第2章 Data Grid 8 0 への移行


以前のリリースからの移行に影響する Data Grid 8.0 の変更を確認します。

2.1. Data Grid 8.0 サーバー

8.0 より、Data Grid サーバーは Red Hat JBoss Enterprise Application Platform (EAP) をベースとしなくなり、起動時間がはるかに速く、軽量化され、よりセキュアになりました。

Data Grid サーバーは、設定に $RHDG_HOME/server/conf/infinispan.xml を使用します。

データストアの設定

キャッシュ定義を使用して Data Grid がデータを保存する方法を設定します。デフォルトでは、Data Grid サーバーには、キャッシュ定義の作成、設定、および管理を可能にする Cache Manager 設定が含まれています。

<cache-container name="default" 1
                 statistics="true"> 2
  <transport cluster="${infinispan.cluster.name}" 3
             stack="${infinispan.cluster.stack:tcp}" 4
             node-name="${infinispan.node.name:}"/>
</cache-container>
1
default という名前の Cache Manager を作成します。
2
metrics エンドポイントを介して Cache M anager の統計情報をエクスポートします。
3
Data Grid サーバーが自動的に相互のクラスターを検出し、フォームクラスターを検出できるようにする JGroups クラスタートランスポートを追加します。
4
クラスタートラフィックにデフォルトの TCP スタックを使用します。

上記の設定では、キャッシュ定義はありません。8.0 サーバーを起動すると、デフォルトの Cache Manager がインスタンス化されるので、CLI、REST API、またはリモート Hot Rod クライアントから実行時にキャッシュ定義を作成することができます。

注記

Data Grid サーバーは、EAP をベースとした以前のバージョンと同じようにドメインモードを提供しなくなりました。ただし、Data Grid サーバーはクラスターリング機能を備えたデフォルト設定を提供し、データをすべてのノードにレプリケートします。

サーバー設定

Data Grid 8.0 では、infinispan.xml に Data Grid サーバーに固有の設定を定義する server 要素を追加しています。

<server>
  <interfaces>
    <interface name="public">
      <inet-address value="${infinispan.bind.address:127.0.0.1}"/> 1
    </interface>
  </interfaces>

  <socket-bindings default-interface="public"
                   port-offset="${infinispan.socket.binding.port-offset:0}">
    <socket-binding name="default"
                    port="${infinispan.bind.port:11222}"/> 2
    <socket-binding name="memcached"
                    port="11221"/> 3
  </socket-bindings>

  <security>
     <security-realms>
        <security-realm name="default"> 4
           <properties-realm groups-attribute="Roles">
              <user-properties path="users.properties" relative-to="infinispan.server.config.path" plain-text="true"/>
              <group-properties path="groups.properties" relative-to="infinispan.server.config.path" />
           </properties-realm>
        </security-realm>
     </security-realms>
  </security>

  <endpoints socket-binding="default" security-realm="default"> 5
     <hotrod-connector name="hotrod"/>
     <rest-connector name="rest"/>
  </endpoints>
</server>
1
127.0.0.1 ループバックアドレスを使用するデフォルトのパブリックインターフェイスを作成します。
2
パブリックインターフェイスをポート 11222 にバインドするデフォルトのソケットバインディングを作成します。
3
Memcached コネクターのソケットバインディングを作成します。Memcached エンドポイントが非推奨になりました。
4
プロパティーファイルを使用して認証情報および RBAC 設定を定義するデフォルトのセキュリティーレルムを定義します。
5
127.0.0.1:11222 で Hot Rod と REST のエンドポイントを公開します。
重要

REST エンドポイントは、Data Grid コマンドラインインターフェイス (CLI) とコンソールが使用する管理操作を処理します。このため、REST エンドポイントを無効にしないでください。

表2.1 チートシート
7.x8.x

./standalone.sh -c clustered.xml

./server.sh

./standalone.sh

./server.sh -c infinispan-local.xml

-Djboss.default.multicast.address=234.99.54.20

-Djgroups.mcast_addr=234.99.54.20

-Djboss.bind.address=172.18.1.13

-Djgroups.bind.address=172.18.1.13

-Djboss.default.jgroups.stack=udp

-j udp

  • カスタム UDP/TCP アドレスを以下のように使用します。

    -Djgroups.udp.address=172.18.1.13
    -Djgroups.tcp.address=172.18.1.1

  • 以下のように JMX を有効にします。

    <cache-container name="default"
                     statistics="true"> 1
      <jmx enabled="true" /> 2
      ...
    1
    キャッシュマネージャーの統計を有効にします。これがデフォルトです。
    2
    JMX MBean をエクスポートします。
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