第1章 高可用性の概要
ここでは、Red Hat build of Keycloak のさまざまな高可用性アーキテクチャーを紹介します。
Red Hat build of Keycloak はさまざまな高可用性アーキテクチャーにデプロイできるため、システム管理者はニーズに最も適したデプロイメントタイプを選択できます。ご自身の環境に合った適切なアーキテクチャーを決定する際には、デプロイの容易さ、コスト、フォールトトレランスの保証が重要な考慮事項となります。
すべての Red Hat build of Keycloak デプロイメントは、OpenShift インストール手順 に従って適切に設定された OpenShift クラスターにインストールする必要があります。複数のサイトにまたがる OpenShift クラスター (つまり、シングルクラスターまたは複数のアベイラビリティーゾーンにまたがるマルチクラスター) 上でのあらゆる Red Hat build of Keycloak のインストールにおいて、OpenShift クラスターは Guidance for Red Hat OpenShift Container Platform Clusters に準拠する必要があります。
最終的には、高可用性アーキテクチャーには、実行中のソフトウェアに加えて多くのコンポーネントが関与し、サービスの可用性に対する責任はお客様にあります。このガイドでは、このような高可用性アーキテクチャーにおける Red Hat build of Keycloak の使用に関する推奨プラクティスが記載されています。
1.1. アーキテクチャー リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
このドキュメントでは、Red Hat build of Keycloak をデプロイするための 2 つの高可用性アーキテクチャー (シングルクラスターデプロイメントとマルチクラスターデプロイメント) について説明します。
1.1.1. シングルクラスターデプロイメント リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
シングルクラスターデプロイメント を使用して、Red Hat build of Keycloak をシングルクラスターにデプロイします。この際、必要とされるネットワーク遅延とデータベース設定がある場合は、オプションとして複数のアベイラビリティーゾーンまたはデータセンターにまたがってデプロイすることもできます。
- メリット
- 外部の依存関係がない
- シングル OpenShift クラスター内でのデプロイメント
- 複数のアベイラビリティーゾーンまたはデータセンターにデプロイされている場合、アベイラビリティーゾーンの障害またはデータセンターの障害を許容する
- デメリット
OpenShift クラスターが単一障害点となる
- コントロールプレーンの障害により、すべての Red Hat build of Keycloak Pod が影響を受けるおそれがある
1.1.2. マルチクラスターデプロイメント リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
マルチクラスターデプロイメント を使用して、たとえば、2 つのアベイラビリティーゾーンまたはデータセンターの異なる OpenShift クラスターにデプロイされた 2 つの Red Hat build of Keycloak クラスターを、必要なネットワーク遅延とデータベース設定がある状態で接続します。
- メリット
- アベイラビリティーゾーンの障害に耐えられる
- OpenShift クラスターの障害を許容する
- 透過的なネットワークを提供していない 2 つのネットワークをブリッジできる
- 個別のデプロイメントが要求される場合に、規制を遵守できる
- デメリット
複雑さ:
- 外部のロードバランサーが必要
- 各サイトに個別の Data Grid クラスターが必要
コスト:
- 追加のロードバランサーが必要
- 外部の Data Grid クラスターに追加のコンピュートリソースが必要
- 2 つの OpenShift コントロールプレーンをプロビジョニングする必要がある
- 3 つ以上のアベイラビリティーゾーンの使用はサポート対象外
1.1.3. 次のステップ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
さまざまな高可用性アーキテクチャーとサポートされている設定の詳細は、それぞれの章を参照してください。