可能性があります。
- BestEffort コンテナーは優先順位の最も低いコンテナーとして処理されます。これらのコンテナーのプロセスは、システムがメモリー不足になると最初に強制終了されます。
7.11.2.1. Quality of Service (QoS) 層でのメモリーの予約方法について
qos-reserved
パラメーターを使用して、特定の QoS レベルの Pod で予約されるメモリーのパーセンテージを指定することができます。この機能は、最も低い OoS クラスの Pod が高い QoS クラスの Pod で要求されるリソースを使用できないようにするために要求されたリソースの予約を試行します。
OpenShift Container Platform は、以下のように qos-reserved
パラメーターを使用します。
-
qos-reserved=memory=100%
の値は、Burstable
およびBestEffort
QoS クラスが、これらより高い QoS クラスで要求されたメモリーを消費するのを防ぎます。これにより、Guaranteed
およびBurstable
ワークロードのメモリーリソースの保証レベルを上げることが優先され、BestEffort
およびBurstable
ワークロードでの OOM が発生するリスクが高まります。 -
qos-reserved=memory=50%
の値は、Burstable
およびBestEffort
QoS クラスがこれらより高い QoS クラスによって要求されるメモリーの半分を消費することを許可します。 -
qos-reserved=memory=0%
の値は、Burstable
およびBestEffort
QoS クラスがノードの割り当て可能分を完全に消費することを許可しますが (利用可能な場合)、これにより、Guaranteed
ワークロードが要求したメモリーにアクセスできなくなるリスクが高まります。この状況により、この機能は無効にされています。
7.11.3. swap メモリーと QOS について
Quality of Service (QOS) 保証を維持するため、swap はノード上でデフォルトで無効にすることができます。そうしない場合、ノードの物理リソースがオーバーサブスクライブし、Pod の配置時の Kubernetes スケジューラーによるリソース保証が影響を受ける可能性があります。
たとえば、2 つの Guaranteed Pod がメモリー制限に達した場合、それぞれのコンテナーが swap メモリーを使用し始める可能性があります。十分な swap 領域がない場合には、pod のプロセスはシステムのオーバーサブスクライブのために終了する可能性があります。
swap を無効にしないと、ノードが MemoryPressure にあることを認識しなくなり、Pod がスケジューリング要求に対応するメモリーを受け取れなくなります。結果として、追加の Pod がノードに配置され、メモリー不足の状態が加速し、最終的にはシステムの Out Of Memory (OOM) イベントが発生するリスクが高まります。
swap が有効にされている場合、利用可能なメモリーに関するリソース不足の処理 (out of resource handling) のエビクションしきい値は予期どおりに機能しなくなります。メモリー不足の状態の場合に Pod をノードからエビクトし、Pod を不足状態にない別のノードで再スケジューリングできるようにリソース不足の処理 (out of resource handling) を利用できるようにします。
7.11.4. ノードのオーバーコミットについて
オーバーコミット環境では、最適なシステム動作を提供できるようにノードを適切に設定する必要があります。
ノードが起動すると、メモリー管理用のカーネルの調整可能なフラグが適切に設定されます。カーネルは、物理メモリーが不足しない限り、メモリーの割り当てに失敗するこはありません。
この動作を確認するため、OpenShift Container Platform は、vm.overcommit_memory
パラメーターを 1
に設定し、デフォルトのオペレーティングシステムの設定を上書きすることで、常にメモリーをオーバーコミットするようにカーネルを設定します。
また、OpenShift Container Platform は vm.panic_on_oom
パラメーターを 0
に設定することで、メモリーが不足したときでもカーネルがパニックにならないようにします。0 の設定は、Out of Memory (OOM) 状態のときに oom_killer を呼び出すようカーネルに指示します。これにより、優先順位に基づいてプロセスを強制終了します。
現在の設定は、ノードに以下のコマンドを実行して表示できます。
$ sysctl -a |grep commit
出力例
#... vm.overcommit_memory = 0 #...
$ sysctl -a |grep panic
出力例
#... vm.panic_on_oom = 0 #...
上記のフラグはノード上にすでに設定されているはずであるため、追加のアクションは不要です。
各ノードに対して以下の設定を実行することもできます。
- CPU CFS クォータを使用した CPU 制限の無効化または実行
- システムプロセスのリソース予約
- Quality of Service (QoS) 層でのメモリー予約
7.11.5. CPU CFS クォータの使用による CPU 制限の無効化または実行
デフォルトで、ノードは Linux カーネルの Completely Fair Scheduler (CFS) クォータのサポートを使用して、指定された CPU 制限を実行します。
CPU 制限の適用を無効にする場合、それがノードに与える影響を理解しておくことが重要になります。
- コンテナーに CPU 要求がある場合、これは Linux カーネルの CFS 共有によって引き続き適用されます。
- コンテナーに CPU 要求がなく、CPU 制限がある場合は、CPU 要求はデフォルトで指定される CPU 制限に設定され、Linux カーネルの CFS 共有によって適用されます。
- コンテナーに CPU 要求と制限の両方がある場合、CPU 要求は Linux カーネルの CFS 共有によって適用され、CPU 制限はノードに影響を与えません。
前提条件
次のコマンドを入力して、設定するノードタイプの静的な
MachineConfigPool
CRD に関連付けられたラベルを取得します。$ oc edit machineconfigpool <name>
以下に例を示します。
$ oc edit machineconfigpool worker
出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: creationTimestamp: "2022-11-16T15:34:25Z" generation: 4 labels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: "" 1 name: worker
- 1
- Labels の下にラベルが表示されます。
ヒントラベルが存在しない場合は、次のようなキー/値のペアを追加します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=small-pods
手順
設定変更のためのカスタムリソース (CR) を作成します。
CPU 制限を無効化する設定例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: disable-cpu-units 1 spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: "" 2 kubeletConfig: cpuCfsQuota: false 3
以下のコマンドを実行して CR を作成します。
$ oc create -f <file_name>.yaml
7.11.6. システムリソースのリソース予約
より信頼できるスケジューリングを実現し、ノードリソースのオーバーコミットメントを最小化するために、各ノードでは、クラスターが機能できるようノードで実行する必要のあるシステムデーモン用にそのリソースの一部を予約することができます。とくに、メモリーなどの圧縮できないリソースのリソースを予約することが推奨されます。
手順
Pod 以外のプロセスのリソースを明示的に予約するには、スケジューリングで利用可能なリソースを指定することにより、ノードリソースを割り当てます。詳細は、ノードのリソースの割り当てを参照してください。
7.11.7. ノードのオーバーコミットの無効化
有効にされているオーバーコミットを、各ノードで無効にできます。
手順
ノード内のオーバーコミットを無効にするには、そのノード上で以下のコマンドを実行します。
$ sysctl -w vm.overcommit_memory=0
7.12. プロジェクトレベルの制限
オーバーコミットを制御するには、プロジェクトごとのリソース制限の範囲を設定し、オーバーコミットが超過できないプロジェクトのメモリーおよび CPU 制限およびデフォルト値を指定できます。
プロジェクトレベルのリソース制限の詳細は、関連情報を参照してください。
または、特定のプロジェクトのオーバーコミットを無効にすることもできます。
7.12.1. プロジェクトでのオーバーコミットメントの無効化
有効にされているオーバーコミットメントをプロジェクトごとに無効にすることができます。たとえば、インフラストラクチャーコンポーネントはオーバーコミットメントから独立して設定できます。
手順
プロジェクト内のオーバーコミットメントを無効にするには、以下の手順を実行します。
- namespace オブジェクトファイルを作成または編集します。
以下のアノテーションを追加します。
apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: annotations: quota.openshift.io/cluster-resource-override-enabled: "false" 1 # ...
- 1
- このアノテーションを
false
に設定すると、この namespace のオーバーコミットが無効になります。
7.13. ガベージコレクションを使用しているノードリソースの解放
ガベージコレクションについて理解し、これを使用します。
7.13.1. 終了したコンテナーがガベージコレクションによって削除される仕組みについて
コンテナーのガベージコレクションは、エビクションしきい値を使用して、終了したコンテナーを削除します。
エビクションしきい値がガーベージコレクションに設定されていると、ノードは Pod のコンテナーが API から常にアクセス可能な状態になるよう試みます。Pod が削除された場合、コンテナーも削除されます。コンテナーは Pod が削除されず、エビクションしきい値に達していない限り保持されます。ノードがディスク不足 (disk pressure) の状態になっていると、コンテナーが削除され、それらのログは oc logs
を使用してアクセスできなくなります。
- eviction-soft - ソフトエビクションのしきい値は、エビクションしきい値と要求される管理者指定の猶予期間を組み合わせます。
- eviction-hard - ハードエビクションのしきい値には猶予期間がなく、検知されると、OpenShift Container Platform はすぐにアクションを実行します。
以下の表は、エビクションしきい値のリストです。
ノードの状態 | エビクションシグナル | 説明 |
---|---|---|
MemoryPressure |
| ノードで利用可能なメモリー。 |
DiskPressure |
|
ノードのルートファイルシステム ( |
evictionHard
の場合、これらのパラメーターをすべて指定する必要があります。すべてのパラメーターを指定しないと、指定したパラメーターのみが適用され、ガベージコレクションが正しく機能しません。
ノードがソフトエビクションしきい値の上限と下限の間で変動し、その関連する猶予期間を超えていない場合、対応するノードは、true
と false
の間で常に変動します。したがって、スケジューラーは適切なスケジュールを決定できない可能性があります。
この変動から保護するには、eviction-pressure-transition-period
フラグを使用して、OpenShift Container Platform が不足状態から移行するまでにかかる時間を制御します。OpenShift Container Platform は、false 状態に切り替わる前の指定された期間に、エビクションしきい値を指定された不足状態に一致するように設定しません。
7.13.2. イメージがガベージコレクションによって削除される仕組みについて
イメージガベージコレクションは、実行中の Pod によって参照されていないイメージを削除します。
OpenShift Container Platform は、cAdvisor によって報告されたディスク使用量に基づいて、ノードから削除するイメージを決定します。
イメージのガベージコレクションのポリシーは、以下の 2 つの条件に基づいています。
- イメージのガべージコレクションをトリガーするディスク使用量のパーセント (整数で表される) です。デフォルトは 85 です。
- イメージのガべージコレクションが解放しようとするディスク使用量のパーセント (整数で表される) です。デフォルトは 80 です。
イメージのガベージコレクションのために、カスタムリソースを使用して、次の変数のいずれかを変更することができます。
設定 | 説明 |
---|---|
| ガベージコレクションによって削除されるまでの未使用のイメージの有効期間。デフォルトは、2m です。 |
| イメージのガべージコレクションをトリガーするディスク使用量のパーセント (整数で表される) です。デフォルトは 85 です。 |
| イメージのガべージコレクションが解放しようとするディスク使用量のパーセント (整数で表される) です。デフォルトは 80 です。 |
以下の 2 つのイメージリストがそれぞれのガベージコレクターの実行で取得されます。
- 1 つ以上の Pod で現在実行されているイメージのリスト
- ホストで利用可能なイメージのリスト
新規コンテナーの実行時に新規のイメージが表示されます。すべてのイメージにはタイムスタンプのマークが付けられます。イメージが実行中 (上記の最初の一覧) か、新規に検出されている (上記の 2 番目の一覧) 場合、これには現在の時間のマークが付けられます。残りのイメージには以前のタイムスタンプのマークがすでに付けられています。すべてのイメージはタイムスタンプで並び替えられます。
コレクションが開始されると、停止条件を満たすまでイメージが最も古いものから順番に削除されます。
7.13.3. コンテナーおよびイメージのガベージコレクションの設定
管理者は、kubeletConfig
オブジェクトを各マシン設定プール用に作成し、OpenShift Container Platform によるガベージコレクションの実行方法を設定できます。
OpenShift Container Platform は、各マシン設定プールの kubeletConfig
オブジェクトを 1 つのみサポートします。
次のいずれかの組み合わせを設定できます。
- コンテナーのソフトエビクション
- コンテナーのハードエビクション
- イメージのエビクション
コンテナーのガベージコレクションは終了したコンテナーを削除します。イメージガベージコレクションは、実行中の Pod によって参照されていないイメージを削除します。
前提条件
次のコマンドを入力して、設定するノードタイプの静的な
MachineConfigPool
CRD に関連付けられたラベルを取得します。$ oc edit machineconfigpool <name>
以下に例を示します。
$ oc edit machineconfigpool worker
出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: creationTimestamp: "2022-11-16T15:34:25Z" generation: 4 labels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: "" 1 name: worker #...
- 1
- Labels の下にラベルが表示されます。
ヒントラベルが存在しない場合は、次のようなキー/値のペアを追加します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=small-pods
手順
設定変更のためのカスタムリソース (CR) を作成します。
重要ファイルシステムが 1 つの場合、または
/var/lib/kubelet
と/var/lib/containers/
が同じファイルシステムにある場合、最も大きな値の設定が満たされるとエビクションがトリガーされます。ファイルシステムはエビクションをトリガーします。コンテナーのガベージコレクション CR のサンプル設定:
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: worker-kubeconfig 1 spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: "" 2 kubeletConfig: evictionSoft: 3 memory.available: "500Mi" 4 nodefs.available: "10%" nodefs.inodesFree: "5%" imagefs.available: "15%" imagefs.inodesFree: "10%" evictionSoftGracePeriod: 5 memory.available: "1m30s" nodefs.available: "1m30s" nodefs.inodesFree: "1m30s" imagefs.available: "1m30s" imagefs.inodesFree: "1m30s" evictionHard: 6 memory.available: "200Mi" nodefs.available: "5%" nodefs.inodesFree: "4%" imagefs.available: "10%" imagefs.inodesFree: "5%" evictionPressureTransitionPeriod: 0s 7 imageMinimumGCAge: 5m 8 imageGCHighThresholdPercent: 80 9 imageGCLowThresholdPercent: 75 10 #...
- 1
- オブジェクトの名前。
- 2
- マシン設定プールからラベルを指定します。
- 3
- コンテナーのガベージコレクションの場合: エビクションのタイプ:
evictionSoft
またはevictionHard
。 - 4
- コンテナーのガベージコレクションの場合: 特定のエビクショントリガー信号に基づくエビクションしきい値。
- 5
- コンテナーのガベージコレクションの場合: ソフトエビクションの猶予期間。このパラメーターは、
eviction-hard
には適用されません。 - 6
- コンテナーのガベージコレクションの場合: 特定のエビクショントリガー信号に基づくエビクションしきい値。
evictionHard
の場合、これらのパラメーターをすべて指定する必要があります。すべてのパラメーターを指定しないと、指定したパラメーターのみが適用され、ガベージコレクションが正しく機能しません。 - 7
- コンテナーのガベージコレクションの場合: エビクションプレッシャー状態から移行するまでの待機時間。
- 8
- イメージのガベージコレクションの場合: イメージがガベージコレクションによって削除されるまでの、未使用のイメージの最小保存期間。
- 9
- イメージガベージコレクションの場合: イメージガベージコレクションをトリガーするディスク使用率 (整数で表されます)。
- 10
- イメージガベージコレクションの場合: イメージガベージコレクションが解放しようとするディスク使用率 (整数で表されます)。
以下のコマンドを実行して CR を作成します。
$ oc create -f <file_name>.yaml
以下に例を示します。
$ oc create -f gc-container.yaml
出力例
kubeletconfig.machineconfiguration.openshift.io/gc-container created
検証
次のコマンドを入力して、ガベージコレクションがアクティブであることを確認します。カスタムリソースで指定した Machine Config Pool では、変更が完全に実行されるまで
UPDATING
が 'true` と表示されます。$ oc get machineconfigpool
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING master rendered-master-546383f80705bd5aeaba93 True False worker rendered-worker-b4c51bb33ccaae6fc4a6a5 False True
7.14. Node Tuning Operator の使用
Node Tuning Operator を理解し、これを使用します。
目的
Node Tuning Operator は、TuneD デーモンを調整することでノードレベルのチューニングを管理し、パフォーマンスプロファイルコントローラーを使用して低レイテンシーのパフォーマンスを実現するのに役立ちます。ほとんどの高パフォーマンスアプリケーションでは、一定レベルのカーネルのチューニングが必要です。Node Tuning Operator は、ノードレベルの sysctl の統一された管理インターフェイスをユーザーに提供し、ユーザーが指定するカスタムチューニングを追加できるよう柔軟性を提供します。
Operator は、コンテナー化された OpenShift Container Platform の TuneD デーモンを Kubernetes デーモンセットとして管理します。これにより、カスタムチューニング仕様が、デーモンが認識する形式でクラスターで実行されるすべてのコンテナー化された TuneD デーモンに渡されます。デーモンは、ノードごとに 1 つずつ、クラスターのすべてのノードで実行されます。
コンテナー化された TuneD デーモンによって適用されるノードレベルの設定は、プロファイルの変更をトリガーするイベントで、または終了シグナルの受信および処理によってコンテナー化された TuneD デーモンが正常に終了する際にロールバックされます。
Node Tuning Operator は、パフォーマンスプロファイルコントローラーを使用して自動チューニングを実装し、OpenShift Container Platform アプリケーションの低レイテンシーパフォーマンスを実現します。
クラスター管理者は、以下のようなノードレベルの設定を定義するパフォーマンスプロファイルを設定します。
- カーネルを kernel-rt に更新します。
- ハウスキーピング用の CPU を選択します。
- 実行中のワークロード用の CPU を選択します。
現在、CPU 負荷分散の無効化は cgroup v2 ではサポートされていません。その結果、cgroup v2 が有効になっている場合は、パフォーマンスプロファイルから望ましい動作が得られない可能性があります。パフォーマンスプロファイルを使用している場合は、cgroup v2 を有効にすることは推奨されません。
Node Tuning Operator は、バージョン 4.1 以降における標準的な OpenShift Container Platform インストールの一部となっています。
OpenShift Container Platform の以前のバージョンでは、Performance Addon Operator を使用して自動チューニングを実装し、OpenShift アプリケーションの低レイテンシーパフォーマンスを実現していました。OpenShift Container Platform 4.11 以降では、この機能は Node Tuning Operator の一部です。
7.14.1. Node Tuning Operator 仕様サンプルへのアクセス
このプロセスを使用して Node Tuning Operator 仕様サンプルにアクセスします。
手順
次のコマンドを実行して、Node Tuning Operator 仕様の例にアクセスします。
oc get tuned.tuned.openshift.io/default -o yaml -n openshift-cluster-node-tuning-operator
デフォルトの CR は、OpenShift Container Platform プラットフォームの標準的なノードレベルのチューニングを提供することを目的としており、Operator 管理の状態を設定するためにのみ変更できます。デフォルト CR へのその他のカスタム変更は、Operator によって上書きされます。カスタムチューニングの場合は、独自のチューニングされた CR を作成します。新規に作成された CR は、ノード/Pod ラベルおよびプロファイルの優先順位に基づいて OpenShift Container Platform ノードに適用されるデフォルトの CR およびカスタムチューニングと組み合わされます。
特定の状況で Pod ラベルのサポートは必要なチューニングを自動的に配信する便利な方法ですが、この方法は推奨されず、とくに大規模なクラスターにおいて注意が必要です。デフォルトの調整された CR は Pod ラベル一致のない状態で提供されます。カスタムプロファイルが Pod ラベル一致のある状態で作成される場合、この機能はその時点で有効になります。Pod ラベル機能は、Node Tuning Operator の将来のバージョンで非推奨になる予定です。
7.14.2. カスタムチューニング仕様
Operator のカスタムリソース (CR) には 2 つの重要なセクションがあります。1 つ目のセクションの profile:
は TuneD プロファイルおよびそれらの名前のリストです。2 つ目の recommend:
は、プロファイル選択ロジックを定義します。
複数のカスタムチューニング仕様は、Operator の namespace に複数の CR として共存できます。新規 CR の存在または古い CR の削除は Operator によって検出されます。既存のカスタムチューニング仕様はすべてマージされ、コンテナー化された TuneD デーモンの適切なオブジェクトは更新されます。
管理状態
Operator 管理の状態は、デフォルトの Tuned CR を調整して設定されます。デフォルトで、Operator は Managed 状態であり、spec.managementState
フィールドはデフォルトの Tuned CR に表示されません。Operator Management 状態の有効な値は以下のとおりです。
- Managed: Operator は設定リソースが更新されるとそのオペランドを更新します。
- Unmanaged: Operator は設定リソースへの変更を無視します。
- Removed: Operator は Operator がプロビジョニングしたオペランドおよびリソースを削除します。
プロファイルデータ
profile:
セクションは、TuneD プロファイルおよびそれらの名前をリスト表示します。
profile: - name: tuned_profile_1 data: | # TuneD profile specification [main] summary=Description of tuned_profile_1 profile [sysctl] net.ipv4.ip_forward=1 # ... other sysctl's or other TuneD daemon plugins supported by the containerized TuneD # ... - name: tuned_profile_n data: | # TuneD profile specification [main] summary=Description of tuned_profile_n profile # tuned_profile_n profile settings
推奨プロファイル
profile:
選択ロジックは、CR の recommend:
セクションによって定義されます。recommend:
セクションは、選択基準に基づくプロファイルの推奨項目のリストです。
recommend: <recommend-item-1> # ... <recommend-item-n>
リストの個別項目:
- machineConfigLabels: 1 <mcLabels> 2 match: 3 <match> 4 priority: <priority> 5 profile: <tuned_profile_name> 6 operand: 7 debug: <bool> 8 tunedConfig: reapply_sysctl: <bool> 9
- 1
- オプション:
- 2
- キー/値の
MachineConfig
ラベルのディクショナリー。キーは一意である必要があります。 - 3
- 省略する場合は、優先度の高いプロファイルが最初に一致するか、
machineConfigLabels
が設定されていない限り、プロファイルの一致が想定されます。 - 4
- オプションのリスト。
- 5
- プロファイルの順序付けの優先度。数値が小さいほど優先度が高くなります (
0
が最も高い優先度になります)。 - 6
- 一致に適用する TuneD プロファイル。例:
tuned_profile_1
- 7
- オプションのオペランド設定。
- 8
- TuneD デーモンのデバッグオンまたはオフを有効にします。オプションは、オンの場合は
true
、オフの場合はfalse
です。デフォルトはfalse
です。 - 9
- TuneD デーモンの
reapply_sysctl
機能をオンまたはオフにします。オプションは on でtrue
、オフの場合はfalse
です。
<match>
は、以下のように再帰的に定義されるオプションの一覧です。
- label: <label_name> 1 value: <label_value> 2 type: <label_type> 3 <match> 4
<match>
が省略されない場合、ネストされたすべての <match>
セクションが true
に評価される必要もあります。そうでない場合には false
が想定され、それぞれの <match>
セクションのあるプロファイルは適用されず、推奨されません。そのため、ネスト化 (子の <match>
セクション) は論理 AND 演算子として機能します。これとは逆に、<match>
一覧のいずれかの項目が一致する場合は、<match>
の一覧全体が true
に評価されます。そのため、リストは論理 OR 演算子として機能します。
machineConfigLabels
が定義されている場合は、マシン設定プールベースのマッチングが指定の recommend:
一覧の項目に対してオンになります。<mcLabels>
はマシン設定のラベルを指定します。マシン設定は、プロファイル <tuned_profile_name>
についてカーネル起動パラメーターなどのホスト設定を適用するために自動的に作成されます。この場合は、マシン設定セレクターが <mcLabels>
に一致するすべてのマシン設定プールを検索し、プロファイル <tuned_profile_name>
を確認されるマシン設定プールが割り当てられるすべてのノードに設定する必要があります。マスターロールとワーカーのロールの両方を持つノードをターゲットにするには、マスターロールを使用する必要があります。
リスト項目の match
および machineConfigLabels
は論理 OR 演算子によって接続されます。match
項目は、最初にショートサーキット方式で評価されます。そのため、true
と評価される場合、machineConfigLabels
項目は考慮されません。
マシン設定プールベースのマッチングを使用する場合は、同じハードウェア設定を持つノードを同じマシン設定プールにグループ化することが推奨されます。この方法に従わない場合は、TuneD オペランドが同じマシン設定プールを共有する 2 つ以上のノードの競合するカーネルパラメーターを計算する可能性があります。
例: ノードまたは Pod のラベルベースのマッチング
- match: - label: tuned.openshift.io/elasticsearch match: - label: node-role.kubernetes.io/master - label: node-role.kubernetes.io/infra type: pod priority: 10 profile: openshift-control-plane-es - match: - label: node-role.kubernetes.io/master - label: node-role.kubernetes.io/infra priority: 20 profile: openshift-control-plane - priority: 30 profile: openshift-node
上記のコンテナー化された TuneD デーモンの CR は、プロファイルの優先順位に基づいてその recommend.conf
ファイルに変換されます。最も高い優先順位 (10
) を持つプロファイルは openshift-control-plane-es
であるため、これが最初に考慮されます。指定されたノードで実行されるコンテナー化された TuneD デーモンは、同じノードに tuned.openshift.io/elasticsearch
ラベルが設定された Pod が実行されているかどうかを確認します。これがない場合は、<match>
セクション全体が false
として評価されます。このラベルを持つこのような Pod がある場合に、<match>
セクションが true
に評価されるようにするには、ノードラベルを node-role.kubernetes.io/master
または node-role.kubernetes.io/infra
にする必要もあります。
優先順位が 10
のプロファイルのラベルが一致した場合は、openshift-control-plane-es
プロファイルが適用され、その他のプロファイルは考慮されません。ノード/Pod ラベルの組み合わせが一致しない場合は、2 番目に高い優先順位プロファイル (openshift-control-plane
) が考慮されます。このプロファイルは、コンテナー化された TuneD Pod が node-role.kubernetes.io/master
または node-role.kubernetes.io/infra
ラベルを持つノードで実行される場合に適用されます。
最後に、プロファイル openshift-node
には最低の優先順位である 30
が設定されます。これには <match>
セクションがないため、常に一致します。これは、より高い優先順位の他のプロファイルが指定されたノードで一致しない場合に openshift-node
プロファイルを設定するために、最低の優先順位のノードが適用される汎用的な (catch-all) プロファイルとして機能します。
例: マシン設定プールベースのマッチング
apiVersion: tuned.openshift.io/v1 kind: Tuned metadata: name: openshift-node-custom namespace: openshift-cluster-node-tuning-operator spec: profile: - data: | [main] summary=Custom OpenShift node profile with an additional kernel parameter include=openshift-node [bootloader] cmdline_openshift_node_custom=+skew_tick=1 name: openshift-node-custom recommend: - machineConfigLabels: machineconfiguration.openshift.io/role: "worker-custom" priority: 20 profile: openshift-node-custom
ノードの再起動を最小限にするには、ターゲットノードにマシン設定プールのノードセレクターが一致するラベルを使用してラベルを付け、上記の Tuned CR を作成してから、最後にカスタムのマシン設定プール自体を作成します。
クラウドプロバイダー固有の TuneD プロファイル
この機能により、すべてのクラウドプロバイダー固有のノードに、OpenShift Container Platform クラスター上の特定のクラウドプロバイダーに合わせて特別に調整された TuneD プロファイルを簡単に割り当てることができます。これは、追加のノードラベルを追加したり、ノードをマシン設定プールにグループ化したりせずに実行できます。
この機能は、<cloud-provider>://<cloud-provider-specific-id>
の形式で spec.providerID
ノードオブジェクト値を利用して、NTO オペランドコンテナーの <cloud-provider>
の値で /var/lib/tuned/provider
ファイルを書き込みます。その後、このファイルのコンテンツは TuneD により、プロバイダー provider-<cloud-provider>
プロファイル (存在する場合) を読み込むために使用されます。
openshift-control-plane
および openshift-node
プロファイルの両方の設定を継承する openshift
プロファイルは、条件付きプロファイルの読み込みを使用してこの機能を使用するよう更新されるようになりました。現時点で、NTO や TuneD にクラウドプロバイダー固有のプロファイルは含まれていません。ただし、すべてのクラウドプロバイダー固有のクラスターノードに適用されるカスタムプロファイル provider-<cloud-provider>
を作成できます。
GCE クラウドプロバイダープロファイルの例
apiVersion: tuned.openshift.io/v1 kind: Tuned metadata: name: provider-gce namespace: openshift-cluster-node-tuning-operator spec: profile: - data: | [main] summary=GCE Cloud provider-specific profile # Your tuning for GCE Cloud provider goes here. name: provider-gce
プロファイルの継承により、provider-<cloud-provider>
プロファイルで指定された設定は、openshift
プロファイルとその子プロファイルによって上書きされます。
7.14.3. クラスターに設定されるデフォルトのプロファイル
以下は、クラスターに設定されるデフォルトのプロファイルです。
apiVersion: tuned.openshift.io/v1 kind: Tuned metadata: name: default namespace: openshift-cluster-node-tuning-operator spec: profile: - data: | [main] summary=Optimize systems running OpenShift (provider specific parent profile) include=-provider-${f:exec:cat:/var/lib/tuned/provider},openshift name: openshift recommend: - profile: openshift-control-plane priority: 30 match: - label: node-role.kubernetes.io/master - label: node-role.kubernetes.io/infra - profile: openshift-node priority: 40
OpenShift Container Platform 4.9 以降では、すべての OpenShift TuneD プロファイルが TuneD パッケージに含まれています。oc exec
コマンドを使用して、これらのプロファイルの内容を表示できます。
$ oc exec $tuned_pod -n openshift-cluster-node-tuning-operator -- find /usr/lib/tuned/openshift{,-control-plane,-node} -name tuned.conf -exec grep -H ^ {} \;
7.14.4. サポートされている TuneD デーモンプラグイン
[main]
セクションを除き、以下の TuneD プラグインは、Tuned CR の profile:
セクションで定義されたカスタムプロファイルを使用する場合にサポートされます。
- audio
- cpu
- disk
- eeepc_she
- modules
- mounts
- net
- scheduler
- scsi_host
- selinux
- sysctl
- sysfs
- usb
- video
- vm
- bootloader
これらのプラグインの一部によって提供される動的チューニング機能の中に、サポートされていない機能があります。以下の TuneD プラグインは現時点でサポートされていません。
- script
- systemd
TuneD ブートローダープラグインは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ワーカーノードのみサポートします。
7.15. ノードあたりの Pod の最大数の設定
podsPerCore
および maxPods
の 2 つのパラメーターはノードに対してスケジュールできる Pod の最大数を制御します。両方のオプションを使用した場合、より低い値の方がノード上の Pod の数を制限します。
たとえば、podsPerCore
が 4 つのプロセッサーコアを持つノード上で、10
に設定されていると、ノード上で許容される Pod の最大数は 40 になります。
前提条件
次のコマンドを入力して、設定するノードタイプの静的な
MachineConfigPool
CRD に関連付けられたラベルを取得します。$ oc edit machineconfigpool <name>
以下に例を示します。
$ oc edit machineconfigpool worker
出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: creationTimestamp: "2022-11-16T15:34:25Z" generation: 4 labels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: "" 1 name: worker #...
