3.9. Relatime ドライブアクセス最適化


POSIX 基準では、各ファイルが最後にアクセスされた時間を記録するファイルシステムのメタデータがオペレーティングシステムによって維持されていなければなりません。このタイムスタンプは atime と呼ばれ、これを維持するにはストレージに常時書き込みをする動作が必要になります。これらの書き込みにより、ストレージデバイスとそのリンクに常に電源が投入され、ビジー状態になります。 atime データを使用するアプリケーションは少ないため、このストレージデバイスの動作が電力を浪費していることになります。重要なことは、ストレージへの書き込みは、ファイルがストレージからではなくキャッシュから読み込まれた場合でも発生する点です。これまで、Linux カーネルでは mount 用の noatime オプションに対応してきたため、このオプションでマウントされたファイルシステムには atime データを書き込んでいませんでした。しかし、単純に atime データを使用しないことにも問題があります。一部のアプリケーションは atime データに依存しているため、これが利用できないと機能しないためです。
Red Hat Enterprise Linux 6 で使用しているカーネルは、代替となる relatime に対応しています。 Relatime では atime データを維持しますが、ファイルがアクセスされる度の書き込み動作はしません。このオプションを有効にすると、ファイルが変更された、つまり atime が更新された (mtime) 場合、またはファイルが最後にアクセスされてから一定以上の時間 (デフォルトでは 1 日) が経過している場合に限り、atime データがディスクに書き込まれます。
デフォルトでは、relatime が有効な状態ですべてのファイルシステムがマウントされるようになります。特定のファイルシステムに対してこのオプションを無効にしたい場合には、そのファイルシステムをマウントする際に norelatime オプションを使用します。
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