15.5.5. 一方向同期の設定
デフォルトでは、すべての変更および削除は双方向で行われます。Active Directory の変更が Identity Management に同期され、Identity Management のエントリーへの変更が Active Directory に同期されます。基本的にこれは、同等のマルチマスターの関係で、Active Directory と Identity Management はどちらも同期時は同等のピアであり、データマスターでもあります。
ただし一部のデータ構造または IT デザインでは、一方のドメインのみをデータマスターとし、他方のドメインでは更新を受け入れられるようにする必要があります。この場合には、マルチマスターの関係 (ピアサーバーが同等) からマスター対コンシュマーの関係に同期関係が変更されます。
これには、同期合意に
oneWaySync
パラメーターを設定します。使用可能な値は、fromWindows
(Active Directory から Identity Management への同期) と toWindows
(Identity Management から Active Directory の同期) です。
たとえば、Active Directory から Identity Management への変更を同期するには、次のコマンドを実行します。
重要
一方向同期を有効にすると、同期されていないサーバーで自動的に変更ができなくなる わけではないため、同期更新間の同期ピア間で不整合が生じる可能性があります。たとえば、一方向同期は Active Directory から Identity Management に送信されるように設定されるので、(基本的には) Active Directory がデータマスターになります。Identity Management でエントリーを変更または削除すると、Identity Management の情報が異なるため、その変更は Active Directory に引き継がれなくなります。次の同期更新時に、編集内容は Directory Server で上書きされ、エントリーを削除していても再び追加されます。