- 1
- Labels の下にラベルが表示されます。
ヒントラベルが存在しない場合は、次のようなキー/値のペアを追加します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=small-pods
手順
設定変更のためのカスタムリソース (CR) を作成します。
max-pods
CR の設定例apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: set-max-pods 1 spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: "" 2 kubeletConfig: podsPerCore: 10 3 maxPods: 250 4 #...
注記podsPerCore
を0
に設定すると、この制限が無効になります。上記の例では、
podsPerCore
のデフォルト値は10
であり、maxPods
のデフォルト値は250
です。つまり、ノードのコア数が 25 以上でない限り、デフォルトによりpodsPerCore
が制限要素になります。以下のコマンドを実行して CR を作成します。
$ oc create -f <file_name>.yaml
検証
変更が適用されるかどうかを確認するために、
MachineConfigPool
CRD を一覧表示します。変更が Machine Config Controller によって取得されると、UPDATING
列でTrue
と報告されます。$ oc get machineconfigpools
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED master master-9cc2c72f205e103bb534 False False False worker worker-8cecd1236b33ee3f8a5e False True False
変更が完了すると、
UPDATED
列でTrue
と報告されます。$ oc get machineconfigpools
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED master master-9cc2c72f205e103bb534 False True False worker worker-8cecd1236b33ee3f8a5e True False False
7.16. 静的 IP アドレスを使用したマシンのスケーリング
静的 IP アドレスを持つノードを実行するようにクラスターをデプロイした後、これらの静的 IP アドレスのいずれかを使用するようにマシンまたはマシンセットのインスタンスをスケーリングできます。
7.16.1. 静的 IP アドレスを使用するようにマシンをスケーリングする
追加のマシンセットを拡張して、クラスター上で事前定義された静的 IP アドレスを使用できます。この設定では、マシンリソース YAML ファイルを作成し、このファイルに静的 IP アドレスを定義する必要があります。
vSphere ノードの静的 IP アドレスは、テクノロジープレビューのみの機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
前提条件
-
install-config.yaml
ファイルの最初のエントリーとしてfeatureSet:TechPreviewNoUpgrade
を含めました。 - 設定された静的 IP アドレスを持つ少なくとも 1 つのノードを実行するクラスターをデプロイしました。
手順
マシンリソースの YAML ファイルを作成し、
network
パラメーターに静的 IP アドレスのネットワーク情報を定義します。network
パラメーターで定義された静的 IP アドレス情報を含むマシンリソース YAML ファイルの例。apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: Machine metadata: creationTimestamp: null labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role> name: <infrastructure_id>-<role> namespace: openshift-machine-api spec: lifecycleHooks: {} metadata: {} providerSpec: value: apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 credentialsSecret: name: vsphere-cloud-credentials diskGiB: 120 kind: VSphereMachineProviderSpec memoryMiB: 8192 metadata: creationTimestamp: null network: devices: - gateway: 192.168.204.1 1 ipAddrs: - 192.168.204.8/24 2 nameservers: 3 - 192.168.204.1 networkName: qe-segment-204 numCPUs: 4 numCoresPerSocket: 2 snapshot: "" template: <vm_template_name> userDataSecret: name: worker-user-data workspace: datacenter: <vcenter_datacenter_name> datastore: <vcenter_datastore_name> folder: <vcenter_vm_folder_path> resourcepool: <vsphere_resource_pool> server: <vcenter_server_ip> status: {}
- 1
- ネットワークインターフェイスのデフォルトゲートウェイの IP アドレス。
- 2
- インストールプログラムがネットワークインターフェイスに渡す IPv4、IPv6、またはその両方の IP アドレスをリストします。どちらの IP ファミリーも、デフォルトネットワークに同じネットワークインターフェイスを使用する必要があります。
- 3
- DNS ネームサーバーをリストします。最大 3 つの DNS ネームサーバーを定義できます。1 つの DNS ネームサーバーが到達不能になった場合に、DNS 解決を利用できるように、複数の DNS ネームサーバーを定義することを検討してください。
ターミナルに次のコマンドを入力して、
machine
のカスタムリソース (CR) を作成します。$ oc create -f <file_name>.yaml
7.16.2. 静的 IP アドレスが設定されたマシンのマシンセットスケーリング
マシンセットを使用して、設定された静的 IP アドレスを持つマシンをスケールすることができます。
vSphere ノードの静的 IP アドレスは、テクノロジープレビューのみの機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
マシンの静的 IP アドレスを要求するようにマシンセットを設定した後、マシンコントローラーは openshift-machine-api
namespace に IPAddressClaim
リソースを作成します。次に、外部コントローラーは IPAddress
リソースを作成し、静的 IP アドレスを IPAddressClaim
リソースにバインドします。
組織では、さまざまな種類の IP アドレス管理 (IPAM) サービスを使用している場合があります。OpenShift Container Platform で特定の IPAM サービスを有効にする場合は、YAML 定義で IPAddressClaim
リソースを手動で作成し、oc
CLI で次のコマンドを入力してこのリソースに静的 IP アドレスをバインドしないといけない場合があります。
$ oc create -f <ipaddressclaim_filename>
次に、IPAddressClaim
リソースの例を示します。
kind: IPAddressClaim metadata: finalizers: - machine.openshift.io/ip-claim-protection name: cluster-dev-9n5wg-worker-0-m7529-claim-0-0 namespace: openshift-machine-api spec: poolRef: apiGroup: ipamcontroller.example.io kind: IPPool name: static-ci-pool status: {}
マシンコントローラーはマシンを IPAddressClaimed
のステータスで更新し、静的 IP アドレスが IPAddressClaim
リソースに正常にバインドされたことを示します。マシンコントローラーは、バインドされた静的 IP アドレスをそれぞれに含む複数の IPAddressClaim
リソースを持つマシンに同じステータスを適用します。その後、マシンコントローラーは仮想マシンを作成し、マシンの設定の providerSpec
にリストされているすべてのノードに静的 IP アドレスを適用します。
7.16.3. マシンセットを使用して設定された静的 IP アドレスを持つマシンをスケールする
マシンセットを使用して、設定された静的 IP アドレスを持つマシンをスケールすることができます。
vSphere ノードの静的 IP アドレスは、テクノロジープレビューのみの機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
この手順の例では、マシンセット内のマシンをスケーリングするためのコントローラーの使用方法を示します。
前提条件
-
install-config.yaml
ファイルの最初のエントリーとしてfeatureSet:TechPreviewNoUpgrade
を含めました。 - 設定された静的 IP アドレスを持つ少なくとも 1 つのノードを実行するクラスターをデプロイしました。
手順
マシンセットの YAML ファイルの
network.devices.addressesFromPools
スキーマに IP プール情報を指定して、マシンセットを設定します。apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: annotations: machine.openshift.io/memoryMb: "8192" machine.openshift.io/vCPU: "4" labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> name: <infrastructure_id>-<role> namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 0 selector: matchLabels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role> template: metadata: labels: ipam: "true" machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role> spec: lifecycleHooks: {} metadata: {} providerSpec: value: apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 credentialsSecret: name: vsphere-cloud-credentials diskGiB: 120 kind: VSphereMachineProviderSpec memoryMiB: 8192 metadata: {} network: devices: - addressesFromPools: 1 - group: ipamcontroller.example.io name: static-ci-pool resource: IPPool nameservers: - "192.168.204.1" 2 networkName: qe-segment-204 numCPUs: 4 numCoresPerSocket: 2 snapshot: "" template: rvanderp4-dev-9n5wg-rhcos-generated-region-generated-zone userDataSecret: name: worker-user-data workspace: datacenter: IBMCdatacenter datastore: /IBMCdatacenter/datastore/vsanDatastore folder: /IBMCdatacenter/vm/rvanderp4-dev-9n5wg resourcePool: /IBMCdatacenter/host/IBMCcluster//Resources server: vcenter.ibmc.devcluster.openshift.com
- 1
- 静的 IP アドレスまたは静的 IP アドレスの範囲をリストする IP プールを指定します。IP プールは、カスタムリソース定義 (CRD) への参照、または
IPAddressClaims
リソースハンドラーによってサポートされるリソースのいずれかになります。マシンコントローラーは、マシンセットの設定にリストされている静的 IP アドレスにアクセスし、各アドレスを各マシンに割り当てます。 - 2
- ネームサーバーをリストします。Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP) ネットワーク設定は静的 IP アドレスをサポートしていないため、静的 IP アドレスを受け取るノードにはネームサーバーを指定する必要があります。
oc
CLI で次のコマンドを入力して、マシンセットをスケールします。$ oc scale --replicas=2 machineset <machineset> -n openshift-machine-api
または、以下を実行します。
$ oc edit machineset <machineset> -n openshift-machine-api
各マシンがスケールアップされた後、マシンコントローラーは
IPAddresssClaim
リソースを作成します。オプション: 次のコマンドを入力して、
IPAddressClaim
リソースがopenshift-machine-api
namespace に存在することを確認します。$ oc get ipaddressclaims.ipam.cluster.x-k8s.io -n openshift-machine-api
openshift-machine-api
namespace にリストされている 2 つの IP プールをリストするoc
CLI 出力の例NAME POOL NAME POOL KIND cluster-dev-9n5wg-worker-0-m7529-claim-0-0 static-ci-pool IPPool cluster-dev-9n5wg-worker-0-wdqkt-claim-0-0 static-ci-pool IPPool
次のコマンドを入力して、
IPAddress
リソースを作成します。$ oc create -f ipaddress.yaml
次の例は、定義されたネットワーク設定情報と 1 つの静的 IP アドレスが定義された
IPAddress
リソースを示しています。apiVersion: ipam.cluster.x-k8s.io/v1alpha1 kind: IPAddress metadata: name: cluster-dev-9n5wg-worker-0-m7529-ipaddress-0-0 namespace: openshift-machine-api spec: address: 192.168.204.129 claimRef: 1 name: cluster-dev-9n5wg-worker-0-m7529-claim-0-0 gateway: 192.168.204.1 poolRef: 2 apiGroup: ipamcontroller.example.io kind: IPPool name: static-ci-pool prefix: 23
注記デフォルトでは、外部コントローラーはマシンセット内のリソースを自動的にスキャンして、認識可能なアドレスプールタイプを探します。外部コントローラーが
IPAddress
リソースで定義されたkind: IPPool
を見つけると、コントローラーは静的 IP アドレスをIPAddressClaim
リソースにバインドします。IPAddress
リソースへの参照を使用してIPAddressClaim
ステータスを更新します。$ oc --type=merge patch IPAddressClaim cluster-dev-9n5wg-worker-0-m7529-claim-0-0 -p='{"status":{"addressRef": {"name": "cluster-dev-9n5wg-worker-0-m7529-ipaddress-0-0"}}}' -n openshift-machine-api --subresource=status
第8章 インストール後のネットワーク設定
OpenShift Container Platform のインストール後に、ネットワークをさらに拡張し、要件に合わせてカスタマイズできます。
8.1. Cluster Network Operator の使用
Cluster Network Operator (CNO) を使用すると、インストール時にクラスター用に選択された Container Network Interface (CNI) ネットワークプラグインを含む、OpenShift Container Platform クラスター上のクラスターネットワークコンポーネントをデプロイおよび管理できます。詳細は、OpenShift Container Platform における Cluster Network Operator を参照してください。
8.2. ネットワーク設定タスク
8.2.1. 新規プロジェクトのデフォルトネットワークポリシーの作成
クラスター管理者は、新規プロジェクトの作成時に NetworkPolicy
オブジェクトを自動的に含めるように新規プロジェクトテンプレートを変更できます。
8.2.1.1. 新規プロジェクトのテンプレートの変更
クラスター管理者は、デフォルトのプロジェクトテンプレートを変更し、新規プロジェクトをカスタム要件に基づいて作成することができます。
独自のカスタムプロジェクトテンプレートを作成するには、以下を実行します。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つアカウントを使用して OpenShift Container Platform クラスターにアクセスできる。
手順
-
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてログインしている。 デフォルトのプロジェクトテンプレートを生成します。
$ oc adm create-bootstrap-project-template -o yaml > template.yaml
-
オブジェクトを追加するか、既存オブジェクトを変更することにより、テキストエディターで生成される
template.yaml
ファイルを変更します。 プロジェクトテンプレートは、
openshift-config
namespace に作成される必要があります。変更したテンプレートを読み込みます。$ oc create -f template.yaml -n openshift-config
Web コンソールまたは CLI を使用し、プロジェクト設定リソースを編集します。
Web コンソールの使用
- Administration → Cluster Settings ページに移動します。
- Configuration をクリックし、すべての設定リソースを表示します。
- Project のエントリーを見つけ、Edit YAML をクリックします。
CLI の使用
project.config.openshift.io/cluster
リソースを編集します。$ oc edit project.config.openshift.io/cluster
spec
セクションを、projectRequestTemplate
およびname
パラメーターを組み込むように更新し、アップロードされたプロジェクトテンプレートの名前を設定します。デフォルト名はproject-request
です。カスタムプロジェクトテンプレートを含むプロジェクト設定リソース
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: Project metadata: # ... spec: projectRequestTemplate: name: <template_name> # ...
- 変更を保存した後、変更が正常に適用されたことを確認するために、新しいプロジェクトを作成します。
8.2.1.2. 新規プロジェクトへのネットワークポリシーの追加
クラスター管理者は、ネットワークポリシーを新規プロジェクトのデフォルトテンプレートに追加できます。OpenShift Container Platform は、プロジェクトのテンプレートに指定されたすべての NetworkPolicy
オブジェクトを自動的に作成します。
前提条件
-
クラスターは、
mode: NetworkPolicy
が設定された OpenShift SDN ネットワークプラグインなど、NetworkPolicy
オブジェクトをサポートするデフォルトの CNI ネットワークプラグインを使用します。このモードは OpenShift SDN のデフォルトです。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてクラスターにログインする。 - 新規プロジェクトのカスタムデフォルトプロジェクトテンプレートを作成している。
手順
以下のコマンドを実行して、新規プロジェクトのデフォルトテンプレートを編集します。
$ oc edit template <project_template> -n openshift-config
<project_template>
を、クラスターに設定したデフォルトテンプレートの名前に置き換えます。デフォルトのテンプレート名はproject-request
です。テンプレートでは、各
NetworkPolicy
オブジェクトを要素としてobjects
パラメーターに追加します。objects
パラメーターは、1 つ以上のオブジェクトのコレクションを受け入れます。以下の例では、
objects
パラメーターのコレクションにいくつかのNetworkPolicy
オブジェクトが含まれます。objects: - apiVersion: networking.k8s.io/v1 kind: NetworkPolicy metadata: name: allow-from-same-namespace spec: podSelector: {} ingress: - from: - podSelector: {} - apiVersion: networking.k8s.io/v1 kind: NetworkPolicy metadata: name: allow-from-openshift-ingress spec: ingress: - from: - namespaceSelector: matchLabels: network.openshift.io/policy-group: ingress podSelector: {} policyTypes: - Ingress - apiVersion: networking.k8s.io/v1 kind: NetworkPolicy metadata: name: allow-from-kube-apiserver-operator spec: ingress: - from: - namespaceSelector: matchLabels: kubernetes.io/metadata.name: openshift-kube-apiserver-operator podSelector: matchLabels: app: kube-apiserver-operator policyTypes: - Ingress ...
