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第4章 Red Hat 仮想化製品について

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本章では、Red Hat Enterprise Linux で利用可能な様々な仮想化製品をご紹介します。

4.1. KVM および Red Hat Enterprise Linux での仮想化

KVM とは
KVM (カーネルベースの仮想マシン) とは、標準的な Red Hat Enterprise Linux 6 カーネルに組み込まれた AMD64 および Intel 64 ハードウェア上の Linux 向け完全仮想化ソリューションです。複数の変更されていない Windows および Linux のゲストオペレーティングシステムを実行することができます。Red Hat Enterprise Linux の KVM ハイパーバイザーは、libvirt API および (virt-managervirsh などの) libvirt 向けにビルドされたツールで管理されます。仮想マシンは、これらのツールで管理されたマルチスレッドの Linux プロセスとして実行されます。
オーバーコミット
KVM ハイパーバイザーは システムリソースの オーバーコミット に対応しています。オーバーコミットとは、システム上で利用可能なリソースの容量を超える仮想化 CPU または仮想化メモリーを割り当てることです。メモリーのオーバーコミットにより、ホストはメモリーおよび仮想メモリーを活用してゲストの密度を高めることが可能になります。

重要

オーバーコミットは、システムの安定性へのリスクとなる可能性があります。KVMのオーバーコミットと必要な予防措置については 『Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化管理ガイド』を参照してください。
シンプロビジョニング
シンプロビジョニングは柔軟なストレージの割り当てを可能にし、すべてのゲスト仮想マシンの利用可能なスペースを最適化します。これにより、ゲスト上では実際に利用可能なストレージよりも多くの物理ストレージがあるように見えます。これはストレージのみに関することで、CPUやメモリーの割り当てとは関係ないので、オーバーコミットではありません。しかし、オーバーコミットと同様の警告が適用されます。

重要

シンプロビジョニングは、システムの安定性へのリスクとなる可能性があります。KVMのシンプロビジョニングと必要な予防措置については 『Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化管理ガイド』を参照してください。
KSM
KVM ハイパーバイザーが使用する Kernel Same-page Merging (KSM) により、KVM ゲストは同一メモリーページを共有することが可能になります。これら共有ページは通常、共通ライブラリーまたは同一の高使用データです。KSM はメモリー重複を防ぐことで同一または類似のゲストオペレーティングシステムのより高いゲスト密度を可能にします。

注記

KSM に関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化管理ガイド』を参照してください。
QEMU ゲストエージェント
QEMU ゲストエージェントはゲストオペレーティングシステム上で稼働し、ホストマシンによるゲストオペレーティングシステムへのコマンド発行を可能にします。

注記

QEMU ゲストエージェントに関する詳細は、 『Red Hat Enterprise Linux 6 Virtualization Host Configuration and Guest Installation Guide』 を参照してください。
Hyper-V エンライト
Red Hat Enterprise Linux 6.5 の KVM は、パフォーマンスと安定性を強化するために Windows ゲストが使用する Hyper-V と互換性のある機能を実装します。これにより、Windows ゲストのパフォーマンスは Microsoft Hyper-V ハイパーバイザー上で実行されているかのようになります。

注記

Hyper-V エンライトに関する詳細は、『Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化ホスト設定およびゲストインストールガイド』 を参照してください。
ディスク I/O スロットリング
複数の仮想マシンが同時に実行される場合、それらは過剰なディスク I/O を使用することでシステムのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。KVM のディスク I/O スロットリングは、仮想マシンからホストマシンに送られるディスク I/O 要求に制限を設定する機能を提供します。これにより、1 台の仮想マシンが共有リソースを過剰に使用し、他の仮想マシンのパフォーマンスに影響を与えることを防ぐことができます。

注記

ディスク I/O スロットリングを使用する方法については、『Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化のチューニングと最適化ガイド』 を参照してください。
KVM ゲスト仮想マシンの互換性
ご自分のプロセッサーが仮想化拡張に対応しているかどうかの確認方法および仮想化拡張の有効化に関する情報については、『Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化管理ガイド』を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux 6 サーバーには、サポートに関する制限がいくつかあります。
Red Hat Enterprise Linux のプロセッサーおよびメモリー容量の制限については、以下のサイトで説明されています。
サポートされるオペレーティングシステムとホストおよびゲストの組み合わせの詳細な対応表については、 https://access.redhat.com/site/supported-hypervisors を参照してください。
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