5.12.4. Polyinstantiated ディレクトリーの設定
/tmp
および /var/tmp
ディレクトリーは通常、すべてのプログラム、サービス、ユーザーが一時的なストレージとして使用します。しかしこの設定では、これらのディレクトリーは競合状態の攻撃やファイル名に基づく情報漏えいに対して脆弱となってしまいます。SELinux は、polyinstantiated ディレクトリーという形で解決法を提供します。これはつまり、/tmp
と /var/tmp
の両方がインスタンス化され、各ユーザーにはプライベートのように見えるということです。ディレクトリーのインスタンス化が有効になると、各ユーザーの /tmp
と /var/tmp
ディレクトリーは自動的に /tmp-inst
および /var/tmp/tmp-inst
下にマウントされます。
ディレクトリーの polyinstantiation を有効にするには、以下のステップにしたがいます。
/etc/security/namespace.conf
ファイルの最後の 3 行をコメント解除し、/tmp
、/var/tmp
、ユーザーのホームディレクトリーのインスタンス化を有効にします。~]$
tail -n 3 /etc/security/namespace.conf
/tmp /tmp-inst/ level root,adm /var/tmp /var/tmp/tmp-inst/ level root,adm $HOME $HOME/$USER.inst/ level/etc/pam.d/login
ファイルでpam_namespace.so
がセッション用に設定されていることを確認します。~]$
grep namespace /etc/pam.d/login
session required pam_namespace.so- システムを再起動します。