3.6. インストール設定ファイルの手動作成
クラスターをインストールするには、インストール設定ファイルを手動で作成する必要があります。
前提条件
- インストールプログラムで使用するための SSH 公開鍵がローカルマシン上に存在する。この鍵は、デバッグや障害復旧のために、クラスターノードへの SSH 認証に使用できます。
- OpenShift Container Platform インストールプログラムとクラスターのプルシークレットを取得している。
手順
- 必要なインストールアセットを保存するためのインストールディレクトリーを作成します。 - mkdir <installation_directory> - $ mkdir <installation_directory>- Copy to Clipboard Copied! - Toggle word wrap Toggle overflow 重要- このディレクトリーは必ず作成してください。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットは、有効期限が短いため、インストールディレクトリーを再利用しないでください。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してください。 
- 提供されているサンプルの - install-config.yamlファイルテンプレートをカスタマイズし、ファイルを- <installation_directory>に保存します。注記- この設定ファイルの名前を - install-config.yamlと付ける必要があります。- 次の変更を行います。 - 必要なインストールパラメーターを指定します。
- 
								platform.azureセクションを更新して、Azure Stack Hub に固有のパラメーターを指定します。
- オプション: 1 つ以上のデフォルト設定パラメーターを更新して、インストールをカスタマイズします。 - パラメーターの詳細は、「インストール設定パラメーター」を参照してください。 
 
- 多くのクラスターのインストールに使用できるように、 - install-config.yamlファイルをバックアップします。重要- インストールプロセスの次のステップで - install-config.yamlファイルを使用するため、今すぐこのファイルをバックアップしてください。
3.6.1. インストール設定パラメーター
					OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、環境の詳細を記述するカスタマイズされた install-config.yaml インストール設定ファイルを指定します。
				
