検索

1.15. Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー 1.3 のリリースノート

download PDF

1.15.1. 新機能

Red Hat OpenShift Pipelines テクノロジープレビュー (TP) 1.3 が OpenShift Container Platform 4.7 で利用可能になりました。Red Hat OpenShift Pipelines TP 1.3 が以下をサポートするように更新されています。

  • Tekton Pipelines 0.19.0
  • Tekton tkn CLI 0.15.0
  • Tekton Triggers 0.10.2
  • Tekton Catalog 0.19.0 をベースとするクラスタータスク
  • OpenShift Container Platform 4.7 での IBM Power Systems
  • OpenShift Container Platform 4.7 での IBM Z および LinuxONE

以下のセクションでは、修正および安定性の面での改善点に加え、OpenShift Pipelines 1.3 の主な新機能を説明します。

1.15.1.1. Pipelines

  • S2I や Buildah タスクなどのイメージをビルドするタスクが、イメージの SHA を含むビルドされたイメージの URL を生成するようになりました。
  • Condition カスタムリソース定義 (CRD) が非推奨となっているため、カスタムタスクを参照するパイプラインタスクの条件は許可されません。
  • spec.steps[].imagePullPolicy および spec.sidecar[].imagePullPolicy フィールドの Task CRD に変数の拡張が追加されました。
  • disable-creds-init feature-flag を true に設定すると、Tekton のビルトイン認証情報メカニズムを無効にすることができます。
  • 解決済みの when 式は、PipelineRun 設定の Status フィールドの Skipped Tasks および Task Runs セクションにリスト表示されるようになりました。
  • git init コマンドが、再帰的なサブモジュールのクローンを作成できるようになりました。
  • Task CR の作成者は、Task 仕様のステップのタイムアウトを指定できるようになりました。
  • エントリーポイントイメージを distroless/static:nonroot イメージにベースとして作成し、ベースイメージに存在する cp コマンドを使用せずに、これを宛先にコピーするモードを許可できるようになりました。
  • Git SSH シークレットの既知のホストの省略を許可しないように、設定フラグ require-git-ssh-secret-known-hosts を使用できるようになりました。フラグ値が true に設定されている場合には、Git SSH シークレットに known_host フィールドを含める必要があります。フラグのデフォルト値は false です。
  • オプションのワークスペースの概念が導入されました。タスクまたはパイプラインはワークスペースオプションを宣言し、その存在に基づいて動作を条件的に変更する可能性があります。タスク実行またはパイプライン実行により、そのワークスペースが省略され、タスクまたはパイプラインの動作が変更される可能性があります。デフォルトのタスク実行ワークスペースは、省略されたオプションのワークスペースの代わりに追加されることはありません。
  • Tekton の認証情報の初期化により、SSH 以外の URL で使用する SSH 認証情報が検出されるほか、Git パイプラインリソースでは SSH URL で使用する http 認証情報が検出され、Step コンテナーで警告がログに記録されるようになりました。
  • タスク実行コントローラーは、Pod テンプレートで指定されたアフィニティーがアフィニティーアシスタントによって上書きされる場合に警告イベントを生成します。
  • タスク実行リコンサイラーは、タスク実行が完了すると生成されるクラウドイベントのメトリクスを記録するようになりました。これには再試行が含まれます。

1.15.1.2. Pipelines CLI

  • --no-headers flag のサポートが、次のコマンドに追加されました: tkn condition listtkn triggerbinding listtkn eventlistener listtkn clustertask listtkn clustertriggerbinding list
  • 併用した場合、--last または --use オプションは、--prefix-name および --timeout オプションを上書きします。
  • tkn eventlistener logs コマンドが追加され、EventListener ログが表示されるようになりました。
  • tekton hub コマンドは tkn CLI に統合されるようになりました。
  • --nocolour オプションは --no-color に変更されました。
  • --all-namespaces フラグは、次のコマンドに追加されました: tkn triggertemplate listtkn condition listtkn triggerbinding listtkn eventlistener list

1.15.1.3. トリガー

  • EventListener テンプレートでリソース情報を指定できるようになりました。
  • すべてのトリガーリソースの get 動詞に加えて、EventListener サービスアカウントに list および watch 動詞が設定されることが必須になりました。これにより、Listers を使用して EventListenerTriggerTriggerBindingTriggerTemplate、および ClusterTriggerBinding リソースからデータを取得することができます。この機能を使用して、複数のインフォーマーを指定するのではなく Sink オブジェクトを作成し、API サーバーを直接呼び出すことができます。
  • イミュータブルな入力イベント本体をサポートする新たな Interceptor インターフェイスが追加されました。インターセプターはデータまたはフィールドを新しい extensions フィールドに追加できるようになり、入力本体を変更できなくなったことでイミュータブルとなりました。CEL インターセプターはこの新たな Interceptor インターフェイスを使用します。
  • namespaceSelector フィールドは EventListener リソースに追加されます。これを使用して、EventListener リソースがイベント処理用に Trigger オブジェクトを取得できる namespace を指定します。namespaceSelector フィールドを使用するには、EventListener のサービスアカウントにクラスターロールが必要です。
  • トリガー EventListener リソースは、eventlistener Pod へのエンドツーエンドのセキュアな接続をサポートするようになりました。
  • "\" に置き換えることで、TriggerTemplates リソースのエスケープパラメーター動作が削除されました。
  • Kubernetes リソースをサポートする新規 resources フィールドは、EventListener 仕様の一部として導入されます。
  • ASCII 文字列の大文字と小文字へのサポートが含まれる CEL インターセプターの新機能が追加されました。
  • TriggerBinding リソースは、トリガーの name および value フィールドを使用するか、イベントリスナーを使用して埋め込むことができます。
  • PodSecurityPolicy 設定は、制限された環境で実行されるように更新されます。これにより、コンテナーは root 以外のユーザーとして実行する必要があります。さらに、Pod セキュリティーポリシーを使用するためのロールベースのアクセス制御は、クラスタースコープから namespace スコープに移行されます。これにより、トリガーは namespace に関連しない他の Pod セキュリティーポリシーを使用することができません。
  • 埋め込みトリガーテンプレートのサポートが追加されました。name フィールドを使用して埋め込みテンプレートを参照するか、spec フィールド内にテンプレートを埋め込むことができます。