オプション: 以下のコマンドを実行して、新規プロジェクトを作成し、ネットワークポリシーオブジェクトが正常に作成されることを確認します。
新規プロジェクトを作成します。
$ oc new-project <project> 1
- 1
<project>
を、作成しているプロジェクトの名前に置き換えます。
新規プロジェクトテンプレートのネットワークポリシーオブジェクトが新規プロジェクトに存在することを確認します。
$ oc get networkpolicy NAME POD-SELECTOR AGE allow-from-openshift-ingress <none> 7s allow-from-same-namespace <none> 7s
第9章 イメージストリームとイメージレジストリーの設定
現在のプルシークレットを置き換えるか、新しいプルシークレットを追加することで、クラスターのグローバルプルシークレットを更新できます。ユーザーがインストール中に使用したレジストリーとは別のレジストリーを使用してイメージを保存する場合は、この手順が必要です。詳細は、イメージプルシークレットの使用 を参照してください。
イメージと、イメージストリームまたはイメージレジストリーの設定の詳細は、次のドキュメントを参照してください。
9.1. 非接続クラスターのイメージストリームの設定
OpenShift Container Platform を非接続環境でインストールした後に、Cluster Samples Operator のイメージストリームおよび must-gather
イメージストリームを設定します。
9.1.1. ミラーリングの Cluster Samples Operator のサポート
インストール時に、OpenShift Container Platform は imagestreamtag-to-image
という名前の設定マップを openshift-cluster-samples-operator
namespace に作成します。imagestreamtag-to-image
設定マップには、各イメージストリームタグのエントリー (設定されるイメージ) が含まれます。
設定マップの data フィールドの各エントリーのキーの形式は、<image_stream_name>_<image_stream_tag_name>
です。
OpenShift Container Platform の非接続インストール時に、Cluster Samples Operator のステータスは Removed
に設定されます。これを Managed
に変更することを選択する場合、サンプルがインストールされます。
ネットワークが制限されている環境または切断されている環境でサンプルを使用するには、ネットワークの外部のサービスにアクセスする必要がある場合があります。サービスの例には、Github、Maven Central、npm、RubyGems、PyPi などがあります。場合によっては、Cluster Samples Operator のオブジェクトが必要なサービスに到達できるようにするために、追加の手順を実行する必要があります。
この config map は、イメージストリームをインポートするためにミラーリングする必要があるイメージの参照情報として使用できます。
-
Cluster Samples Operator が
Removed
に設定される場合、ミラーリングされたレジストリーを作成するか、使用する必要のある既存のミラーリングされたレジストリーを判別できます。 - 新しい config map をガイドとして使用し、ミラーリングされたレジストリーに必要なサンプルをミラーリングします。
-
Cluster Samples Operator 設定オブジェクトの
skippedImagestreams
リストに、ミラーリングされていないイメージストリームを追加します。 -
Cluster Samples Operator 設定オブジェクトの
samplesRegistry
をミラーリングされたレジストリーに設定します。 -
次に、Cluster Samples Operator を
Managed
に設定し、ミラーリングしたイメージストリームをインストールします。
9.1.2. 代替のレジストリーまたはミラーリングされたレジストリーでの Cluster Samples Operator イメージストリームの使用
Cluster Samples Operator によって管理される openshift
namespace のほとんどのイメージストリームは、Red Hat レジストリーの registry.redhat.io にあるイメージを参照します。
cli
、installer
、must-gather
、および tests
イメージストリームはインストールペイロードの一部ですが、Cluster Samples Operator によって管理されません。これらについては、この手順で扱いません。
Cluster Samples Operator は、非接続環境では Managed
に設定する必要があります。イメージストリームをインストールするには、ミラーリングされたレジストリーが必要です。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - ミラーレジストリーのプルシークレットの作成。
手順
ミラーリングする特定のイメージストリームのイメージにアクセスします。
$ oc get is <imagestream> -n openshift -o json | jq .spec.tags[].from.name | grep registry.redhat.io
必要なイメージストリームに関連付けられた registry.redhat.io のイメージをミラーリングします。
$ oc image mirror registry.redhat.io/rhscl/ruby-25-rhel7:latest ${MIRROR_ADDR}/rhscl/ruby-25-rhel7:latest
クラスターのイメージ設定オブジェクトを作成します。
$ oc create configmap registry-config --from-file=${MIRROR_ADDR_HOSTNAME}..5000=$path/ca.crt -n openshift-config
クラスターのイメージ設定オブジェクトに、ミラーに必要な信頼される CA を追加します。
$ oc patch image.config.openshift.io/cluster --patch '{"spec":{"additionalTrustedCA":{"name":"registry-config"}}}' --type=merge
Cluster Samples Operator 設定オブジェクトの
samplesRegistry
フィールドを、ミラー設定で定義されたミラーの場所のhostname
の部分を含むように更新します。$ oc edit configs.samples.operator.openshift.io -n openshift-cluster-samples-operator
注記これは、イメージストリームのインポートプロセスでミラーまたは検索メカニズムが使用されないので必要になります。
Cluster Samples Operator 設定オブジェクトの
skippedImagestreams
フィールドにミラーリングされないイメージストリームを追加します。または、サンプルイメージストリームのいずれもサポートする必要がない場合は、Cluster Samples Operator を Cluster Samples Operator 設定オブジェクトのRemoved
に設定します。注記Cluster Samples Operator は、イメージストリームのインポートに失敗した場合にアラートを発行しますが、Cluster Samples Operator は定期的に再試行する場合もあれば、それらを再試行していないように見える場合もあります。
openshift
namespace のテンプレートの多くはイメージストリームを参照します。そのため、Removed
を使用してイメージストリームとテンプレートの両方を除去すると、イメージストリームのいずれかが欠落しているためにテンプレートが正常に機能しない場合にテンプレートの使用を試行する可能性がなくなります。
9.1.3. サポートデータを収集するためのクラスターの準備
ネットワークが制限された環境を使用するクラスターは、Red Hat サポート用のデバッグデータを収集するために、デフォルトの must-gather イメージをインポートする必要があります。must-gather イメージはデフォルトでインポートされず、ネットワークが制限された環境のクラスターは、リモートリポジトリーから最新のイメージをプルするためにインターネットにアクセスできません。
手順
ミラーレジストリーの信頼される CA を Cluster Samples Operator 設定の一部としてクラスターのイメージ設定オブジェクトに追加していない場合は、以下の手順を実行します。
クラスターのイメージ設定オブジェクトを作成します。
$ oc create configmap registry-config --from-file=${MIRROR_ADDR_HOSTNAME}..5000=$path/ca.crt -n openshift-config
クラスターのイメージ設定オブジェクトに、ミラーに必要な信頼される CA を追加します。
$ oc patch image.config.openshift.io/cluster --patch '{"spec":{"additionalTrustedCA":{"name":"registry-config"}}}' --type=merge
インストールペイロードからデフォルトの must-gather イメージをインポートします。
$ oc import-image is/must-gather -n openshift
oc adm must-gather
コマンドの実行時に、以下の例のように --image
フラグを使用し、ペイロードイメージを参照します。
$ oc adm must-gather --image=$(oc adm release info --image-for must-gather)
9.2. Cluster Sample Operator イメージストリームタグの定期的なインポートの設定
新しいバージョンが利用可能になったときにイメージストリームタグを定期的にインポートすることで、Cluster Sample Operator イメージの最新バージョンに常にアクセスできるようになります。
手順
次のコマンドを実行して、
openshift
namespace のすべてのイメージストリームを取得します。oc get imagestreams -nopenshift
次のコマンドを実行して、
openshift
namespace のすべてのイメージストリームのタグを取得します。$ oc get is <image-stream-name> -o jsonpath="{range .spec.tags[*]}{.name}{'\t'}{.from.name}{'\n'}{end}" -nopenshift
以下に例を示します。
$ oc get is ubi8-openjdk-17 -o jsonpath="{range .spec.tags[*]}{.name}{'\t'}{.from.name}{'\n'}{end}" -nopenshift
出力例
1.11 registry.access.redhat.com/ubi8/openjdk-17:1.11 1.12 registry.access.redhat.com/ubi8/openjdk-17:1.12
次のコマンドを実行して、イメージストリームに存在する各タグのイメージの定期的なインポートをスケジュールします。
$ oc tag <repository/image> <image-stream-name:tag> --scheduled -nopenshift
以下に例を示します。
$ oc tag registry.access.redhat.com/ubi8/openjdk-17:1.11 ubi8-openjdk-17:1.11 --scheduled -nopenshift $ oc tag registry.access.redhat.com/ubi8/openjdk-17:1.12 ubi8-openjdk-17:1.12 --scheduled -nopenshift
このコマンドにより、OpenShift Container Platform はこの特定のイメージストリームタグを定期的に更新します。この期間はクラスター全体のデフォルトで 15 分に設定されます。
次のコマンドを実行して、定期的なインポートのスケジュールステータスを確認します。
oc get imagestream <image-stream-name> -o jsonpath="{range .spec.tags[*]}Tag: {.name}{'\t'}Scheduled: {.importPolicy.scheduled}{'\n'}{end}" -nopenshift
以下に例を示します。
oc get imagestream ubi8-openjdk-17 -o jsonpath="{range .spec.tags[*]}Tag: {.name}{'\t'}Scheduled: {.importPolicy.scheduled}{'\n'}{end}" -nopenshift
出力例
Tag: 1.11 Scheduled: true Tag: 1.12 Scheduled: true
第10章 インストール後のストレージ設定
OpenShift Container Platform のインストール後に、ストレージの設定を含め、クラスターをさらに拡張し、要件に合わせてカスタマイズできます。
デフォルトでは、コンテナーは一時ストレージまたは一時的なローカルストレージを使用して動作します。一時ストレージには有効期間の制限があります。データを長期間保存するには、永続ストレージを設定する必要があります。以下の方法のいずれかを使用してストレージを設定できます。
- 動的プロビジョニング
- ストレージアクセスを含む異なるレベルのストレージを制御するストレージクラスを定義して作成することで、オンデマンドでストレージを動的にプロビジョニングできます。
- 静的プロビジョニング
- Kubernetes 永続ボリュームを使用して、既存のストレージをクラスターで利用できるようにすることができます。静的プロビジョニングは、さまざまなデバイス設定とマウントオプションをサポートできます。
10.1. 動的プロビジョニング
動的プロビジョニングにより、ストレージボリュームをオンデマンドで作成し、クラスター管理者がストレージを事前にプロビジョニングする必要をなくすことができます。動的プロビジョニング を参照してください。
10.2. 設定可能な推奨のストレージ技術
以下の表では、特定の OpenShift Container Platform クラスターアプリケーション向けに設定可能な推奨のストレージ技術をまとめています。
ストレージタイプ | ブロック | ファイル | オブジェクト |
---|---|---|---|
1
2 3 Prometheus はメトリックに使用される基礎となるテクノロジーです。 4 これは、物理ディスク、VM 物理ディスク、VMDK、NFS 経由のループバック、AWS EBS、および Azure Disk には該当しません。
5 メトリックの場合、 6 ログは、ログストアの永続ストレージの設定セクションで推奨されるストレージソリューションを確認してください。NFS ストレージを永続ボリュームとして使用するか、Gluster などの NAS を介して使用すると、データが破損する可能性があります。したがって、NFS は、OpenShift Container Platform Logging の Elasticsearch ストレージおよび LokiStack ログストアではサポートされていません。ログストアごとに 1 つの永続的なボリュームタイプを使用する必要があります。 7 オブジェクトストレージは、OpenShift Container Platform の PV/PVC で消費されません。アプリは、オブジェクトストレージの REST API と統合する必要があります。 | |||
ROX1 | はい4 | はい4 | はい |
RWX2 | いいえ | はい | はい |
レジストリー | 設定可能 | 設定可能 | 推奨 |
スケーリングされたレジストリー | 設定不可 | 設定可能 | 推奨 |
メトリクス3 | 推奨 | 設定可能5 | 設定不可 |
Elasticsearch ロギング | 推奨 | 設定可能6 | サポート対象外6 |
Loki ロギング | 設定不可 | 設定不可 | 推奨 |
アプリ | 推奨 | 推奨 | 設定不可7 |
スケーリングされたレジストリーは、2 つ以上の Pod レプリカが実行されている OpenShift イメージレジストリーです。
10.2.1. 特定アプリケーションのストレージの推奨事項
テストにより、NFS サーバーを Red Hat Enterprise Linux (RHEL) でコアサービスのストレージバックエンドとして使用することに関する問題が検出されています。これには、OpenShift Container レジストリーおよび Quay、メトリックストレージの Prometheus、およびロギングストレージの Elasticsearch が含まれます。そのため、コアサービスで使用される PV をサポートするために RHEL NFS を使用することは推奨されていません。
他の NFS の実装ではこれらの問題が検出されない可能性があります。OpenShift Container Platform コアコンポーネントに対して実施された可能性のあるテストに関する詳細情報は、個別の NFS 実装ベンダーにお問い合わせください。
10.2.1.1. レジストリー
スケーリングされていない/高可用性 (HA) OpenShift イメージレジストリークラスターのデプロイメントでは、次のようになります。
- ストレージ技術は、RWX アクセスモードをサポートする必要はありません。
- ストレージ技術は、リードアフターライト (Read-After-Write) の一貫性を確保する必要があります。
- 推奨されるストレージ技術はオブジェクトストレージであり、次はブロックストレージです。
- ファイルストレージは、実稼働ワークロードを使用した OpenShift イメージレジストリークラスターのデプロイメントには推奨されません。
10.2.1.2. スケーリングされたレジストリー
スケーリングされた/HA OpenShift イメージレジストリークラスターのデプロイメントでは、次のようになります。
- ストレージ技術は、RWX アクセスモードをサポートする必要があります。
- ストレージ技術は、リードアフターライト (Read-After-Write) の一貫性を確保する必要があります。
- 推奨されるストレージ技術はオブジェクトストレージです。
- Red Hat OpenShift Data Foundation (ODF)、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、Google Cloud Storage (GCS)、Microsoft Azure Blob Storage、および OpenStack Swift がサポートされています。
- オブジェクトストレージは S3 または Swift に準拠する必要があります。
- vSphere やベアメタルインストールなどのクラウド以外のプラットフォームの場合、設定可能な技術はファイルストレージのみです。
- ブロックストレージは設定できません。
- OpenShift Container Platform での Network File System (NFS) ストレージの使用がサポートされています。ただし、スケーリングされたレジストリーで NFS ストレージを使用すると、既知の問題が発生する可能性があります。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション Is NFS supported for OpenShift cluster internal components in Production? を参照してください。
10.2.1.3. メトリクス
OpenShift Container Platform がホストするメトリックのクラスターデプロイメント:
- 推奨されるストレージ技術はブロックストレージです。
- オブジェクトストレージは設定できません。
実稼働ワークロードがあるホスト型のメトリッククラスターデプロイメントにファイルストレージを使用することは推奨されません。
10.2.1.4. ロギング
OpenShift Container Platform がホストするロギングのクラスターデプロイメント:
Loki Operator:
- 推奨されるストレージテクノロジーは、S3 互換のオブジェクトストレージです。
- ブロックストレージは設定できません。
OpenShift Elasticsearch Operator:
- 推奨されるストレージ技術はブロックストレージです。
- オブジェクトストレージはサポートされていません。
Logging バージョン 5.4.3 の時点で、OpenShift Elasticsearch Operator は非推奨であり、今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、この機能に対して現在のリリースライフサイクル中にバグ修正とサポートを提供しますが、拡張機能の提供はなく、この機能は今後削除される予定です。OpenShift Elasticsearch Operator を使用してデフォルトのログストレージを管理する代わりに、Loki Operator を使用できます。
10.2.1.5. アプリケーション
以下の例で説明されているように、アプリケーションのユースケースはアプリケーションごとに異なります。
- 動的な PV プロビジョニングをサポートするストレージ技術は、マウント時のレイテンシーが低く、ノードに関連付けられておらず、正常なクラスターをサポートします。
- アプリケーション開発者はアプリケーションのストレージ要件や、それがどのように提供されているストレージと共に機能するかを理解し、アプリケーションのスケーリング時やストレージレイヤーと対話する際に問題が発生しないようにしておく必要があります。
10.2.2. 特定のアプリケーションおよびストレージの他の推奨事項
etcd
などの Write
集中型ワークロードで RAID 設定を使用することは推奨しません。RAID 設定で etcd
を実行している場合、ワークロードでパフォーマンスの問題が発生するリスクがある可能性があります。
- Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) Cinder: RHOSP Cinder は ROX アクセスモードのユースケースで適切に機能する傾向があります。
- データベース: データベース (RDBMS、NoSQL DB など) は、専用のブロックストレージで最適に機能することが予想されます。
- etcd データベースには、大規模なクラスターを有効にするのに十分なストレージと十分なパフォーマンス容量が必要です。十分なストレージと高性能環境を確立するための監視およびベンチマークツールに関する情報は、推奨される etcd プラクティス に記載されています。
10.3. Red Hat OpenShift Data Foundation のデプロイ
Red Hat OpenShift Data Foundation は、インハウスまたはハイブリッドクラウドのいずれの場合でもファイル、ブロックおよびオブジェクトストレージをサポートし、OpenShift Container Platform のすべてに対応する永続ストレージのプロバイダーです。Red Hat のストレージソリューションとして、Red Hat OpenShift Data Foundation は、デプロイメント、管理およびモニタリングを行うために OpenShift Container Platform に完全に統合されています。詳細は、Red Hat OpenShift Data Foundation のドキュメント を参照してください。
OpenShift Container Platform でインストールされた仮想マシンをホストするハイパーコンバージドノードを使用する Red Hat Hyperconverged Infrastructure (RHHI) for Virtualization の上部にある OpenShift Data Foundation は、サポート対象の設定ではありません。サポートされるプラットフォームの詳細は、Red Hat OpenShift Data Foundation Supportability and Interoperability Guide を参照してください。
Red Hat OpenShift Data Foundation に関する情報 | Red Hat OpenShift Data Foundation のドキュメントの参照先 |
---|---|
新機能、既知の問題、主なバグ修正およびテクノロジープレビュー | |
サポートされるワークロード、レイアウト、ハードウェアおよびソフトウェア要件、サイジング、スケーリングに関する推奨事項 | |
外部の Red Hat Ceph Storage クラスターを使用するように OpenShift Data Foundation をデプロイする手順 | |
ベアメタルインフラストラクチャーでローカルストレージを使用した OpenShift Data Foundation のデプロイ手順 | |
Red Hat OpenShift Container Platform VMware vSphere クラスターへの OpenShift Data Foundation のデプロイ手順 | |
ローカルまたはクラウドストレージの Amazon Web Services を使用した OpenShift Data Foundation のデプロイ手順 | Amazon Web Services を使用した OpenShift Data Foundation 4.12 のデプロイ |
既存の Red Hat OpenShift Container Platform Google Cloud クラスターへの OpenShift Data Foundation のデプロイおよび管理手順 | Google Cloud を使用した OpenShift Data Foundation 4.12 のデプロイおよび管理 |
既存の Red Hat OpenShift Container Platform Azure クラスターへの OpenShift Data Foundation のデプロイおよび管理手順 | Microsoft Azure を使用した OpenShift Data Foundation 4.12 のデプロイおよび管理 |
IBM Power® インフラストラクチャーでローカルストレージを使用するように OpenShift Data Foundation をデプロイする手順 | |
IBM Z® インフラストラクチャーでローカルストレージを使用するように OpenShift Data Foundation をデプロイする手順 | |
スナップショットおよびクローンを含む、Red Hat OpenShift Data Foundation のコアサービスおよびホスト型アプリケーションへのストレージの割り当て | |
Multicloud Object Gateway (NooBaa) を使用したハイブリッドクラウドまたはマルチクラウド環境でのストレージリソースの管理 | |
Red Hat OpenShift Data Foundation のストレージデバイスの安全な置き換え | |
Red Hat OpenShift Data Foundation クラスター内のノードの安全な置き換え | |
Red Hat OpenShift Data Foundation でのスケーリング操作 | |
Red Hat OpenShift Data Foundation 4.12 クラスターのモニタリング | |
操作中に発生する問題の解決 | |
OpenShift Container Platform クラスターのバージョン 3 からバージョン 4 への移行 |
第11章 ユーザー向けの準備
OpenShift Container Platform のインストール後に、ユーザー向けに準備するための手順を含め、クラスターをさらに拡張し、要件に合わせてカスタマイズできます。
11.1. アイデンティティープロバイダー設定について
OpenShift Container Platform コントロールプレーンには、組み込まれた OAuth サーバーが含まれます。開発者および管理者は OAuth アクセストークンを取得して、API に対して認証します。
管理者は、クラスターのインストール後に、OAuth をアイデンティティープロバイダーを指定するように設定できます。
11.1.1. OpenShift Container Platform のアイデンティティープロバイダーについて
デフォルトでは、kubeadmin
ユーザーのみがクラスターに存在します。アイデンティティープロバイダーを指定するには、アイデンティティープロバイダーを記述し、これをクラスターに追加するカスタムリソースを作成する必要があります。
/
、:
、および %
を含む OpenShift Container Platform ユーザー名はサポートされません。
11.1.2. サポートされるアイデンティティープロバイダー
以下の種類のアイデンティティープロバイダーを設定できます。
アイデンティティープロバイダー | 説明 |
---|---|
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
|
アイデンティティープロバイダーを定義した後、RBAC を使用してパーミッションを定義および適用 できます。
11.1.3. アイデンティティープロバイダーパラメーター
以下のパラメーターは、すべてのアイデンティティープロバイダーに共通するパラメーターです。
パラメーター | 説明 |
---|---|
| プロバイダー名は、プロバイダーのユーザー名に接頭辞として付加され、アイデンティティー名が作成されます。 |
| 新規アイデンティティーがログイン時にユーザーにマップされる方法を定義します。以下の値のいずれかを入力します。
|
mappingMethod
パラメーターを add
に設定すると、アイデンティティープロバイダーの追加または変更時に新規プロバイダーのアイデンティティーを既存ユーザーにマッピングできます。
11.1.4. アイデンティティープロバイダー CR のサンプル
以下のカスタムリソース (CR) は、アイデンティティープロバイダーを設定するために使用するパラメーターおよびデフォルト値を示します。この例では、htpasswd アイデンティティープロバイダーを使用しています。
アイデンティティープロバイダー CR のサンプル
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: OAuth metadata: name: cluster spec: identityProviders: - name: my_identity_provider 1 mappingMethod: claim 2 type: HTPasswd htpasswd: fileData: name: htpass-secret 3
11.2. RBAC の使用によるパーミッションの定義および適用
ロールベースのアクセス制御を理解し、これを適用します。
11.2.1. RBAC の概要
ロールベースアクセス制御 (RBAC) オブジェクトは、ユーザーがプロジェクト内で所定のアクションを実行することが許可されるかどうかを決定します。
これにより、プラットフォーム管理者はクラスターロールおよびバインディングを使用して、OpenShift Container Platform プラットフォーム自体およびすべてのプロジェクトへの各種のアクセスレベルを持つユーザーを制御できます。
開発者はローカルロールとバインディングを使用して、プロジェクトにアクセスできるユーザーを制御できます。認可は認証とは異なる手順であることに注意してください。認証はアクションを実行するユーザーのアイデンティティーの判別により密接に関連しています。
認可は以下を使用して管理されます。
認可オブジェクト | 説明 |
---|---|
ルール |
オブジェクトのセットで許可されている動詞のセット(例: ユーザーまたはサービスアカウントが Pod の |
ロール | ルールのコレクション。ユーザーおよびグループを複数のロールに関連付けたり、バインドしたりできます。 |
バインディング | ロールを使用したユーザー/グループ間の関連付けです。 |
2 つのレベルの RBAC ロールおよびバインディングが認可を制御します。
RBAC レベル | 説明 |
---|---|
クラスター RBAC | すべてのプロジェクトで適用可能なロールおよびバインディングです。クラスターロール はクラスター全体で存在し、クラスターロールのバインディング はクラスターロールのみを参照できます。 |
ローカル RBAC | 所定のプロジェクトにスコープ設定されているロールおよびバインディングです。ローカルロール は単一プロジェクトのみに存在し、ローカルロールのバインディングはクラスターロールおよびローカルロールの 両方 を参照できます。 |
クラスターのロールバインディングは、クラスターレベルで存在するバインディングですが、ロールバインディングはプロジェクトレベルで存在します。ロールバインディングは、プロジェクトレベルで存在します。クラスターの view (表示) ロールは、ユーザーがプロジェクトを表示できるようローカルのロールバインディングを使用してユーザーにバインドする必要があります。ローカルロールは、クラスターのロールが特定の状況に必要なパーミッションのセットを提供しない場合にのみ作成する必要があります。
この 2 つのレベルからなる階層により、ローカルロールで個別プロジェクト内のカスタマイズが可能になる一方で、クラスターロールによる複数プロジェクト間での再利用が可能になります。
評価時に、クラスターロールのバインディングおよびローカルロールのバインディングが使用されます。以下に例を示します。
- クラスター全体の "allow" ルールがチェックされます。
- ローカルにバインドされた "allow" ルールがチェックされます。
- デフォルトで拒否します。
11.2.1.1. デフォルトのクラスターロール
OpenShift Container Platform には、クラスター全体で、またはローカルにユーザーおよびグループにバインドできるデフォルトのクラスターロールのセットが含まれます。
デフォルトのクラスターロールを手動で変更することは推奨されません。このようなシステムロールへの変更は、クラスターが正常に機能しなくなることがあります。
デフォルトのクラスターロール | 説明 |
---|---|
|
プロジェクトマネージャー。ローカルバインディングで使用される場合、 |
| プロジェクトおよびユーザーに関する基本的な情報を取得できるユーザーです。 |
| すべてのプロジェクトですべてのアクションを実行できるスーパーユーザーです。ローカルバインディングでユーザーにバインドされる場合は、クォータに対する完全な制御およびプロジェクト内のすべてのリソースに対するすべてのアクションを実行できます。 |
| 基本的なクラスターのステータス情報を取得できるユーザーです。 |
| ほとんどのオブジェクトを取得または表示できるが、変更できないユーザー。 |
| プロジェクトのほとんどのプロジェクトを変更できるが、ロールまたはバインディングを表示したり、変更したりする機能を持たないユーザーです。 |
| 独自のプロジェクトを作成できるユーザーです。 |
| 変更できないものの、プロジェクトでほとんどのオブジェクトを確認できるユーザーです。それらはロールまたはバインディングを表示したり、変更したりできません。 |
ローカルバインディングとクラスターバインディングに関する違いに留意してください。ローカルのロールバインディングを使用して cluster-admin
ロールをユーザーにバインドする場合、このユーザーがクラスター管理者の特権を持っているように表示されます。しかし、実際はそうではありません。一方、cluster-admin
をプロジェクトのユーザーにバインドすると、そのプロジェクトにのみ有効なスーパー管理者の権限がそのユーザーに付与されます。そのユーザーはクラスターロール admin
のパーミッションを有するほか、レート制限を編集する機能などの、そのプロジェクトに関するいくつかの追加パーミッションを持ちます。このバインディングは、クラスター管理者にバインドされるクラスターのロールバインディングをリスト表示しない Web コンソール UI を使うと分かりにくくなります。ただし、これは、cluster-admin
をローカルにバインドするために使用するローカルのロールバインディングをリスト表示します。
クラスターロール、クラスターロールのバインディング、ローカルロールのバインディング、ユーザー、グループおよびサービスアカウントの関係は以下に説明されています。
get pods/exec
、get pods/*
、および get *
ルールは、ロールに適用されると実行権限を付与します。最小権限の原則を適用し、ユーザーおよびエージェントに必要な最小限の RBAC 権限のみを割り当てます。詳細は、RBAC ルールによる実行権限の許可 を参照してください。
11.2.1.2. 認可の評価
OpenShift Container Platform は以下を使用して認可を評価します。
- アイデンティティー
- ユーザーが属するユーザー名とグループのリスト。
- アクション
実行する動作。ほとんどの場合、これは以下で構成されます。
- プロジェクト: アクセスするプロジェクト。プロジェクトは追加のアノテーションを含む Kubernetes namespace であり、これにより、ユーザーのコミュニティーは、他のコミュニティーと分離された状態で独自のコンテンツを編成し、管理できます。
-
動詞:
get
、list
、create
、update
、delete
、deletecollection
、またはwatch
などのアクション自体。 - リソース名: アクセスする API エンドポイント。
- バインディング
- バインディングの詳細なリスト、ロールを持つユーザーまたはグループ間の関連付け。
OpenShift Container Platform は以下の手順を使用して認可を評価します。
- アイデンティティーおよびプロジェクトでスコープ設定されたアクションは、ユーザーおよびそれらのグループに適用されるすべてのバインディングを検索します。
- バインディングは、適用されるすべてのロールを見つけるために使用されます。
- ロールは、適用されるすべてのルールを見つけるために使用されます。
- 一致を見つけるために、アクションが各ルールに対してチェックされます。
- 一致するルールが見つからない場合、アクションはデフォルトで拒否されます。
ユーザーおよびグループは一度に複数のロールに関連付けたり、バインドしたりできることに留意してください。
プロジェクト管理者は CLI を使用してローカルロールとローカルバインディングを表示できます。これには、それぞれのロールが関連付けられる動詞およびリソースのマトリクスが含まれます。
プロジェクト管理者にバインドされるクラスターロールは、ローカルバインディングによってプロジェクト内で制限されます。これは、cluster-admin または system:admin に付与されるクラスターロールのようにクラスター全体でバインドされる訳ではありません。
クラスターロールは、クラスターレベルで定義されるロールですが、クラスターレベルまたはプロジェクトレベルのいずれかでバインドできます。
11.2.1.2.1. クラスターロールの集計
デフォルトの admin、edit、view、cluster-reader クラスターロールでは、クラスターロールの集約 がサポートされており、各ロールは新規ルール作成時に動的に更新されます。この機能は、カスタムリソースを作成して Kubernetes API を拡張する場合にのみ適用できます。
11.2.2. プロジェクトおよび namespace
Kubernetes namespace は、クラスターでスコープ設定するメカニズムを提供します。namespace の詳細は、Kubernetes ドキュメント を参照してください。
Namespace は以下の一意のスコープを提供します。
- 基本的な命名の衝突を避けるための名前付きリソース。
- 信頼されるユーザーに委任された管理権限。
- コミュニティーリソースの消費を制限する機能。
システム内の大半のオブジェクトのスコープは namespace で設定されますが、一部はノードやユーザーを含め、除外され、namespace が設定されません。
プロジェクト は追加のアノテーションを持つ Kubernetes namespace であり、通常ユーザーのリソースへのアクセスが管理される中心的な手段です。プロジェクトはユーザーのコミュニティーが他のコミュニティーとは切り離してコンテンツを編成し、管理することを許可します。ユーザーには、管理者によってプロジェクトへのアクセスが付与される必要があり、許可される場合はプロジェクトを作成でき、それらの独自のプロジェクトへのアクセスが自動的に付与されます。
プロジェクトには、別個の name
、displayName
、および description
を設定できます。
-
必須の
name
はプロジェクトの一意の識別子であり、CLI ツールまたは API を使用する場合に最も表示されます。名前の最大長さは 63 文字です。 -
オプションの
displayName
は、Web コンソールでのプロジェクトの表示方法を示します (デフォルトはname
に設定される)。 -
オプションの
description
には、プロジェクトのさらに詳細な記述を使用でき、これも Web コンソールで表示できます。
各プロジェクトは、以下の独自のセットのスコープを設定します。
オブジェクト | 説明 |
---|---|
| Pod、サービス、レプリケーションコントローラーなど。 |
| ユーザーがオブジェクトに対してアクションを実行できるかどうかに関するルール。 |
| 制限を設定できるそれぞれの種類のオブジェクトのクォータ。 |
