検索

1.18. Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー 1.0 のリリースノート

download PDF

1.18.1. 新機能

Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー (TP) 1.0 が OpenShift Container Platform 4.4 で利用可能になりました。Red Hat OpenShift Pipelines TP 1.0 が以下をサポートするように更新されています。

  • Tekton Pipelines 0.11.3
  • Tekton tkn CLI 0.9.0
  • Tekton Triggers 0.4.0
  • Tekton Catalog 0.11 をベースとするクラスタータスク

以下では、修正および安定性の面での改善点に加え、OpenShift Pipelines 1.0 の主な新機能を説明します。

1.18.1.1. Pipelines

  • v1beta1 API バージョンのサポート。
  • 改善された制限範囲のサポート。以前のバージョンでは、制限範囲はタスク実行およびパイプライン実行に対してのみ指定されていました。制限範囲を明示的に指定する必要がなくなりました。namespace 間で最小の制限範囲が使用されます。
  • タスク結果およびタスクパラメーターを使用してタスク間でデータを共有するためのサポート。
  • パイプラインは、HOME 環境変数および各ステップの作業ディレクトリーを上書きしないように設定できるようになりました。
  • タスクステップと同様に、sidecars がスクリプトモードをサポートするようになりました。
  • タスク実行 podTemplate リソースに別のスケジューラーの名前を指定できるようになりました。
  • Star Array Notation を使用した変数置換のサポート。
  • Tekton コントローラーは、個別の namespace を監視するように設定できるようになりました。
  • パイプライン、タスク、クラスタータスク、リソース、および状態 (condition) の仕様に新規の説明フィールドが追加されました。
  • Git パイプラインリソースへのプロキシーパラメーターの追加。

1.18.1.2. Pipelines CLI

  • describe サブコマンドが以下の tkn リソースについて追加されました。EventListenerConditionTriggerTemplateClusterTask、および TriggerSBinding
  • v1beta1 のサポートが、v1alpha1 の後方互換性と共に以下のコマンドに追加されました。ClusterTaskTaskPipelinePipelineRun、および TaskRun
  • 以下のコマンドは、--all-namespaces フラグオプションを使用してすべての namespace からの出力をリスト表示できるようになりました。これらは、tkn task listtkn pipeline listtkn taskrun listtkn pipelinerun list です。

    これらのコマンドの出力は、--no-headers フラグオプションを使用してヘッダーなしで情報を表示するように強化されています。

  • --use-param-defaults フラグを tkn pipelines start コマンドに指定することにより、デフォルトのパラメーター値を使用してパイプラインを起動できるようになりました。
  • ワークスペースのサポートが tkn pipeline start および tkn task start コマンドに追加されるようになりました。
  • 新規の clustertriggerbinding コマンドが以下のサブコマンドと共に追加されました。describedelete、および list
  • ローカルまたはリモートの yaml ファイルを使用してパイプラインの実行を直接開始できるようになりました。
  • describe サブコマンドには、強化され、詳細化した出力が表示されるようになりました。descriptiontimeoutparam description、および sidecar status などの新規フィールドの追加により、コマンドの出力に特定の tkn リソースに関するより詳細な情報が提供されるようになりました。
  • tkn task log コマンドには、1 つのタスクが namespace に存在する場合にログが直接表示されるようになりました。

1.18.1.3. トリガー

  • Trigger は v1alpha1 および v1beta1 の両方のパイプラインリソースを作成できるようになりました。
  • 新規 Common Expression Language (CEL) インターセプター機能 compareSecret のサポート。この機能は、文字列と CEL 式のシークレットを安全な方法で比較します。
  • イベントリスナーのトリガーレベルでの認証および認可のサポート。

1.18.2. 非推奨の機能

本リリースでは、以下の項目が非推奨になりました。

  • 環境変数 $HOME、および Steps 仕様の変数 workingDir が非推奨となり、今後のリリースで変更される可能性があります。現時点で Step コンテナーでは、HOME および workingDir 変数が /tekton/home および /workspace 変数にそれぞれ上書きされます。

    今後のリリースでは、これらの 2 つのフィールドは変更されず、コンテナーイメージおよび Task YAML で定義される値に設定されます。本リリースでは、disable-home-env-overwrite および disable-working-directory-overwrite フラグを使用して、HOME および workingDir 変数の上書きを無効にします。

  • tkn pipeline createtkn task create のコマンドは非推奨となり、今後のリリースで削除される可能性があります。
  • tkn resource create コマンドの -f フラグは非推奨になりました。これは今後のリリースで削除される可能性があります。
  • tkn clustertask create コマンドの -t フラグおよび --timeout フラグ (秒単位の形式) は非推奨になりました。期間タイムアウトの形式のみがサポートされるようになりました (例: 1h30s)。これらの非推奨のフラグは今後のリリースで削除される可能性があります。