						インストール後は、これらのパラメーターを install-config.yaml ファイルで変更することはできません。
					
3.6.1.1. 必須設定パラメーター
必須のインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。
| パラメーター | 説明 | 値 | 
|---|---|---|
| 
										 | 
										 | 文字列 | 
| 
										 | 
										クラウドプロバイダーのベースドメイン。ベースドメインは、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、 | 
										 | 
| 
										 | 
										Kubernetes リソース  | オブジェクト | 
| 
										 | 
										クラスターの名前。クラスターの DNS レコードはすべて  | 
										 | 
| 
										 | 
										インストールを実行する特定のプラットフォームの設定:  | オブジェクト | 
| 
										 | Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を取得して、Quay.io などのサービスから OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージをダウンロードすることを認証します。 |  | 
3.6.1.2. ネットワーク設定パラメーター
既存のネットワークインフラストラクチャーの要件に基づいて、インストール設定をカスタマイズできます。たとえば、クラスターネットワークの IP アドレスブロックを拡張するか、デフォルトとは異なる IP アドレスブロックを指定できます。
IPv4 アドレスのみがサポートされます。
Globalnet は、Red Hat OpenShift Data Foundation ディザスターリカバリーソリューションではサポートされていません。局地的なディザスターリカバリーのシナリオでは、各クラスター内のクラスターとサービスネットワークに重複しない範囲のプライベート IP アドレスを使用するようにしてください。
| パラメーター | 説明 | 値 | 
|---|---|---|
| 
										 | クラスターのネットワークの設定。 | オブジェクト 注記 
											インストール後に  | 
| 
										 | インストールする Red Hat OpenShift Networking ネットワークプラグイン。 | 
										 | 
| 
										 | Pod の IP アドレスブロック。 
										デフォルト値は  複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。 | オブジェクトの配列。以下に例を示します。 networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23 | 
| 
										 | 
										 IPv4 ネットワーク | 
										CIDR (Classless Inter-Domain Routing) 表記の IP アドレスブロック。IPv4 ブロックの接頭辞長は  | 
| 
										 | 
										それぞれの個別ノードに割り当てるサブネット接頭辞長。たとえば、 | サブネット接頭辞。 
										デフォルト値は  | 
| 
										 | 
										サービスの IP アドレスブロック。デフォルト値は  OpenShift SDN および OVN-Kubernetes ネットワークプラグインは、サービスネットワークの単一 IP アドレスブロックのみをサポートします。 | CIDR 形式の IP アドレスブロックを持つ配列。以下に例を示します。 networking: serviceNetwork: - 172.30.0.0/16  | 
| 
										 | マシンの IP アドレスブロック。 複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。 | オブジェクトの配列。以下に例を示します。 networking: machineNetwork: - cidr: 10.0.0.0/16  | 
| 
										 | 
										 | CIDR 表記の IP ネットワークブロック。 
										例:  注記 
											優先される NIC が置かれている CIDR に一致する  | 
3.6.1.3. オプションの設定パラメーター
オプションのインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。
| パラメーター | 説明 | 値 | 
|---|---|---|
| 
										 | ノードの信頼済み証明書ストアに追加される PEM でエンコードされた X.509 証明書バンドル。この信頼バンドルは、プロキシーが設定される際にも使用できます。 | 文字列 | 
| 
										 | オプションのコアクラスターコンポーネントのインストールを制御します。オプションのコンポーネントを無効にすることで、OpenShift Container Platform クラスターのフットプリントを削減できます。詳細は、インストール の「クラスター機能ページ」を参照してください。 | 文字列配列 | 
| 
										 | 
										有効にするオプション機能の初期セットを選択します。有効な値は  | 文字列 | 
| 
										 | 
										オプションの機能のセットを、 | 文字列配列 | 
| 
										 | コンピュートノードを設定するマシンの設定。 | 
										 | 
| 
										 | 
										プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は  | 文字列 | 
| 
										 | 
										コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは  重要 同時マルチスレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 | 
										 | 
| 
										 | 
										 | 
										 | 
| 
										 | 
										 | 
										 | 
| 
										 | プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。 | 
										 | 
| 
										 | 機能セットのクラスターを有効にします。機能セットは、デフォルトで有効にされない OpenShift Container Platform 機能のコレクションです。インストール中に機能セットを有効にする方法の詳細は、「機能ゲートの使用による各種機能の有効化」を参照してください。 | 
										文字列。 | 
| 
										 | コントロールプレーンを設定するマシンの設定。 | 
										 | 
| 
										 | 
										プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は  | 文字列 | 
| 
										 | 
										コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは  重要 同時マルチスレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 | 
										 | 
| 
										 | 
										 | 
										 | 
| 
										 | 
										 | 
										 | 
| 
										 | プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。 | 
										サポートされる値は  | 
| 
										 | Cloud Credential Operator (CCO) モード。モードを指定しないと、CCO は指定された認証情報の機能を動的に判別しようとします。この場合、複数のモードがサポートされるプラットフォームで Mint モードが優先されます。 注記 すべてのクラウドプロバイダーですべての CCO モードがサポートされているわけではありません。CCO モードの詳細は、Cluster Operators リファレンス の Cloud Credential Operator を参照してください。 注記 
											AWS アカウントでサービスコントロールポリシー (SCP) が有効になっている場合は、 | 
										 | 
| 
										 | 
										FIPS モードを有効または無効にします。デフォルトは  重要 
											クラスターで FIPS モードを有効にするには、FIPS モードで動作するように設定された Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピューターからインストールプログラムを実行する必要があります。RHEL での FIPS モードの設定の詳細は、FIPS モードでのシステムのインストール を参照してください。FIPS 検証済み/Modules In Process 暗号ライブラリーの使用は、 注記 Azure File ストレージを使用している場合、FIPS モードを有効にすることはできません。 | 
										 | 
| 
										 | release-image コンテンツのソースおよびリポジトリー。 | 
										オブジェクトの配列。この表の以下の行で説明されているように、 | 
| 
										 | 
										 | 文字列 | 
| 
										 | 同じイメージが含まれる可能性のあるリポジトリーを 1 つ以上指定します。 | 文字列の配列。 | 
| 
										 | Kubernetes API、OpenShift ルートなどのクラスターのユーザーに表示されるエンドポイントをパブリッシュまたは公開する方法。 | 
										 
