第7章 ホストの Red Hat Enterprise Linux への変換


Red Hat Enterprise Linux の派生ディストリビューションは、インストールされたアプリケーションや設定を保持しながら、ホスト上でサポート可能な Red Hat Enterprise Linux に変換できます。Satellite は、変換プロセスを簡素化する Convert2RHEL ユーティリティーを提供します。

Satellite の Convert2RHEL ユーティリティーには、Ansible ロールと Ansible Playbook が含まれています。Ansible ロールを使用して Satellite Server で変換データを生成し、これには、必要なリポジトリーの有効化、製品、アクティベーションキー、およびホストグループの作成が含まれます。次に、Ansible Playbook を使用してホストで実際に変換を行い、Convert2RHEL CLI ツールをホストにインストールして実行します。

Ansible ロールを使用して、以下の変換の変換データを生成できます。

  • CentOS Linux 7 から Red Hat Enterprise Linux 7
  • Oracle Linux 7 から Red Hat Enterprise Linux 7
  • Oracle Linux 8 から Red Hat Enterprise Linux 8

これらの変換は、Red Hat によってサポートされています。

この変換プロセスは、システム上のすべての RPM パッケージが置き換えられる Red Hat Enterprise Linux のマイナーリリースアップグレードと似ています。サードパーティーパッケージと、Red Hat Enterprise Linux で利用できない Red Hat 以外のパッケージは保持されます。

Convert2RHEL ユーティリティーは、変換中に問題を引き起こすことがわかっているロゴやパッケージなどの不要なパッケージを削除します。このユーティリティーは、CentOS-release または Oracle-release パッケージを rhel-release パッケージに、CentOS または Oracle が署名したすべてのパッケージを Red Hat と同等のパッケージに置き換えます。また、このユーティリティーは、ホストを Red Hat サブスクリプション管理にサブスクライブします。

変換プロセスの期間は、置き換えが必要なパッケージ数、ネットワークの速度、ストレージの速度、および同様の要因によって異なります。

前提条件

  • Convert 2RHEL ユーティリティーを使用した、Linux ディストリビューションから RHEL への 変換 で、サポート対象の変換パス を確認してください
  • Convert 2RHEL ユーティリティーを使用した、Linux ディストリビューションから RHEL への変換 への Red Hat Enterprise Linux 8 変換の準備 の手順 1. Options- 5.5 を完了し ている必要があります。
  • サブスクリプションマニフェストを Satellite にアップロードし、対象とする変換に十分な Red Hat Enterprise Linux エンタイトルメントが割り当てられていることを確認します。または、Ansible 変数を使用して、ディスクからマニフェストをインポートするようにロールに指示することもできます。マニフェストは、変換用にホストの登録先の組織にインポートする必要があります。

    割り当てを更新して、Red Hat カスタマーポータル から更新されたマニフェストをダウンロードできます。詳細は、Red Hat Subscription Managementマニフェストの使用 を参照してください。

  • ホストを変換する Red Hat Enterprise Linux のマイナーバージョン用に、Satellite で Red Hat リポジトリーを有効化および同期している。詳細は、コンテンツの管理Red Hat リポジトリーの有効化 および リポジトリーの同期 を参照してください。

変換手順の概要

  1. redhat.satellite.convert2rhel Ansible ロールおよび変数をインポートします。詳細は、Red Hat Satellite での Ansible 統合を使用した設定の管理 の Ansible ロールと変数のインポート を参照してください。
  2. 変換データを生成するための Ansible 変数を設定します。詳細は、「変換用の Ansible 変数」 を参照してください。
  3. redhat.satellite.convert2rhel ロールを Satellite Server を表すホストに割り当てます。詳細は、Red Hat Satellite での Ansible Integration を使用した設定の管理 の 既存のホストへの Ansible ロールの割り当て を参照してください。
  4. Satellite Server で Ansible ロールを実行します。詳細は、Red Hat Satellite での Ansible 統合を使用した設定の管理Ansible ロールと変数の実行 を参照してください。