| サービスアカウントは、プロジェクトのオブジェクトへの指定されたアクセスで自動的に機能します。 |
クラスター管理者はプロジェクトを作成でき、プロジェクトの管理者権限をユーザーコミュニティーの任意のメンバーに委任できます。クラスター管理者は、開発者が独自のプロジェクトを作成することも許可できます。
開発者および管理者は、CLI または Web コンソールを使用してプロジェクトとの対話を実行できます。
11.2.3. デフォルトプロジェクト
OpenShift Container Platform にはデフォルトのプロジェクトが多数含まれ、openshift-
で始まるプロジェクトはユーザーにとって最も重要になります。これらのプロジェクトは、Pod として実行されるマスターコンポーネントおよび他のインフラストラクチャーコンポーネントをホストします。Critical Pod アノテーション を持つこれらの namespace で作成される Pod は Critical (重要) とみなされ、kubelet によるアドミッションが保証されます。これらの namespace のマスターコンポーネント用に作成された Pod には、すでに Critical のマークが付けられています。
デフォルトプロジェクトでワークロードを実行したり、デフォルトプロジェクトへのアクセスを共有したりしないでください。デフォルトのプロジェクトは、コアクラスターコンポーネントを実行するために予約されています。
デフォルトプロジェクトである default
、kube-public
、kube-system
、openshift
、openshift-infra
、openshift-node
、および openshift.io/run-level
ラベルが 0
または 1
に設定されているその他のシステム作成プロジェクトは、高い特権があるとみなされます。Pod セキュリティーアドミッション、Security Context Constraints、クラスターリソースクォータ、イメージ参照解決などのアドミッションプラグインに依存する機能は、高い特権を持つプロジェクトでは機能しません。
11.2.4. クラスターロールおよびバインディングの表示
oc
CLI で oc describe
コマンドを使用して、クラスターロールおよびバインディングを表示できます。
前提条件
-
oc
CLI がインストールされている。 - クラスターロールおよびバインディングを表示するパーミッションを取得します。
クラスター全体でバインドされた cluster-admin
のデフォルトのクラスターロールを持つユーザーは、クラスターロールおよびバインディングの表示を含む、すべてのリソースでのすべてのアクションを実行できます。
手順
クラスターロールおよびそれらの関連付けられたルールセットを表示するには、以下を実行します。
$ oc describe clusterrole.rbac
出力例
Name: admin Labels: kubernetes.io/bootstrapping=rbac-defaults Annotations: rbac.authorization.kubernetes.io/autoupdate: true PolicyRule: Resources Non-Resource URLs Resource Names Verbs --------- ----------------- -------------- ----- .packages.apps.redhat.com [] [] [* create update patch delete get list watch] imagestreams [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch create get list watch] imagestreams.image.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch create get list watch] secrets [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch create delete deletecollection patch update] buildconfigs/webhooks [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] buildconfigs [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] buildlogs [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] deploymentconfigs/scale [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] deploymentconfigs [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] imagestreamimages [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] imagestreammappings [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] imagestreamtags [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] processedtemplates [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] routes [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] templateconfigs [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] templateinstances [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] templates [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] deploymentconfigs.apps.openshift.io/scale [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] deploymentconfigs.apps.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] buildconfigs.build.openshift.io/webhooks [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] buildconfigs.build.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] buildlogs.build.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] imagestreamimages.image.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] imagestreammappings.image.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] imagestreamtags.image.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] routes.route.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] processedtemplates.template.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] templateconfigs.template.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] templateinstances.template.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] templates.template.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] serviceaccounts [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch impersonate create delete deletecollection patch update get list watch] imagestreams/secrets [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch] rolebindings [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch] roles [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch] rolebindings.authorization.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch] roles.authorization.openshift.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch] imagestreams.image.openshift.io/secrets [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch] rolebindings.rbac.authorization.k8s.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch] roles.rbac.authorization.k8s.io [] [] [create delete deletecollection get list patch update watch] networkpolicies.extensions [] [] [create delete deletecollection patch update create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] networkpolicies.networking.k8s.io [] [] [create delete deletecollection patch update create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] configmaps [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] endpoints [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] persistentvolumeclaims [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] pods [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] replicationcontrollers/scale [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] replicationcontrollers [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] services [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] daemonsets.apps [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] deployments.apps/scale [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] deployments.apps [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] replicasets.apps/scale [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] replicasets.apps [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] statefulsets.apps/scale [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] statefulsets.apps [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] horizontalpodautoscalers.autoscaling [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] cronjobs.batch [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] jobs.batch [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] daemonsets.extensions [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] deployments.extensions/scale [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] deployments.extensions [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] ingresses.extensions [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] replicasets.extensions/scale [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] replicasets.extensions [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] replicationcontrollers.extensions/scale [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] poddisruptionbudgets.policy [] [] [create delete deletecollection patch update get list watch] deployments.apps/rollback [] [] [create delete deletecollection patch update] deployments.extensions/rollback [] [] [create delete deletecollection patch update] catalogsources.operators.coreos.com [] [] [create update patch delete get list watch] clusterserviceversions.operators.coreos.com [] [] [create update patch delete get list watch] installplans.operators.coreos.com [] [] [create update patch delete get list watch] packagemanifests.operators.coreos.com [] [] [create update patch delete get list watch] subscriptions.operators.coreos.com [] [] [create update patch delete get list watch] buildconfigs/instantiate [] [] [create] buildconfigs/instantiatebinary [] [] [create] builds/clone [] [] [create] deploymentconfigrollbacks [] [] [create] deploymentconfigs/instantiate [] [] [create] deploymentconfigs/rollback [] [] [create] imagestreamimports [] [] [create] localresourceaccessreviews [] [] [create] localsubjectaccessreviews [] [] [create] podsecuritypolicyreviews [] [] [create] podsecuritypolicyselfsubjectreviews [] [] [create] podsecuritypolicysubjectreviews [] [] [create] resourceaccessreviews [] [] [create] routes/custom-host [] [] [create] subjectaccessreviews [] [] [create] subjectrulesreviews [] [] [create] deploymentconfigrollbacks.apps.openshift.io [] [] [create] deploymentconfigs.apps.openshift.io/instantiate [] [] [create] deploymentconfigs.apps.openshift.io/rollback [] [] [create] localsubjectaccessreviews.authorization.k8s.io [] [] [create] localresourceaccessreviews.authorization.openshift.io [] [] [create] localsubjectaccessreviews.authorization.openshift.io [] [] [create] resourceaccessreviews.authorization.openshift.io [] [] [create] subjectaccessreviews.authorization.openshift.io [] [] [create] subjectrulesreviews.authorization.openshift.io [] [] [create] buildconfigs.build.openshift.io/instantiate [] [] [create] buildconfigs.build.openshift.io/instantiatebinary [] [] [create] builds.build.openshift.io/clone [] [] [create] imagestreamimports.image.openshift.io [] [] [create] routes.route.openshift.io/custom-host [] [] [create] podsecuritypolicyreviews.security.openshift.io [] [] [create] podsecuritypolicyselfsubjectreviews.security.openshift.io [] [] [create] podsecuritypolicysubjectreviews.security.openshift.io [] [] [create] jenkins.build.openshift.io [] [] [edit view view admin edit view] builds [] [] [get create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] builds.build.openshift.io [] [] [get create delete deletecollection get list patch update watch get list watch] projects [] [] [get delete get delete get patch update] projects.project.openshift.io [] [] [get delete get delete get patch update] namespaces [] [] [get get list watch] pods/attach [] [] [get list watch create delete deletecollection patch update] pods/exec [] [] [get list watch create delete deletecollection patch update] pods/portforward [] [] [get list watch create delete deletecollection patch update] pods/proxy [] [] [get list watch create delete deletecollection patch update] services/proxy [] [] [get list watch create delete deletecollection patch update] routes/status [] [] [get list watch update] routes.route.openshift.io/status [] [] [get list watch update] appliedclusterresourcequotas [] [] [get list watch] bindings [] [] [get list watch] builds/log [] [] [get list watch] deploymentconfigs/log [] [] [get list watch] deploymentconfigs/status [] [] [get list watch] events [] [] [get list watch] imagestreams/status [] [] [get list watch] limitranges [] [] [get list watch] namespaces/status [] [] [get list watch] pods/log [] [] [get list watch] pods/status [] [] [get list watch] replicationcontrollers/status [] [] [get list watch] resourcequotas/status [] [] [get list watch] resourcequotas [] [] [get list watch] resourcequotausages [] [] [get list watch] rolebindingrestrictions [] [] [get list watch] deploymentconfigs.apps.openshift.io/log [] [] [get list watch] deploymentconfigs.apps.openshift.io/status [] [] [get list watch] controllerrevisions.apps [] [] [get list watch] rolebindingrestrictions.authorization.openshift.io [] [] [get list watch] builds.build.openshift.io/log [] [] [get list watch] imagestreams.image.openshift.io/status [] [] [get list watch] appliedclusterresourcequotas.quota.openshift.io [] [] [get list watch] imagestreams/layers [] [] [get update get] imagestreams.image.openshift.io/layers [] [] [get update get] builds/details [] [] [update] builds.build.openshift.io/details [] [] [update] Name: basic-user Labels: <none> Annotations: openshift.io/description: A user that can get basic information about projects. rbac.authorization.kubernetes.io/autoupdate: true PolicyRule: Resources Non-Resource URLs Resource Names Verbs --------- ----------------- -------------- ----- selfsubjectrulesreviews [] [] [create] selfsubjectaccessreviews.authorization.k8s.io [] [] [create] selfsubjectrulesreviews.authorization.openshift.io [] [] [create] clusterroles.rbac.authorization.k8s.io [] [] [get list watch] clusterroles [] [] [get list] clusterroles.authorization.openshift.io [] [] [get list] storageclasses.storage.k8s.io [] [] [get list] users [] [~] [get] users.user.openshift.io [] [~] [get] projects [] [] [list watch] projects.project.openshift.io [] [] [list watch] projectrequests [] [] [list] projectrequests.project.openshift.io [] [] [list] Name: cluster-admin Labels: kubernetes.io/bootstrapping=rbac-defaults Annotations: rbac.authorization.kubernetes.io/autoupdate: true PolicyRule: Resources Non-Resource URLs Resource Names Verbs --------- ----------------- -------------- ----- *.* [] [] [*] [*] [] [*] ...
各種のロールにバインドされたユーザーおよびグループを示す、クラスターのロールバインディングの現在のセットを表示するには、以下を実行します。
$ oc describe clusterrolebinding.rbac
出力例
Name: alertmanager-main Labels: <none> Annotations: <none> Role: Kind: ClusterRole Name: alertmanager-main Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- ServiceAccount alertmanager-main openshift-monitoring Name: basic-users Labels: <none> Annotations: rbac.authorization.kubernetes.io/autoupdate: true Role: Kind: ClusterRole Name: basic-user Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- Group system:authenticated Name: cloud-credential-operator-rolebinding Labels: <none> Annotations: <none> Role: Kind: ClusterRole Name: cloud-credential-operator-role Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- ServiceAccount default openshift-cloud-credential-operator Name: cluster-admin Labels: kubernetes.io/bootstrapping=rbac-defaults Annotations: rbac.authorization.kubernetes.io/autoupdate: true Role: Kind: ClusterRole Name: cluster-admin Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- Group system:masters Name: cluster-admins Labels: <none> Annotations: rbac.authorization.kubernetes.io/autoupdate: true Role: Kind: ClusterRole Name: cluster-admin Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- Group system:cluster-admins User system:admin Name: cluster-api-manager-rolebinding Labels: <none> Annotations: <none> Role: Kind: ClusterRole Name: cluster-api-manager-role Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- ServiceAccount default openshift-machine-api ...
11.2.5. ローカルのロールバインディングの表示
oc
CLI で oc describe
コマンドを使用して、ローカルロールおよびバインディングを表示できます。
前提条件
-
oc
CLI がインストールされている。 ローカルロールおよびバインディングを表示するパーミッションを取得します。
-
クラスター全体でバインドされた
cluster-admin
のデフォルトのクラスターロールを持つユーザーは、ローカルロールおよびバインディングの表示を含む、すべてのリソースでのすべてのアクションを実行できます。 -
ローカルにバインドされた
admin
のデフォルトのクラスターロールを持つユーザーは、そのプロジェクトのロールおよびバインディングを表示し、管理できます。
-
クラスター全体でバインドされた
手順
現在のプロジェクトの各種のロールにバインドされたユーザーおよびグループを示す、ローカルのロールバインディングの現在のセットを表示するには、以下を実行します。
$ oc describe rolebinding.rbac
別のプロジェクトのローカルロールバインディングを表示するには、
-n
フラグをコマンドに追加します。$ oc describe rolebinding.rbac -n joe-project
出力例
Name: admin Labels: <none> Annotations: <none> Role: Kind: ClusterRole Name: admin Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- User kube:admin Name: system:deployers Labels: <none> Annotations: openshift.io/description: Allows deploymentconfigs in this namespace to rollout pods in this namespace. It is auto-managed by a controller; remove subjects to disa... Role: Kind: ClusterRole Name: system:deployer Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- ServiceAccount deployer joe-project Name: system:image-builders Labels: <none> Annotations: openshift.io/description: Allows builds in this namespace to push images to this namespace. It is auto-managed by a controller; remove subjects to disable. Role: Kind: ClusterRole Name: system:image-builder Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- ServiceAccount builder joe-project Name: system:image-pullers Labels: <none> Annotations: openshift.io/description: Allows all pods in this namespace to pull images from this namespace. It is auto-managed by a controller; remove subjects to disable. Role: Kind: ClusterRole Name: system:image-puller Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- Group system:serviceaccounts:joe-project
11.2.6. ロールのユーザーへの追加
oc adm
管理者 CLI を使用してロールおよびバインディングを管理できます。
ロールをユーザーまたはグループにバインドするか、追加することにより、そのロールによって付与されるアクセスがそのユーザーまたはグループに付与されます。oc adm policy
コマンドを使用して、ロールのユーザーおよびグループへの追加、またはユーザーおよびグループからの削除を行うことができます。
デフォルトのクラスターロールのすべてを、プロジェクト内のローカルユーザーまたはグループにバインドできます。
手順
ロールを特定プロジェクトのユーザーに追加します。
$ oc adm policy add-role-to-user <role> <user> -n <project>
たとえば、以下を実行して
admin
ロールをjoe
プロジェクトのalice
ユーザーに追加できます。$ oc adm policy add-role-to-user admin alice -n joe
ヒントまたは、以下の YAML を適用してユーザーにロールを追加できます。
apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: RoleBinding metadata: name: admin-0 namespace: joe roleRef: apiGroup: rbac.authorization.k8s.io kind: ClusterRole name: admin subjects: - apiGroup: rbac.authorization.k8s.io kind: User name: alice
出力でローカルロールバインディングを確認し、追加の内容を確認します。
$ oc describe rolebinding.rbac -n <project>
たとえば、
joe
プロジェクトのローカルロールバインディングを表示するには、以下を実行します。$ oc describe rolebinding.rbac -n joe
出力例
Name: admin Labels: <none> Annotations: <none> Role: Kind: ClusterRole Name: admin Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- User kube:admin Name: admin-0 Labels: <none> Annotations: <none> Role: Kind: ClusterRole Name: admin Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- User alice 1 Name: system:deployers Labels: <none> Annotations: openshift.io/description: Allows deploymentconfigs in this namespace to rollout pods in this namespace. It is auto-managed by a controller; remove subjects to disa... Role: Kind: ClusterRole Name: system:deployer Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- ServiceAccount deployer joe Name: system:image-builders Labels: <none> Annotations: openshift.io/description: Allows builds in this namespace to push images to this namespace. It is auto-managed by a controller; remove subjects to disable. Role: Kind: ClusterRole Name: system:image-builder Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- ServiceAccount builder joe Name: system:image-pullers Labels: <none> Annotations: openshift.io/description: Allows all pods in this namespace to pull images from this namespace. It is auto-managed by a controller; remove subjects to disable. Role: Kind: ClusterRole Name: system:image-puller Subjects: Kind Name Namespace ---- ---- --------- Group system:serviceaccounts:joe
- 1
alice
ユーザーがadmins
RoleBinding
に追加されています。
11.2.7. ローカルロールの作成
プロジェクトのローカルロールを作成し、これをユーザーにバインドできます。
手順
プロジェクトのローカルロールを作成するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc create role <name> --verb=<verb> --resource=<resource> -n <project>
このコマンドで以下を指定します。
-
<name>
: ローカルのロール名です。 -
<verb>
: ロールに適用する動詞のコンマ区切りのリストです。 -
<resource>
: ロールが適用されるリソースです。 -
<project>
(プロジェクト名)
たとえば、ユーザーが
blue
プロジェクトで Pod を閲覧できるようにするローカルロールを作成するには、以下のコマンドを実行します。$ oc create role podview --verb=get --resource=pod -n blue
-
新規ロールをユーザーにバインドするには、以下のコマンドを実行します。
$ oc adm policy add-role-to-user podview user2 --role-namespace=blue -n blue
11.2.8. クラスターロールの作成
クラスターロールを作成できます。
手順
クラスターロールを作成するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc create clusterrole <name> --verb=<verb> --resource=<resource>
このコマンドで以下を指定します。
-
<name>
: ローカルのロール名です。 -
<verb>
: ロールに適用する動詞のコンマ区切りのリストです。 -
<resource>
: ロールが適用されるリソースです。
たとえば、ユーザーが Pod を閲覧できるようにするクラスターロールを作成するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc create clusterrole podviewonly --verb=get --resource=pod