										このパラメーターを  重要 
											フィールドの値が  | 
| 
										 | クラスターマシンへのアクセスを認証するための SSH キー。 注記 
											インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、 | 
										たとえば、 | 
3.6.1.4. 追加の Azure Stack Hub 設定パラメーター
追加の Azure 設定パラメーターは以下の表で説明されています。
| パラメーター | 説明 | 値 | 
|---|---|---|
| 
										 | VM の Azure ディスクのサイズ。 | 
										GB 単位でディスクのサイズを表す整数。デフォルトは  | 
| 
										 | ディスクのタイプを定義します。 | 
										 | 
| 
										 | コンピュートマシンの azure インスタンスタイプを定義します。 | 文字列 | 
| 
										 | VM の Azure ディスクのサイズ。 | 
										GB 単位でディスクのサイズを表す整数。デフォルトは  | 
| 
										 | ディスクのタイプを定義します。 | 
										 | 
| 
										 | コントロールプレーンマシンの azure インスタンスタイプを定義します。 | 文字列 | 
| 
										 | VM の Azure ディスクのサイズ。 | 
										GB 単位でディスクのサイズを表す整数。デフォルトは  | 
| 
										 | ディスクのタイプを定義します。 | 
										 | 
| 
										 | コントロールプレーンおよびコンピュートマシンの Azure インスタンスタイプ。 | Azure インスタンスタイプ。 | 
| 
										 | Azure Stack Hub Operator が提供する Azure Resource Manager エンドポイント の URL。 | 文字列 | 
| 
										 | ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前。 | 
										文字列 (例:  | 
| 
										 | Azure Stack Hub ローカルリージョンの名前。 | 文字列 | 
| 
										 | クラスターをインストールする既存のリソースグループの名前。このリソースグループは空で、この特定のクラスターにのみ使用する必要があります。クラスターコンポーネントは、リソースグループ内のすべてのリソースの所有権を想定します。インストールプログラムのサービスプリンシパルの範囲をこのリソースグループに制限する場合は、環境内でインストールプログラムが使用する他のすべてのリソースに、パブリック DNS ゾーンや仮想ネットワークなどの必要なパーミッションがあることを確認する必要があります。インストールプログラムを使用してクラスターを破棄すると、このリソースグループが削除されます。 | 
										文字列 (例:  | 
| 
										 | クラスターをインターネットに接続するために使用されるアウトバウンドルーティングストラテジー。ユーザー定義のルーティングを使用している場合、クラスターをインストールする前にアウトバウンドルーティングがすでに設定されている既存のネットワークが利用可能な状態にする必要があります。インストールプログラムはユーザー定義のルーティングの設定を行いません。 | 
										 | 
| 
										 | 適切な Azure API エンドポイントで Azure SDK を設定するために使用される Azure クラウド環境の名前。 | 
										 | 
| 
										 | RHCOS VHD を含む Azure Stack 環境のストレージ blob の URL。 | 文字列 (たとえば、https://vhdsa.blob.example.example.com/vhd/rhcos-410.84.202112040202-0-azurestack.x86_64.vhd) | 
3.6.2. Azure Stack Hub 用にカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル
					install-config.yaml ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームに関する詳細を指定するか、必要なパラメーターの値を変更することができます。
				
このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。これを使用して、手動で作成したインストール設定ファイルにパラメーター値を入力します。
- 1 7 10 12 14 17 18 20
- 必須。
- 2 5
- これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
- 3
- controlPlaneセクションは単一マッピングですが、- computeセクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、- computeセクションの最初の行はハイフン- -で始め、- controlPlaneセクションの最初の行はハイフンで始めることができません。どちらのセクションも、現時点では単一のマシンプールを定義しますが、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、インストール時の複数のコンピュートプールの定義をサポートする可能性があります。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。
- 4 6
- 使用するディスクのサイズは、GB 単位で指定できます。コントロールプレーンノードの最小推奨値は 1024 GB です。
- 8
- クラスターの名前。
- 9
- インストールするクラスターネットワークプラグイン。サポートされている値はOVNKubernetesとOpenShiftSDNです。デフォルトの値はOVNkubernetesです。
- 11
- Azure Stack Hub オペレーターが提供する Azure Resource Manager エンドポイント。
- 13
- ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前。
- 15
- Azure Stack Hub ローカルリージョンの名前。
- 16
- クラスターをインストールする既存のリソースグループの名前。定義されていない場合は、クラスターに新しいリソースグループが作成されます。
- 19
- RHCOS VHD を含む Azure Stack 環境のストレージ blob の URL。
- 21
- クラスターを認証するために必要なプルシークレット。
- 22
- FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。重要FIPS 検証済み/Modules In Process 暗号ライブラリーの使用は、 x86_64、ppc64le、およびs390xアーキテクチャー上の OpenShift Container Platform デプロイメントでのみサポートされます。
- 23
- クラスター内のマシンにアクセスするために使用するsshKey値をオプションで指定できます。注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、 ssh-agentプロセスが使用する SSH キーを指定します。
- 24
- Azure Stack Hub 環境で内部認証局 (CA) を使用している場合は、CA 証明書を追加する必要があります。