第1章 概要
インストーラーおよびイメージの作成
RHEL 8.2 では、パッケージのインストール前に、システムを登録し、RHEL サブスクリプションを割り当て、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) からインストールすることができます。インストール時に、システムを Red Hat Insights に登録することもできます。インタラクティブな GUI インストールと自動キックスタートインストールが、これらの新機能をサポートしています。
詳細は、「インストーラーおよびイメージの作成」 を参照してください。
インフラストラクチャーサービス
Tuned システムチューニングツールがバージョン 2.13 にリベースされ、アーキテクチャー依存チューニングと複数の include ディレクティブのサポートが追加されました。
詳細は、「インフラストラクチャーサービス」 を参照してください。
セキュリティー
システム全体の暗号化ポリシーでカスタマイゼーションがサポートされるようになりました。管理者は、完全なポリシーを定義するか、特定の値のみを変更することができるようになりました。
RHEL 8.2 には、SELinux ポリシーの分析とデータフローの検査のためのツールを提供する setools-gui
パッケージと setools-console-analyses
パッケージが含まれています。
SCAP Security Guide が Australian Cyber Security Centre (ACSC) Essential Eight Maturity Model に準拠するプロファイルを提供するようになりました。
詳細は、「セキュリティー」 を参照してください。
動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー
以下のコンポーネントの後続のバージョンが、新しいモジュールストリームとして利用できるようになりました。
- Python 3.8
- Maven 3.6
詳細は、「動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー」 を参照してください。
コンパイラーツールセット
RHEL 8.2 では以下のコンパイラーツールセットが更新されました。
- GCC Toolset 9
- Clang and LLVM Toolset 9.0.1
- Rust Toolset 1.41
- Go Toolset 1.13
詳細は、「コンパイラーおよび開発ツール」 を参照してください。
Identity Management
Identity Management では、新しいコマンドラインツール Healthcheck が導入されました。Healthcheck は、IdM 環境の適合性に影響を与える可能性がある問題の特定に役立ちます。
Identity Management が、インストールおよび管理用の Ansible ロールおよびモジュールに対応しました。今回の更新で、IdM ベースのソリューションのインストールおよび設定が容易になります。
詳細は、「ID 管理」 を参照してください。
Web コンソール
Web コンソールが、PatternFly 4 ユーザーインターフェイスシステムデザインを使用するように再設計されました。
セキュリティーを強化するため、Web コンソールにセッションタイムアウトが追加されました。
詳細は、「Web コンソール」 を参照してください。
デスクトップ
GNOME クラシック環境のワークスペーススイッチが変更されました。このスイッチは、一番下のバーの右部分に移動され、横線のサムネイルとして設計されています。必要なサムネイルをクリックすることで、ワークスペース間の切り替えが可能です。
Direct Rendering Manager (DRM) カーネルグラフィックサブシステムが、アップストリームの Linux カーネルバージョン 5.3 にリベースされました。このバージョンでは、新しい GPU および APU のサポートや、さまざまなドライバー更新など、以前のバージョンから多くの機能強化が行われています。
インプレースアップグレード
RHEL 7 から RHEL 8 へのインプレースアップグレード
サポート対象のインプレースアップグレードパスは、以下のとおりです。
- 64 ビット Intel、IBM POWER 8 (little endian)、および IBM Z アーキテクチャーでの RHEL 7.9 から RHEL 8.2 のアップグレード。
- カーネルバージョン 4.14 を必要とするアーキテクチャー (64-bit ARM、IBM POWER 9(リトルエンディアン)、および IBM Z (Structure A)) での RHEL 7.6 から RHEL 8.2 のアップグレード。上記のアーキテクチャーは RHEL 7 では完全にサポートされていますが、RHEL 7.7 以降はマイナーリリースの更新を受け取らなくなっている点に注意してください。
詳細は Supported in-place upgrade paths for Red Hat Enterprise Linux を参照してください。インプレースアップグレードの実行方法は、RHEL 7 から RHEL 8 へのアップグレード を参照してください。
主な機能強化は、次のとおりです。
- RHEL 7 から RHEL 8 へのインプレースアップグレードに、追加のカスタムリポジトリーを使用できるようになりました。また、Red Hat Subscription Manager を使用せずにアップグレードすることも可能です。
- Leapp ユーティリティーを使用して、独自のアクターを作成し、カスタムまたはサードパーティーのアプリケーションを移行できます。
詳細は Red Hat Enterprise Linux のインプレースアップグレードのカスタマイズ を参照してください。
CentOS Linux 7 または Oracle Linux 7 を使用している場合は、RHEL 8 にアップグレードする前に、サポート対象外の convert2rhel
ユーティリティーを使用してオペレーティングシステムを RHEL 7 に変換できます。手順については、RPM ベースの Linux ディストリビューションから RHEL への変換を 参照してください。
RHEL 6 から RHEL 8 へのインプレースアップグレード
RHEL 6.10 から RHEL 8.2 にアップグレードするには、RHEL 6 から RHEL 8 へのアップグレード の手順に従います。
CentOS Linux 6 または Oracle Linux 6 を使用している場合は、RHEL 8 にアップグレードする前に、サポート対象外の convert2rhel
ユーティリティーを使用してオペレーティングシステムを RHEL 6 に変換できます。手順は、CentOS または Oracle Linux から RHEL に変換する方法 を参照してください。
関連情報
- 他のバージョンと比較した Red Hat Enterprise Linux 8.0 の 機能および制限 は、Red Hat ナレッジベースの記事 Red Hat Enterprise Linux technology capabilities and limits を参照してください。
- Red Hat Enterprise Linux の ライフサイクル に関する情報は Red Hat Enterprise Linux のライフサイクル を参照してください。
- RHEL 8 の パッケージリスト は、パッケージマニフェスト を参照してください。
- RHEL 7 と RHEL 8 の主な相違点 は、RHEL 8 の導入における検討事項 を参照してください。
- RHEL 7 から RHEL 8 へのインプレースアップグレード を実行する方法は、RHEL 7 から RHEL 8 へのアップグレード を参照してください。
- すべての RHEL サブスクリプションで、既知の技術問題の特定、検証、および解決をプロアクティブに行う Red Hat Insights サービスが利用できるようになりました。Red Hat Insights クライアントをインストールし、システムをサービスに登録する方法は、Red Hat Insights を使い始める ページを参照してください。
Red Hat Customer Portal Labs
Red Hat Customer Portal Labs は、カスタマーポータルのセクションにあるツールセットで、https://access.redhat.com/labs/ から入手できます。Red Hat Customer Portal Labs のアプリケーションは、パフォーマンスの向上、問題の迅速なトラブルシューティング、セキュリティー問題の特定、複雑なアプリケーションの迅速なデプロイメントおよび設定に役立ちます。最も一般的なアプリケーションには、以下のものがあります。