1.15.2. 非推奨の機能

  • PipelineResources CRD を使用する Pipeline テンプレートは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。
  • template.ref フィールドが優先されるため、template.name フィールドは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。
  • --check コマンドの短縮形である -c が削除されました。さらに、グローバル tkn フラグが version コマンドに追加されます。

1.15.3. 既知の問題

  • CEL オーバーレイは、受信イベント本体を変更する代わりに、フィールドを新しい最上位の extensions 関数に追加します。TriggerBinding リソースは、$(extensions.<key>) 構文を使用して、この新しい extensions 関数内の値にアクセスできます。$(body.<overlay-key>) の代わりに $(extensions.<key>) 構文を使用するようにバインディングを更新します。
  • "\" に置き換えることで、エスケープパラメーター動作が削除されました。古いエスケープパラメーターの動作を保持する必要がある場合は、tekton.dev/old-escape-quotes: true" アノテーションを TriggerTemplate 仕様に追加します。
  • TriggerBinding リソースは、トリガーまたはイベントリスナー内の name および value フィールドを使用して組み込みことができます。ただし、単一のバインディングに name および ref フィールドの両方を指定することはできません。ref フィールドを使用して TriggerBinding リソースおよび埋め込みバインディングの name フィールドを参照します。
  • インターセプターは、EventListener リソースの namespace 外で secret の参照を試行することはできません。シークレットを `EventListener` の namespace に含める必要があります。
  • Trigger 0.9.0 以降では、本体またはヘッダーベースの TriggerBinding パラメーターが見つからないか、イベントペイロードで形式が正しくない場合に、エラーを表示する代わりにデフォルト値が使用されます。
  • JSON アノテーションを修正するには、Tekton および Pipelines 0.16.x を使用して WhenExpression オブジェクトで作成されたタスクおよびパイプラインを再適用する必要があります。
  • パイプラインがオプションのワークスペースを受け入れ、これをタスクに付与すると、ワークスペースが指定されていない場合はパイプライン実行が停止します。
  • 非接続環境で Buildah クラスタータスクを使用するには、Dockerfile が内部イメージストリームをベースイメージとして使用していることを確認してから、これを S2I クラスタータスクと同じ方法で使用します。

1.15.4. 修正された問題

  • CEL インターセプターによって追加された拡張機能は、イベント本体内に Extensions フィールドを追加して Webhook インターセプターに渡されます。
  • ログリーダーのアクティビティータイムアウトは、LogOptions フィールドを使用して設定できるようになりました。ただし、10 秒のタイムアウトのデフォルト動作は保持されます。
  • log コマンドは、タスク実行またはパイプライン実行が完了したときに --follow フラグを無視し、ライブログではなく利用可能なログを読み取ります。
  • 以下の Tekton リソースへの参照: EventListenerTriggerBindingClusterTriggerBindingCondition、および TriggerTemplate は、tkn コマンドのすべてのユーザーに表示されるメッセージで標準化され、一貫性を保つようになりました。
  • 以前は、--use-taskrun <canceled-task-run-name>--use-pipelinerun <canceled-pipeline-run-name> または --last フラグを使用してキャンセルされたタスク実行またはパイプライン実行を開始した場合、新規の実行はキャンセルされました。このバグは修正されています。
  • tkn pr desc コマンドが強化され、パイプラインが各種の状態で実行された場合に失敗しなくなりました。
  • --task オプションで tkn tr delete コマンドを使用してタスク実行を削除し、クラスタータスクが同じ名前で存在する場合、クラスタータスクのタスク実行も削除されます。回避策として、TaskRefKind フィールドを使用して、タスク実行をフィルタリングします。
  • tkn triggertemplate describe コマンドは、出力内の apiVersion 値の一部のみを表示します。たとえば、triggers.tekton.dev/v1alpha1 ではなく、triggers.tekton.dev のみが表示されました。このバグは修正されています。
  • 特定の条件下で Webhook はリースの取得に失敗し、正常に機能しません。このバグは修正されています。
  • v0.16.3 で作成した when 式を持つパイプラインは、v0.17.1 以降で実行できるようになりました。アップグレード後に、アノテーションの最初の大文字と小文字の両方がサポートされるようになったため、以前のバージョンで作成されたパイプライン定義を再適用する必要はありません。
  • デフォルトでは、leader-election-ha フィールドが高可用性に対して有効にされるようになりました。コントローラーフラグ disable-hatrue に設定すると、高可用性サポートが無効になります。
  • 重複したクラウドイベントに関する問題が修正されています。クラウドイベントは、条件が状態、理由、またはメッセージを変更する場合にのみ送信されるようになりました。
  • サービスアカウント名が PipelineRun または TaskRun 仕様にない場合、コントローラーは config-defaults 設定マップからサービスアカウント名を使用します。サービスアカウント名が config-defaults 設定マップにもない場合、コントローラーはこれを仕様で default に設定するようになりました。
  • アフィニティーアシスタントとの互換性の検証は、同じ永続ボリューム要求が複数のワークスペースに使用される場合にサポートされるようになりましたが、サブパスは異なります。
Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.