-
11.2.9. ローカルロールバインディングのコマンド
以下の操作を使用し、ローカルのロールバインディングでのユーザーまたはグループの関連付けられたロールを管理する際に、プロジェクトは -n
フラグで指定できます。これが指定されていない場合には、現在のプロジェクトが使用されます。
ローカル RBAC 管理に以下のコマンドを使用できます。
コマンド | 説明 |
---|---|
| リソースに対してアクションを実行できるユーザーを示します。 |
| 指定されたロールを現在のプロジェクトの指定ユーザーにバインドします。 |
| 現在のプロジェクトの指定ユーザーから指定されたロールを削除します。 |
| 現在のプロジェクトの指定ユーザーと、そのすべてのロールを削除します。 |
| 指定されたロールを現在のプロジェクトの指定グループにバインドします。 |
| 現在のプロジェクトの指定グループから指定されたロールを削除します。 |
| 現在のプロジェクトの指定グループと、そのすべてのロールを削除します。 |
11.2.10. クラスターのロールバインディングコマンド
以下の操作を使用して、クラスターのロールバインディングも管理できます。クラスターのロールバインディングは namespace を使用していないリソースを使用するため、-n
フラグはこれらの操作に使用されません。
コマンド | 説明 |
---|---|
| 指定されたロールをクラスターのすべてのプロジェクトの指定ユーザーにバインドします。 |
| 指定されたロールをクラスターのすべてのプロジェクトの指定ユーザーから削除します。 |
| 指定されたロールをクラスターのすべてのプロジェクトの指定グループにバインドします。 |
| 指定されたロールをクラスターのすべてのプロジェクトの指定グループから削除します。 |
11.2.11. クラスター管理者の作成
cluster-admin
ロールは、クラスターリソースの変更など、OpenShift Container Platform クラスターでの管理者レベルのタスクを実行するために必要です。
前提条件
- クラスター管理者として定義するユーザーを作成している。
手順
ユーザーをクラスター管理者として定義します。
$ oc adm policy add-cluster-role-to-user cluster-admin <user>
11.3. kubeadmin ユーザー
OpenShift Container Platform は、インストールプロセスの完了後にクラスター管理者 kubeadmin
を作成します。
このユーザーには、cluster-admin
ロールが自動的に適用され、このユーザーはクラスターの root ユーザーとしてみなされます。パスワードは動的に生成され、OpenShift Container Platform 環境に対して一意です。インストールの完了後に、パスワードはインストールプログラムの出力で提供されます。以下に例を示します。
INFO Install complete! INFO Run 'export KUBECONFIG=<your working directory>/auth/kubeconfig' to manage the cluster with 'oc', the OpenShift CLI. INFO The cluster is ready when 'oc login -u kubeadmin -p <provided>' succeeds (wait a few minutes). INFO Access the OpenShift web-console here: https://console-openshift-console.apps.demo1.openshift4-beta-abcorp.com INFO Login to the console with user: kubeadmin, password: <provided>
11.3.1. kubeadmin ユーザーの削除
アイデンティティープロバイダーを定義し、新規 cluster-admin
ユーザーを作成した後に、クラスターのセキュリティーを強化するために kubeadmin
を削除できます。
別のユーザーが cluster-admin
になる前にこの手順を実行する場合、OpenShift Container Platform は再インストールされる必要があります。このコマンドをやり直すことはできません。
前提条件
- 1 つ以上のアイデンティティープロバイダーを設定しておく必要があります。
-
cluster-admin
ロールをユーザーに追加しておく必要があります。 - 管理者としてログインしている必要があります。
手順
kubeadmin
シークレットを削除します。$ oc delete secrets kubeadmin -n kube-system
11.4. ミラーリングされた Operator カタログからの OperatorHub の入力
非接続クラスターで使用するように Operator カタログをミラーリングする場合は、OperatorHub をミラーリングされたカタログの Operator で設定できます。ミラーリングプロセスから生成されたマニフェストを使用して、必要な ImageContentSourcePolicy
および CatalogSource
オブジェクトを作成できます。
11.4.1. 前提条件
11.4.1.1. ImageContentSourcePolicy オブジェクトの作成
Operator カタログコンテンツをミラーレジストリーにミラーリングした後に、必要な ImageContentSourcePolicy
(ICSP) オブジェクトを作成します。ICSP オブジェクトは、Operator マニフェストおよびミラーリングされたレジストリーに保存されるイメージ参照間で変換するようにノードを設定します。
手順
非接続クラスターへのアクセスのあるホストで、以下のコマンドを実行して manifests ディレクトリーで
imageContentSourcePolicy.yaml
ファイルを指定して ICSP を作成します。$ oc create -f <path/to/manifests/dir>/imageContentSourcePolicy.yaml
ここで、
<path/to/manifests/dir>
は、ミラーリングされたコンテンツに関する manifests ディレクトリーへのパスです。ミラーリングされたインデックスイメージおよび Operator コンテンツを参照する
CatalogSource
を作成できるようになりました。
11.4.1.2. クラスターへのカタログソースの追加
カタログソースを OpenShift Container Platform クラスターに追加すると、ユーザーの Operator の検出およびインストールが可能になります。クラスター管理者は、インデックスイメージを参照する CatalogSource
オブジェクトを作成できます。OperatorHub はカタログソースを使用してユーザーインターフェイスを設定します。
または、Web コンソールを使用してカタログソースを管理できます。Administration → Cluster Settings → Configuration → OperatorHub ページから、Sources タブをクリックして、個別のソースを作成、更新、削除、無効化、有効化できます。
前提条件
- インデックスイメージをビルドしてレジストリーにプッシュしている。
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
インデックスイメージを参照する
CatalogSource
オブジェクトを作成します。oc adm catalog mirror
コマンドを使用してカタログをターゲットレジストリーにミラーリングする場合、manifests ディレクトリーに生成されるcatalogSource.yaml
ファイルを開始点としてそのまま使用することができます。仕様を以下のように変更し、これを
catalogSource.yaml
ファイルとして保存します。apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: CatalogSource metadata: name: my-operator-catalog 1 namespace: openshift-marketplace 2 spec: sourceType: grpc grpcPodConfig: securityContextConfig: <security_mode> 3 image: <registry>/<namespace>/redhat-operator-index:v4.14 4 displayName: My Operator Catalog publisher: <publisher_name> 5 updateStrategy: registryPoll: 6 interval: 30m
- 1
- レジストリーにアップロードする前にローカルファイルにコンテンツをミラーリングする場合は、
metadata.name
フィールドからバックスラッシュ (/
) 文字を削除し、オブジェクトの作成時に "invalid resource name" エラーを回避します。 - 2
- カタログソースを全 namespace のユーザーがグローバルに利用できるようにする場合は、
openshift-marketplace
namespace を指定します。それ以外の場合は、そのカタログの別の namespace を対象とし、その namespace のみが利用できるように指定できます。 - 3
legacy
またはrestricted
の値を指定します。フィールドが設定されていない場合、デフォルト値はlegacy
です。今後の OpenShift Container Platform リリースでは、デフォルト値がrestricted
になる予定です。restricted
権限でカタログを実行できない場合は、このフィールドを手動でlegacy
に設定することを推奨します。- 4
- インデックスイメージを指定します。イメージ名の後にタグを指定した場合 (
:v4.14
など)、カタログソース Pod はAlways
のイメージプルポリシーを使用します。これは、Pod が常にコンテナーを開始する前にイメージをプルすることを意味します。@sha256:<id>
などのダイジェストを指定した場合、イメージプルポリシーはIfNotPresent
になります。これは、イメージがノード上にまだ存在しない場合にのみ、Pod がイメージをプルすることを意味します。 - 5
- カタログを公開する名前または組織名を指定します。
- 6
- カタログソースは新規バージョンの有無を自動的にチェックし、最新の状態を維持します。
このファイルを使用して
CatalogSource
オブジェクトを作成します。$ oc apply -f catalogSource.yaml
以下のリソースが正常に作成されていることを確認します。
Pod を確認します。
$ oc get pods -n openshift-marketplace
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE my-operator-catalog-6njx6 1/1 Running 0 28s marketplace-operator-d9f549946-96sgr 1/1 Running 0 26h
カタログソースを確認します。
$ oc get catalogsource -n openshift-marketplace
出力例
NAME DISPLAY TYPE PUBLISHER AGE my-operator-catalog My Operator Catalog grpc 5s
パッケージマニフェストを確認します。
$ oc get packagemanifest -n openshift-marketplace
出力例
NAME CATALOG AGE jaeger-product My Operator Catalog 93s
OpenShift Container Platform Web コンソールで、OperatorHub ページから Operator をインストールできるようになりました。
11.5. OperatorHub を使用した Operator のインストールについて
OperatorHub は Operator を検出するためのユーザーインターフェイスです。これは Operator Lifecycle Manager (OLM) と連携し、クラスター上で Operator をインストールし、管理します。
クラスター管理者は、OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI を使用して OperatorHub から Operator をインストールできます。Operator を 1 つまたは複数の namespace にサブスクライブし、Operator をクラスター上で開発者が使用できるようにできます。
インストール時に、Operator の以下の初期設定を判別する必要があります。
- インストールモード
- All namespaces on the cluster (default) を選択して Operator をすべての namespace にインストールするか、(利用可能な場合は) 個別の namespace を選択し、選択された namespace のみに Operator をインストールします。この例では、All namespaces… を選択し、Operator をすべてのユーザーおよびプロジェクトで利用可能にします。
- 更新チャネル
- Operator が複数のチャネルで利用可能な場合、サブスクライブするチャネルを選択できます。たとえば、(利用可能な場合に) stable チャネルからデプロイするには、これをリストから選択します。
- 承認ストラテジー
自動 (Automatic) または手動 (Manual) のいずれかの更新を選択します。
インストールされた Operator に自動更新を選択する場合、Operator の新規バージョンが選択されたチャネルで利用可能になると、Operator Lifecycle Manager (OLM) は人の介入なしに、Operator の実行中のインスタンスを自動的にアップグレードします。
手動更新を選択する場合、Operator の新規バージョンが利用可能になると、OLM は更新要求を作成します。クラスター管理者は、Operator が新規バージョンに更新されるように更新要求を手動で承認する必要があります。
11.5.1. Web コンソールを使用した OperatorHub からのインストール
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して OperatorHub から Operator をインストールし、これをサブスクライブできます。
前提条件
-
cluster-admin
権限を持つアカウントを使用して OpenShift Container Platform クラスターにアクセスできる。
手順
- Web コンソールで、Operators → OperatorHub ページに移動します。
スクロールするか、キーワードを Filter by keyword ボックスに入力し、必要な Operator を見つけます。たとえば、
jaeger
と入力し、Jaeger Operator を検索します。また、インフラストラクチャー機能 でオプションをフィルターすることもできます。たとえば、非接続環境 (ネットワークが制限された環境ともしても知られる) で機能する Operator を表示するには、Disconnected を選択します。
Operator を選択して、追加情報を表示します。
注記コミュニティー Operator を選択すると、Red Hat がコミュニティー Operator を認定していないことを警告します。続行する前に警告を確認する必要があります。
- Operator に関する情報を確認してから、Install をクリックします。
Install Operator ページで以下を行います。
以下のいずれかを選択します。
-
All namespaces on the cluster (default) は、デフォルトの
openshift-operators
namespace で Operator をインストールし、クラスターのすべての namespace を監視し、Operator をこれらの namespace に対して利用可能にします。このオプションは常に選択可能です。 - A specific namespace on the cluster では、Operator をインストールする特定の単一 namespace を選択できます。Operator は監視のみを実行し、この単一 namespace で使用されるように利用可能になります。
-
All namespaces on the cluster (default) は、デフォルトの
クラスターが AWS STS モードの場合は、サービスアカウントの AWS IAM ロールの Amazon Resource Name (ARN) を role ARN フィールドに入力します。
ロールの ARN を作成するには、AWS アカウントの準備 で説明されている手順に従います。
- 複数の更新チャネルが利用可能な場合は、Update channel を選択します。
前述のように、Automatic または Manual 承認ストラテジーを選択します。
重要Web コンソールにクラスターが「STS モード」であることが表示された場合は、Update approval を手動 に設定する必要があります。
更新前に権限の変更が必要になる可能性があるため、自動更新承認のあるサブスクリプションは推奨できません。手動更新承認付きのサブスクリプションにより、管理者は新しいバージョンの権限を確認し、更新前に必要な手順を実行する機会が確保されます。
Install をクリックし、Operator をこの OpenShift Container Platform クラスターの選択した namespace で利用可能にします。
手動 の承認ストラテジーを選択している場合、サブスクリプションのアップグレードステータスは、そのインストール計画を確認し、承認するまで Upgrading のままになります。
Install Plan ページでの承認後に、サブスクリプションのアップグレードステータスは Up to date に移行します。
- 自動 の承認ストラテジーを選択している場合、アップグレードステータスは、介入なしに Up to date に解決するはずです。
サブスクリプションのアップグレードステータスが Up to date になった後に、Operators → Installed Operators を選択し、インストールされた Operator のクラスターサービスバージョン (CSV) が表示されることを確認します。その Status は最終的に関連する namespace で InstallSucceeded に解決するはずです。
注記All namespaces… インストールモードの場合、ステータスは
openshift-operators
namespace で InstallSucceeded になりますが、他の namespace でチェックする場合、ステータスは Copied になります。上記通りにならない場合、以下を実行します。
-
さらにトラブルシューティングを行うために問題を報告している Workloads → Pods ページで、
openshift-operators
プロジェクト (または A specific namespace… インストールモードが選択されている場合は他の関連の namespace) の Pod のログを確認します。
-
さらにトラブルシューティングを行うために問題を報告している Workloads → Pods ページで、
11.5.2. CLI を使用した OperatorHub からのインストール
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用する代わりに、CLI を使用して OperatorHub から Operator をインストールできます。oc
コマンドを使用して、Subscription
オブジェクトを作成または更新します。
前提条件
-
cluster-admin
権限を持つアカウントを使用して OpenShift Container Platform クラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
OperatorHub からクラスターで利用できる Operator のリストを表示します。
$ oc get packagemanifests -n openshift-marketplace
出力例
NAME CATALOG AGE 3scale-operator Red Hat Operators 91m advanced-cluster-management Red Hat Operators 91m amq7-cert-manager Red Hat Operators 91m ... couchbase-enterprise-certified Certified Operators 91m crunchy-postgres-operator Certified Operators 91m mongodb-enterprise Certified Operators 91m ... etcd Community Operators 91m jaeger Community Operators 91m kubefed Community Operators 91m ...
必要な Operator のカタログをメモします。
必要な Operator を検査して、サポートされるインストールモードおよび利用可能なチャネルを確認します。
$ oc describe packagemanifests <operator_name> -n openshift-marketplace
OperatorGroup
で定義される Operator グループは、Operator グループと同じ namespace 内のすべての Operator に必要な RBAC アクセスを生成するターゲット namespace を選択します。Operator をサブスクライブする namespace には、Operator のインストールモードに一致する Operator グループが必要になります (
AllNamespaces
またはSingleNamespace
モードのいずれか)。インストールする Operator がAllNamespaces
モードを使用する場合、openshift-operators
namespace には適切なglobal-operators
Operator グループがすでに配置されています。ただし、Operator が
SingleNamespace
モードを使用し、適切な Operator グループがない場合、それらを作成する必要があります。注記-
この手順の Web コンソールバージョンでは、
SingleNamespace
モードを選択する際に、OperatorGroup
およびSubscription
オブジェクトの作成を背後で自動的に処理します。 - namespace ごとに Operator グループを 1 つだけ持つことができます。詳細は、「Operator グループ」を参照してください。
OperatorGroup
オブジェクト YAML ファイルを作成します (例:operatorgroup.yaml
)。OperatorGroup
オブジェクトのサンプルapiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: <operatorgroup_name> namespace: <namespace> spec: targetNamespaces: - <namespace>
警告Operator Lifecycle Manager (OLM) は、各 Operator グループに対して次のクラスターロールを作成します。
-
<operatorgroup_name>-admin
-
<operatorgroup_name>-edit
-
<operatorgroup_name>-view
Operator グループを手動で作成する場合は、既存のクラスターロールまたはクラスター上の他のOperator グループと競合しない一意の名前を指定する必要があります。
-
OperatorGroup
オブジェクトを作成します。$ oc apply -f operatorgroup.yaml
-
この手順の Web コンソールバージョンでは、
Subscription
オブジェクトの YAML ファイルを作成し、namespace を Operator にサブスクライブします (例:sub.yaml
)。Subscription
オブジェクトの例apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: <subscription_name> namespace: openshift-operators 1 spec: channel: <channel_name> 2 name: <operator_name> 3 source: redhat-operators 4 sourceNamespace: openshift-marketplace 5 config: env: 6 - name: ARGS value: "-v=10" envFrom: 7 - secretRef: name: license-secret volumes: 8 - name: <volume_name> configMap: name: <configmap_name> volumeMounts: 9 - mountPath: <directory_name> name: <volume_name> tolerations: 10 - operator: "Exists" resources: 11 requests: memory: "64Mi" cpu: "250m" limits: memory: "128Mi" cpu: "500m" nodeSelector: 12 foo: bar
- 1
- デフォルトの
AllNamespaces
インストールモードの使用は、openshift-operators
namespace を指定します。カスタムグローバル namespace を作成している場合はこれを指定できます。それ以外の場合は、SingleNamespace
インストールモードの使用について関連する単一の namespace を指定します。 - 2
- サブスクライブするチャネルの名前。
- 3
- サブスクライブする Operator の名前。
- 4
- Operator を提供するカタログソースの名前。
- 5
- カタログソースの namespace。デフォルトの OperatorHub カタログソースには
openshift-marketplace
を使用します。 - 6
env
パラメーターは、OLM によって作成される Pod のすべてのコンテナーに存在する必要がある環境変数の一覧を定義します。- 7
envFrom
パラメーターは、コンテナーの環境変数に反映するためのソースの一覧を定義します。- 8
volumes
パラメーターは、OLM によって作成される Pod に存在する必要があるボリュームの一覧を定義します。- 9
volumeMounts
パラメーターは、OLM によって作成される Pod のすべてのコンテナーに存在する必要があるボリュームマウントの一覧を定義します。volumeMount
が存在しないボリューム
を参照する場合、OLM は Operator のデプロイに失敗します。- 10
tolerations
パラメーターは、OLM によって作成される Pod の toleration の一覧を定義します。- 11
resources
パラメーターは、OLM によって作成される Pod のすべてのコンテナーのリソース制約を定義します。- 12
nodeSelector
パラメーターは、OLM によって作成される Pod のNodeSelector
を定義します。
クラスターが STS モードの場合は、
Subscription
オブジェクトに次のフィールドを含めます。kind: Subscription # ... spec: installPlanApproval: Manual 1 config: env: - name: ROLEARN value: "<role_arn>" 2
Subscription
オブジェクトを作成します。$ oc apply -f sub.yaml
この時点で、OLM は選択した Operator を認識します。Operator のクラスターサービスバージョン (CSV) はターゲット namespace に表示され、Operator で指定される API は作成用に利用可能になります。
関連情報
第12章 クラウドプロバイダーの認証情報の設定変更
サポートされる構成では、OpenShift Container Platform がクラウドプロバイダーに対して認証する方法を変更できます。
クラスターが使用するクラウド認証情報ストラテジーを決定するには、Cloud Credential Operator モードの決定 を参照してください。
12.1. クラウドプロバイダーの認証情報のローテーションまたは削除
OpenShift Container Platform のインストール後に、一部の組織では、初回インストール時に使用されたクラウドプロバイダーの認証情報のローテーションまたは削除が必要になります。
クラスターが新規の認証情報を使用できるようにするには、Cloud Credential Operator (CCO) が使用するシークレットを更新して、クラウドプロバイダーの認証情報を管理できるようにする必要があります。
12.1.1. Cloud Credential Operator ユーティリティーを使用したクラウドプロバイダー認証情報のローテーション
Cloud Credential Operator (CCO) ユーティリティー ccoctl
は、IBM Cloud® にインストールされたクラスターのシークレットの更新をサポートしています。
12.1.1.1. API キーのローテーション
既存のサービス ID の API キーをローテーションし、対応するシークレットを更新できます。
前提条件
-
ccoctl
バイナリーを設定している。 - インストールされているライブ OpenShift Container Platform クラスターに既存のサービス ID がある。
手順
ccoctl
ユーティリティーを使用して、サービス ID の API キーをローテーションし、シークレットを更新します。$ ccoctl <provider_name> refresh-keys \ 1 --kubeconfig <openshift_kubeconfig_file> \ 2 --credentials-requests-dir <path_to_credential_requests_directory> \ 3 --name <name> 4
注記クラスターで
TechPreviewNoUpgrade
機能セットによって有効化されたテクノロジープレビュー機能を使用している場合は、--enable-tech-preview
パラメーターを含める必要があります。
12.1.2. クラウドプロバイダーの認証情報の維持
クラウドプロバイダーの認証情報が何らかの理由で変更される場合、クラウドプロバイダーの認証情報の管理に Cloud Credential Operator (CCO) が使用するシークレットを手動で更新する必要があります。
クラウド認証情報をローテーションするプロセスは、CCO を使用するように設定されているモードによって変わります。mint モードを使用しているクラスターの認証情報をローテーションした後に、削除された認証情報で作成されたコンポーネントの認証情報は手動で削除する必要があります。
前提条件
クラスターは、使用している CCO モードでのクラウド認証情報の手動ローテーションをサポートするプラットフォームにインストールされている。
- mint モードでは、Amazon Web Services (AWS) および Google Cloud Platform (GCP) がサポートされます。
- passthrough モードの場合、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP)、および VMware vSphere がサポートされます。
- クラウドプロバイダーとのインターフェイスに使用される認証情報を変更している。
- 新規認証情報には、モードの CCO がクラスターで使用されるように設定するのに十分なパーミッションがある。
手順
- Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Workloads → Secrets に移動します。
Secrets ページの表で、クラウドプロバイダーのルートシークレットを見つけます。
プラットフォーム シークレット名 AWS
aws-creds
Azure
azure-credentials
GCP
gcp-credentials
RHOSP
openstack-credentials
VMware vSphere
vsphere-creds
- シークレットと同じ行にある Options メニュー をクリックし、Edit Secret を選択します。
- Value フィールドの内容を記録します。この情報を使用して、認証情報の更新後に値が異なることを確認できます。
- Value フィールドのテキストをクラウドプロバイダーの新規の認証情報で更新し、Save をクリックします。
vSphere CSI Driver Operator が有効になっていない vSphere クラスターの認証情報を更新する場合は、Kubernetes コントローラーマネージャーを強制的にロールアウトして更新された認証情報を適用する必要があります。
注記vSphere CSI Driver Operator が有効になっている場合、この手順は不要です。
更新された vSphere 認証情報を適用するには、
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform CLI にログインし、以下のコマンドを実行します。$ oc patch kubecontrollermanager cluster \ -p='{"spec": {"forceRedeploymentReason": "recovery-'"$( date )"'"}}' \ --type=merge
認証情報がロールアウトされている間、Kubernetes Controller Manager Operator のステータスは
Progressing=true
を報告します。ステータスを表示するには、次のコマンドを実行します。$ oc get co kube-controller-manager
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform CLI にログインします。 参照されたすべてのコンポーネントシークレットの名前および namespace を取得します。
$ oc -n openshift-cloud-credential-operator get CredentialsRequest \ -o json | jq -r '.items[] | select (.spec.providerSpec.kind=="<provider_spec>") | .spec.secretRef'
ここで、
<provider_spec>
はクラウドプロバイダーの対応する値になります。-
AWS:
AWSProviderSpec
-
GCP:
GCPProviderSpec
AWS の部分的なサンプル出力
{ "name": "ebs-cloud-credentials", "namespace": "openshift-cluster-csi-drivers" } { "name": "cloud-credential-operator-iam-ro-creds", "namespace": "openshift-cloud-credential-operator" }
-
AWS:
参照されるコンポーネントの各シークレットを削除します。
$ oc delete secret <secret_name> \1 -n <secret_namespace> 2
AWS シークレットの削除例
$ oc delete secret ebs-cloud-credentials -n openshift-cluster-csi-drivers
プロバイダーコンソールから認証情報を手動で削除する必要はありません。参照されるコンポーネントのシークレットを削除すると、CCO はプラットフォームから既存の認証情報を削除し、新規の認証情報を作成します。
-
検証
認証情報が変更されたことを確認するには、以下を実行します。
- Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Workloads → Secrets に移動します。
- Value フィールドの内容が変更されていることを確認します。
12.1.3. クラウドプロバイダーの認証情報の削除
Cloud Credential Operator (CCO) を mint モードで使用して OpenShift Container Platform クラスターをインストールした後に、クラスターの kube-system
namespace から管理者レベルの認証情報シークレットを削除できます。管理者レベルの認証情報は、アップグレードなどの昇格されたパーミッションを必要とする変更時にのみ必要です。
z-stream 以外のアップグレードの前に、認証情報のシークレットを管理者レベルの認証情報と共に元に戻す必要があります。認証情報が存在しない場合は、アップグレードがブロックされる可能性があります。
前提条件
- クラスターが、CCO からのクラウド認証情報の削除をサポートするプラットフォームにインストールされている。サポート対象プラットフォームは AWS および GCP。
手順
- Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Workloads → Secrets に移動します。
Secrets ページの表で、クラウドプロバイダーのルートシークレットを見つけます。
プラットフォーム シークレット名 AWS
aws-creds
GCP
gcp-credentials
- シークレットと同じ行にある Options メニュー をクリックし、Delete Secret を選択します。
関連情報
12.2. トークンベースの認証の有効化
Microsoft Azure OpenShift Container Platform クラスターをインストールした後、Microsoft Entra Workload ID を有効にして短期認証情報を使用できます。
12.2.1. Cloud Credential Operator ユーティリティーの設定
Cloud Credential Operator (CCO) が手動モードで動作しているときにクラスターの外部からクラウドクレデンシャルを作成および管理するには、CCO ユーティリティー (ccoctl
) バイナリーを抽出して準備します。
ccoctl
ユーティリティーは、Linux 環境で実行する必要がある Linux バイナリーです。
前提条件
- クラスター管理者のアクセスを持つ OpenShift Container Platform アカウントを使用できる。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform リリースイメージの変数を設定します。
$ RELEASE_IMAGE=$(./openshift-install version | awk '/release image/ {print $3}')
以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform リリースイメージから CCO コンテナーイメージを取得します。
$ CCO_IMAGE=$(oc adm release info --image-for='cloud-credential-operator' $RELEASE_IMAGE -a ~/.pull-secret)
注記$RELEASE_IMAGE
のアーキテクチャーが、ccoctl
ツールを使用する環境のアーキテクチャーと一致していることを確認してください。以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform リリースイメージ内の CCO コンテナーイメージから
ccoctl
バイナリーを抽出します。$ oc image extract $CCO_IMAGE --file="/usr/bin/ccoctl" -a ~/.pull-secret
次のコマンドを実行して、権限を変更して
ccoctl
を実行可能にします。$ chmod 775 ccoctl
検証
ccoctl
が使用できることを確認するには、help ファイルを表示します。コマンドを実行するときは、相対ファイル名を使用します。以下に例を示します。$ ./ccoctl.rhel9
出力例
OpenShift credentials provisioning tool Usage: ccoctl [command] Available Commands: alibabacloud Manage credentials objects for alibaba cloud aws Manage credentials objects for AWS cloud azure Manage credentials objects for Azure gcp Manage credentials objects for Google cloud help Help about any command ibmcloud Manage credentials objects for IBM Cloud nutanix Manage credentials objects for Nutanix Flags: -h, --help help for ccoctl Use "ccoctl [command] --help" for more information about a command.
