第8章 アクティベーションキーの管理
ここまでにコンテンツビューが公開されており、その結果、Satellite Server がリポジトリーを公開しています。システムは Satellite Server に登録し、それらのリポジトリーからのコンテンツを消費できます。ここでのシステムの登録は、Red Hat カスタマーポータルへの登録と同様の方法で行います。例えば、Red Hat サブスクリプションマネージャー (subscription-manager
) で --baseurl
を使うことにより、Red Hat Content Delivery Network ではなく Satellite Server にポイントすることができます。
システム登録には 2 つの方法があります。1 つ目は Satellite Server にユーザー名とパスワードで認証する方法で、これは前章で説明しました。より好ましい別の方法ではアクティベーションキーを使用します。このキーは認証トークンとして機能します。アクティベーションキーを使用すると、システム登録とサブスクリプションのアタッチメントが容易にできます。ユーザーは複数のキーを作成して異なる環境やコンテンツビューに関連付けることができます。例えば、Red Hat Enterprise Linux ワークステーション用のサブスクリプションで基本的なアクティベーションキーを作成し、これを特定の環境からのコンテンツビューに関連付けることができます。
アクティベーションキーとその使用例についての本ガイド以外の情報は、Red Hat カスタマーポータルの "Activation Key Enhancements with Red Hat Satellite 6.1" を参照してください。
8.1. アクティベーションキーの作成
Web UI をご利用の場合
コンテンツ > アクティベーションキー に移動し、新規アクティベーションキー をクリックします。以下の情報を入力します。
-
名前 - アクティベーションキーの名前。システムの登録プロセスでこの名前を使用します。
development-stack
と入力します。 -
コンテンツホスト制限 - このアクティベーションキーで Satellite Server が登録を許可するシステム数を定義します。
無制限
を選択します。 -
説明 - アクティベーションキーの簡単な説明。
Exampleware Stack in the Development Environment
と入力します。 -
環境 - 使用する環境。
Development
を選択します。 -
コンテンツビュー - 環境内で使用するコンテンツビュー (およびリポジトリー) 。
Stack
を選択します。
保存 をクリックすると、アクティベーションキーの詳細画面が表示されます。
ここで登録においてアタッチする製品と有効にするリポジトリーを定義する必要があります。サブスクリプション タブに移動します。空の製品/サブスクリプション一覧が表示されます。追加 をクリックして Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションと PostgreSQL 製品の両方を選択し、選択を追加 をクリックします。
Auto-Attach オプションは有効になっています。これは、これらの製品を登録時に自動的にアタッチし、必要なリポジトリーを有効にします。アクティベーションキーの Auto-Attach が無効になっている場合は、システムはサブスクリプションやコンテンツをアタッチせずに Satellite Server に登録するだけになります。
製品コンテンツ ページに移動します。アクティベーションキーの製品に関連付けられている全リポジトリーが表示されます。デフォルトでは、Satellite Server が有効にしているのは以下のものだけです。
- システム要件に最も適するリポジトリー。このケースでは、Red Hat Enterprise Linux 7 Server RPMs のみです。
- カスタムコンテンツ。
このシナリオでは以下のデフォルトセットがあります。
PostgreSQL:
-
PostgreSQL 9.5 - 有効にされていますか:
Yes (デフォルト)
-
PostgreSQL Puppet Modules - 有効にされていますか:
Yes (デフォルト)
Red Hat Enterprise Linux Server:
-
Red Hat Enterprise Linux 7 Server (Kickstart) - 有効にされていますか:
No (デフォルト)
-
Red Hat Satellite Tools 6.2 (for RHEL 7 Server) (RPMs) - 有効にされていますか:
No (デフォルト)
-
Red Hat Enterprise Linux 7 Server (RPMs) - 有効にされていますか:
Yes (デフォルト)
Red Hat Satellite Tools リポジトリーには設定ツール (katello-agent
および puppet
など) が含まれるため、これを有効にします。以下のようにします。
-
Red Hat Satellite Tools 6.2 (for RHEL 7 Server) (RPMs) - 有効にされていますか:
Yes に上書き
保存 をクリックします。
これでシステム登録に使用するアクティベーションキーの準備ができました。
CLI をご利用の場合
アクティベーションキーを作成します。
