第5章 ストレージ
device-mapper の機能強化
Red Hat Enterprise Linux 6.6 では、いくつかの重要な機能強化が
device-mapper
で導入されました。
dm-cache
デバイスマッパーターゲットがテクノロジープレビューとして追加され、速いストレージデバイスを遅いストレージデバイス用のキャッシュとして動作できるようになりました。
- device-mapper-multipath ALUA 優先度チェッカーは、別のパスがロードバランシングに使用できる場合、自身のパスグループに優先パスデバイスを置かないようになりました。
multipath.conf
ファイル内のfast_io_fail_tmo
パラメーターは、Fibre Channel デバイス上に加えて iSCSI デバイス上でも機能するようになりました。- device-mapper multipath が sysfs ファイルを処理する方法が改善され、多数のマルチパスデバイスがある setups のパフォーマンスが改善されます。
multipath.conf
内に新たなforce_sync
パラメーターが導入されました。このパラメーターは非同期パスチェックを無効にし、多数のマルチパスデバイスがある setups 上で CPU 競合問題数を制限する際に役立ちます。
dm-era テクノロジープレビュー
device-mapper-persistent-data パッケージは、テクノロジープレビューとしてリリースされた新たな
dm-era
デバイスマッパー機能の使用に役立つツールを提供します。dm-era
機能は、era
と呼ばれるユーザー定義の時間内にデバイス上のどのブロックに書き込みがされたかを記録します。この機能により、バックアップソフトウェアは変更されたブロックを記録したり、変更を元に戻した後にキャッシュの整合性を復元したりすることができます。