12.2.2. 既存のクラスターで Microsoft Entra Workload ID を有効にする
インストール中に Microsoft Azure OpenShift Container Platform クラスターを Microsoft Entra Workload ID を使用するように設定しなかった場合は、既存のクラスターでこの認証方法を有効にすることができます。
既存のクラスターで Workload ID を有効にするプロセスは、サービスの停止を伴い、かなりの時間がかかります。続行する前に、次の考慮事項を確認してください。
- 次の手順を読み、必ず時間の要件を理解してご承知おきください。正確な所要時間は個々のクラスターによって異なりますが、少なくとも 1 時間かかる可能性があります。
- このプロセス中に、すべてのサービスアカウントを更新し、クラスター上のすべての Pod を再起動する必要があります。これらのアクションはワークロードの停止を伴います。この影響を軽減するには、これらのサービスを一時的に停止し、クラスターの準備ができたときに再デプロイすることができます。
- このプロセスを開始した後は、完了するまでクラスターの更新を試みないでください。更新がトリガーされると、既存のクラスターで Workload ID を有効にするプロセスが失敗します。
前提条件
- Microsoft Azure に OpenShift Container Platform クラスターをインストールした。
-
cluster-admin
権限を持つアカウントを使用してクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
Cloud Credential Operator ユーティリティー (
ccoctl
) バイナリーを展開して準備した。 -
Azure CLI (
az
) を使用して Azure アカウントにアクセスできる。
手順
-
ccoctl
ユーティリティーが生成するマニフェストの出力ディレクトリーを作成します。この手順では、./output_dir
を例として使用します。 次のコマンドを実行して、クラスターのサービスアカウントの公開署名鍵を出力ディレクトリーに抽出します。
$ oc get configmap \ --namespace openshift-kube-apiserver bound-sa-token-signing-certs \ --output 'go-template={{index .data "service-account-001.pub"}}' > ./output_dir/serviceaccount-signer.public 1
- 1
- この手順では、例として
serviceaccount-signer.public
という名前のファイルを使用します。
抽出したサービスアカウント公開署名鍵を使用して、次のコマンドを実行し、OpenID Connect (OIDC) 発行者と、OIDC 設定ファイルを含む Azure Blob ストレージコンテナーを作成します。
$ ./ccoctl azure create-oidc-issuer \ --name <azure_infra_name> \1 --output-dir ./output_dir \ --region <azure_region> \2 --subscription-id <azure_subscription_id> \3 --tenant-id <azure_tenant_id> \ --public-key-file ./output_dir/serviceaccount-signer.public 4
次のコマンドを実行して、Azure pod identity webhook の設定ファイルが作成されたことを確認します。
$ ll ./output_dir/manifests
出力例
total 8 -rw-------. 1 cloud-user cloud-user 193 May 22 02:29 azure-ad-pod-identity-webhook-config.yaml 1 -rw-------. 1 cloud-user cloud-user 165 May 22 02:29 cluster-authentication-02-config.yaml
- 1
- ファイル
azure-ad-pod-identity-webhook-config.yaml
には、Azure pod identity webhook 設定が含まれています。
次のコマンドを実行して、出力ディレクトリーに生成されたマニフェストの OIDC 発行者 URL を使用して
OIDC_ISSUER_URL
変数を設定します。$ OIDC_ISSUER_URL=`awk '/serviceAccountIssuer/ { print $2 }' ./output_dir/manifests/cluster-authentication-02-config.yaml`
次のコマンドを実行して、クラスターの
authentication
設定のspec.serviceAccountIssuer
パラメーターを更新します。$ oc patch authentication cluster \ --type=merge \ -p "{\"spec\":{\"serviceAccountIssuer\":\"${OIDC_ISSUER_URL}\"}}"
次のコマンドを実行して、設定の更新の進行状況を監視します。
$ oc adm wait-for-stable-cluster
このプロセスには 15 分以上かかる場合があります。次の出力は、プロセスが完了したことを示します。
All clusteroperators are stable
次のコマンドを実行して、クラスター内のすべての Pod を再起動します。
$ oc adm reboot-machine-config-pool mcp/worker mcp/master
Pod を再起動すると、
serviceAccountIssuer
フィールドが更新され、サービスアカウントの公開署名鍵が更新されます。次のコマンドを実行して、再起動と更新のプロセスを監視します。
$ oc adm wait-for-node-reboot nodes --all
このプロセスには 15 分以上かかる場合があります。次の出力は、プロセスが完了したことを示します。
All nodes rebooted
次のコマンドを実行して、Cloud Credential Operator の
spec.credentialsMode
パラメーターをManual
に更新します。$ oc patch cloudcredential cluster \ --type=merge \ --patch '{"spec":{"credentialsMode":"Manual"}}'
以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform リリースイメージから
CredentialsRequest
オブジェクトのリストを抽出します。$ oc adm release extract \ --credentials-requests \ --included \ --to <path_to_directory_for_credentials_requests> \ --registry-config ~/.pull-secret
注記このコマンドの実行には少し時間がかかる場合があります。
次のコマンドを実行して、Azure リソースグループ名を使用して
AZURE_INSTALL_RG
変数を設定します。$ AZURE_INSTALL_RG=`oc get infrastructure cluster -o jsonpath --template '{ .status.platformStatus.azure.resourceGroupName }'`
次のコマンドを実行して、
ccoctl
ユーティリティーを使用してすべてのCredentialsRequest
オブジェクトのマネージド ID を作成します。$ ccoctl azure create-managed-identities \ --name <azure_infra_name> \ --output-dir ./output_dir \ --region <azure_region> \ --subscription-id <azure_subscription_id> \ --credentials-requests-dir <path_to_directory_for_credentials_requests> \ --issuer-url "${OIDC_ISSUER_URL}" \ --dnszone-resource-group-name <azure_dns_zone_resourcegroup_name> \1 --installation-resource-group-name "${AZURE_INSTALL_RG}"
- 1
- DNS ゾーンを含むリソースグループの名前を指定します。
次のコマンドを実行して、Workload ID の Azure pod identity webhook 設定を適用します。
$ oc apply -f ./output_dir/manifests/azure-ad-pod-identity-webhook-config.yaml
次のコマンドを実行して、
ccoctl
ユーティリティーによって生成されたシークレットを適用します。$ find ./output_dir/manifests -iname "openshift*yaml" -print0 | xargs -I {} -0 -t oc replace -f {}
このプロセスには数分の時間がかかる可能性があります。
次のコマンドを実行して、クラスター内のすべての Pod を再起動します。
$ oc adm reboot-machine-config-pool mcp/worker mcp/master
Pod を再起動すると、
serviceAccountIssuer
フィールドが更新され、サービスアカウントの公開署名鍵が更新されます。次のコマンドを実行して、再起動と更新のプロセスを監視します。
$ oc adm wait-for-node-reboot nodes --all
このプロセスには 15 分以上かかる場合があります。次の出力は、プロセスが完了したことを示します。
All nodes rebooted
次のコマンドを実行して、設定の更新の進行状況を監視します。
$ oc adm wait-for-stable-cluster
このプロセスには 15 分以上かかる場合があります。次の出力は、プロセスが完了したことを示します。
All clusteroperators are stable
オプション: 次のコマンドを実行して、Azure の root 認証情報シークレットを削除します。
$ oc delete secret -n kube-system azure-credentials
/validating-an-installation.adoc
12.2.3. クラスターが短期認証情報を使用していることを確認
クラスター内の Cloud Credential Operator (CCO) 設定やその他の値で、クラスターが個々のコンポーネントに対して短期的なセキュリティー認証情報を使用していることを確認できます。
前提条件
-
Cloud Credential Operator ユーティリティー (
ccoctl
) を使用して OpenShift Container Platform クラスターをデプロイし、短期認証情報を実装した。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてログインしている。
手順
次のコマンドを実行して、CCO が手動モードで動作するように設定されていることを確認します。
$ oc get cloudcredentials cluster \ -o=jsonpath={.spec.credentialsMode}
次の出力は、CCO が手動モードで動作していることを示しています。
出力例
Manual
次のコマンドを実行して、クラスターに
root
認証情報がないことを確認します。$ oc get secrets \ -n kube-system <secret_name>
<secret_name>
は、クラウドプロバイダーのルートシークレットの名前です。プラットフォーム シークレット名 Amazon Web Services (AWS)
aws-creds
Microsoft Azure
azure-credentials
Google Cloud Platform (GCP)
gcp-credentials
エラーは、ルートシークレットがクラスター上に存在しないことを確認します。
AWS クラスターの出力例
Error from server (NotFound): secrets "aws-creds" not found
次のコマンドを実行して、コンポーネントが個々のコンポーネントに対して短期セキュリティー認証情報を使用していることを確認します。
$ oc get authentication cluster \ -o jsonpath \ --template='{ .spec.serviceAccountIssuer }'
このコマンドは、クラスター
Authentication
オブジェクトの.spec.serviceAccountIssuer
パラメーターの値を表示します。クラウドプロバイダーに関連付けられた URL の出力は、クラスターがクラスターの外部から作成および管理される短期認証情報を使用して手動モードを使用していることを示します。Azure クラスター: 次のコマンドを実行して、コンポーネントがシークレットマニフェストで指定された Azure クライアント ID を想定していることを確認します。
$ oc get secrets \ -n openshift-image-registry installer-cloud-credentials \ -o jsonpath='{.data}'
出力に
azure_client_id
フィールドとazure_federated_token_file
フィールドが含まれている場合は、コンポーネントが Azure クライアント ID を想定しています。Azure クラスター: 次のコマンドを実行して、pod identity webhook を実行していることを確認します。
$ oc get pods \ -n openshift-cloud-credential-operator
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE cloud-credential-operator-59cf744f78-r8pbq 2/2 Running 2 71m pod-identity-webhook-548f977b4c-859lz 1/1 Running 1 70m
12.3. 関連情報
第13章 アラート通知の設定
OpenShift Container Platform では、アラートは、アラートルールで定義された条件が true の場合に実行されます。アラートは、一連の状況がクラスター内で明確であることを示す通知を提供します。実行するアラートは、OpenShift Container Platform web コンソールでデフォルトで表示できます。インストール後に、OpenShift Container Platform を外部システムにアラート通知を送信するように設定できます。
13.1. 外部システムへの通知の送信
OpenShift Container Platform 4.14 では、実行するアラートをアラート UI で表示できます。アラートは、デフォルトでは通知システムに送信されるように設定されません。以下のレシーバータイプにアラートを送信するように OpenShift Container Platform を設定できます。
- PagerDuty
- Webhook
- Slack
レシーバーへのアラートのルートを指定することにより、障害が発生する際に適切なチームに通知をタイムリーに送信できます。たとえば、重大なアラートには早急な対応が必要となり、通常は個人または緊急対策チーム (Critical Response Team) に送信先が設定されます。重大ではない警告通知を提供するアラートは、早急な対応を要さないレビュー用にチケットシステムにルート指定される可能性があります。
Watchdog アラートの使用によるアラートが機能することの確認
OpenShift Container Platform モニタリングには、継続的に実行される Watchdog アラートが含まれます。Alertmanager は、Watchdog のアラート通知を設定された通知プロバイダーに繰り返し送信します。通常、プロバイダーは Watchdog アラートの受信を停止する際に管理者に通知するように設定されます。このメカニズムは、Alertmanager と通知プロバイダー間の通信に関連する問題を迅速に特定するのに役立ちます。
13.1.1. アラートレシーバーの設定
アラートレシーバーを設定して、クラスターに関する重要な問題について把握できるようにします。
前提条件
-
cluster-admin
クラスターロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
Administrator パースペクティブで、Administration → Cluster Settings → Configuration → Alertmanager に移動します。
注記または、通知ドロワーから同じページに移動することもできます。OpenShift Container Platform Web コンソールの右上にあるベルのアイコンを選択し、AlertmanagerReceiverNotConfigured アラートで Configure を選択します。
- ページの Receivers セクションで、Create Receiver をクリックします。
- Create Receiver フォームで、Receiver name を追加し、リストから Receiver type を選択します。
レシーバー設定を編集します。
PagerDuty receiver の場合:
- 統合のタイプを選択し、PagerDuty 統合キーを追加します。
- PagerDuty インストールの URL を追加します。
- クライアントおよびインシデントの詳細または重大度の指定を編集する場合は、Show advanced configuration をクリックします。
Webhook receiver の場合:
- HTTP POST リクエストを送信するエンドポイントを追加します。
- デフォルトオプションを編集して解決したアラートを receiver に送信する場合は、Show advanced configuration をクリックします。
メール receiver の場合:
- 通知を送信するメールアドレスを追加します。
- SMTP 設定の詳細を追加します。これには、通知の送信先のアドレス、メールの送信に使用する smarthost およびポート番号、SMTP サーバーのホスト名、および認証情報を含む詳細情報が含まれます。
- TLS が必要かどうかを選択します。
- 解決済みのアラートが receiver に送信されないようにデフォルトオプションを編集する、またはメール通知設定のボディーを編集する必要がある場合は、Show advanced configuration をクリックします。
Slack receiver の場合:
- Slack Webhook の URL を追加します。
- 通知を送信する Slack チャネルまたはユーザー名を追加します。
- デフォルトオプションを編集して解決済みのアラートが receiver に送信されないようにしたり、アイコンおよびユーザー設定を編集する必要がある場合は、Show advanced configuration を選択します。チャネル名とユーザー名を検索し、これらをリンクするかどうかについて選択することもできます。
デフォルトでは、すべてのセレクターに一致するラベルを持つ Firing アラートが receiver に送信されます。receiver に送信する前に、Firing アラートのラベル値を完全に一致させる場合は、次の手順を実行します。
- フォームの Routing Labels セクションに、ルーティングラベルの名前と値を追加します。
- Add label を選択して、さらにルーティングラベルを追加します。
- Create をクリックしてレシーバーを作成します。
13.2. 関連情報
第14章 接続クラスターの非接続クラスターへの変換
OpenShift Container Platform クラスターを接続クラスターから非接続クラスターに変換する必要のあるシナリオがある場合があります。
制限されたクラスターとも呼ばれる非接続クラスターには、インターネットへのアクティブな接続がありません。そのため、レジストリーおよびインストールメディアのコンテンツをミラーリングする必要があります。インターネットと閉じられたネットワークの両方にアクセスできるホスト上にこのミラーレジストリーを作成したり、ネットワークの境界を越えて移動できるデバイスにイメージをコピーしたりすることができます。
このトピックでは、既存の接続クラスターを非接続クラスターに変換する一般的なプロセスを説明します。
14.1. ミラーレジストリーについて
OpenShift Container Platform のインストールとその後の製品更新に必要なイメージは、Red Hat Quay、JFrog Artifactory、Sonatype Nexus Repository、Harbor などのコンテナーミラーレジストリーにミラーリングできます。大規模なコンテナーレジストリーにアクセスできない場合は、OpenShift Container Platform サブスクリプションに含まれる小規模なコンテナーレジストリーである Red Hat OpenShift 導入用のミラーレジストリー を使用できます。
Red Hat Quay、Red Hat OpenShift 導入用のミラーレジストリー、Artifactory、Sonatype Nexus リポジトリー、Harbor など、Dockerv2-2 をサポートする任意のコンテナーレジストリーを使用できます。選択したレジストリーに関係なく、インターネット上の Red Hat がホストするサイトから分離されたイメージレジストリーにコンテンツをミラーリングする手順は同じです。コンテンツをミラーリングした後に、各クラスターをミラーレジストリーからこのコンテンツを取得するように設定します。
OpenShift イメージレジストリーはターゲットレジストリーとして使用できません。これは、ミラーリングプロセスで必要となるタグを使わないプッシュをサポートしないためです。
Red Hat OpenShift 導入用のミラーレジストリー 以外のコンテナーレジストリーを選択する場合は、プロビジョニングするクラスター内の全マシンから到達可能である必要があります。レジストリーに到達できない場合、インストール、更新、またはワークロードの再配置などの通常の操作が失敗する可能性があります。そのため、ミラーレジストリーは可用性の高い方法で実行し、ミラーレジストリーは少なくとも OpenShift Container Platform クラスターの実稼働環境の可用性の条件に一致している必要があります。
ミラーレジストリーを OpenShift Container Platform イメージで設定する場合、2 つのシナリオを実行することができます。インターネットとミラーレジストリーの両方にアクセスできるホストがあり、クラスターノードにアクセスできない場合は、そのマシンからコンテンツを直接ミラーリングできます。このプロセスは、connected mirroring (接続ミラーリング) と呼ばれます。このようなホストがない場合は、イメージをファイルシステムにミラーリングしてから、そのホストまたはリムーバブルメディアを制限された環境に配置する必要があります。このプロセスは、disconnected mirroring (非接続ミラーリング) と呼ばれます。
ミラーリングされたレジストリーの場合は、プルされたイメージのソースを表示するには、CRI-O ログで Trying to access
のログエントリーを確認する必要があります。ノードで crictl images
コマンドを使用するなど、イメージのプルソースを表示する他の方法では、イメージがミラーリングされた場所からプルされている場合でも、ミラーリングされていないイメージ名を表示します。
Red Hat は、OpenShift Container Platform を使用してサードパーティーのレジストリーをテストしません。
14.2. 前提条件
-
oc
クライアントがインストールされている。 - 実行中のクラスター。
OpenShift Container Platform クラスターをホストする場所で Docker v2-2 をサポートするコンテナーイメージレジストリーであるミラーレジストリーがインストールされている (例: 以下のレジストリーのいずれか)。
Red Hat Quay のサブスクリプションをお持ちの場合は、Red Hat Quay のデプロイに関するドキュメントの 概念実証の目的、または Quay Operator の使用 を参照してください。
- ミラーリポジトリーは、イメージを共有するように設定される必要があります。たとえば、Red Hat Quay リポジトリーでは、イメージを共有するために Organizations が必要です。
- 必要なコンテナーイメージを取得するためのインターネットへのアクセス。
14.3. ミラーリングのためのクラスターの準備
クラスターの接続を切断する前に、非接続クラスター内のすべてのノードから到達可能なミラーレジストリーにイメージをミラーリングまたはコピーする必要があります。イメージをミラーリングするには、以下を実行してクラスターを準備する必要があります。
- ミラーレジストリー証明書をホストの信頼される CA のリストに追加する。
-
cloud.openshift.com
トークンからのイメージプルシークレットが含まれる.dockerconfigjson
ファイルを作成する。
手順
イメージのミラーリングを可能にする認証情報を設定します。
単純な PEM または DER ファイル形式で、ミラーレジストリーの CA 証明書を信頼される CA のリストに追加します。以下に例を示します。
$ cp </path/to/cert.crt> /usr/share/pki/ca-trust-source/anchors/
- ここでは、以下のようになります。,
</path/to/cert.crt>
- ローカルファイルシステムの証明書へのパスを指定します。
- ここでは、以下のようになります。,
CA 信頼を更新します。たとえば、Linux の場合は以下のようになります。
$ update-ca-trust
グローバルプルシークレットから
.dockerconfigjson
ファイルを展開します。$ oc extract secret/pull-secret -n openshift-config --confirm --to=.
出力例
.dockerconfigjson
.dockerconfigjson
ファイルを編集し、ミラーレジストリーおよび認証情報を追加し、これを新規ファイルとして保存します。{"auths":{"<local_registry>": {"auth": "<credentials>","email": "you@example.com"}}},"<registry>:<port>/<namespace>/":{"auth":"<token>"}}}
ここでは、以下のようになります。
<local_registry>
- ミラーレジストリーがコンテンツを提供するために使用するレジストリーのドメイン名およびポート (オプション) を指定します。
auth
- ミラーレジストリーの base64 でエンコードされたユーザー名およびパスワードを指定します。
<registry>:<port>/<namespace>
- ミラーレジストリーの詳細を指定します。
<token>
ミラーレジストリーの base64 でエンコードされた
username:password
を指定します。以下に例を示します。
$ {"auths":{"cloud.openshift.com":{"auth":"b3BlbnNoaWZ0Y3UjhGOVZPT0lOMEFaUjdPUzRGTA==","email":"user@example.com"}, "quay.io":{"auth":"b3BlbnNoaWZ0LXJlbGVhc2UtZGOVZPT0lOMEFaUGSTd4VGVGVUjdPUzRGTA==","email":"user@example.com"}, "registry.connect.redhat.com"{"auth":"NTE3MTMwNDB8dWhjLTFEZlN3VHkxOSTd4VGVGVU1MdTpleUpoYkdjaUailA==","email":"user@example.com"}, "registry.redhat.io":{"auth":"NTE3MTMwNDB8dWhjLTFEZlN3VH3BGSTd4VGVGVU1MdTpleUpoYkdjaU9fZw==","email":"user@example.com"}, "registry.svc.ci.openshift.org":{"auth":"dXNlcjpyWjAwWVFjSEJiT2RKVW1pSmg4dW92dGp1SXRxQ3RGN1pwajJhN1ZXeTRV"},"my-registry:5000/my-namespace/":{"auth":"dXNlcm5hbWU6cGFzc3dvcmQ="}}}
14.4. イメージのミラーリング
クラスターを適切に設定した後に、外部リポジトリーからミラーリポジトリーにイメージをミラーリングできます。
手順
Operator Lifecycle Manager (OLM) イメージをミラーリングします。
$ oc adm catalog mirror registry.redhat.io/redhat/redhat-operator-index:v{product-version} <mirror_registry>:<port>/olm -a <reg_creds>
ここでは、以下のようになります。
product-version
-
インストールする OpenShift Container Platform のバージョンに対応するタグを指定します (例:
4.8
)。 mirror_registry
-
Operator コンテンツをミラーリングするターゲットレジストリーおよび namespace の完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定します。ここで、
<namespace>
はレジストリーの既存の namespace です。 reg_creds
-
変更した
.dockerconfigjson
ファイルの場所を指定します。
以下に例を示します。
$ oc adm catalog mirror registry.redhat.io/redhat/redhat-operator-index:v4.8 mirror.registry.com:443/olm -a ./.dockerconfigjson --index-filter-by-os='.*'
他の Red Hat が提供する Operator の内容をミラーリングします。
$ oc adm catalog mirror <index_image> <mirror_registry>:<port>/<namespace> -a <reg_creds>
ここでは、以下のようになります。
index_image
- ミラーリングするカタログのインデックスイメージを指定します。
mirror_registry
-
Operator コンテンツをミラーリングするターゲットレジストリーの FQDN および namespace を指定します。ここで、
<namespace>
はレジストリーの既存の namespace です。 reg_creds
- オプション: 必要な場合は、レジストリー認証情報ファイルの場所を指定します。
以下に例を示します。
$ oc adm catalog mirror registry.redhat.io/redhat/community-operator-index:v4.8 mirror.registry.com:443/olm -a ./.dockerconfigjson --index-filter-by-os='.*'
OpenShift Container Platform イメージリポジトリーをミラーリングします。
$ oc adm release mirror -a .dockerconfigjson --from=quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:v<product-version>-<architecture> --to=<local_registry>/<local_repository> --to-release-image=<local_registry>/<local_repository>:v<product-version>-<architecture>
ここでは、以下のようになります。
product-version
-
インストールする OpenShift Container Platform のバージョンに対応するタグを指定します (例:
4.8.15-x86_64
)。 architecture
-
サーバーのアーキテクチャーのタイプを指定します (例:
x86_64
)。 local_registry
- ミラーリポジトリーのレジストリードメイン名を指定します。
local_repository
-
レジストリーに作成するリポジトリーの名前を指定します (例:
ocp4/openshift4
)。
以下に例を示します。
$ oc adm release mirror -a .dockerconfigjson --from=quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.8.15-x86_64 --to=mirror.registry.com:443/ocp/release --to-release-image=mirror.registry.com:443/ocp/release:4.8.15-x86_64
出力例
info: Mirroring 109 images to mirror.registry.com/ocp/release ... mirror.registry.com:443/ ocp/release manifests: sha256:086224cadce475029065a0efc5244923f43fb9bb3bb47637e0aaf1f32b9cad47 -> 4.8.15-x86_64-thanos sha256:0a214f12737cb1cfbec473cc301aa2c289d4837224c9603e99d1e90fc00328db -> 4.8.15-x86_64-kuryr-controller sha256:0cf5fd36ac4b95f9de506623b902118a90ff17a07b663aad5d57c425ca44038c -> 4.8.15-x86_64-pod sha256:0d1c356c26d6e5945a488ab2b050b75a8b838fc948a75c0fa13a9084974680cb -> 4.8.15-x86_64-kube-client-agent ….. sha256:66e37d2532607e6c91eedf23b9600b4db904ce68e92b43c43d5b417ca6c8e63c mirror.registry.com:443/ocp/release:4.5.41-multus-admission-controller sha256:d36efdbf8d5b2cbc4dcdbd64297107d88a31ef6b0ec4a39695915c10db4973f1 mirror.registry.com:443/ocp/release:4.5.41-cluster-kube-scheduler-operator sha256:bd1baa5c8239b23ecdf76819ddb63cd1cd6091119fecdbf1a0db1fb3760321a2 mirror.registry.com:443/ocp/release:4.5.41-aws-machine-controllers info: Mirroring completed in 2.02s (0B/s) Success Update image: mirror.registry.com:443/ocp/release:4.5.41-x86_64 Mirror prefix: mirror.registry.com:443/ocp/release
必要に応じて他のレジストリーをミラーリングします。
$ oc image mirror <online_registry>/my/image:latest <mirror_registry>
関連情報
- Operator カタログのミラーリングについての詳細は、Mirroring an Operator catalogを参照してください。
-
oc adm catalog mirror
コマンドについての詳細は、OpenShift CLI administrator command referenceを参照してください。
14.5. ミラーレジストリー用のクラスターの設定
イメージを作成し、ミラーレジストリーにミラーリングした後に、Pod がミラーレジストリーからイメージをプルできるようにクラスターを変更する必要があります。
以下を行う必要があります。
- ミラーレジストリー認証情報をグローバルプルシークレットに追加します。
- ミラーレジストリーサーバー証明書をクラスターに追加します。
ミラーレジストリーをソースレジストリーに関連付ける
ImageContentSourcePolicy
カスタムリソース (ICSP) を作成します。ミラーレジストリー認証情報をクラスターのグローバル pull-secret に追加します。
$ oc set data secret/pull-secret -n openshift-config --from-file=.dockerconfigjson=<pull_secret_location> 1
- 1
- 新規プルシークレットファイルへのパスを指定します。
以下に例を示します。
$ oc set data secret/pull-secret -n openshift-config --from-file=.dockerconfigjson=.mirrorsecretconfigjson
CA 署名のミラーレジストリーサーバー証明書をクラスター内のノードに追加します。
ミラーレジストリーのサーバー証明書が含まれる設定マップを作成します。
$ oc create configmap <config_map_name> --from-file=<mirror_address_host>..<port>=$path/ca.crt -n openshift-config
以下に例を示します。
S oc create configmap registry-config --from-file=mirror.registry.com..443=/root/certs/ca-chain.cert.pem -n openshift-config
設定マップを使用して
image.config.openshift.io/cluster
カスタムリソース (CR) を更新します。OpenShift Container Platform は、この CR への変更をクラスター内のすべてのノードに適用します。$ oc patch image.config.openshift.io/cluster --patch '{"spec":{"additionalTrustedCA":{"name":"<config_map_name>"}}}' --type=merge
以下に例を示します。
$ oc patch image.config.openshift.io/cluster --patch '{"spec":{"additionalTrustedCA":{"name":"registry-config"}}}' --type=merge
ICSP を作成し、オンラインレジストリーからミラーレジストリーにコンテナープルリクエストをリダイレクトします。
ImageContentSourcePolicy
カスタムリソースを作成します。apiVersion: operator.openshift.io/v1alpha1 kind: ImageContentSourcePolicy metadata: name: mirror-ocp spec: repositoryDigestMirrors: - mirrors: - mirror.registry.com:443/ocp/release 1 source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release 2 - mirrors: - mirror.registry.com:443/ocp/release source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev
ICSP オブジェクトを作成します。
$ oc create -f registryrepomirror.yaml
出力例
imagecontentsourcepolicy.operator.openshift.io/mirror-ocp created
OpenShift Container Platform は、この CR への変更をクラスター内のすべてのノードに適用します。
ミラーレジストリーの認証情報、CA、および ICSP が追加されていることを確認します。
ノードにログインします。
$ oc debug node/<node_name>
/host
をデバッグシェル内のルートディレクトリーとして設定します。sh-4.4# chroot /host
config.json
ファイルで認証情報の有無を確認します。sh-4.4# cat /var/lib/kubelet/config.json
出力例
{"auths":{"brew.registry.redhat.io":{"xx=="},"brewregistry.stage.redhat.io":{"auth":"xxx=="},"mirror.registry.com:443":{"auth":"xx="}}} 1
- 1
- ミラーレジストリーおよび認証情報が存在することを確認します。
certs.d
ディレクトリーに移動します。sh-4.4# cd /etc/docker/certs.d/
certs.d
ディレクトリーの証明書を一覧表示します。sh-4.4# ls
出力例
image-registry.openshift-image-registry.svc.cluster.local:5000 image-registry.openshift-image-registry.svc:5000 mirror.registry.com:443 1
- 1
- ミラーレジストリーがリストにあることを確認します。
ICSP がミラーレジストリーを
registries.conf
ファイルに追加していることを確認します。sh-4.4# cat /etc/containers/registries.conf
出力例
unqualified-search-registries = ["registry.access.redhat.com", "docker.io"] [[registry]] prefix = "" location = "quay.io/openshift-release-dev/ocp-release" mirror-by-digest-only = true [[registry.mirror]] location = "mirror.registry.com:443/ocp/release" [[registry]] prefix = "" location = "quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev" mirror-by-digest-only = true [[registry.mirror]] location = "mirror.registry.com:443/ocp/release"
registry.mirror
パラメーターは、ミラーレジストリーが元のレジストリーの前に検索されることを示します。ノードを終了します。
sh-4.4# exit
14.6. アプリケーションが引き続き動作することの確認
ネットワークからクラスターを切断する前に、クラスターが想定どおりに機能しており、すべてのアプリケーションが想定どおりに機能していることを確認します。
手順
以下のコマンドを使用して、クラスターのステータスを確認します。
Pod が実行されていることを確認します。
$ oc get pods --all-namespaces
出力例
NAMESPACE NAME READY STATUS RESTARTS AGE kube-system apiserver-watcher-ci-ln-47ltxtb-f76d1-mrffg-master-0 1/1 Running 0 39m kube-system apiserver-watcher-ci-ln-47ltxtb-f76d1-mrffg-master-1 1/1 Running 0 39m kube-system apiserver-watcher-ci-ln-47ltxtb-f76d1-mrffg-master-2 1/1 Running 0 39m openshift-apiserver-operator openshift-apiserver-operator-79c7c646fd-5rvr5 1/1 Running 3 45m openshift-apiserver apiserver-b944c4645-q694g 2/2 Running 0 29m openshift-apiserver apiserver-b944c4645-shdxb 2/2 Running 0 31m openshift-apiserver apiserver-b944c4645-x7rf2 2/2 Running 0 33m ...
