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付録A Maven を使用する準備

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A.1. 概要

ここでは、Red Hat Fuse プロジェクトをビルドするために Maven を準備する方法の概要を説明し、Maven アーティファクトの検索に使用される Maven コーディネートの概念を紹介します。

A.2. 前提条件

Maven を使用してプロジェクトをビルドするには、以下が必要になります。

  • Maven インストール: Maven は Apache の無料のオープンソースビルドツールです。最新バージョンは Maven のダウンロードページ からダウンロードできます。
  • ネットワーク接続: ビルドの実行中、Maven は追加設定を必要とせずに動的に外部リポジトリーを検索し、必要なアーティファクトをダウンロードします。デフォルトでは、Maven はインターネット上でアクセスされたリポジトリーを探します。Maven がローカルネットワーク上のリポジトリーを優先して検索するように、この挙動を変更することができます。

    注記

    Maven はオフラインモードで実行できます。オフラインモードでは、Maven はローカルリポジトリーのアーティファクトのみを検索します。

A.3. Red Hat Maven リポジトリーの追加

Red Hat Maven リポジトリーからアーティファクトにアクセスするには、Red Hat Maven リポジトリーを Maven の settings.xml ファイルに追加する必要があります。Maven は、ユーザーのホームディレクトリーの .m2 ディレクトリーで settings.xml ファイルを探します。ユーザー指定の settings.xml ファイルがない場合、Maven は M2_HOME/conf/settings.xml のシステムレベルの settings.xml ファイルを使用します。

Red Hat リポジトリーを Maven のリポジトリーリストに追加するには、新しい .m2/settings.xml ファイルを追加するか、システムレベルの設定を変更します。Red Hat Fuse リポジトリーの Maven への追加 の例のように、settings.xml ファイルに Red Hat リポジトリーの repository 要素を追加します。

Red Hat Fuse リポジトリーの Maven への追加

<?xml version="1.0"?>
<settings>

  <profiles>
    <profile>
      <id>extra-repos</id>
      <activation>
        <activeByDefault>true</activeByDefault>
      </activation>
      <repositories>
       <repository>
            <id>redhat-ga-repository</id>
            <url>https://maven.repository.redhat.com/ga</url>
            <releases>
                <enabled>true</enabled>
            </releases>
            <snapshots>
                <enabled>false</enabled>
            </snapshots>
        </repository>
        <repository>
            <id>redhat-ea-repository</id>
            <url>https://maven.repository.redhat.com/earlyaccess/all</url>
            <releases>
                <enabled>true</enabled>
            </releases>
            <snapshots>
                <enabled>false</enabled>
            </snapshots>
        </repository>
        <repository>
          <id>jboss-public</id>
          <name>JBoss Public Repository Group</name>
          <url>https://repository.jboss.org/nexus/content/groups/public/</url>
        </repository>
      </repositories>
      <pluginRepositories>
        <pluginRepository>
            <id>redhat-ga-repository</id>
            <url>https://maven.repository.redhat.com/ga</url>
            <releases>
                <enabled>true</enabled>
            </releases>
            <snapshots>
                <enabled>false</enabled>
            </snapshots>
        </pluginRepository>
        <pluginRepository>
            <id>redhat-ea-repository</id>
            <url>https://maven.repository.redhat.com/earlyaccess/all</url>
            <releases>
                <enabled>true</enabled>
            </releases>
            <snapshots>
                <enabled>false</enabled>
            </snapshots>
        </pluginRepository>
        <pluginRepository>
          <id>jboss-public</id>
          <name>JBoss Public Repository Group</name>
          <url>https://repository.jboss.org/nexus/content/groups/public</url>
        </pluginRepository>
      </pluginRepositories>
    </profile>
  </profiles>

  <activeProfiles>
    <activeProfile>extra-repos</activeProfile>
  </activeProfiles>

</settings>

A.4. アーティファクト

アーティファクトは Maven ビルドシステムの基本的な要素です。Maven ビルドの実行後、アーティファクトの出力は通常、JAR や WAR などのアーカイブになります。

A.5. Maven コーディネート

Maven の主な機能には、アーティファクトを見つけ、アーティファクトとの間の依存関係を管理する機能があります。Maven は、特定のアーティファクトの場所を一意に定義する Maven コーディネート を使用して、アーティファクトの場所を定義します。基本的なコーディネートタプルの形式は {groupId, artifactId, version} です。追加のコーディネートである packaging および classifier をタプルに使用することもあります。タプルは、基本のコーディネート、追加の packaging コーディネート、または追加の packaging および classifier コーディネートの両方使用して、以下のように作成できます。

groupdId:artifactId:version
groupdId:artifactId:packaging:version
groupdId:artifactId:packaging:classifier:version

各コーディネートの説明は次のとおりです。

groupdId
アーティファクトの名前の範囲を定義します。通常、パッケージ名のすべてまたは一部をグループ ID として使用します。例: org.fusesource.example
artifactId
アーティファクト名 (グループ ID に関連する) を定義します。
version
アーティファクトのバージョンを指定します。バージョン番号には n.n.n.n のように最大 4 つのパートを含めることができ、最後のパートには数字以外の文字を含めることができます (たとえば 1.0-SNAPSHOT の場合、最後のパートは英数字のサブ文字列 0-SNAPSHOT です)。
packaging
プロジェクトのビルド時に生成されるパッケージ化されたエンティティーを定義します。OSGi プロジェクトでは、パッケージングは bundle になります。デフォルト値は jar です。
classifier
同じ POM からビルドされた内容が異なるアーティファクトを区別できるようにします。

グループ ID、アーティファクト ID、パッケージング、およびバージョンは、アーティファクトの POM ファイルの対応する要素によって定義されます。以下に例を示します。

<project ... >
  ...
  <groupId>org.fusesource.example</groupId>
  <artifactId>bundle-demo</artifactId>
  <packaging>bundle</packaging>
  <version>1.0-SNAPSHOT</version>
  ...
</project>

たとえば、前述のアーティファクトの依存関係を定義するには、以下の dependency 要素を POM に追加することができます。

<project ... >
  ...
  <dependencies>
    <dependency>
      <groupId>org.fusesource.example</groupId>
      <artifactId>bundle-demo</artifactId>
      <version>1.0-SNAPSHOT</version>
    </dependency>
  </dependencies>
  ...
</project>
注記

バンドルは特定タイプの JAR ファイルで、jar はデフォルトの Maven パッケージタイプであるため、前述の依存関係に bundle パッケージを指定する必要はありません。ただし、依存関係でパッケージタイプを明示的に指定する必要がある場合は、type 要素を使用できます。

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