第1章 インストール
インストールする前に、各製品に必要なハードウェアおよびシステム設定を確認してください。サポートされているバージョンの Red Hat OpenShift Container Platform を使用して、Linux にオンラインでインストールできます。
- サポートされているバージョンの OpenShift Container Platform が必要です。たとえば、Red Hat OpenShift Service on AWS または Red Hat OpenShift Dedicated を使用できます。
- マルチクラスターエンジン Operator をインストールする必要があります。
FIPS の通知: spec.ingress.sslCiphers
で独自の暗号を指定しない場合、multiclusterhub-operator
は暗号のデフォルトリストを提供します。2.3 の場合は、この一覧に FIPS 承認 されていない 暗号が 2 つ含まれます。バージョン 2.3.x 以前からアップグレードし、FIPS コンプライアンスが必要な場合は、multiclusterhub
リソースから、以下の 2 つの暗号 (ECDHE-ECDSA-CHACHA20-POLY1305
および ECDHE-RSA-CHACHA20-POLY1305
) を削除します。
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes をインストールすると、マルチノードクラスターの実稼働環境が設定されます。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes は、標準または高可用性設定のいずれかでインストールできます。インストール手順の詳細は、以下のドキュメントを参照してください。
1.1. 要件および推奨事項
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes をインストールする前に、以下のシステム設定の要件およびオプションを確認します。
1.1.1. サポート対象のオペレーティングシステムおよびプラットフォーム
ハブクラスターおよびマネージドクラスタープラットフォームに関する最近の情報を確認するには、Red Hat Advanced Cluster Management 2.6 サポートマトリックス を参照してください。
1.1.2. サポート対象のブラウザー
Red Hat Advanced Cluster Management コンソールには、Mozilla Firefox、Google Chrome、Microsoft Edge、および Safari からアクセスできます。以下は、テスト済みでサポートされるバージョンです。
プラットフォーム | サポート対象のブラウザー |
---|---|
Microsoft Windows | Microsoft Edge: 44 以降、Mozilla Firefox: 82.0 以降、Google Chrome: バージョン 86.0 以降 |
Linux | Mozilla Firefox: 82.0 以降、Google Chrome: バージョン 86.0 以降 |
macOS | Mozilla Firefox: 82.0 以降、Google Chrome: バージョン 86.0 以降、Safari: 14.0 以降 |
1.1.3. ネットワーク設定
以下のセクションで接続を許可するようにネットワークを設定します。
1.1.3.1. ハブクラスターネットワークの要件
ハブクラスターネットワークの要件については、以下の表を参照してください。
方向 | プロトコル | 接続 | ポート (指定されている場合) |
---|---|---|---|
マネージドクラスターへの送信 | HTTPS |
マネージドクラスターの Pod の Search コンソールから動的にログを取得する。このコネクションは、マネージドクラスターの | 443 |
マネージドクラスターへの送信 | HTTPS | Klusterlet をインストールするために、インストール時にプロビジョニングされるマネージドクラスターの Kubernetes API サーバー | 6443 |
チャネルソースへの送信 | HTTPS | GitHub、オブジェクトストア、Helm リポジトリーなどのチャネルソース。これは、アプリケーションライフサイクル、OpenShift GitOps または ArgoCD を使用してこれらのソースに接続する場合にのみ必要です。 | 443 |
マネージドクラスターからの受信 | HTTPS | メトリクスおよびアラートをプッシュするマネージドクラスター (OpenShift Container Platform バージョン 4.8 以降を実行するマネージドクラスターに対してのみアラートが収集されます) | 443 |
マネージドクラスターからの受信 | HTTPS | マネージドクラスターから変更を監視するハブクラスターの kube API Server | 6443 |
| HTTPS | ObjectStore での長期保管用に、あるいは Cluster Backup Operator が実行されている場合に、Observability のメトリクスデータを送信します。 | 443 |
イメージリポジトリーへの送信 | HTTPS | OpenShift Container Platform および Red Hat Advanced Cluster Management のイメージにアクセスします。 | 443 |
1.1.3.2. マネージドクラスターネットワークの要件
注記: マネージドクラスターの Registration Agent
および Work Agent
は、プロキシーを通過できない mTLS 接続の確立によりハブクラスターの apiserver
と通信するため、プロキシー設定をサポートしません。
マネージドクラスターネットワークの要件については、以下の表を参照してください。
方向 | プロトコル | 接続 | ポート (指定されている場合) |
---|---|---|---|
ハブクラスターからの受信 | HTTPS |
マネージドクラスターの Pod に対して動的にログを送信します。この接続は、 | 443 |
ハブクラスターからの受信 | HTTPS | Klusterlet をインストールするために、インストール時にプロビジョニングされるマネージドクラスターの Kubernetes API サーバー | 6443 |
イメージリポジトリーへの送信 | HTTPS | OpenShift Container Platform および Red Hat Advanced Cluster Management のイメージにアクセスします。 | 443 |
ハブクラスターへの送信 | HTTPS | メトリクスおよびアラートをプッシュするマネージドクラスター (OpenShift Container Platform バージョン 4.8 以降を実行するマネージドクラスターに対してのみアラートが収集されます) | 443 |
ハブクラスターへの送信 | HTTPS | ハブクラスターの Kubernetes API サーバーで変更の有無を監視します。 | 6443 |
