第7章 参考情報


本章には、virt-v2v に関する参考情報を記載しています。

7.1. virt-v2v のパラメーター

virt-v2v では、以下のパラメーターを使用することができます。
-i input
変換対象のゲストを取得する入力メソッドを指定します。デフォルトは libvirt です。以下のオプションがサポートされています。
libvirt
ゲストの引数は、libvirt ドメインの名前です。
libvirtxml
ゲストの引数は、libvirt ドメインが記載されている XML ファイルへのパスです。
-ic URI
libvirt 入力メソッドで使用する接続を指定します。指定しなかった場合には、デフォルトで qemu:///system が選択されます。これは、virt-v2v を root として実行した場合のみ機能する点に注意してください。
virt-v2v は現在、ローカルの libvirt 接続、ESX / ESX(i) 接続、および SSH 経由の接続でゲストストレージを自動的に取得することができます。これ以外の接続タイプはサポートされていません。
-o method
出力メソッドを指定します。出力メソッドを指定しなかった場合には、デフォルトで libvirt が選択されます。以下の出力メソッドがサポートされています。
libvirt
libvirt ゲストを作成します。-oc および -os のオプションを確認してください。-os は libvirt 出力メソッド用に指定する必要があります。
rhev
Red Hat Enterprise Virtualization のエクスポートストレージドメイン上にゲストを作成します。このゲストは、後で Manager を使用してインポートすることができます。エクスポートストレージドメインは -os を使用して rhev 出力メソッド用に指定する必要があります。
-oc URI
変換されたゲストの作成に libvirt 接続を使用するように指定します。このパラメーターを省略すると、virt-v2v を root として実行している場合にはデフォルトで qemu:///system が選択されます。virt-v2v は、この libvirt 接続によって記述されるストレージに直接書き込みができる必要があります。このため、現時点ではリモート接続への書き込みは実用的ではありません。
-os storage
変換されたゲスト用の新規ストレージの作成場所を指定します。これは、-o パラメーターによって指定される出力メソッドによって異なります。
libvirt 出力メソッドの場合にはストレージプール名、rhev 出力メソッドの場合には Red Hat Enterprise Virtualization エクスポートストレージドメインへの NFS パスを指定する必要があります。ストレージドメインは Red Hat Enterprise Virtualization Manager で事前に初期化しておく必要がある点に注意してください。ドメインは、<host>:<path> の形式 (例: rhev-storage.example.com:/rhev/export) で指定する必要があります。
NFS エクスポートは、virt-v2v を実行するホストによるマウントと書き込みが可能である必要があります。
-op pool (deprecated)
-os の方が推奨されるようになったため、このパラメーターは非推奨となりましたが、引き続きサポートされています
-osd domain (deprecated)
-os の方が推奨されるようになったため、このパラメーターは非推奨となりましたが、引き続きサポートされています
-of format
変換されたゲストに使用されるオンディスク形式を指定します。現在サポートされているオプションは rawqcow2 です。出力形式は、ソースの形式と同じである必要はありません。virt-v2vraw から qcow2 およびその逆の変換を行うことができます。指定されていない場合には、変換されたゲストはソースのゲストと同じ形式を使用します。
-oa allocation
変換されるゲストが sparse または preallocated のストレージを使用するように指定します。割り当てスキームはソースのスキームと同じである必要はありません。virt-v2v は sparse から preallocated およびその逆の変換を行うことができます。指定しなかった場合には、変換されたゲストは変換元と同じ割り当てスキームを使用します。
-on outputname
ゲストの名前を変更します。このオプションを使用しなかった場合には、出力名は入力名と同じになります。
-f file | --config file
ファイルから virt-v2v 設定を読み込みます。複数の設定ファイルを指定することが可能です。これらのファイルは、指定された順序で検索されます。設定が指定されなかった場合、デフォルトは /etc/virt-v2v.conf/var/lib/virt-v2v/virt-v2v.db の順序となります。

重要

デフォルトの設定情報を上書きする場合には、/var/lib/virt-v2v/virt-v2v.db を指定することを推奨します。このファイルには変換に必要なデフォルトの設定データが含まれているのが理由です。
-n network | --network network
設定ファイルにマッピングが記述されていないゲストブリッジまたはネットワークをすべて、指定のネットワークにマッピングします。
このオプションは、--bridge とは併用できません。
-b bridge | --bridge bridge
設定ファイルにマッピングが記述されていないゲストブリッジまたはネットワークをすべて、指定のブリッジにマッピングします。
このオプションは、--network とは併用できません。
-p profile | --profile profile
設定ファイル内の profile から、出力メソッド、出力ストレージ、ネットワークマッピングにデフォルト値を使用します。
--root=filesystem
マルチブート仮想マシンで、変換される root ファイルシステムを指定します。このオプションのデフォルト値は --root=ask です。このオプションを選択すると、virt-v2v は指定可能な root ファイルシステムを一覧表示して、どのファイルシステムを使用するかをユーザーに尋ねます。

警告

Red Hat Enterprise Linux 6.3 よりも前のバージョンでは、デフォルト値は --root=single でした。この値を使用すると、マルチブート仮想マシンが検出された場合に virt-v2v が失敗する可能性があります。
その他の使用可能なオプション
first
複数のデバイスが検出された場合に、1 番目の root デバイスを選択します。これはヒューリスティックであるため、選択が必ずしも正しいとは限りません。
single
使用可能な root デバイスが一つのみであることを指定します。複数のデバイスが検出された場合には、virt-v2v は失敗します。
<path>
使用する特定の root デバイスを指定します。たとえば、--root=/dev/sda2 は 1 番目のハードドライブ上の 第 2 のパーティションを指定します。指定したデバイスが存在しない場合や、root デバイスとして検出されなかった場合には virt-v2v は失敗します。
--list-profiles
設定ファイルで指定されているターゲットプロファイル名の一覧が表示されます。
--help
簡潔なヘルプが表示されます。
--version
バージョン番号が表示された後にプロンプトに戻ります。
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