第3章 Block Storage 環境ファイルを作成します。


環境ファイルには、Block Storage サービスに適用する設定が含まれます。この場合、Block Storage サービスがボリュームのバックアップを Google Cloud に保存するように設定します。環境ファイルに関する詳しい情報は、『 director のインストールと使用方法』 を参照してください。

以下の形式で環境ファイルで各設定を定義します。

エントリーの形式

SECT/PARAM: # 1
    value: CONFIG # 2

1
Block Storage の設定はすべて、Block Storage サービスをホストするノードの /etc/cinder/cinder.conf ファイルで設定されます。このファイルは複数のセクションに分割されるため、異なる設定の管理が容易になります。PARAM は適用する設定で、SECT はこれが属するセクションです。
2
CONFIG は、PARAM に設定する値に置き換えます。

本書では、すべてのパラメーターが DEFAULT セクションで宣言されています。以下の表は、Google Cloud Storage(GCS)をバックアップサービスとして設定するために必要な各設定について説明しています。

  1. Google Cloud のバックアップ設定

パラメーター

デフォルト

CONFIG Description

backup_driver

cinder.backup.drivers.swift

Block Storage サーバーが使用するバックアップドライバー。Google Cloud Storage の場合は、cinder.backup.drivers.gcs.GoogleBackupDriver を使用します。

backup_gcs_credential_file

 

2章GCS 認証情報ファイルの作成およびダウンロード で先に作成したサービスアカウントキーファイルへの絶対パス。

backup_gcs_bucket

 

使用する GCS バケットまたはオブジェクトストレージリポジトリー。存在しないバケットを指定する場合、Google Cloud Storage バックアップドライバーはここで指定した名前を使用して作成します。詳細は「バケット および バケット名の要件」を参照してください。

backup_gcs_bucket_location

US

GCS バケットの場所。この値は、backup_gcs_bucket に存在しないバケットを指定する場合にのみ使用されます。その場合、Google Cloud Storage バックアップドライバーはこれを GCS バケットの場所として指定します。

詳細は、「バケットの場所」を 参照して ください。

backup_gcs_project_id

 

2章GCS 認証情報ファイルの作成およびダウンロード のサービスアカウントキーの project_id に記載されているように、使用しているサービスアカウントのプロジェクト ID。

backup_gcs_object_size

52428800

GCS バックアップオブジェクトのサイズ(バイト単位)。

backup_gcs_block_size

32768

増分バックアップ用に変更が追跡されるサイズ(バイト単位)。この値は、backup_gcs_object_size 値の倍数にする必要があります。

backup_gcs_user_agent

gcscinder

GCS API の HTTP ユーザーエージェント文字列。

backup_gcs_reader_chunk_size

2097152

GCS オブジェクトは、このサイズのチャンク(バイト単位)でダウンロードされます。

backup_gcs_writer_chunk_size

2097152

GCS オブジェクトは、このサイズのチャンク(バイト単位)でアップロードされます。代わりに単一のチャンクとしてファイルをアップロードするには、値 -1 を使用し ます。

backup_gcs_num_retries

3

再試行の回数。

backup_gcs_storage_class

NEARLINE

GCS バケットのストレージクラス。この値は backup_gcs_bucket に存在しないバケットを指定する場合に使用されます。この場合、Google Cloud Storage バックアップドライバーはこれを GCS バケットストレージクラスとして指定します。詳細は「ストレージクラス」を参照してください。

backup_gcs_retry_error_codes

429

GCS エラーコードの一覧

backup_gcs_enable_progress_timer

True

ボリュームのバックアップ中に Telemetry サービス(ceilometer)に定期的な進捗通知を送信するタイマーを有効または無効にするブール値。これはデフォルトで有効になっています(True)。

警告

新規バケットを作成する場合、Google Cloud Storage は選択したストレージクラス(backup_gcs_storage_class)に基づいて課金を行います。省略時の NEARLINE クラスは、バックアップサービスに適しています。

バケットの作成後にバケットの場所またはクラスを編集することはできません。詳細は「バケットのストレージクラスまたは場所の管理」を参照してください。

以下の例は、GCS をバックアップサービスとして設定する環境ファイルの通常の内容を示しています。

/home/stack/templates/gcs-backup.yaml

parameter_defaults:
  ControllerExtraConfig: # 1
    cinder::config::cinder_config:
        DEFAULT/backup_driver
            value: cinder.backup.drivers.gcs.GoogleBackupDriver
        DEFAULT/backup_gcs_credential_file
            value: /etc/cinder/Cloud-Backup.json
        DEFAULT/backup_gcs_bucket
            value: mycinderbucket
        DEFAULT/backup_gcs_project_id
            value: cloud-backup-1370
        DEFAULT/backup_gcs_user_agent
            value: myuseragent

1
ControllerExtraConfig は、全コントローラーノードに適用するカスタム設定を定義します。cinder::config::cinder_config を指定して、Block Storage(cinder)サービスに設定を適用します。

環境ファイルを作成したら、新しい設定でオーバークラウドを再デプロイします。詳細は、「4章オーバークラウドの再デプロイ」を参照してください。

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