8.2. Red Hat Ceph Storage 5.3z7
Red Hat Ceph Storage リリース 5.3z7 が公開されました。この更新に含まれるバグ修正とセキュリティー更新は、RHSA-2024:4118 および RHSA-2024:41 19 アドバイザリーに記載され ています。
8.2.1. 機能拡張
8.2.1.1. RBD
rbd_diff_iterate2()
API のパフォーマンスの向上
以前のバージョンでは、fast-diff モード (whole_object == true
で fast-diff
イメージ機能が有効な場合) で開始時点 (fromsnapname == NULL
) との差分を取る際に、排他ロックが利用可能な場合、RBD diff-iterate のローカルでの実行が保証されませんでした。
この機能強化により、rbd_diff_iterate2 ()
API のパフォーマンスが向上し、高速差分
イメージ機能が有効になっている QEMU ライブディスク同期およびバックアップのユースケースのパフォーマンスが向上します。
8.2.2. 既知の問題
8.2.2.1. Ceph のアップグレード
RHEL 8 から RHEL 9 へのアップグレード中に、クラスターキーと特定の設定ディレクトリーが削除されます。
libunwind
パッケージの RHEL 8 非推奨のため、RHEL 9 にアップグレードするとこのパッケージは削除されます。ceph-common
パッケージは libunwind
パッケージに依存するため、これも削除されます。ceph-common
パッケージを削除すると、クラスターキーと、/etc/ceph
および /var/log/ceph
ディレクトリー内の特定の設定が削除されます。
その結果、さまざまなノード障害が発生する可能性があります。/etc/ceph
パッケージ
が削除されたことが原因で、一部のノードで Ceph 操作が機能しない可能性があります。また、/var/log/ceph パッケージが削除されたため、ノード上の Ceph サービスで systemd と Podman を起動できません。
回避策として、libunwind
パッケージが削除されないように LEAPP を設定します。完全な手順は、Red Hat カスタマーポータルの Upgrading RHCS 5 hosts from RHEL 8 to RHEL 9 removes ceph-common packageServices fail to start を参照してください。