4.4. ブローカーのストレージ要件の設定
Operator ベースのブローカーデプロイメントで永続ストレージを使用するには、デプロイメントの作成に使用されるカスタムリソース (CR) インスタンスで persistenceEnabled
を true
に設定します。OpenShift クラスターに Container-native ストレージがない場合、永続ボリューム (PV) を手動でプロビジョニングし、それらは Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) を使用して Operator で要求できるようにする必要があります。たとえば、永続ストレージを持つ 2 つのブローカーで設定されるクラスターを作成する場合は、2 つの PV が利用可能である必要があります。
OpenShift Container Platform で PV を手動でプロビジョニングする場合、各 PV の回収ポリシーを Retain
に設定していることを確認してください。PV の回収ポリシーが Retain
に設定されておらず、Operator が PV を要求するために使用した PVC が削除されている場合、PV も削除されます。PV を削除すると、ボリューム上のすべてのデータが失われます。回収ポリシーの設定の詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの 永続ストレージについて を参照してください。
デフォルトでは、PVC は、クラスター用に設定されたデフォルトのストレージクラスから、ブローカーごとに 2 GiB のストレージを取得します。PVC で要求されたデフォルトのサイズとストレージクラスをオーバーライドできますが、CR を初めてデプロイする 前 に、CR で新しい値を設定することによってのみ可能です。
4.4.1. ブローカーのストレージサイズとストレージクラスの設定
以下の手順では、ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスを設定し、永続メッセージストレージ用に各ブローカーに必要な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) のサイズとストレージクラスを指定する方法を説明します。
初めて CR をデプロイする前に、ブローカーストレージサイズとストレージクラスの設定をブローカーデプロイメントのメイン CR に追加する必要があります。すでに実行中のブローカーデプロイメントに設定を追加できません。
前提条件
- CR インスタンスを使用して基本的なブローカーデプロイメントを作成する方法を理解する必要があります。「基本的なブローカーインスタンスのデプロイ」 を参照してください。
永続ボリューム (PV) がすでにプロビジョニングされ、それらを Operator で要求できるように利用可能にする必要があります。たとえば、永続ストレージを持つ 2 つのブローカーのクラスターを作成する場合は、2 つの PV が利用可能である必要があります。
永続ストレージのプロビジョニングの詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの 永続ストレージについて を参照してください。
手順
ブローカーデプロイメントのカスタムリソース (CR) インスタンスの設定を開始します。
OpenShift コマンドラインインターフェイスの使用:
デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとして OpenShift にログインします。
oc login -u <user> -p <password> --server=<host:port>
-
ダウンロードした Operator インストールアーカイブの
deploy/crs
ディレクトリーに含まれるbroker_activemqartemis_cr.yaml
というサンプル CR ファイルを開きます。
OpenShift Container Platform Web コンソールの使用
- デプロイメントを作成するプロジェクトに CR をデプロイする権限を持つユーザーとしてコンソールにログインします。
-
メインブローカー CRD に基づいて新規 CR インスタンスを起動します。左側のペインで、
をクリックします。 - ActiveMQArtemis CRD をクリックします。
- Instances タブをクリックします。
Create ActiveMQArtemis をクリックします。
コンソールで、YAML エディターが開き、CR インスタンスを設定できます。
基本的なブローカーデプロイメントの場合、設定が以下のように表示される可能性があります。
apiVersion: broker.amq.io/v1beta1 kind: ActiveMQArtemis metadata: name: ex-aao application: ex-aao-app spec: deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true
broker_activemqartemis_cr.yaml
サンプル CR ファイルで、image
プロパティーがplaceholder
のデフォルト値に設定されていることを確認します。この値はデフォルトで、image
プロパティーによってデプロイメントに使用するブローカーコンテナーイメージが指定されていないことを示します。Operator が使用する適切なブローカーコンテナーイメージを判別する方法については、「Operator によるコンテナーイメージの選択方法」 を参照してください。ブローカーのストレージサイズを指定するには、CR の
deploymentPlan
セクションにstorage
セクションを追加します。size
プロパティーを追加し、値を指定します。以下に例を示します。spec: deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true storage: size: 4Gi
storage.size
-
各ブローカー Pod が永続ストレージに必要な Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) のサイズ (バイト単位)。このプロパティーは、
persistenceEnabled
がtrue
に設定されている場合にのみ適用されます。指定する値には、バイト表記 (K、M、G など) を使用する単位、または同等の 2 進数 (Ki、Mi、Gi) が含まれている 必要 があります。
各ブローカー Pod が永続ストレージに必要なストレージクラスを指定するには、
storage
セクションでstorageClassName
プロパティーを追加し、値を指定します。以下に例を示します。spec: deploymentPlan: size: 1 image: placeholder requireLogin: false persistenceEnabled: true journalType: nio messageMigration: true storage: size: 4Gi storageClassName: gp3
storage.storageClassName
永続ボリューム要求 (PVC) で要求するストレージクラスの名前。ストレージクラスは、管理者が使用可能なストレージを記述および分類する方法を提供します。たとえば、さまざまなストレージクラスが、特定のサービス品質レベル、バックアップポリシーなどにマッピングされる場合があります。
ストレージクラスを指定しない場合、クラスター用に設定されたデフォルトのストレージクラスを持つ永続ボリュームが PVC によって要求されます。
注記ストレージクラスを指定すると、ボリュームのストレージクラスが指定されたストレージクラスと一致する場合にのみ、PVC によって永続ボリュームが要求されます。
CR インスタンスをデプロイします。
OpenShift コマンドラインインターフェイスの使用:
- CR ファイルを保存します。
ブローカーデプロイメントを作成するプロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
CR インスタンスを作成します。
$ oc create -f <path/to/custom_resource_instance>.yaml
OpenShift Web コンソールの使用
- CR の設定が完了したら、Create をクリックします。