    Ansible ロールは、ホスト変換に必要なデータ、つまりリポジトリー、証明書、アクティベーションキー、およびホストグループを生成します。以前の手順で設定した変数に合わせて、このロールは、リリースが 7Server で、アーキテクチャーが x86_64rhel-7-server-rpms リポジトリーか、rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms および rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms、または両方を有効にします。

  5. 生成されたホストグループを使用して、変換用にホストを登録します。

    グローバル登録テンプレートを使用して、変換前にホストを登録してサブスクライブします。目的の変換用に生成されたホストグループを選択します。たとえば、ホストを CentOS 7 から変換する場合は、CentOS 7 converting になります。詳細は、「グローバル登録を使用したホストの登録」 を参照してください。

  6. ホストグループで Convert2RHEL Playbook を実行します。次の設定でリモートジョブを実行します。

    • Job category: Convert 2 RHEL
    • ジョブテンプレート: Convert to RHEL
    • アクティベーションキー:

      • Red Hat Enterprise Linux 7 に変換する場合は、convert2rhel_rhel7
      • Red Hat Enterprise Linux 8 に変換する場合は、convert2rhel_rhel8

    詳細は、「リモートジョブの実行」 を参照してください。

7.1. 変換用の Ansible 変数

Ansible ロールを実行して変換データを生成する前に、以下の必要な Ansible 変数の値を設定します。

Satellite は、必要なほとんどの Ansible 変数を redhat.satellite.convert2rhel ロールからインポートします。ただし、一部の変数はインポートされません。以下の表では、これらの変数にはアスタリスク * が付いています。これらの追加変数を手動で作成し、redhat.satellite.convert2rhel ロールに割り当てる必要があります。

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表7.1 変換に必要な変数
名前タイプ目的および値

satellite_server_url *

string

https://satellite.example.com などの Satellite Server の URL

satellite_username *

string

ユーザー名

satellite_password *

string

パスワード

satellite_organization *

string

組織の名前

satellite_content_rhel_wait_for_syncs *

boolean

Satellite Server がリポジトリーの同期が完了するまで待機せずに、データの生成を続行する場合は、false に設定します。(デフォルト: true)

satellite_validate_certs *

boolean

Ansible で証明書チェックを有効にする場合は true に設定します (デフォルト: true)。

satellite_convert2rhel_manage_subscription

boolean

Satellite Server にマニフェストがすでに存在する場合は、false に設定します。ディスクから新しいマニフェストをアップロードすると、現在のマニフェストが上書きされます (デフォルト: true)。

satellite_content_rhel_enable_rhel7 *

boolean

Red Hat Enterprise Linux 7 リポジトリーを有効にします。ホストを Red Hat Enterprise Linux 7 に変換する予定がない場合は、false に設定します (デフォルト: true)。

satellite_convert2rhel_enable_oracle7

boolean

Oracle Linux 7 の変換データを準備する場合は true に設定します。それ以外の場合は、値を false に設定する必要があります。

satellite_content_rhel_enable_rhel8 *

boolean

Red Hat Enterprise Linux 8 リポジトリーを有効にします。ホストを Red Hat Enterprise Linux 8 に変換する予定がない場合は、false に設定します (デフォルト: true)。

satellite_convert2rhel_enable_oracle8

boolean

Oracle Linux 8 の変換データを準備する場合は true に設定します。それ以外の場合は、値を false に設定する必要があります。

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表7.2 変換用の任意の変数
名前タイプ目的および値

satellite_manifest_path *

string

ディスクからアップロードするマニフェストへのパス (例: ~/manifest.zip)。satellite_convert2rhel_manage_subscription を使用してディスクから新しいマニフェストをアップロードする場合は、このパスを設定する必要があります。

satellite_content_rhel_rhel8_releasever *

string

8.5 などのマイナーリリースバージョン。変換の問題を防ぐために、システムのマイナーリリースバージョンが最新の Red Hat Enterprise Linux リリースと異なる場合は、この変数を設定します (デフォルト: latest)。

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