1.4. Pacemaker アーキテクチャーコンポーネント
Pacemaker で設定されたクラスターは、クラスターメンバーシップを監視する個別のコンポーネントデーモン、サービスを管理するスクリプト、および異なるリソースを監視するリソース管理サブシステムで設定されます。Pacemaker アーキテクチャーを形成するコンポーネントは、以下のとおりです。
- Cluster Information Base (CIB)
- XML を内部的に使用して、DC (Designated Coordinator) (CIB を介してクラスターのステータスと動作を格納および分散するために、Pacemaker により割り当てられたノード) から、他のすべてのクラスターノードに対して現在の設定とステータスの情報を分散し、同期する Pacemaker 情報デーモン。
- Cluster Resource Management Daemon (CRMd)
- Pacemaker クラスターリソースの動作は、このデーモンを介してルーティングされます。CRMd により管理されるリソースは、必要に応じてクライアントシステムが問い合わせることができます。また、リソースを移動したり、インスタンス化したり、変更したりできます。各クラスターノードには、CRMd とリソースの間のインターフェイスとして動作する LRMd (Local Resource Manager daemon) も含まれます。LRMd は、起動、停止、ステータス情報のリレーなどのコマンドを、CRMd からエージェントに渡します。
- Shoot the Other Node in the Head (STONITH)
- 多くの場合、電源スイッチとともにデプロイされる STONITH は、フェンス要求を処理する Pacemaker のクラスターリソースとして動作し、強制的にノードの電源をオフにし、クラスターからノードを削除してデータの整合性を確保します。STONITH は CIB で設定され、通常のクラスターリソースとして監視できます。
- corosync
corosync
は、コアメンバーシップと、高可用性クラスターのメンバー間の通信ニーズに対応するコンポーネントで、デーモンも同じ名前になります。これは、High Availability Add-On が機能するのに必要です。corosync
は、このようなメンバーシップとメッセージング機能のほかに、以下も提供します。- クォーラムのルールおよび決定を管理します。
- クラスターの複数のメンバー間の調整機能、またはメンバー間で動作するメッセージング機能を提供します。そのため、インスタンス間で、ステートフルな情報またはその他の情報を通信できる必要があります。