第3章 ハードウェアタイムスタンプを備えた chrony
一部のネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) のハードウェア (HW) タイムスタンプは、着信パケットと発信パケットの正確なタイムスタンプを提供します。NTP タイムスタンプは通常、カーネルにより作成され、システムクロックを使用して chronyd が作成されます。ただし、ハードウェアのタイムスタンプが有効な場合、NIC は独自のクロックを使用して、パケットがリンク層または物理層に出入りするときにタイムスタンプを生成します。ハードウェアスタンプで NTP を使用すると、同期の精度を大幅に向上できます。最高精度を実現するには、NTP サーバーおよび NTP クライアントの両方が、ハードウェアのタイムスタンプを使用している必要があります。理想的な条件下では、サブマイクロ秒単位の精度を実現できるかもしれません。
ハードウェアのタイムスタンプを使用する時間同期の別のプロトコルには、PTP があります。
NTP とは異なり、PTP は、ネットワークスイッチおよびルーターの補助に依存しています。最高の同期精度を実現する場合は、PTP をサポートするスイッチやルーターがあるネットワークでは PTP を使用し、そのようなスイッチやルーターがないネットワークでは NTP を選択してください。
3.1. ハードウェアタイムスタンプのサポートの確認 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
NTP によるハードウェアタイムスタンプがインターフェイスでサポートされていることを確認するには、ethtool -T コマンドを使用します。ethtool が SOF_TIMESTAMPING_TX_HARDWARE および SOF_TIMESTAMPING_TX_SOFTWARE 機能と HWTSTAMP_FILTER_ALL フィルターモードをリストしている場合、インターフェイスを NTP によるハードウェアタイムスタンプに使用できます。
手順
- デバイスのタイムスタンプ機能と、関連する PTP ハードウェアクロックを表示します。
ethtool -T enp1s0
# ethtool -T enp1s0