チャネルソースへの送信 | HTTPS | GitHub、オブジェクトストア、Helm リポジトリーなど、チャネルソースへのマネージドクラスター。この送信接続は、アプリケーションライフサイクルを使用してこのようなソースに接続する場合にのみ必要です。 | 443 |
ハブクラスターへの送信 | HTTPS | マネージドクラスターのクラスタープロキシーアドオンを登録する場合。 | 443 |
1.1.3.3. インフラストラクチャーオペレーターを使用してインストールする場合の追加のネットワーク要件
Infrastructure Operator を使用してベアメタルマネージドクラスターをインストールする場合は、以下の表で追加のネットワーク要件について参照してください。
方向 | プロトコル | 接続 | ポート (指定されている場合) |
---|---|---|---|
ISO/rootfs イメージリポジトリーへのハブクラスターの送信 | HTTPS (非接続環境では HTTP) | Red Hat Advanced Cluster Management ハブで ISO イメージを作成するのに使用します。 | 443 (非接続環境では 80) |
単一ノードの OpenShift Container Platform マネージドクラスターでの BMC インターフェイスへのハブクラスター送信 | HTTPS (非接続環境では HTTP) | OpenShift Container Platform クラスターをブートします。 | 443 |
OpenShift Container Platform マネージドクラスターからハブクラスターへの送信 | HTTPS |
| 443 |
OpenShift Container Platform マネージドクラスターから ISO/rootfs イメージリポジトリーへの送信 | HTTP | rootfs イメージをダウンロードします。 | 80 |
1.1.3.4. Submariner ネットワーク要件
Submariner を使用するクラスターに対して、ポートを 3 つ開放する必要があります。以下の表は、どのポートを使用できるかを示しています。
方向 | プロトコル | 接続 | ポート (指定されている場合) |
---|---|---|---|
送信および受信 | UDP | 各マネージドクラスター | 4800 |
送信および受信 | UDP | 各マネージドクラスター | 4500、500、およびゲートウェイノード上の IPsec トラフィックに使用されるその他のポート |
受信 | TCP | 各マネージドクラスター | 8080 |
受信 | TCP | グローバルネットが有効な場合 | 8081 |
1.1.3.5. Hive Operator を使用してインストールする場合の追加のネットワーク要件
Central Infrastructure Management の使用が含まれる Hive Operator を使用してベアメタルマネージドクラスターをインストールする場合は、ハブクラスターと libvirt
プロビジョニングホスト間で、レイヤー 2 またはレイヤー 3 のポート接続を設定する必要があります。プロビジョニングホストへのこの接続は、Hive を使用したベースベアメタルクラスターの作成時に必要になります。詳細は、以下の表を参照してください。
方向 | プロトコル | 接続 | ポート (指定されている場合) |
---|---|---|---|
| IP |
Hive Operator がインストールされているハブクラスターを、ベアメタルクラスターの作成時にブートストラップとして機能する |
注記:これらの要件はインストール時にのみ適用され、Infrastructure Operator でインストールされたクラスターのアップグレード時には必要ありません。
1.1.3.6. アプリケーションデプロイメントネットワークの要件
通常、アプリケーションデプロイメントの通信は、マネージドクラスターからハブクラスターへの 1 つの方法です。接続では、マネージドクラスターのエージェントによって設定される kubeconfig
を使用します。マネージドクラスターでのアプリケーションデプロイメントは、ハブクラスターの以下の namespace にアクセスする必要があります。
- チャネルリソースの namespace
- マネージドクラスターの名前空間
1.1.3.7. namespace 接続ネットワーク要件
アプリケーションライフサイクル接続:
-
namespace の
open-cluster-management
は、ポート 4000 のコンソール API にアクセスする必要があります。 -
namespace の
open-cluster-management
は、ポート 3001 でアプリケーション UI を公開する必要があります。
-
namespace の
アプリケーションライフサイクルバックエンドコンポーネント (Pod):
ハブクラスターでは、以下の Pod を含む
open-cluster-management
namespace にすべてのアプリケーションライフサイクル Pod がインストールされます。- multicluster-operators-hub-subscription
- multicluster-operators-standalone-subscription
- multicluster-operators-channel
- multicluster-operators-application
multicluster-integrations
これらの Pod が
open-cluster-management
namespace に作成されると、以下のようになります。-
namespace の
open-cluster-management
は、ポート 6443 で Kube API にアクセスする必要があります。
マネージドクラスターでは、
klusterlet-addon-appmgr
アプリケーションライフサイクル Pod のみがopen-cluster-management-agent-addon
namespace にインストールされます。-
namespace
open-cluster-management-agent-addon
は、ポート 6443 で Kube API にアクセスする必要があります。
ガバナンスおよびリスク:
ハブクラスターでは、以下のアクセスが必要です。
-
namespace の
open-cluster-management
は、ポート 6443 で Kube API にアクセスする必要があります。 -
namespace
open-cluster-management
は、ポート 5353 で OpenShift DNS にアクセスする必要があります。
マネージドクラスターでは、以下のアクセスが必要です。
-
namespace
open-cluster-management-addon
は、ポート 6443 の Kube API にアクセスする必要があります。
-
namespace の
詳細は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes 2.6 Support Matrix を参照してください。