第4章 トレーシング
4.1. リクエストのトレース
分散トレースは、アプリケーションを設定する各種のサービスを使用した要求のパスを記録します。これは、各種の異なる作業単位についての情報を連携させ、分散トランザクションでのイベントチェーン全体を把握できるようにするために使用されます。作業単位は、異なるプロセスまたはホストで実行される場合があります。
4.1.1. 分散トレースの概要
サービスの所有者は、分散トレースを使用してサービスをインストルメント化し、サービスアーキテクチャーに関する洞察を得ることができます。分散トレースを使用して、現代的なクラウドネイティブのマイクロサービスベースのアプリケーションにおける、コンポーネント間の対話の監視、ネットワークプロファイリング、およびトラブルシューティングを行うことができます。
分散トレースを使用すると、以下の機能を実行できます。
- 分散トランザクションの監視
- パフォーマンスとレイテンシーの最適化
- 根本原因分析の実行
Red Hat OpenShift の分散トレースは、2 つの主要コンポーネントで設定されています。
- Red Hat OpenShift 分散トレースプラットフォーム: このコンポーネントは、オープンソースの Jaeger プロジェクト に基づいています。
- Red Hat OpenShift 分散トレースデータ収集: このコンポーネントは、オープンソースの OpenTelemetry プロジェクト に基づいています。
これらのコンポーネントは共に、特定のベンダーに依存しない OpenTracing API およびインストルメンテーションに基づいています。