第4章 更新のトラブルシューティング
MicroShift 更新のトラブルシューティングを行うには、次のガイドを使用してください。
MicroShift は、マイナーバージョンから次のマイナーバージョンに順番に更新する必要があります。たとえば、4.14 を 4.15 に更新する必要があります。
4.1. MicroShift の更新のトラブルシューティング
場合によっては、MicroShift の更新に失敗することがあります。そのような場合に備えて、障害の種類とそのトラブルシューティング方法を理解しておくと役立ちます。
4.1.1. MicroShift バージョンの更新順序が原因で更新パスを使用できない
MicroShift は順番に更新する必要があります。マイナーバージョンを 1 つ飛ばして MicroShift を更新しようとすると失敗します。
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たとえば、現在のバージョンが
4.14.5
で、そのバージョンから4.16.0
に更新しようとすると、executable (4.16.0) is too recent compared to existing data (4.14.5): version difference is 2, maximum allowed difference is 1
と表示され、MicroShift が起動に失敗します。
この例では、まず 4.14.5
を 4.15
のいずれかのバージョンに更新する必要があります。その後、4.16.0
にアップグレードできます。
4.1.2. バージョンの互換性がなく更新パスを使用できない
MicroShift の更新と、Red Hat Enterprise Linux for Edge (RHEL for Edge) または Red Hat Enterprise Linux (RHEL) のバージョンとの間で互換性がない場合、RPM 依存関係エラーが発生します。
次の互換性に関する表を確認してください。
Red Hat Device Edge リリースの互換性に関する表
Red Hat Device Edge の 2 つの製品は、デバイスエッジコンピューティングのための単一のソリューションとして連携して動作します。製品を正しく組み合わせるには、次の表に示すように、それぞれの検証済みリリースを一緒に使用してください。
RHEL for Edge Version(s) | MicroShift バージョン | MicroShift のリリースステータス | MicroShift のサポート対象の更新 |
9.2、9.3 | 4.15 | 一般提供 |
4.15.0 |
9.2、9.3 | 4.14 | 一般提供 |
4.14.0 |
9.2 | 4.13 | テクノロジープレビュー | なし |
8.7 | 4.12 | 開発者プレビュー | なし |
次の更新パスを確認してください。
MicroShift の更新パス
- RHEL for Edge 9.2 の場合、一般提供バージョン 4.14.0 から 4.14.z
- RHEL 9.2 の場合、一般提供バージョン 4.14.0 から 4.14.z
4.1.3. OSTree 更新の失敗
OSTree システムで更新した場合、Greenboot ヘルスチェックが自動的にログを記録し、システムの健全性に基づいて動作します。Greenboot によるシステムのロールバックにより、障害の発生が判明する場合があります。更新が失敗しても、Greenboot がシステムのロールバックを完了しなかった場合は、後述の「関連情報」セクションにある RHEL for Edge ドキュメントへのリンクを使用してトラブルシューティングを行うことができます。
- Greenboot ログの手動確認
次のコマンドを実行して、Greenboot ログを手動でチェックしてシステムの健全性を確認します。
$ sudo systemctl restart --no-block greenboot-healthcheck && sudo journalctl -fu greenboot-healthcheck
4.1.4. RPM 手動更新の失敗
非 OSTree システムで RPM を使用して更新した場合、Greenboot によって更新の失敗が判明することがあります。ただし、ヘルスチェックは情報を提供するだけです。RPM 手動更新の失敗をトラブルシューティングする際には、次のステップとして、システムログを確認します。Greenboot と sos report
を使用して、MicroShift 更新とホストシステムの両方を確認できます。