2.9. 一般的に使用されるパスの再定義


本セクションでは、Software Collection 環境を設定するために enable スクリプトレットのパスを再定義するのに一般的に使用される環境変数の一覧を紹介します。また、Software Collection のファイルシステム階層内の Software Collection コンポーネントの場所を指定するためにも使用されます。
enable スクリプトレットでパスの再定義を指定する必要があるかどうかは、Software Collection に含まれるパッケージにより異なります。通常、環境変数は以下のパターンに従います。
$ENV_VAR=$SCL_ENV_VAR:$ENV_VAR

2.9.1. 言語固有のパスの再定義

GEM_PATH
GEM_PATH 環境変数で Ruby gems の場所を指定します。したがって、rh-ruby23 Software Collection を拡張する Software Collections でも使用されます。詳細は、「rh-ruby23 Software Collection の拡張」 を参照してください。
enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export GEM_PATH="\${GEM_PATH:=%{gem_dir}:\`scl enable %{scl_ruby} -- ruby -e "print Gem.path.join(':')"\`}"
GOPATH
GOPATH 環境変数で、Go ソースおよびバイナリーファイルの場所を指定します。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export GOPATH="%{gopath}\${GOPATH:+:\${GOPATH}}"
JAVACONFDIRS
JAVACONFDIRS 環境変数は、java.conf 設定ファイルの場所を指定するために使用されます。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export JAVACONFDIRS="%{_sysconfdir}/java\${JAVACONFDIRS:+:}\${JAVACONFDIRS:-}"
PERL5LIB
PERL5LIB 環境変数は、%{?_scl_root} 接頭辞でインストールできるように、カスタム Perl モジュールの場所を指定するのに使用されます。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export PERL5LIB="%{_scl_root}%{perl_vendorlib}\${PERL5LIB:+:\${PERL5LIB}}"
PYTHONPATH
PYTHONPATH 環境変数で、カスタム Python ライブラリーの場所を指定します。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export PYTHONPATH="%{_scl_root}%{python_sitearch}:%{_scl_root}%{python_sitelib}\${PYTHONPATH:+:}\${PYTHONPATH:-}"

2.9.2. 他のパスの再定義

CPATH
CPATH 環境変数は、GCC コンパイラーが使用するパスを指定します。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export CPATH="%{_includedir}\${CPATH:+:\${CPATH}}"
INFOPATH
INFOPATH 環境変数は、Info ファイルが含まれるディレクトリーを指定します。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export INFOPATH="%{_infodir}\${INFOPATH:+:\${INFOPATH}}"
LD_LIBRARY_PATH
LD_LIBRARY_PATH 環境変数で、ライブラリーの場所を指定します。詳細は、「Software Collection Library のサポート」 を参照してください。
enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export LD_LIBRARY_PATH="%{_libdir}\${LD_LIBRARY_PATH:+:\${LD_LIBRARY_PATH}}"
LIBRARY_PATH
LIBRARY_PATH 環境変数は、GCC が使用する特別なリンカーファイルまたは通常のライブラリーの場所を指定します。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export LIBRARY_PATH="%{_libdir}\${LIBRARY_PATH:+:\${LIBRARY_PATH}}"
MANPATH
MANPATH 環境変数で man ページの場所を指定します。詳細は、「Software Collection MANPATH サポート」 を参照してください。
enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export MANPATH="%{_mandir}:\${MANPATH:-}"
PATH
PATH 環境変数で、バイナリーファイルの場所を指定します。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export PATH="%{_bindir}:%{_sbindir}\${PATH:+:\${PATH}}"
PCP_DIR
PCP_DIR 環境変数は、PCP が使用するファイルおよびディレクトリーの場所を指定します。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export PCP_DIR="%{_scl_root}"
PKG_CONFIG_PATH
PKG_CONFIG_PATH 環境変数は、pkg-config プログラムによって使用される .pc ファイルの場所を指定します。詳細は、「Software Collection .pc ファイルのサポート」 を参照してください。
enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export PKG_CONFIG_PATH="%{_libdir}/pkgconfig\${PKG_CONFIG_PATH:+:\${PKG_CONFIG_PATH}}"
XDG_CONFIG_DIRS
XDG_CONFIG_DIRS 環境変数は、freedesktop.org 仕様に従ってデスクトップ設定ファイルの場所を指定します。enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export XDG_CONFIG_DIRS="%{_sysconfdir}/xdg:\${XDG_CONFIG_DIRS:-/etc/xdg}"
XDG_DATA_DIRS
XDG_DATA_DIRS 環境変数は、freedesktop.org 仕様に従ってデスクトップデータファイルの場所を指定します。Software Collections によっては、Software Collections 固有のスクリプトを検索したり、bash の完了を有効にしたりするために使用されます。
enable スクリプトレットに以下を追加して、環境変数を再定義します。
export XDG_DATA_DIRS="%{_datadir}:\${XDG_DATA_DIRS:-/usr/local/share:%{_root_datadir}}"
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