2.9. テクノロジープレビュー
Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7 にはテクノロジープレビューとして、分散仮想ルーティング、DNS-as-a-Service、および Erasure Code が追加されました。
注記
テクノロジープレビューと記した機能のサポート範囲についての詳しい情報は、「テクノロジプレビュー機能のサポート範囲」 を参照してください。
- セル
- OpenStack Compute には、コンピュートリソースを分割するために nova-cells パッケージにより提供されるセルの概念が採用されています。セルに関する詳しい情報は、「ホストとセルのスケジュール」を参照してください。また、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform は、リージョン、アベイラビリティーゾーン、ホストアグリゲートという Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 内のコンピュートリソースを分割する方法を完全にサポートしています。詳しくは 「ホストアグリゲートの管理」 を参照してください。
- Database-as-a-Service
- OpenStack Database-as-a-Service により、ユーザーは OpenStack Compute インスタンス内に単一テナントのデーターベースを容易にプロビジョニングすることができます。Database-as-a-Service フレームワークにより、ユーザーはデータベースのデプロイ、使用、管理、モニタリング、スケーリングに伴う従来の管理オーバーヘッドを回避することができます。
- 分散仮想ルーティング
- Distributed Virtual Routing (DVR) により、L3 ルーターを Compute ノードに直接配置することができます。これにより、インスタンスのトラフィックは、初めにネットワークノード経由でルーティングする必要なく、コンピュートノード間 (East-West、水平方向) で転送されます。
- DNS-as-a-Service (DNSaaS)
- Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7 には、Designate としても知られる DNS-as-a-Service (DNSaaS) のテクノロジープレビューが含まれています。DNSaaS にはドメインとレコードの管理のための REST API が含まれ、マルチテナントに対応しており、認証には OpenStack Identity Service (keystone) と統合します。また、DNSaaS には Compute (nova) および OpenStack Networking (neutron) の通知と統合するフレームワークが実装されており、DNS レコードの自動生成が可能です。DNSaaS は PowerDNS および Bind9 の統合もサポートしています。
- Erasure Code (EC)
- テクノロジープレビューとして、Object Storage Service には、アクセス頻度の低いデータを大量に格納するデバイスを対象に EC ストレージポリシータイプが実装されました。EC ストレージポリシーは、可用性を維持しつつコストとストレージの要件を低減する (トリプルレプリケーションの約 1/3 のキャパシティーが必要)、独自のリングと設定可能なパラメーターセットを使用します。EC にはより多くの CPU およびネットワークリソースが必要なため、EC をポリシーとして実装すると、クラスターの EC 機能に関連付けられた全ストレージデバイスを分離することができます。
- File Share Service
- OpenStack File Share Service は、OpenStack の共有ファイルシステムのプロビジョニングと管理を行う、シームレスで簡単な方法を提供します。プロビジョニング後はこれらの共有ファイルシステムをインスタンスにセキュアに使用 (マウント) することができます。File Share Service は、プロビジョニングした共有を堅牢に管理することも可能で、クォータの設定、アクセスの設定、 スナップショットの作成、その他の役立つ管理タスクを実行する手段を提供します。OpenStack File Share Service は、アップストリームの Manila プロジェクトをベースとしています。Red Hat では、以下のシナリオに基づいた OpenStack File Share Service のデプロイ/テストについての記事を提供しています。各記事には、各シナリオで使用するドライバーに関連した既知の問題の一覧も記載しています。
- Firewall-as-a-Service
- Firewall-as-a-Service (FWaaS) プラグインは、OpenStack Networking (neutron) に境界ファイアウォール管理機能を提供します。FWaaS は iptables を使用して、ファイアウォールポリシーをプロジェクト内の全仮想ルーターに適用し、1 プロジェクトあたりで 1 つのファイアウォールポリシーと論理ファイアウォールインスタンスをサポートします。FWaaS は、OpenStack Networking (neutron) ルーターでトラフィックをフィルタリングすることによって境界で稼働します。インスタンスレベルで稼働するセキュリティーグループとは、この点が異なります。
- 運用ツール
- トラブルシューティングを円滑に行うための新しいロギング/モニタリングツールが利用できるようになりました。一元化された、使い易い分析/検索ダッシュボードにより、トラブルシューティングが簡素化され、サービスの可用性チェック、閾値警報管理、データの収集/グラフ表示などの機能が追加されました。