2.2. ポリシーの概要
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes セキュリティーポリシーフレームワークを使用して、ポリシーを作成および管理します。ポリシーの作成には、Kubernetes カスタムリソース定義インスタンスが使用されます。
各 Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーには、少なくとも 1 つ以上のテンプレートを含めることができます。ポリシー要素の詳細は、このページの ポリシー YAML の表 のセクションを参照してください。
このポリシーには、ポリシードキュメントの適用先のクラスターを定義する PlacementRule または Placement と、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ポリシーを配置ルールにバインドする PlacementBinding が必要です。PlacementRule
の定義方法に関する詳細は、アプリケーションライフサイクルドキュメントの 配置ルール を参照してください。Placement
の定義方法は、クラスターライフサイクルドキュメントの 配置の概要 を参照してください。
重要:
-
ポリシーをマネージドクラスターに伝播するには、
PlacementRule
(非推奨) またはPlacement
のいずれかを使用してポリシーをバインドするPlacementBinding
を作成する必要があります。
ベストプラクティス: Placement
リソースの使用時には、コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用してポリシーの更新を行います。
- ハブクラスターの namespae (クラスター namespace を除く) でポリシーを作成できます。クラスター namespace でポリシーを作成する場合には、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes により削除されます。
- 各クライアントおよびプロバイダーは、マネージドのクラウド環境で、Kubernetes クラスターでホストされているワークロードのソフトウェアエンジニアリング、セキュアなエンジニアリング、回復性、セキュリティー、規制準拠に関する内部エンタープライズセキュリティー基準を満たしていることを確認します。
ガバナンスおよびセキュリティー機能を使用して、標準を満たすように可視性を確保し、設定を調整します。
以下のセクションでは、ポリシーコンポーネントについて説明します。
2.2.1. ポリシー YAML の設定
ポリシーの作成時に、必須パラメーターフィールドと値を含める必要があります。ポリシーコントローラーによっては、他の任意のフィールドおよび値の追加が必要になる場合があります。前述のパラメーターフィールドの YAML 設定は、以下を確認してください。
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: Policy metadata: name: annotations: policy.open-cluster-management.io/standards: policy.open-cluster-management.io/categories: policy.open-cluster-management.io/controls: policy.open-cluster-management.io/description: spec: dependencies: - apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 compliance: kind: Policy name: namespace: policy-templates: - objectDefinition: apiVersion: kind: metadata: name: spec: remediationAction: disabled: --- apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementBinding metadata: name: placementRef: name: kind: apiGroup: subjects: - name: kind: apiGroup: --- apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementRule metadata: name: spec: clusterConditions: - type: clusterLabels: matchLabels: cloud:
2.2.2. ポリシー YAML の表
フィールド | 任意または必須 | 説明 |
---|---|---|
| 必須 |
この値は |
| 必須 |
ポリシーのタイプを指定するには、値を |
| 必須 | ポリシーリソースを識別する名前。 |
| 任意 | ポリシーが検証を試みる標準セットを記述する、一連のセキュリティー情報の指定に使用します。ここに記載されているすべてのアノテーションは、コンマ区切りリストを含む文字列として表示されます。 注記: コンソールの ポリシー ページで、ポリシー定義の標準およびカテゴリーに基づいてポリシー違反を表示できます。 |
| 任意 | ポリシーが関連するセキュリティー標準の名前。たとえば、アメリカ国立標準技術研究所 (NIST: National Institute of Standards and Technology) および Payment Card Industry (PCI) などがあります。 |
| 任意 | セキュリティーコントロールカテゴリーは、1 つ以上の標準に関する特定要件を表します。たとえば、システムおよび情報の整合性カテゴリーには、HIPAA および PCI 標準で必要とされているように、個人情報保護のデータ転送プロトコルが含まれる場合があります。 |
| 任意 | チェックされるセキュリティー制御の名前。たとえば、アクセス制御やシステムと情報のインテグリティーです。 |
| 任意 | コンプライアンスに関する特別な考慮事項を含む詳細な依存オブジェクトのリストを作成するために使用されます。 |
| 必須 | 1 つ以上のポリシーを作成し、マネージドクラスターに適用するのに使用します。 |
| 任意 | ポリシーテンプレートの場合は、これを使用して、コンプライアンスに関する特別な考慮事項を詳述した依存オブジェクトのリストを作成します。 |
| 任意 | 依存関係の基準が検証されるまで、ポリシーテンプレートを準拠としてマークするために使用されます。 |
| 必須 |
この値は |
| 任意 |
ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は 重要: 一部のポリシーの種類は、強制機能をサポートしていない場合があります。 |
2.2.3. ポリシーサンプルファイル
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: Policy metadata: name: policy-role annotations: policy.open-cluster-management.io/standards: NIST SP 800-53 policy.open-cluster-management.io/categories: AC Access Control policy.open-cluster-management.io/controls: AC-3 Access Enforcement policy.open-cluster-management.io/description: spec: remediationAction: inform disabled: false policy-templates: - objectDefinition: apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: ConfigurationPolicy metadata: name: policy-role-example spec: remediationAction: inform # the policy-template spec.remediationAction is overridden by the preceding parameter value for spec.remediationAction. severity: high namespaceSelector: include: ["default"] object-templates: - complianceType: mustonlyhave # role definition should exact match objectDefinition: apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1 kind: Role metadata: name: sample-role rules: - apiGroups: ["extensions", "apps"] resources: ["deployments"] verbs: ["get", "list", "watch", "delete","patch"] --- apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementBinding metadata: name: binding-policy-role placementRef: name: placement-policy-role kind: PlacementRule apiGroup: apps.open-cluster-management.io subjects: - name: policy-role kind: Policy apiGroup: policy.open-cluster-management.io --- apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementRule metadata: name: placement-policy-role spec: clusterConditions: - status: "True" type: ManagedClusterConditionAvailable clusterSelector: matchExpressions: - {key: environment, operator: In, values: ["dev"]}
2.2.4. Placement YAML のサンプルファイル
PlacementBinding
および Placement
リソースは、以前のポリシー例と組み合わせて、PlacementRule
API ではなく、クラスターの Placement
API を使用してポリシーをデプロイできます。
--- apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementBinding metadata: name: binding-policy-role placementRef: name: placement-policy-role kind: Placement apiGroup: cluster.open-cluster-management.io subjects: - name: policy-role kind: Policy apiGroup: policy.open-cluster-management.io --- //Depends on if governance would like to use v1beta1 apiVersion: cluster.open-cluster-management.io/v1beta1 kind: Placement metadata: name: placement-policy-role spec: predicates: - requiredClusterSelector: labelSelector: matchExpressions: - {key: environment, operator: In, values: ["dev"]}
- ポリシーコントローラー を参照してください。
- ポリシーの作成および更新は、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。また、Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーコントローラーを有効にして更新し、ポリシーのコンプライアンスを検証することもできます。
- ガバナンス ドキュメントに戻ります。