4.11. 動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー
Python インタープリターのパフォーマンスが向上
RHEL 9 でサポートされているすべてのバージョンの Python は、アップストリームのデフォルトである GCC の -O3
最適化フラグを使用してコンパイルされるようになりました。その結果、Python アプリケーションとインタープリター自体のパフォーマンスが向上しました。
Jira:RHEL-49615[1]、Jira:RHEL-49635、Jira:RHEL-49637
httpd
が 2.4.62 にリベース
httpd
パッケージはバージョン 2.4.62 に更新されました。これにはさまざまなバグ修正、セキュリティー修正、および新機能が含まれます。注目すべき機能は次のとおりです。
次のディレクティブが追加されました。
-
CGIScriptTimeout
ディレクティブがmod_cgi
モジュールに追加されました。 -
mod_alias
モジュールのAliasPreservePath
ディレクティブ。場所のエイリアスの後の完全パスをマップするためのディレクティブです。 -
mod_alias
のRedirectRelative
ディレクティブ。相対リダイレクトターゲットをそのまま発行するためのディレクティブです。 -
mod_deflate
モジュールのDeflateAlterETag
ディレクティブ。ETag
の変更を制御するためのディレクティブです。NoChange
パラメーターは 2.2.x の動作を模倣します。
-
-
ProxyRemote
サーバーの 3 番目の引数 (オプション) がmod_proxy
モジュールに追加されました。これにより、リモートプロキシーに渡す Basic 認証の認証情報が設定されました。 -
LDAPConnectionPoolTTL
ディレクティブは負の値を受け入れるようになり、接続された時期に関係なく接続を再利用できるようになりました。以前は、負の値を持つ設定ファイルを解析すると、mod_ldap
モジュールでエラーが発生しました。 -
-T
オプションを使用して、rotatelogs バイナリーで最初のログファイルを切り捨てることなく、後続のローテーションされたログファイルを切り捨てることができるようになりました。
mod_md
がバージョン 2.4.26 にリベース
mod_md
モジュールがバージョン 2.4.26 に更新されました。以前のバージョンに対する主な変更点は、以下のとおりです。
次のディレクティブが追加されました。
-
検出された失効に対するサーバーチェックの数を制御する
MDCheckInterval
。 -
MDMatchNames all|servernames
を使用すると、MDomain を VirtualHosts と一致させる方法をより細かく制御できます。 -
MDChallengeDns01Version
。このディレクティブの値を2
に設定すると、teardown
呼び出し時にコマンドにチャレンジ値が提供されます。バージョン 1 の場合、デフォルトでsetup
呼び出しのみがこのパラメーターを取得します。
-
検出された失効に対するサーバーチェックの数を制御する
-
manual mode
のマネージドドメインの場合、mod_md_verification
モジュールが、使用されているすべてのServerName
とServerAlias
がエラー (AH10040) ではなく警告を報告するかチェックするようになりました。 -
個々のドメインに対して
MDChallengeDns01
ディレクティブを設定できるようになりました。
Jira:RHEL-25075[1]
PostgreSQL 16 では pgvector
エクステンションが提供されるようになる
postgresql:16
モジュールストリームが pgvector
エクステンションとともに配布されるようになりました。pgvector
エクステンションを使用すると、高次元ベクトル埋め込みを PostgreSQL データベース内に直接保存およびクエリーし、ベクトル類似性検索を実行できます。ベクトル埋め込みは、テキスト、イメージ、またはその他のデータタイプの意味を捉えるために機械学習や AI アプリケーションでよく使用されるデータの数値表現です。
libdb
データベースを GDBM 形式に変換する新しい db_converter
ツール
廃止された Berkeley DB (libdb
) では、lidbd
データベースを GNU dbm (GDBM) データベース形式に変換するための db_converter
ツールが提供されるようになりました。db_converter
ツールは、libdb-utils
サブパッケージで配布されます。
libdb
の代替に関する詳細は、Red Hat ナレッジベースのアーティクル記事 Available replacements for the deprecated Berkeley DB (libdb) in RHEL を参照してください。
新しい nodejs:22
モジュールストリームがフルサポート対象になる
以前はテクノロジープレビューとして利用できた新しい nodejs:22
モジュールストリームが、RHEA-2024:11235 アドバイザリーのリリースに伴い、フルサポート対象になりました。nodejs:22
モジュールストリームでは、LTS (Long Term Support) バージョンの Node.js 22.11
が提供されるようになりました。
RHEL 9.5 に含まれる Node.js 22
には、RHEL 9.3 以降で利用可能な Node.js 20
に比べて、多数の新機能、バグ修正、セキュリティー修正、およびパフォーマンスの改善を提供します。
主な変更点は、以下のとおりです。
-
V8
JavaScript エンジンがバージョン 12.4 にアップグレードされました。 -
V8 Maglev
コンパイラーは、これを利用可能なアーキテクチャー (AMD および Intel 64 ビットアーキテクチャーと 64 ビット ARM アーキテクチャー) でデフォルトで有効になりました。 -
Maglev
は、短命の CLI プログラムのパフォーマンスを向上させます。 -
npm
パッケージマネージャーが、バージョン 10.8.1 にアップグレードされました。 -
node --watch
モードは現在安定していると見なされます。watch
モードでは、監視対象ファイルの変更によりNode.js
プロセスが再起動されます。 -
WebSocket
のブラウザー互換実装は現在、安定していると見なされ、デフォルトで有効になっています。その結果、外部依存関係なしでNode.js
へのWebSocket
クライアントが利用できるようになりました。 -
Node.js
には、package.json
からのスクリプトを実行するための実験的な機能が含まれるようになりました。この機能を使用するには、node --run <script-in-package.json>
コマンドを実行します。
nodejs:22
モジュールストリームをインストールするには、以下を使用します。
# dnf module install nodejs:22
nodejs:20
ストリームからアップグレードする場合は、後続のストリームへの切り替え を参照してください。
nodejs
Application Streams のサポート期間の詳細は、Red Hat Enterprise Linux Application Streams のライフサイクル を参照してください。