第1章 はじめに
以前のバージョンの Red Hat OpenStack Platform は、Systemd の管理するサービスを使用していました。しかし、より新しいバージョンの OpenStack Platform は、コンテナーを使用してサービスを実行するようになりました。コンテナー化された OpenStack Platform サービスがどのように動作するか、理解が十分ではない管理者もいます。本ガイドの目的は、OpenStack Platform のコンテナーイメージおよびコンテナー化されたサービスを理解するのに役立つ情報を提供することです。ここでは、以下の点について説明します。
- コンテナーイメージを取得および変更する方法
- コンテナー化されたサービスをオーバークラウドで管理する方法
- コンテナーと Systemd サービスの相違点の理解
本書の主目的は、Systemd ベースの環境からコンテナーベースの環境に移行するために、コンテナー化された OpenStack Platform サービスに関する十分な知識を習得するのに役立つ情報を提供することです。
1.1. コンテナー化されたサービスおよび Kolla
Red Hat OpenStack Platform の各主要サービスは、コンテナー内で実行されます。このことにより、それぞれのサービスが、ホストから独立した専用の分離名前空間内に維持されます。この構成には、以下のような特徴があります。
- Red Hat カスタマーポータルからコンテナーイメージをプルして実行することで、サービスのデプロイメントが実施される。
-
podman
コマンドを実行し、サービスの起動/停止などの管理機能を操作する。 - コンテナーをアップグレードするには、新しいコンテナーイメージをプルし、既存のコンテナーを新しいバージョンのコンテナーに置き換える必要がある。
Red Hat OpenStack Platform は、kolla
ツールセットによりビルド/管理されるコンテナーセットを使用します。