第12章 イメージの脆弱性の調査
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes を使用すると、イメージに対して脆弱性の有無を分析できます。スキャナーは、すべてのイメージレイヤーを分析し、CVE (Common Vulnerabilities and Exposures) リストと比較して、既知の脆弱性をチェックします。
スキャナーが脆弱性を見つけた場合は、以下を行います。
- 詳細に分析するために、Vulnerability Management ビューに表示します。
- リスクに応じて脆弱性をランク付けし、リスク評価のために RHACS ポータルでこれらの脆弱性をハイライトします。
- 有効な セキュリティーポリシー と照合します。
スキャナーはイメージを検査し、イメージ内のファイルに基づいてインストールされたコンポーネントを特定します。次のファイルを削除するように最終的なイメージを変更すると、インストールされているコンポーネントまたは脆弱性を特定できない場合があります。
| コンポーネント | ファイル |
|---|---|
| パッケージマネージャー |
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| 言語レベルの依存関係 |
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| アプリケーションレベルの依存関係 |
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12.1. イメージのスキャン リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Central はイメージスキャン要求を Scanner に送信します。これらの要求を受信すると、スキャナーは関連するレジストリーからイメージレイヤーをプルし、イメージを確認して各レイヤーにインストールされているパッケージを識別します。次に、特定されたパッケージとプログラミング言語固有の依存関係を脆弱性リストと比較して、情報を Central に送信します。
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes は、別の脆弱性スキャナーと統合することもできます。
スキャナーは、以下の脆弱性を特定します。
- ベースイメージのオペレーティングシステム
- パッケージマネージャーによりインストールされるパッケージ
- プログラミング言語固有の依存関係
- プログラミングランタイムとフレームワーク
Scanner の一般的な警告メッセージの理解と対処
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes (RHACS) でイメージをスキャンすると、CVE DATA MAY BE INACCURATE 警告メッセージが表示される場合があります。イメージ内のオペレーティングシステムまたはその他のパッケージに関する完全な情報を取得できない場合、Scanner はこのメッセージを表示します。
以下の表は、一般的な Scanner の警告メッセージを示しています。
| Message | 説明 |
|---|---|
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| Scanner がイメージのベースオペレーティングシステムを正式にサポートしていないことを示します。したがって、オペレーティングシステムレベルのパッケージの CVE データを取得できません。 |
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| イメージのベースオペレーティングシステムのサポートが終了したことを示します。これは、脆弱性データが古くなっていることを意味します。たとえば、Debian 8 および 9 です。 イメージ内のコンポーネントを識別するために必要なファイルの詳細は、イメージの脆弱性の検査 を参照してください。 |
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| Scanner がイメージをスキャンしたが、イメージに使用されたベースオペレーティングシステムを特定できなかったことを示します。 |
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ネットワーク上でターゲットレジストリーに到達できないことを示します。原因は、ファイアウォールが 根本原因を分析するには、プライベートレジストリーまたはリポジトリー用に特別なレジストリー統合を作成し、RHACS Central の Pod ログを取得します。これを行う方法については、イメージレジストリーとの統合 を参照してください。 |
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| Scanner がイメージをスキャンしたが、イメージは古く、Red Hat Scanner Certification の範囲内にないことを示します。詳細は、Partner Guide for Red Hat Vulnerability Scanner Certification を参照してください。 重要 Red Hat コンテナーイメージ を使用している場合は、2020 年 6 月以降のベースイメージの使用を検討してください。 |
サポート対象のパッケージ形式
スキャナーは、以下のパッケージ形式を使用するイメージの脆弱性の有無を確認できます。
- yum
- microdnf
- apt
- apk
- dpkg
- RPM
サポート対象のプログラミング言語
Scanner は、次のプログラミング言語の依存関係の脆弱性をチェックできます。
- Java
- JavaScript
- Python
- Ruby
サポート対象のランタイムおよびフレームワーク
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes 3.0.50(Scanner バージョン 2.5.0) から、スキャナーは以下の開発者プラットフォームの脆弱性を特定します。
- .NET Core
- ASP.NET Core
サポート対象オペレーティングシステム
このセクションにリストされているサポート対象のプラットフォームは、Scanner で脆弱性が特定されるディストリビューションで、Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes をインストールできるサポート対象のプラットフォームとは異なります。
Scanner は、以下の Linux ディストリビューションを含むイメージの脆弱性を特定します。
| ディストリビューション | Version |
|---|---|
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- Fedora は脆弱性データベースを管理していないため、Scanner は Fedora オペレーティングシステムをサポートしていません。ただし、Scanner は Fedora ベースのイメージで言語固有の脆弱性を検出します。
Scanner は、以下のイメージの脆弱性も特定します。ただし、脆弱性ソースはベンダーで更新されなくなりました。