第2章 Ceph File System Metadata Server
ストレージ管理者として、Ceph File System (CephFS) Metadata Server (MDS) のさまざまな状態を学ぶとともに、CephFS MDS ランキングの仕組み、MDS スタンバイデーモンの設定、キャッシュサイズの制限についても学ぶことができます。これらの概念を知ることで、ストレージ環境に合わせて MDS デーモンを設定することができます。
前提条件
- 実行中、および正常な Red Hat Ceph Storage クラスター
-
Ceph Metadata Server デーモン (
ceph-mds
) のインストール。MDS デーモンの設定の詳細は、Red Hat Ceph Storage File System Guide の Ceph Orchestrator を使用した MDS サービスの管理 セクションを参照してください。
2.1. Metadata Server デーモンの状態 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Metadata Server (MDS) のデーモンは、2 つの状態で動作します。
- Active: Ceph File System に保存されているファイルとディレクトリーのメタデータを管理します。
- Standby — バックアップとして機能し、アクティブな MDS デーモンが反応しなくなったときにアクティブになります。
デフォルトでは、Ceph File System はアクティブな MDS デーモンを 1 つだけ使用します。ただし、多くのクライアントがあるシステムでは複数のアクティブな MDS デーモンを使用する利点があります。
ファイルシステムでは、複数のアクティブな MDS デーモンを使用するように設定することで、大規模なワークロードに対してメタデータのパフォーマンスを拡張することができます。メタデータの負荷パターンが変化したときに、アクティブな MDS デーモンがメタデータのワークロードを動的に分担します。なお、複数のアクティブな MDS デーモンを持つシステムでは、高可用性を維持するためにスタンバイ MDS デーモンが必要となります。
Active MDS デーモンが停止したときの動作について
アクティブな MDS が応答しなくなると、Ceph Monitor デーモンは mds_beacon_grace
オプションで指定された値に等しい秒数だけ待機します。指定した時間が経過してもアクティブな MDS が応答しない場合、Ceph Monitor は MDS デーモンを laggy
としてマークします。設定に応じて、いずれかのスタンバイデーモンがアクティブになります。
mds_beacon_grace
の値を変更するには、Ceph の設定ファイルにこのオプションを追加して、新しい値を指定します。