4.5. Maven アーティファクトおよびコーディネート


Maven ビルドシステムでは、アーティファクト が基本的なビルディングブロックです。ビルド後のアーティファクトの出力は、通常 JAR や WAR ファイルなどのアーカイブになります。

Maven の主な特徴として、アーティファクトを検索し、検索したアーティファクト間で依存関係を管理できる機能が挙げられます。Maven コーディネート は、特定のアーティファクトの場所を特定する値のセットです。基本的なコーディネートには、以下の形式の 3 つの値があります。

groupId:artifactId:version

Maven は、packaging の値、または packaging 値と classifier 値の両方を使用して基本的なコーディネートを拡張することがあります。Maven コーディネートには以下の形式のいずれかを使用できます。

groupId:artifactId:version
groupId:artifactId:packaging:version
groupId:artifactId:packaging:classifier:version

値の説明は次のとおりです。

groupdId
アーティファクトの名前の範囲を定義します。通常、パッケージ名のすべてまたは一部をグループ ID として使用します。たとえば、org.fusesource.example です。
artifactId
グループ名に関連するアーティファクト名を定義します。
version
アーティファクトのバージョンを指定します。バージョン番号には n.n.n.n のように最大 4 つの部分を使用でき、最後の部分には数字以外の文字を使用できます。たとえば 1.0-SNAPSHOT の場合は、最後の部分が英数字のサブ文字列である 0-SNAPSHOT になります。
packaging
プロジェクトのビルド時に生成されるパッケージ化されたエンティティーを定義します。OSGi プロジェクトでは、パッケージングは bundle になります。デフォルト値は jar です。
classifier
同じ POM からビルドされた内容が異なるアーティファクトを区別できるようにします。

次に示すように、アーティファクトの POM ファイル内の要素で、アーティファクトのグループ ID、アーティファクト ID、パッケージング、およびバージョンを定義します。

<project ... >
  ...
  <groupId>org.fusesource.example</groupId>
  <artifactId>bundle-demo</artifactId>
  <packaging>bundle</packaging>
  <version>1.0-SNAPSHOT</version>
  ...
</project>

前述のアーティファクトの依存関係を定義するには、以下の dependency 要素を POM ファイルに追加します。

<project ... >
  ...
  <dependencies>
    <dependency>
      <groupId>org.fusesource.example</groupId>
      <artifactId>bundle-demo</artifactId>
      <version>1.0-SNAPSHOT</version>
    </dependency>
  </dependencies>
  ...
</project>
注記

前述の依存関係に bundle パッケージを指定する必要はありません。バンドルは特定タイプの JAR ファイルであり、jar はデフォルトの Maven パッケージタイプであるためです。依存関係でパッケージタイプを明示的に指定する必要がある場合は、type 要素を使用できます。

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