第4章 ケースのロール
ケースロールは、ユーザーがケース処理に参加する追加の抽象層を提供します。ロール、ユーザー、グループは、ケース管理の別の目的に使用されます。
- ロール
-
ロールは、ケースインスタンスへの権限を与え、ユーザーアクティビティーの割り当てに使用できます。事前定義済みのロールは
Ownerだけです。ユーザー、または 1 つ以上のグループを所有者ロールに割り当てることができます。所有者は、ケースを所有するユーザーになります。ロールは、ケース定義の一部として、単一セットのユーザーまたはグループに制限されるわけではありません。ロールは、ケースが動的でありつづけるように、特定のユーザーまたはグループに割り当てるのではなく、常にタスク割り当てに使用されます。 - グループ
- グループは、特定のタスクを実行する、または指定した一連の責任を負う多数のユーザーです。グループに割り当てるユーザー数には制限がなく、グループはロールに割り当てられます。グループのメンバーはいつでも追加または変更できるため、グループを特定のタスクにハードコードするべきではありません。
- ユーザー
- ユーザーは、ロールに割り当て、またはグループに追加されすることで特定タスクを割り当てられる個人です。
以下の図は、前述のケース管理概念がホテル予約にどのように適用されるかを示しています。
-
ロール =
Guest -
グループ =
Receptionist、Maid -
ユーザー =
Marilyn
ロール割り当て (Guest) はケースの特定作業に影響し、すべてのケースインスタンスに固有のものです。ロールに割り当てられるユーザーまたはグループの数は Case Cardinality で制限されており、プロセスデザイナーのロール作成時に設定されます (例: ホテル予約ケースではゲストを 1 人、IT 発注サンプルプロジェクトでは IT ハードウェア業者を 2 つ)。
ロールが定義されている場合、ケース管理は、ケース定義の一部として単一セットのユーザーまたはグループにハードコードされず、各ケースインスタンスで異なるようにします。ここでは、ケースロールの割り当てが重要になります。ロール割り当ては、以下の方法で設定または削除できます。
- ケース開始時
- ケースのアクティブ時
- ケースのアクティブ時における削除
2 つ目と 3 つ目のオプションは、アクティブなタスクに対するタスク割り当ては変更しません。
ロールは任意でケースの要件ではありませんが、ケース定義でロールを使用する必要があります。
タスク割り当てに実際のユーザーまたはグループ名を使用する代わりに、ロールを使用します。これにより、ユーザーまたはグループを実際に動的に割り当てるタイミングを、できるだけ遅らせることができます。
ロールはユーザーまたはグループに割り当てられ、アプリケーション内または REST API を使用したケースインスタンスの起動中にタスクを実行する権限があります。
ロールを割り当てて認証する方法は「Showcase アプリケーションで IT 発注ケースの開始」を参照してください。