2.2. マイグレーション
マイグレーションとは、 ゲスト仮想マシンを任意のホストから別のホストに移行するプロセスです。仮想マシンが直接ハードウェア上で実行するのではなく仮想化環境内で実行するために、このマイグレーションが可能となります。仮想マシンのマイグレーションには、ライブとオフラインの 2 つの方法があります。
マイグレーションのタイプ
- オフラインマイグレーション
- オフラインマイグレーションでは、ゲスト仮想マシンを一時停止させて、仮想マシンのメモリーのイメージを目的のホストに移動します。次に、目的のホスト上で仮想マシンを再開し、仮想マシンがソースホスト上で使用していたメモリーを解放します。
- ライブマイグレーション
- ライブマイグレーションは、アクティブな仮想マシンを任意の物理ホストから別の物理ホストに移行するプロセスです。
2.2.1. 仮想マシンのマイグレーションの利点
マイグレーションは以下の点でに役立ちます。
- 負荷の分散
- ホストマシンがオーバーロードとなった場合、仮想マシンは単独でも複数でも、ライブマイグレーションで他のホストに移行できます。
- ホストのアップグレードやホストに変更を加える場合
- 任意のホスト上にあるハードウェアデバイスにアップグレード、追加、削除などの必要性が生じた場合、仮想マシンを安全に他のホストに移動させることができます。つまり、ホストに変更がなされたからといって、それに起因するダウンタイムをゲストが経験することはありません。
- 省エネ
- 仮想マシンを別のホストに再配分することで、アンロードされたホストシステムの電源を電力使用量の少ない時間帯にオフにして節電とコスト削減が可能になります。
- 地理的なマイグレーション
- 待ち時間の短縮や他の特別な状況のために、別の物理的場所に仮想マシンを移動することができます。
マイグレーションプロセスでは仮想マシンのメモリーが移動するということ、また Red Hat Enterprise Linux 6.3 からは仮想マシンに関連するディスクボリュームも移行するということを理解することが重要です。このプロセスはライブブロックマイグレーションを使用して実施されます。
移行するゲストイメージは、共有のネットワークストレージに保存することができます。仮想マシンのマイグレーション時の共有ストレージには、libvirt 管理のストレージプールの使用が推奨されます。
注記
マイグレーションに関する詳細は、 『Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化管理ガイド』を参照してください。