1.18.3. 既知の問題

  • 以前のバージョンの Red Hat OpenShift Pipelines からアップグレードする場合は、既存のデプロイメントを削除してから Red Hat OpenShift Pipelines バージョン 1.0 にアップグレードする必要があります。既存のデプロイメントを削除するには、まずカスタムリソースを削除してから Red Hat OpenShift Pipelines Operator をアンインストールする必要があります。詳細は、Red Hat OpenShift Pipelines のアンインストールに関するセクションを参照してください。
  • 同じ v1alpha1 タスクを複数回送信すると、エラーが発生します。v1alpha1 タスクの再送信時に、oc apply ではなく oc replace コマンドを使用します。
  • buildah クラスタータスクは、新規ユーザーがコンテナーに追加されると機能しません。

    Operator がインストールされると、buildah クラスタータスクの --storage-driver フラグが指定されていないため、フラグはデフォルト値に設定されます。これにより、ストレージドライバーが正しく設定されなくなることがあります。新規ユーザーが追加されると、storage-driver が間違っている場合に、buildah クラスタータスクが以下のエラーを出して失敗します。

    useradd: /etc/passwd.8: lock file already used
    useradd: cannot lock /etc/passwd; try again later.

    回避策として、buildah-task.yaml ファイルで --storage-driver フラグの値を overlay に手動で設定します。

    1. cluster-admin としてクラスターにログインします。

      $ oc login -u <login> -p <password> https://openshift.example.com:6443
    2. oc edit コマンドを使用して buildah クラスタータスクを編集します。

      $ oc edit clustertask buildah

      buildah clustertask YAML ファイルの現行バージョンが EDITOR 環境変数で設定されたエディターで開かれます。

    3. Steps フィールドで、以下の command フィールドを見つけます。

       command: ['buildah', 'bud', '--format=$(params.FORMAT)', '--tls-verify=$(params.TLSVERIFY)', '--layers', '-f', '$(params.DOCKERFILE)', '-t', '$(resources.outputs.image.url)', '$(params.CONTEXT)']
    4. command フィールドを以下に置き換えます。

       command: ['buildah', '--storage-driver=overlay', 'bud', '--format=$(params.FORMAT)', '--tls-verify=$(params.TLSVERIFY)', '--no-cache', '-f', '$(params.DOCKERFILE)', '-t', '$(params.IMAGE)', '$(params.CONTEXT)']
    5. ファイルを保存して終了します。

    または、Pipelines Cluster Tasks buildah に移動して、buildah クラスタータスク YAML ファイルを Web コンソール上で直接変更することもできます。Actions メニューから Edit Cluster Task を選択し、直前の手順のように command フィールドを置き換えます。

1.18.4. 修正された問題

  • 以前のリリースでは、DeploymentConfig タスクは、イメージのビルドがすでに進行中であっても新規デプロイメントビルドをトリガーしていました。これにより、パイプラインのデプロイメントが失敗していました。今回の修正により、deploy task コマンドが oc rollout status コマンドに置き換えられ、進行中のデプロイメントが終了するまで待機するようになりました。
  • APP_NAME パラメーターのサポートがパイプラインテンプレートに追加されました。
  • 以前のバージョンでは、Java S2I のパイプラインテンプレートはレジストリーでイメージを検索できませんでした。今回の修正により、イメージはユーザーによって提供される IMAGE_NAME パラメーターの代わりに既存イメージのパイプラインリソースを使用して検索されるようになりました。
  • OpenShift Pipelines イメージはすべて、Red Hat Universal Base Images (UBI) をベースにしています。
  • 以前のバージョンでは、パイプラインが tekton-pipelines 以外の namespace にインストールされている場合、tkn version コマンドはパイプラインのバージョンを unknown と表示していました。今回の修正により、tkn version コマンドにより、正しいパイプラインのバージョンがすべての namespace で表示されるようになりました。
  • -c フラグは tkn version コマンドでサポートされなくなりました。
  • 管理者以外のユーザーがクラスタートリガーバインディングをリスト表示できるようになりました。
  • イベントリスナーの CompareSecret 機能が、CEL インターセプターについて修正されました。
  • タスクおよびクラスタータスクの listdescribe、および start サブコマンドは、タスクおよびクラスタータスクが同じ名前を持つ場合に出力に正常に表示されるようになりました。
  • 以前のバージョンでは、OpenShift Pipelines Operator は特権付き SCC (Security Context Constraints) を変更していました。これにより、クラスターのアップグレード時にエラーが発生しました。このエラーは修正されています。
  • tekton-pipelines namespace では、設定マップを使用して、すべてのタスク実行およびパイプライン実行のタイムアウトが default-timeout-minutes フィールドの値に設定されるようになりました。
  • 以前のバージョンでは、Web コンソールのパイプラインセクションは管理者以外のユーザーには表示されませんでした。この問題は解決されています。
Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.