第1章 Red Hat Virtualization について


Red Hat Virtualization は、Red Hat Enterprise Linux 上に構築するエンタープライズレベルの仮想化プラットフォームです。仮想化により、ユーザーは新しい仮想サーバーとワークステーションを容易にプロビジョニングして、物理サーバーのリソースをより効率的に使用することができます。Red Hat Virtualization を使用すると、一元化されたグラフィカルユーザーインターフェイスまたは RESTful API から、ホスト、仮想マシン、ネットワーク、ストレージ、ユーザーなどの仮想インフラストラクチャー全体を管理できます。

本ガイドでは、以下について説明します。

  • Red Hat Virtualization のアーキテクチャー
  • 2 つの異なる Red Hat Virtualization Manager デプロイメントオプションの概要:

    • スタンドアロンマネージャー
    • セルフホストエンジン
  • Red Hat Virtualization を設定するコンポーネント
  • Red Hat Virtualization にアクセスするためのインターフェイス

Red Hat Virtualization のより詳細な技術情報は、Technical Reference を参照してください。

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表1.1 Red Hat Virtualization の主要コンポーネント
コンポーネント名説明

Red Hat Virtualization Manager

環境内のリソースを管理するためのグラフィカルユーザーインターフェイスと RESTful API を提供するサービス。

ホスト

Red Hat Enterprise Linux ホスト(RHEL ベースのハイパーバイザー)と Red Hat Virtualization ホスト(イメージベースのハイパーバイザー)は、2 つのサポートされるホストタイプです。ホストは、Kernel-based Virtual Machine (KVM) テクノロジーを使用して、仮想マシンを実行するためのリソースを提供します。

共有ストレージ

仮想マシンに関連付けられたデータの保管に使用するストレージサービス。

1.1. アーキテクチャー

1.1.1. スタンドアロン Manager のデプロイメント

Red Hat Virtualization Manager は、別の物理マシンまたは別の仮想化環境でホストされる仮想マシンで実行されます。スタンドアロンの Manager は、デプロイと管理が簡単ですが、追加の物理サーバーが 1 台必要となります。Manager は、Red Hat の High Availability Add-On などの別製品を使用して外部から管理した場合にのみ高可用性になります。

スタンドアロンの Manager 環境の最小限のセットアップには、以下が含まれます。

  • Red Hat Virtualization Manager マシン 1 台。Manager は通常、物理マシンにデプロイされます。仮想マシン上にデプロイすることも可能ですが、その仮想マシンは別の環境でホストされていなければなりません。
  • 仮想マシンの高可用性には、最小でホストが 2 台。ホストの場合、Red Hat Enterprise Linux ホストまたは Red Hat Virtualization Host (RHVH)を使用できます。VDSM (ホストエージェント) は全ホストで実行され、Red Hat Virtualization Manager との通信を円滑に行います。
  • ストレージサービスを 1 つ。使用するストレージタイプに応じて、ローカルまたはリモートサーバーでホストすることができます。ストレージサービスは全ホストからアクセス可能である必要があります。

図1.1 スタンドアロンの Manager の Red Hat Virtualization アーキテクチャー

1.1.2. セルフホストエンジンのデプロイメント

Red Hat Virtualization Manager は、管理している環境と同じ環境内のセルフホストエンジンノード (特化したホスト) で仮想マシンとして実行されます。セルフホストエンジン環境に必要な物理サーバーは 1 台少なくなりますが、デプロイと管理を行うための管理オーバーヘッドがより高くなります。Manager は、外部の HA 管理を使用せずに高可用性になります。

セルフホストエンジン環境の最小限のセットアップには、以下が含まれます。

  • セルフホストエンジンノードのいずれかでホストされている Red Hat Virtualization Manager 用仮想マシン 1 台。仮想マシンは RHV-M Virtual Appliance を使用してインストールされ、インストールワークフローを自動化します。
  • 仮想マシンの高可用性には、最小でセルフホストエンジンノード 2 台。Red Hat Enterprise Linux ホストまたは Red Hat Virtualization Host (RHVH) を使用することができます。VDSM (ホストエージェント) は全ホストで実行され、Red Hat Virtualization Manager との通信を円滑に行います。HA サービスは、すべてのセルフホストエンジンノードで実行され、Manager 用仮想マシンの高可用性を管理します。
  • ストレージサービスを 1 つ。使用するストレージタイプに応じて、ローカルまたはリモートサーバーでホストすることができます。ストレージサービスは全ホストからアクセス可能である必要があります。

図1.2 セルフホストエンジンの Red Hat Virtualization アーキテクチャー

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