ノードが READY のステータスにあることを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ci-ln-47ltxtb-f76d1-mrffg-master-0 Ready master 42m v1.27.3 ci-ln-47ltxtb-f76d1-mrffg-master-1 Ready master 42m v1.27.3 ci-ln-47ltxtb-f76d1-mrffg-master-2 Ready master 42m v1.27.3 ci-ln-47ltxtb-f76d1-mrffg-worker-a-gsxbz Ready worker 35m v1.27.3 ci-ln-47ltxtb-f76d1-mrffg-worker-b-5qqdx Ready worker 35m v1.27.3 ci-ln-47ltxtb-f76d1-mrffg-worker-c-rjkpq Ready worker 34m v1.27.3
14.7. ネットワークからクラスターを切断します。
すべての必要なリポジトリーをミラーリングし、非接続クラスターとして機能するようにクラスターを設定した後に、ネットワークからクラスターを切断できます。
クラスターがインターネット接続を失うと、Insights Operator のパフォーマンスが低下します。復元できるまで、一時的に Insights Operator を無効にする ことで、この問題を回避できます。
14.8. パフォーマンスが低下した Insights Operator の復元
ネットワークからクラスターを切断すると、クラスターのインターネット接続が失われます。Insights Operator は Red Hat Insights へのアクセスが必要であるため、そのパフォーマンスが低下します。
このトピックでは、Insights Operator をパフォーマンスが低下した状態から復元する方法を説明します。
手順
.dockerconfigjson
ファイルを編集し、cloud.openshift.com
エントリーを削除します。以下に例を示します。"cloud.openshift.com":{"auth":"<hash>","email":"user@example.com"}
- ファイルを保存します。
編集した
.dockerconfigjson
ファイルでクラスターシークレットを更新します。$ oc set data secret/pull-secret -n openshift-config --from-file=.dockerconfigjson=./.dockerconfigjson
Insights Operator のパフォーマンスが低下しなくなったことを確認します。
$ oc get co insights
出力例
NAME VERSION AVAILABLE PROGRESSING DEGRADED SINCE insights 4.5.41 True False False 3d
14.9. ネットワークの復元
非接続クラスターを再接続し、オンラインレジストリーからイメージをプルする場合は、クラスターの ImageContentSourcePolicy (ICSP) オブジェクトを削除します。ICSP がない場合、外部レジストリーへのプルリクエストはミラーレジストリーにリダイレクトされなくなります。
手順
クラスターの ICSP オブジェクトを表示します。
$ oc get imagecontentsourcepolicy
出力例
NAME AGE mirror-ocp 6d20h ocp4-index-0 6d18h qe45-index-0 6d15h
クラスターの切断時に作成した ICSP オブジェクトをすべて削除します。
$ oc delete imagecontentsourcepolicy <icsp_name> <icsp_name> <icsp_name>
以下に例を示します。
$ oc delete imagecontentsourcepolicy mirror-ocp ocp4-index-0 qe45-index-0
出力例
imagecontentsourcepolicy.operator.openshift.io "mirror-ocp" deleted imagecontentsourcepolicy.operator.openshift.io "ocp4-index-0" deleted imagecontentsourcepolicy.operator.openshift.io "qe45-index-0" deleted
すべてのノードが再起動して READY ステータスに戻るまで待ち、
registries.conf
ファイルがミラーレジストリーではなく、元のレジストリーを参照していることを確認します。ノードにログインします。
$ oc debug node/<node_name>
/host
をデバッグシェル内のルートディレクトリーとして設定します。sh-4.4# chroot /host
registries.conf
ファイルを確認します。sh-4.4# cat /etc/containers/registries.conf
出力例
unqualified-search-registries = ["registry.access.redhat.com", "docker.io"] 1
- 1
- 削除した ICSP によって作成された
registry
およびregistry.mirror
エントリーが削除されています。
第15章 クラスター機能の有効化
クラスター管理者は、インストール前に無効化されたクラスター機能を有効化できます。
クラスター管理者は、クラスター機能を有効にした後、それを無効にすることはできません。
15.1. クラスター機能の表示
クラスター管理者は、clusterversion
リソースの状態を使用して機能を表示できます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
クラスター機能のステータスを表示するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get clusterversion version -o jsonpath='{.spec.capabilities}{"\n"}{.status.capabilities}{"\n"}'
出力例
{"additionalEnabledCapabilities":["openshift-samples"],"baselineCapabilitySet":"None"} {"enabledCapabilities":["openshift-samples"],"knownCapabilities":["CSISnapshot","Console","Insights","Storage","baremetal","marketplace","openshift-samples"]}
15.2. クラスター機能を有効にするベースライン機能セットの設定
クラスター管理者は、baselineCapabilitySet
を設定して機能を有効にすることができます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
baselineCapabilitySet
を設定するには、次のコマンドを実行します。$ oc patch clusterversion version --type merge -p '{"spec":{"capabilities":{"baselineCapabilitySet":"vCurrent"}}}' 1
- 1
baselineCapabilitySet
には、vCurrent
、v4.14
、またはNone
を指定できます。
次の表では、baselineCapabilitySet
の値を説明します。
値 | 説明 |
---|---|
| 新しいリリースで導入される新しいデフォルト機能を自動的に追加する場合、このオプションを指定します。 |
|
OpenShift Container Platform 4.11 のデフォルト機能を有効にする場合、このオプションを指定します。 |
|
OpenShift Container Platform 4.12 のデフォルト機能を有効にする場合、このオプションを指定します。 |
|
OpenShift Container Platform 4.13 のデフォルト機能を有効にする場合、このオプションを指定します。 |
|
OpenShift Container Platform 4.14 のデフォルト機能を有効にする場合、このオプションを指定します。 |
|
他のセットが大きすぎる場合や、機能が必要ない場合、 |
15.3. 追加で有効な機能を設定することによるクラスター機能の有効化
クラスター管理者は、additionalEnabledCapabilities
を設定してクラスター機能を有効にすることができます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行して、追加の有効な機能を表示します。
$ oc get clusterversion version -o jsonpath='{.spec.capabilities.additionalEnabledCapabilities}{"\n"}'
出力例
["openshift-samples"]
additionalEnabledCapabilities
を設定するには、次のコマンドを実行します。$ oc patch clusterversion/version --type merge -p '{"spec":{"capabilities":{"additionalEnabledCapabilities":["openshift-samples", "marketplace"]}}}'
クラスターですでに有効になっている機能を無効にすることはできません。クラスターバージョン Operator (CVO) は、クラスターですでに有効になっている機能を調整し続けます。
機能を無効にしようとすると、CVO は異なる仕様を示します。
$ oc get clusterversion version -o jsonpath='{.status.conditions[?(@.type=="ImplicitlyEnabledCapabilities")]}{"\n"}'
出力例
{"lastTransitionTime":"2022-07-22T03:14:35Z","message":"The following capabilities could not be disabled: openshift-samples","reason":"CapabilitiesImplicitlyEnabled","status":"True","type":"ImplicitlyEnabledCapabilities"}
クラスターのアップグレード中に、特定の機能が暗黙的に有効になる可能性があります。アップグレード前にクラスターでリソースがすでに実行されていた場合には、そのリソースに含まれるすべての機能が有効になります。たとえば、クラスターのアップグレード中に、そのクラスターですでに実行中のリソースが、システムにより marketplace
機能に含まれるように、変更される場合などです。クラスター管理者が marketplace
機能を明示的に有効にしていなくても、システムによって暗黙的に有効にされています。
15.4. 関連情報
第16章 IBM Z または IBM LinuxONE 環境での追加デバイスの設定
OpenShift Container Platform をインストールした後、z/VM でインストールされた IBM Z® または IBM® LinuxONE 環境でクラスターの追加デバイスを設定できます。次のデバイスを設定できます。
- ファイバーチャネルプロトコル (FCP) ホスト
- FCP LUN
- DASD
- qeth
Machine Config Operator (MCO) を使用し、udev ルールを追加してデバイスを設定するか、デバイスを手動で設定できます。
ここで説明する手順は、z/VM インストールにのみ適用されます。IBM Z® または IBM® LinuxONE インフラストラクチャーに RHEL KVM を使用してクラスターをインストールした場合、デバイスが KVM ゲストに追加された後、KVM ゲスト内で追加で設定をする必要はありません。ただし、z/VM と RHEL KVM 環境の両方で、Local Storage Operator と Kubernetes NMState Operator を設定する次の手順を適用する必要があります。
関連情報
16.1. Machine Config Operator (MCO) を使用した追加デバイスの設定
このセクションのタスクでは、Machine Config Operator (MCO) の機能を使用して、IBM Z® または IBM® LinuxONE 環境で追加のデバイスを設定する方法を説明します。MCO を使用したデバイスの設定は永続的ですが、コンピュートノードに対する特定の設定のみを使用できます。MCO では、コントロールプレーンノードに異なる設定を指定できません。
前提条件
- 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
- z/VM ゲストでデバイスを使用できる必要がある。
- デバイスがすでに接続されている。
-
デバイスは、カーネルパラメーターで設定できる
cio_ignore
リストに含まれていない。 次の YAML を使用して
MachineConfig
オブジェクトファイルを作成している。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: name: worker0 spec: machineConfigSelector: matchExpressions: - {key: machineconfiguration.openshift.io/role, operator: In, values: [worker,worker0]} nodeSelector: matchLabels: node-role.kubernetes.io/worker0: ""
16.1.1. ファイバーチャネルプロトコル (FCP) ホストの設定
以下は、udev ルールを追加し、N_Port Identifier Virtualization (NPIV) を使用して FCP ホストアダプターを設定する方法の例です。
手順
次の udev ルール
441-zfcp-host-0.0.8000.rules
の例を見てみましょう。ACTION=="add", SUBSYSTEM=="ccw", KERNEL=="0.0.8000", DRIVER=="zfcp", GOTO="cfg_zfcp_host_0.0.8000" ACTION=="add", SUBSYSTEM=="drivers", KERNEL=="zfcp", TEST=="[ccw/0.0.8000]", GOTO="cfg_zfcp_host_0.0.8000" GOTO="end_zfcp_host_0.0.8000" LABEL="cfg_zfcp_host_0.0.8000" ATTR{[ccw/0.0.8000]online}="1" LABEL="end_zfcp_host_0.0.8000"
次のコマンドを実行して、ルールを Base64 エンコードに変換します。
$ base64 /path/to/file/
以下の MCO サンプルプロファイルを YAML ファイルにコピーします。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker0 1 name: 99-worker0-devices spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - contents: source: data:text/plain;base64,<encoded_base64_string> 2 filesystem: root mode: 420 path: /etc/udev/rules.d/41-zfcp-host-0.0.8000.rules 3
16.1.2. FCP LUN の設定
以下は、udev ルールを追加して FCP LUN を設定する方法の例です。新しい FCP LUN を追加したり、マルチパスで設定済みの LUN にパスを追加したりできます。
手順
次の udev ルール
41-zfcp-lun-0.0.8000:0x500507680d760026:0x00bc000000000000.rules
の例を見てみましょう。ACTION=="add", SUBSYSTEMS=="ccw", KERNELS=="0.0.8000", GOTO="start_zfcp_lun_0.0.8207" GOTO="end_zfcp_lun_0.0.8000" LABEL="start_zfcp_lun_0.0.8000" SUBSYSTEM=="fc_remote_ports", ATTR{port_name}=="0x500507680d760026", GOTO="cfg_fc_0.0.8000_0x500507680d760026" GOTO="end_zfcp_lun_0.0.8000" LABEL="cfg_fc_0.0.8000_0x500507680d760026" ATTR{[ccw/0.0.8000]0x500507680d760026/unit_add}="0x00bc000000000000" GOTO="end_zfcp_lun_0.0.8000" LABEL="end_zfcp_lun_0.0.8000"
次のコマンドを実行して、ルールを Base64 エンコードに変換します。
$ base64 /path/to/file/
以下の MCO サンプルプロファイルを YAML ファイルにコピーします。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker0 1 name: 99-worker0-devices spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - contents: source: data:text/plain;base64,<encoded_base64_string> 2 filesystem: root mode: 420 path: /etc/udev/rules.d/41-zfcp-lun-0.0.8000:0x500507680d760026:0x00bc000000000000.rules 3
16.1.3. DASD の設定
以下は、udev ルールを追加して DASD デバイスを設定する方法の例です。
手順
次の udev ルール
41-dasd-eckd-0.0.4444.rules
の例を見てみましょう。ACTION=="add", SUBSYSTEM=="ccw", KERNEL=="0.0.4444", DRIVER=="dasd-eckd", GOTO="cfg_dasd_eckd_0.0.4444" ACTION=="add", SUBSYSTEM=="drivers", KERNEL=="dasd-eckd", TEST=="[ccw/0.0.4444]", GOTO="cfg_dasd_eckd_0.0.4444" GOTO="end_dasd_eckd_0.0.4444" LABEL="cfg_dasd_eckd_0.0.4444" ATTR{[ccw/0.0.4444]online}="1" LABEL="end_dasd_eckd_0.0.4444"
次のコマンドを実行して、ルールを Base64 エンコードに変換します。
$ base64 /path/to/file/
以下の MCO サンプルプロファイルを YAML ファイルにコピーします。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker0 1 name: 99-worker0-devices spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - contents: source: data:text/plain;base64,<encoded_base64_string> 2 filesystem: root mode: 420 path: /etc/udev/rules.d/41-dasd-eckd-0.0.4444.rules 3
16.1.4. qeth の設定
以下は、udev ルールを追加して qeth デバイスを設定する方法の例です。
手順
次の udev ルール
41-qeth-0.0.1000.rules
の例を見てみましょう。ACTION=="add", SUBSYSTEM=="drivers", KERNEL=="qeth", GOTO="group_qeth_0.0.1000" ACTION=="add", SUBSYSTEM=="ccw", KERNEL=="0.0.1000", DRIVER=="qeth", GOTO="group_qeth_0.0.1000" ACTION=="add", SUBSYSTEM=="ccw", KERNEL=="0.0.1001", DRIVER=="qeth", GOTO="group_qeth_0.0.1000" ACTION=="add", SUBSYSTEM=="ccw", KERNEL=="0.0.1002", DRIVER=="qeth", GOTO="group_qeth_0.0.1000" ACTION=="add", SUBSYSTEM=="ccwgroup", KERNEL=="0.0.1000", DRIVER=="qeth", GOTO="cfg_qeth_0.0.1000" GOTO="end_qeth_0.0.1000" LABEL="group_qeth_0.0.1000" TEST=="[ccwgroup/0.0.1000]", GOTO="end_qeth_0.0.1000" TEST!="[ccw/0.0.1000]", GOTO="end_qeth_0.0.1000" TEST!="[ccw/0.0.1001]", GOTO="end_qeth_0.0.1000" TEST!="[ccw/0.0.1002]", GOTO="end_qeth_0.0.1000" ATTR{[drivers/ccwgroup:qeth]group}="0.0.1000,0.0.1001,0.0.1002" GOTO="end_qeth_0.0.1000" LABEL="cfg_qeth_0.0.1000" ATTR{[ccwgroup/0.0.1000]online}="1" LABEL="end_qeth_0.0.1000"
次のコマンドを実行して、ルールを Base64 エンコードに変換します。
$ base64 /path/to/file/
以下の MCO サンプルプロファイルを YAML ファイルにコピーします。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker0 1 name: 99-worker0-devices spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - contents: source: data:text/plain;base64,<encoded_base64_string> 2 filesystem: root mode: 420 path: /etc/udev/rules.d/41-dasd-eckd-0.0.4444.rules 3
16.2. 追加のデバイスの手動設定
このセクションのタスクでは、IBM Z® または IBM® LinuxONE 環境で追加のデバイスを手動で設定する方法を説明します。この設定方法はノードの再起動後も持続しますが、OpenShift Container Platform ネイティブではなく、ノードを置き換える場合は手順をやり直す必要があります。
前提条件
- 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
- デバイスがノードで使用可能である。
- z/VM 環境では、デバイスを z/VM ゲストに接続しておく。
手順
次のコマンドを実行して、SSH 経由でノードに接続します。
$ ssh <user>@<node_ip_address>
次のコマンドを実行して、ノードへのデバッグセッションを開始することもできます。
$ oc debug node/<node_name>
chzdev
コマンドでデバイスを有効にするには、次のコマンドを入力します。$ sudo chzdev -e <device>
関連情報
- chzdev - Configure IBM Z® devices (IBM® ドキュメント)
- Persistent device configuration (IBM® ドキュメント)
16.3. RoCE ネットワークカード
RoCE (RDMA over Converged Ethernet) ネットワークカードは、有効にする必要はなく、ノードで使用できる場合はいつでも Kubernetes NMState Operator で設定できます。たとえば、RoCE ネットワークカードは、z/VM 環境に接続されているか、RHEL KVM 環境でパススルーされている場合に使用できます。
16.4. FCP LUN のマルチパスの有効化
このセクションのタスクでは、IBM Z® または IBM® LinuxONE 環境で追加のデバイスを手動で設定する方法を説明します。この設定方法はノードの再起動後も持続しますが、OpenShift Container Platform ネイティブではなく、ノードを置き換える場合は手順をやり直す必要があります。
IBM Z® および IBM® LinuxONE では、インストール時にクラスターを設定した場合のみマルチパスを有効にできます。詳細は、IBM Z® および IBM® LinuxONE への z/VM を使用したクラスターのインストール の RHCOS の「インストールおよび OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスの開始」を参照してください。
前提条件
- 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
- 上記で説明したいずれかの方法で、LUN への複数のパスを設定している。
手順
次のコマンドを実行して、SSH 経由でノードに接続します。
$ ssh <user>@<node_ip_address>
次のコマンドを実行して、ノードへのデバッグセッションを開始することもできます。
$ oc debug node/<node_name>
マルチパスを有効にするには、次のコマンドを実行します。
$ sudo /sbin/mpathconf --enable
multipathd
デーモンを開始するには、次のコマンドを実行します。$ sudo multipath
オプション: マルチパスデバイスを fdisk でフォーマットするには、次のコマンドを実行します。
$ sudo fdisk /dev/mapper/mpatha
検証
デバイスがグループ化されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ sudo multipath -II
出力例
mpatha (20017380030290197) dm-1 IBM,2810XIV size=512G features='1 queue_if_no_path' hwhandler='1 alua' wp=rw -+- policy='service-time 0' prio=50 status=enabled |- 1:0:0:6 sde 68:16 active ready running |- 1:0:1:6 sdf 69:24 active ready running |- 0:0:0:6 sdg 8:80 active ready running `- 0:0:1:6 sdh 66:48 active ready running
第17章 RHCOS イメージのレイヤー化
Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージのレイヤー化を使用すると、ベースイメージの上に追加のイメージを 重ねる ことで、ベース RHCOS イメージの機能を簡単に拡張できます。この階層化は、RHCOS のベースイメージを変更しません。代わりに、すべての RHCOS 機能を含む カスタムレイヤーイメージ を作成し、クラスター内の特定のノードに追加機能を追加します。
Containerfile を使用してカスタムレイヤーイメージを作成し、それを MachineConfig
オブジェクトを使用してノードに適用します。Machine Config Operator は、関連付けられたマシン設定の osImageURL
値で指定されているように、RHCOS の基本イメージをオーバーライドし、新しいイメージを起動します。マシン設定を削除することにより、カスタムレイヤーイメージを削除できます。MCO は、ノードを再起動して RHCOS の基本イメージに戻します。
RHCOS イメージのレイヤー化を使用すると、RPM を基本イメージにインストールでき、カスタムコンテンツが RHCOS と一緒に起動されます。Machine Config Operator (MCO) は、デフォルトの RHCOS イメージの場合と同じ方法で、これらのカスタムレイヤーイメージをロールアウトし、これらのカスタムコンテナーを監視できます。RHCOS イメージのレイヤー化により、RHCOS ノードの管理方法がより柔軟になります。
リアルタイムカーネルと拡張機能の RPM をカスタムレイヤードコンテンツとしてインストールすることは推奨しません。これは、これらの RPM が、マシン設定を使用してインストールされた RPM と競合する可能性があるためです。競合がある場合、MCO がマシン設定 RPM をインストールしようとすると、degraded
状態になります。続行する前に、競合する拡張機能をマシン設定から削除する必要があります。
カスタムレイヤーイメージをクラスターに適用するとすぐに、カスタムレイヤーイメージとそれらのノードの 所有権 を効率的に取得できます。Red Hat は引き続き標準ノード上の RHCOS の基本イメージの維持と更新を担当しますが、カスタムレイヤーイメージを使用するノードのイメージの維持と更新はお客様の責任となります。カスタムレイヤーイメージで適用したパッケージと、パッケージで発生する可能性のある問題については、お客様が責任を負うものとします。
カスタムレイヤー化イメージを適用するには、適用する OpenShift Container Platform イメージと RPM を参照する Containerfile を作成します。次に、結果のカスタムレイヤー化イメージをイメージレジストリーにプッシュします。非実稼働環境の OpenShift Container Platform クラスターで、新しいイメージを指すターゲットノードプールの MachineConfig
オブジェクトを作成します。
クラスターの残りの部分にインストールされている同じ基本 RHCOS イメージを使用します。oc adm release info --image-for rhel-coreos
コマンドを使用して、クラスターで使用される基本イメージを取得します。
RHCOS イメージのレイヤー化により、次のタイプのイメージを使用して、カスタムレイヤー化イメージを作成できます。
OpenShift Container Platform ホットフィックス。Customer Experience and Engagement (CEE) を使用して、ホットフィックスパッケージ を取得し、RHCOS イメージに適用することができます。場合によっては、公式の OpenShift Container Platform リリースに含まれる前に、バグ修正または機能強化が必要になることがあります。RHCOS イメージのレイヤー化により、公式にリリースされる前にホットフィックスを簡単に追加し、基になる RHCOS イメージに修正が組み込まれたときにホットフィックスを削除できます。
重要一部のホットフィックスは Red Hat Support Exception を必要とし、OpenShift Container Platform のサポート範囲またはライフサイクルポリシーの通常の範囲外です。
ホットフィックスが必要な場合は、Red Hat ホットフィックスポリシー に基づいて提供されます。それを基本イメージ上に適用し、その新しいカスタムレイヤーイメージを非実稼働環境でテストします。カスタムレイヤーイメージが実稼働環境で安全に使用できることを確認したら、独自のスケジュールで特定のノードプールにロールアウトできます。何らかの理由で、カスタムレイヤーイメージを簡単にロールバックして、デフォルトの RHCOS の使用に戻すことができます。
ホットフィックスを適用する Containerfile の例
# Using a 4.12.0 image FROM quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev@sha256... #Install hotfix rpm RUN rpm-ostree override replace https://example.com/myrepo/haproxy-1.0.16-5.el8.src.rpm && \ rpm-ostree cleanup -m && \ ostree container commit
RHEL パッケージ。chrony、firewalld、iputils などの Red Hat Enterprise Linux (RHEL) パッケージは、Red Hat Customer Portal からダウンロードできます。
firewalld ユーティリティーを適用する Containerfile の例
FROM quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256... ADD configure-firewall-playbook.yml . RUN rpm-ostree install firewalld ansible && \ ansible-playbook configure-firewall-playbook.yml && \ rpm -e ansible && \ ostree container commit
libreswan ユーティリティーを適用する Containerfile の例
# Get RHCOS base image of target cluster `oc adm release info --image-for rhel-coreos` # hadolint ignore=DL3006 FROM quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev@sha256... # Install our config file COPY my-host-to-host.conf /etc/ipsec.d/ # RHEL entitled host is needed here to access RHEL packages # Install libreswan as extra RHEL package RUN rpm-ostree install libreswan && \ systemctl enable ipsec && \ ostree container commit
libreswan には追加の RHEL パッケージが必要なため、イメージは資格のある RHEL ホスト上に構築する必要があります。
サードパーティーのパッケージ。次のタイプのパッケージなど、サードパーティーから RPM をダウンロードおよびインストールできます。
- 最先端のドライバーとカーネルの強化により、パフォーマンスを向上させたり、機能を追加したりします。