# hammer activation-key create \ --name "development-stack" \ --unlimited-content-hosts true \ --description "Exampleware Stack in the Development Environment" \ --lifecycle-environment "Development" \ --content-view "Stack" \ --organization "ACME"
サブスクリプション ID 一覧を取得します。
# hammer subscription list --organization "ACME"
Red Hat Enterprise Linux サブスクリプション UUID をアクティベーションキーに割り当てます。
# hammer activation-key add-subscription \ --name "development-stack" \ --subscription-id ff808181533518d50152354246e901aa \ --organization "ACME"
PostgreSQL 製品をアクティベーションキーに割り当てます。
#hammer activation-key add-subscription \ --name "development-stack" \ --subscription-id ff8081815239acdc015238fefaa10002 \ --organization "ACME"
アクティベーションキーに関連付けられている製品コンテンツを一覧表示します。
# hammer activation-key product-content \ --name "development-stack" \ --organization "ACME"
Red Hat Satellite Tools 6.2 リポジトリーのデフォルトの自動有効化ステータスを上書きします。デフォルトでは無効になっています。以下のコマンドで有効にします。
# hammer activation-key content-override \ --name "stack-development" \ --content-label rhel-7-server-satellite-tools-6.1-rpms \ --value 1 \ --organization "ACME"
8.2. アクティベーションキーの使用
アクティベーションキーは登録に使用されます。以下が含まれます。
- Red Hat Satellite 6 でのプロビジョニング中の新規システム登録。Red Hat Satellite 6 のキックスタートプロビジョニングテンプレートには、新規ホストの作成時に定義されるアクティベーションキーを使用してシステムを登録するコマンドが含まれています。
-
既存の Red Hat Enterprise Linux システムの登録。Red Hat サブスクリプションマネージャーが登録に Satellite Server を使用するように設定し、
subscription-manager register
コマンドの実行時にアクティベーションキーを指定します。
アクティベーションキーはテストすることができます。既存の Red Hat Enterprise Linux 7 システムを Satellite に登録します。
まず、Satellite Server 用のコンシューマー RPM をダウンロードします。これは通常、ホストの web サーバーの pub
ディレクトリーに配置されています。例えば、ホスト名が satellite6.example.com
の Satellite Server の場合、以下のコマンドを登録するクライアントで実行します。
# rpm -Uvh http://satellite6.example.com/pub/katello-ca-consumer-latest.noarch.rpm
この RPM は Satellite Server 上のリポジトリーにアクセスするために必要な証明書をインストールし、Red Hat サブスクリプションマネージャーがサーバーの URL を使用するように設定します。
次に、クライアント上で Red Hat サブスクリプションマネージャーを実行します。
# subscription-manager register --activationkey="stack-development" --org="acme" The system has been registered with id: 744fb31c-c983-00f5-ca14-bddd0f711353
Satellite Server サーバーで登録を確認します。
Web UI をご利用の場合
ホスト > コンテンツホスト に移動すると、リストにシステムが表示されます。
CLI をご利用の場合
以下のコマンドを実行します。
# hammer content-host list --organization "ACME"
Satellite Server にクライアントシステムを登録したら、以下のコマンドでシステムに katello-agent
パッケージをインストールして、Satellite Server にレポートできるようにします。
# yum install katello-agent
このパッケージは Red Hat Satellite 6 Tools リポジトリーで提供しています。
8.3. 章の概要
本章では、アクティベーションキーの作成方法とそれを使用してシステムを Satellite Server に登録する方法について説明しました。
次章では、エラータをシステムに適用する方法などのエラータの管理について説明します。