- 侵入の可能性と実際の侵入を調査するためのフォレンジッククライアントツール。
- セキュリティーエージェント。
- クラスター全体の一貫性のあるビューを提供するインベントリーエージェント。
- SSH キー管理パッケージ。
EPEL からサードパーティーパッケージを適用する Containerfile の例
# Get RHCOS base image of target cluster `oc adm release info --image-for rhel-coreos` # hadolint ignore=DL3006 FROM quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev@sha256... # Install our config file COPY my-host-to-host.conf /etc/ipsec.d/ # RHEL entitled host is needed here to access RHEL packages # Install libreswan as extra RHEL package RUN rpm-ostree install libreswan && \ systemctl enable ipsec && \ ostree container commit
RHEL 依存関係のあるサードパーティーパッケージを適用するための Containerfile の例
# Get RHCOS base image of target cluster `oc adm release info --image-for rhel-coreos` # hadolint ignore=DL3006 FROM quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev@sha256... # Install our config file COPY my-host-to-host.conf /etc/ipsec.d/ # RHEL entitled host is needed here to access RHEL packages # Install libreswan as extra RHEL package RUN rpm-ostree install libreswan && \ systemctl enable ipsec && \ ostree container commit
この Containerfile は、Linux fish プログラムをインストールします。fish には追加の RHEL パッケージが必要なため、イメージはエンタイトルメントのある RHEL ホストでビルドする必要があります。
マシン設定を作成した後、Machine Config Operator (MCO) は次の手順を実行します。
- 指定された 1 つ以上のプールの新しいマシン設定をレンダリングします。
- 1 つ以上のプール内のノードでコードンおよびドレイン操作を実行します。
- 残りのマシン設定パラメーターをノードに書き込みます。
- カスタムレイヤーイメージをノードに適用します。
- 新しいイメージを使用してノードを再起動します。
クラスターにロールアウトする前に、実稼働環境の外でイメージをテストすることを強く推奨します。
17.1. RHCOS カスタムレイヤーイメージの適用
特定のマシン設定プール内のノードで、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージのレイヤー化を簡単に設定できます。Machine Config Operator (MCO) は、ベースの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージを上書きして、新しいカスタムレイヤーイメージでこれらのノードを再起動します。
カスタムレイヤーイメージをクラスターに適用するには、クラスターがアクセスできるリポジトリーにカスタムレイヤーイメージが必要です。次に、カスタムレイヤーイメージを指す MachineConfig
オブジェクトを作成します。設定するマシン設定プールごとに個別の MachineConfig
オブジェクトが必要です。
カスタムレイヤーイメージを設定すると、OpenShift Container Platform は、カスタムレイヤーイメージを使用するノードを自動的に更新しなくなりました。必要に応じてノードを手動で更新する必要があります。カスタムレイヤーをロールバックすると、OpenShift Container Platform は再びノードを自動的に更新します。カスタムレイヤーイメージを使用するノードの更新に関する重要な情報は、以下の追加リソースセクションを参照してください。
前提条件
タグではなく、OpenShift Container Platform イメージダイジェストに基づくカスタムレイヤーイメージを作成する必要があります。
注記クラスターの残りの部分にインストールされているのと同じ RHCOS の基本イメージを使用する必要があります。
oc adm release info --image-for rhel-coreos
コマンドを使用して、クラスターで使用されている基本イメージを取得します。たとえば、次の Containerfile は、OpenShift Container Platform 4.14 イメージからカスタムのレイヤードイメージを作成し、カーネルパッケージを CentOS 9 Stream のイメージでオーバーライドします。
カスタムレイヤーイメージの Containerfile の例
# Using a 4.14.0 image FROM quay.io/openshift-release/ocp-release@sha256... 1 #Install hotfix rpm RUN rpm-ostree cliwrap install-to-root / && \ 2 rpm-ostree override replace http://mirror.stream.centos.org/9-stream/BaseOS/x86_64/os/Packages/kernel-{,core-,modules-,modules-core-,modules-extra-}5.14.0-295.el9.x86_64.rpm && \ 3 rpm-ostree cleanup -m && \ ostree container commit
注記Containerfile の作成方法は、このドキュメントの範囲外です。
-
カスタムレイヤーイメージをビルドするプロセスはクラスターの外部で実行されるため、Podman または Buildah で
--authfile/path/to/pull-secret
オプションを使用する必要があります。あるいは、これらのツールでプルシークレットを自動的に読み取るようにするには、デフォルトのファイルの場所のいずれかに追加できます。~/.docker/config.json
、$XDG_RUNTIME_DIR/containers/auth.json
、~/.docker/config.json
、または~/.dockercfg
。詳細は、containers-auth.json
のマニュアルページを参照してください。 - カスタムレイヤーイメージを、クラスターがアクセスできるリポジトリーにプッシュする必要があります。
手順
マシン設定プールを作成します。
以下のような YAML ファイルを作成します。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker 1 name: os-layer-custom spec: osImageURL: quay.io/my-registry/custom-image@sha256... 2
MachineConfig
オブジェクトを作成します。$ oc create -f <file_name>.yaml
重要クラスターにロールアウトする前に、実稼働環境の外でイメージをテストすることを強く推奨します。
検証
次のチェックのいずれかを実行することで、カスタムレイヤーイメージが適用されていることを確認できます。
ワーカーマシン設定プールが新しいマシン設定でロールアウトされていることを確認します。
新しいマシン設定が作成されたことを確認します。
$ oc get mc
出力例
NAME GENERATEDBYCONTROLLER IGNITIONVERSION AGE 00-master 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m 00-worker 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m 01-master-container-runtime 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m 01-master-kubelet 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m 01-worker-container-runtime 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m 01-worker-kubelet 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m 99-master-generated-registries 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m 99-master-ssh 3.2.0 98m 99-worker-generated-registries 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m 99-worker-ssh 3.2.0 98m os-layer-custom 10s 1 rendered-master-15961f1da260f7be141006404d17d39b 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m rendered-worker-5aff604cb1381a4fe07feaf1595a797e 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 95m rendered-worker-5de4837625b1cbc237de6b22bc0bc873 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 3.2.0 4s 2
新しいマシン設定の
osImageURL
値が予測されるイメージを指していることを確認します。$ oc describe mc rendered-worker-5de4837625b1cbc237de6b22bc0bc873
出力例
Name: rendered-worker-5de4837625b1cbc237de6b22bc0bc873 Namespace: Labels: <none> Annotations: machineconfiguration.openshift.io/generated-by-controller-version: 5bdb57489b720096ef912f738b46330a8f577803 machineconfiguration.openshift.io/release-image-version: 4.14.0-ec.3 API Version: machineconfiguration.openshift.io/v1 Kind: MachineConfig ... Os Image URL: quay.io/my-registry/custom-image@sha256...
関連するマシン設定プールが新しいマシン設定で更新されていることを確認します。
$ oc get mcp
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE master rendered-master-15961f1da260f7be141006404d17d39b True False False 3 3 3 0 39m worker rendered-worker-5de4837625b1cbc237de6b22bc0bc873 True False False 3 0 0 0 39m 1
- 1
UPDATING
フィールドがTrue
の場合、マシン設定プールは新しいマシン設定で更新されます。この場合、新しいマシン設定は出力にリストされません。フィールドがFalse
になると、ワーカーマシン設定プールが新しいマシン設定にロールアウトされます。
ノードをチェックして、ノードのスケジューリングが無効になっていることを確認します。これは、変更が適用されていることを示しています。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-0-148-79.us-west-1.compute.internal Ready worker 32m v1.27.3 ip-10-0-155-125.us-west-1.compute.internal Ready,SchedulingDisabled worker 35m v1.27.3 ip-10-0-170-47.us-west-1.compute.internal Ready control-plane,master 42m v1.27.3 ip-10-0-174-77.us-west-1.compute.internal Ready control-plane,master 42m v1.27.3 ip-10-0-211-49.us-west-1.compute.internal Ready control-plane,master 42m v1.27.3 ip-10-0-218-151.us-west-1.compute.internal Ready worker 31m v1.27.3
ノードが
Ready
状態に戻ったら、ノードがカスタムレイヤーイメージを使用していることを確認します。ノードへの
oc debug
セッションを開きます。以下に例を示します。$ oc debug node/ip-10-0-155-125.us-west-1.compute.internal
/host
をデバッグシェル内のルートディレクトリーとして設定します。sh-4.4# chroot /host
rpm-ostree status
コマンドを実行して、カスタムレイヤーイメージが使用されていることを確認します。sh-4.4# sudo rpm-ostree status
出力例
State: idle Deployments: * ostree-unverified-registry:quay.io/my-registry/... Digest: sha256:...
17.2. RHCOS カスタムレイヤーイメージの削除
特定のマシン設定プール内のノードから、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージのレイヤー化を簡単に元に戻すことができます。Machine Config Operator (MCO) は、クラスターベースの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージを使用してこれらのノードを再起動し、カスタムレイヤーイメージをオーバーライドします。
クラスターから Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) カスタムレイヤーイメージを削除するには、イメージを適用したマシン設定を削除する必要があります。
手順
カスタムレイヤーイメージを適用したマシン設定を削除します。
$ oc delete mc os-layer-custom
マシン設定を削除した後、ノードが再起動します。
検証
次のチェックのいずれかを実行することで、カスタムレイヤーイメージが削除されたことを確認できます。
ワーカーマシン設定プールが以前のマシン設定で更新されていることを確認します。
$ oc get mcp
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE master rendered-master-6faecdfa1b25c114a58cf178fbaa45e2 True False False 3 3 3 0 39m worker rendered-worker-6b000dbc31aaee63c6a2d56d04cd4c1b False True False 3 0 0 0 39m 1
- 1
UPDATING
フィールドがTrue
の場合、マシン設定プールは以前のマシン設定で更新されます。フィールドがFalse
になると、ワーカーマシン設定プールが以前のマシン設定にロールアウトされます。
ノードをチェックして、ノードのスケジューリングが無効になっていることを確認します。これは、変更が適用されていることを示しています。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-0-148-79.us-west-1.compute.internal Ready worker 32m v1.27.3 ip-10-0-155-125.us-west-1.compute.internal Ready,SchedulingDisabled worker 35m v1.27.3 ip-10-0-170-47.us-west-1.compute.internal Ready control-plane,master 42m v1.27.3 ip-10-0-174-77.us-west-1.compute.internal Ready control-plane,master 42m v1.27.3 ip-10-0-211-49.us-west-1.compute.internal Ready control-plane,master 42m v1.27.3 ip-10-0-218-151.us-west-1.compute.internal Ready worker 31m v1.27.3
ノードが
Ready
状態に戻ったら、ノードが基本イメージを使用していることを確認します。ノードへの
oc debug
セッションを開きます。以下に例を示します。$ oc debug node/ip-10-0-155-125.us-west-1.compute.internal
/host
をデバッグシェル内のルートディレクトリーとして設定します。sh-4.4# chroot /host
rpm-ostree status
コマンドを実行して、カスタムレイヤーイメージが使用されていることを確認します。sh-4.4# sudo rpm-ostree status
出力例
State: idle Deployments: * ostree-unverified-registry:podman pull quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:e2044c3cfebe0ff3a99fc207ac5efe6e07878ad59fd4ad5e41f88cb016dacd73 Digest: sha256:e2044c3cfebe0ff3a99fc207ac5efe6e07878ad59fd4ad5e41f88cb016dacd73
17.3. RHCOS カスタムレイヤーイメージによる更新
Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージのレイヤー化を設定すると、OpenShift Container Platform は、カスタムレイヤーイメージを使用するノードプールを自動的に更新しなくなります。必要に応じてノードを手動で更新する必要があります。
カスタムレイヤーイメージを使用するノードを更新するには、次の一般的な手順に従います。
- カスタムレイヤーイメージを使用するノードを除き、クラスターはバージョン x.y.z+1 に自動的にアップグレードされます。
- その後、更新された OpenShift Container Platform イメージと以前に適用した RPM を参照する新しい Containerfile を作成できます。
- 更新されたカスタムレイヤーイメージを指す新しいマシン設定を作成します。
カスタムレイヤーイメージでノードを更新する必要はありません。ただし、そのノードが現在の OpenShift Container Platform バージョンから大幅に遅れると、予期しない結果が生じる可能性があります。
第18章 AWS Local Zone のタスク
OpenShift Container Platform を Amazon Web Services (AWS) にインストールした後、AWS Local Zones とエッジコンピュートプールをさらに設定して、ニーズに合わせてクラスターを拡張およびカスタマイズできます。
18.1. 既存のクラスターを拡張して AWS Local Zones を使用する
インストール後のタスクとして、Amazon Web Services (AWS) 上の既存の OpenShift Container Platform クラスターを拡張して、AWS Local Zones を使用できます。
ノードを Local Zone の場所に拡張するには、次の手順を実行します。
- クラスターネットワークの最大伝送単位 (MTU) の調整
- Local Zone グループを AWS Local Zones にオプトインする
- Local Zone の場所の既存の VPC にサブネットを作成する
- マシンセットマニフェストを作成し、各 Local Zone の場所にノードを作成します。
AWS 上の既存の OpenShift Container Platform クラスターを拡張して Local Zone を使用する前に、既存の VPC に使用可能な Classless Inter-Domain Routing (CIDR) ブロックが含まれていることを確認してください。これらのブロックはサブネットの作成に必要です。
関連情報
- AWS Local Zones、サポートされているインスタンスタイプ、およびサービスの詳細は、AWS ドキュメントの AWS Local Zones 機能 を参照してください。
18.1.1. エッジコンピュートプールおよび AWS Local Zones
エッジワーカーノードは、AWS Local Zones の場所で実行されるテイントされたワーカーノードです。
ローカルゾーンを使用するクラスターをデプロイメントする場合は、次の点を考慮してください。
- Local Zone の Amazon EC2 インスタンスは、アベイラビリティゾーンの Amazon EC2 インスタンスよりも高価です。
- Local Zone では、アプリケーションとエンドユーザー間の待ち時間が短くなり、待ち時間は場所によって異なる場合があります。たとえば、ローカルゾーンとアベイラビリティゾーンの間で受信トラフィックが混在している場合は、一部のワークロードに遅延の影響が発生します。
通常、ローカルゾーンの Amazon EC2 インスタンスとリージョンの Amazon EC2 インスタンス間の最大転送単位 (MTU) は 1300 です。詳細は、AWS ドキュメントの ローカルゾーンの仕組み を参照してください。オーバーヘッドを考慮して、クラスターネットワーク MTU は常に EC2 MTU より小さくなければなりません。特定のオーバーヘッドは、ネットワークプラグインによって決定されます。以下に例を示します。
-
OVN-Kubernetes:
100 bytes
-
OpenShift SDN:
50 bytes
ネットワークプラグインは、MTU を減らす必要がある IPsec などの追加機能を提供できます。追加情報は、ドキュメントを参照してください。
OpenShift Container Platform 4.12 では、リモートゾーンで使用するために設計された新しいコンピューティングプール Edge が導入されました。エッジコンピュートプール設定は、AWS Local Zone の場所間で共通です。Local Zone リソース上の EC2 や EBS などのリソースのタイプとサイズの制限により、デフォルトのインスタンスタイプは従来のワーカープールとは異なる場合があります。
Local Zone の場所のデフォルトの Elastic Block Store (EBS) は gp2
であり、通常のワーカープールとは異なります。エッジコンピュートプールの各 Local Zone に使用されるインスタンスタイプも、ゾーンのインスタンスオファリングによってワーカープールとは異なる場合があります。
エッジコンピュートプールは、開発者が AWS Local Zones ノードにアプリケーションをデプロイするために使用できる新しいラベルを作成します。新しいラベルは次のとおりです。
-
node-role.kubernetes.io/edge=''
-
machine.openshift.io/zone-type=local-zone
-
machine.openshift.io/zone-group=$ZONE_GROUP_NAME
デフォルトでは、エッジコンピュートプールのマシンセットは NoSchedule
のテイントを定義して、Local Zone インスタンス上で通常のワークロードが拡散するのを防ぎます。ユーザーは、Pod 仕様で toleration を定義している場合にのみユーザーワークロードを実行できます。
18.1.2. AWS Local Zones サブネットをサポートするための Cluster Network MTU の変更
クラスターインフラストラクチャーが Local Zone サブネットをサポートできるように、クラスターネットワークの最大伝送単位 (MTU) 値の変更が必要になる場合があります。
18.1.2.1. クラスター MTU について
インストール中に、クラスターネットワークの最大伝送ユニット (MTU) は、クラスター内のノードのプライマリーネットワークインターフェイスの MTU をもとに、自動的に検出されます。通常、検出された MTU をオーバーライドする必要はありません。
以下のような理由でクラスターネットワークの MTU を変更する場合があります。
- クラスターのインストール中に検出された MTU が使用中のインフラストラクチャーに適していない
- クラスターインフラストラクチャーに異なる MTU が必要となった (例: パフォーマンスの最適化にさまざまな MTU を必要とするノードが追加された)。
OVN-Kubernetes および OpenShift SDN クラスターネットワークプラグインに対してのみ、クラスター MTU を変更できます。
18.1.2.1.1. サービス中断に関する考慮事項
クラスターで MTU の変更を開始すると、次の動作が原因でサービスの可用性に影響を与える可能性があります。
- 新しい MTU への移行を完了するには、少なくとも 2 回のローリングリブートが必要です。この間、一部のノードは再起動するため使用できません。
- 特定のアプリケーションに、絶対 TCP タイムアウト間隔よりもタイムアウトの間隔が短いクラスターにデプロイされた場合など、MTU の変更中に中断が発生する可能性があります。
18.1.2.1.2. MTU 値の選択
MTU の移行を計画するときは、関連しているが異なる MTU 値を 2 つ考慮する必要があります。
- ハードウェア MTU: この MTU 値は、ネットワークインフラストラクチャーの詳細に基づいて設定されます。
クラスターネットワーク MTU: この MTU 値は、クラスターネットワークオーバーレイのオーバーヘッドを考慮して、常にハードウェア MTU よりも小さくなります。特定のオーバーヘッドは、ネットワークプラグインによって決まります。
-
OVN-Kubernetes:
100
バイト -
OpenShift SDN:
50
バイト
-
OVN-Kubernetes:
クラスターがノードごとに異なる MTU 値を必要とする場合は、クラスター内の任意のノードで使用される最小の MTU 値から、ネットワークプラグインのオーバーヘッド値を差し引く必要があります。たとえば、クラスター内の一部のノードでは MTU が 9001
であり、MTU が 1500
のクラスターもある場合には、この値を 1400
に設定する必要があります。
ノードが受け入れられない MTU 値の選択を回避するには、ip -d link
コマンドを使用して、ネットワークインターフェイスが受け入れる最大 MTU 値 (maxmtu
) を確認します。
18.1.2.1.3. 移行プロセスの仕組み
以下の表は、プロセスのユーザーが開始する手順と、移行が応答として実行するアクション間を区分して移行プロセスを要約しています。
ユーザーが開始する手順 | OpenShift Container Platform アクティビティー |
---|---|
Cluster Network Operator 設定で次の値を指定します。
| Cluster Network Operator (CNO): 各フィールドが有効な値に設定されていることを確認します。
指定の値が有効な場合に、CNO は、クラスターネットワークの MTU が Machine Config Operator (MCO): クラスター内の各ノードのローリングリブートを実行します。 |
クラスター上のノードのプライマリーネットワークインターフェイスの MTU を再設定します。これを実現するには、次のようなさまざまな方法を使用できます。
| 該当なし |
ネットワークプラグインの CNO 設定で | Machine Config Operator (MCO): 新しい MTU 設定を使用して、クラスター内の各ノードのローリングリブートを実行します。 |
18.1.2.2. クラスター MTU の変更
クラスター管理者は、クラスターの最大転送単位 (MTU) を変更できます。移行には中断を伴い、MTU 更新が公開されると、クラスター内のノードが一時的に利用できなくなる可能性があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。 クラスターのターゲット MTU を特定している。正しい MTU は、クラスターが使用するネットワークプラグインによって異なります。
-
OVN-Kubernetes: クラスター MTU は、クラスター内の最小のハードウェア MTU 値から
100
を引いた数に設定する必要があります。 -
OpenShift SDN: クラスター MTU は、クラスター内の最小ハードウェア MTU 値から
50
を引いた値に設定する必要があります。
-
OVN-Kubernetes: クラスター MTU は、クラスター内の最小のハードウェア MTU 値から
手順
クラスターネットワークの MTU を増減するには、次の手順を実行します。
クラスターネットワークの現在の MTU を取得するには、次のコマンドを入力します。
$ oc describe network.config cluster
出力例
... Status: Cluster Network: Cidr: 10.217.0.0/22 Host Prefix: 23 Cluster Network MTU: 1400 Network Type: OpenShiftSDN Service Network: 10.217.4.0/23 ...
MTU 移行を開始するには、次のコマンドを入力して移行設定を指定します。Machine Config Operator は、MTU の変更に備えて、クラスター内のノードをローリングリブートします。
$ oc patch Network.operator.openshift.io cluster --type=merge --patch \ '{"spec": { "migration": { "mtu": { "network": { "from": <overlay_from>, "to": <overlay_to> } , "machine": { "to" : <machine_to> } } } } }'
ここでは、以下のようになります。
<overlay_from>
- 現在のクラスターネットワークの MTU 値を指定します。
<overlay_to>
-
クラスターネットワークのターゲット MTU を指定します。この値は、
<machine_to>
の値を基準にして設定され、それぞれ、OVN-Kubernetes の場合は100
を、OpenShift SDN の場合は50
を引いた値に指定します。 <machine_to>
- 基盤となるホストネットワークのプライマリーネットワークインターフェイスの MTU を指定します。
クラスター MTU を増やす例
$ oc patch Network.operator.openshift.io cluster --type=merge --patch \ '{"spec": { "migration": { "mtu": { "network": { "from": 1400, "to": 9000 } , "machine": { "to" : 9100} } } } }'
MCO がそれぞれのマシン設定プールのマシンを更新すると、各ノードが 1 つずつ再起動します。すべてのノードが更新されるまで待機する必要があります。以下のコマンドを実行してマシン設定プールのステータスを確認します。
$ oc get mcp
正常に更新されたノードには、
UPDATED=true
、UPDATING=false
、DEGRADED=false
のステータスがあります。注記デフォルトで、MCO はプールごとに一度に 1 つのマシンを更新するため、移行にかかる合計時間がクラスターのサイズと共に増加します。
ホスト上の新規マシン設定のステータスを確認します。
マシン設定の状態と適用されたマシン設定の名前をリスト表示するには、以下のコマンドを入力します。
$ oc describe node | egrep "hostname|machineconfig"
出力例
kubernetes.io/hostname=master-0 machineconfiguration.openshift.io/currentConfig: rendered-master-c53e221d9d24e1c8bb6ee89dd3d8ad7b machineconfiguration.openshift.io/desiredConfig: rendered-master-c53e221d9d24e1c8bb6ee89dd3d8ad7b machineconfiguration.openshift.io/reason: machineconfiguration.openshift.io/state: Done
以下のステートメントが true であることを確認します。
-
machineconfiguration.openshift.io/state
フィールドの値はDone
です。 -
machineconfiguration.openshift.io/currentConfig
フィールドの値は、machineconfiguration.openshift.io/desiredConfig
フィールドの値と等しくなります。
-
マシン設定が正しいことを確認するには、以下のコマンドを入力します。
$ oc get machineconfig <config_name> -o yaml | grep ExecStart
ここで、
<config_name>
はmachineconfiguration.openshift.io/currentConfig
フィールドのマシン設定の名前になります。マシン設定には、systemd 設定に以下の更新を含める必要があります。
ExecStart=/usr/local/bin/mtu-migration.sh
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