6. Virtualization


This section contains information about updates made to Red Hat Enterprise Linux suite of Virtualization tools.

6.1. Feature Updates

  • blktap (blocktap) ユーザースペースツールキットが更新され、blktap にバックされた仮想化ゲストの転送統計を監視できるようになりました。
  • Intel Extended Page Table (EPT) 機能に対するサポートが追加され、EPT をサポートするハードウェア上の完全仮想化ゲストのパフォーマンスが向上されました。
  • ゲストの e1000 ネットワークデバイスエミュレーションが今回のアップデートに追加され、ia64 アーキテクチャのWindows 2003 ゲストのみサポートできるようになりました。e1000 エミュレーションを使用するには、xm コマンドを使用しなければなりません。
  • KVM の I/O 仮想化のプラットフォームである virtio のドライバが Linux Kernel 2.6.27 から Red Hat Enterprise Linux 5.3 にバックポートされました。これらのドライバにより、KVM のゲストの I/O パフォーマンスが向上されます。また virtio デバイスをサポートするため、anacondakudzulvmselinuxmkinitrd などのユーザースペースコンポーネントも更新されました。
  • ネイティブの Linux カーネルは自動的に vmcoreinfo をサポートしますが、dom0 ドメインに kdump を設定するには kernel-xen-debuginfo パッケージが必要でした。このリリースでは、カーネルとハイパーバイザーが変更され、ネイティブに vmcoreinfo の読み取りと kdump の書き込みがサポートされるようになりました。そのため、debuginfodebuginfo-common パッケージをインストールしなくても、dom0 ドメインでデバッグなどに kdump を使用することができるようになりました。
  • 完全仮想化された Red Hat Enterprise Linux 5 のゲストがエミュレートされたディスクやネットワークデバイスを使用すると最適なパフォーマンスを得られませんでした。今回の更新には kmod-xenpv パッケージが同梱されたため、完全仮想化ゲストでの準仮想化ディスクやネットワークの使用が簡略化されます。
    このようなドライバを完全仮想化ゲストで使用すると、完全仮想化ゲストのパフォーマンスや機能を大幅に改善することができます。netfront ドライバと block front ドライバのバグ修正は即座に認識され、カーネルパッケージと同期されます。
  • ゲストは 2MB のバッキングページメモリテーブルを使用できるようになったため、システムパフォーマンスを向上できるようになりました。

6.2. Resolved Issues

6.2.1. All Architectures

  • 準仮想化ゲストをシャットダウンすると、dom0 が一定期間応答しないことがありました。ゲストのメモリが大きい場合 (12GB 以上) 数秒の遅延が発生しました。今回のアップデートでは、仮想カーネルによって大型の準仮想化ゲストのシャットダウンを pre-emptible できるようになったため、この問題は解決しました。
  • crash was unable to read the relocation address of the hypervisor from a vmcore file. Consequently, opening a Virtualized kernel vmcore file with crash would fail, resulting in the error:
    crash: cannot resolve "idle_pg_table_4"
    
    In this update, the hypervisor now saves the address correctly, which resolves this issue.
  • これまで、準仮想化ゲストは最大 16 個のディスクデバイスのみを持つことができました。この更新では、ディスクデバイスの最大数が 256 個に増えました。
  • Kdump カーネルの予約メモリが正しくなかったため、使用不可能な crash ダンプの原因となっていました。今回の更新では、メモリ予約が正しく行われるようになったため、適切な crash ダンプが生成されるようになりました。
  • 特定の名前を持つディスク (/dev/xvdaa/dev/xvdab/dev/xvdbc など) を準仮想化ゲストに付加すると、ゲスト内の /dev デバイスが破壊されました。今回の更新でこの問題が解決されたため、このような名前を持つディスクを準仮想化ゲストに付加しても、ゲスト内に適切な /dev デバイスが作成されるようになりました。
  • これまで、ループバックデバイスの数は 4 つまでに制限されていました。そのため、5 つ以上のネットワークデバイスを持つシステムおけるブリッジの作成が制限されていました。今回の更新では、netloop ドライバによって必要な場合に追加のループバックデバイスを作成できるようになりました。
  • 仮想ネットワークデバイスを作成したり破壊したりすると競争状態が発生することがありました。特に負荷が高い場合は、仮想デバイスが応答しない原因となっていました。今回の更新により、競争状態が発生しないよう仮想デバイスの状態がチェックされるようになりました。
  • アプリケーションを実行したままにすると、virt-manager のメモリリークが発生しました。そのため、アプリケーションが常に追加のリソースを消費する状態になり、メモリスタベーションの原因となることがありました。今回の更新ではメモリリークの問題が修正されたため、この問題は解決されました。
  • the crash utility could not analyze x86_64 vmcores from systems running kernel-xen because the Red Hat Enterprise Linux hypervisor was relocatable and the relocated physical base address is not passed in the vmcore file's ELF header. The new --xen_phys_start command line option for the crash utility allows the user to pass crash the relocated base physical address.
  • すべてのマウスイベントが PVFB (準仮想化フレームバッファ) によってキャプチャされ処理されませんでした。そのため、Virtual Machine Console が準仮想化ゲストと対話するとスクロールホイールが機能しませんでした。この更新では、スクロールホイールマウスイベントが正しく処理されるようになったため、この問題が解決されました。
  • CPU 数が多いマシンで仮想化を使用すると、ゲストのインストール中にハイパーバイザーがクラッシュすることがありました。今回の更新でこの問題は解決されました。
  • CPUID ファミリー値として 6 を返す Intel プロセッサでは、1 つのパフォーマンスカウンタレジスタのみが kernel-xen で有効になっていました。そのため、カウンタ 0 のみがサンプルを提供しました。今回の更新でこの問題は解決されました。

6.2.2. x86 Architectures

  • On systems with newer CPU's, the CPU APIC ID differs from the CPU ID. Consequently, the virtualized kernel was unable to initialize CPU frequency scaling. In this update, the virtualized kernel now retrieves CPU APIC ID from the hypervisor, allowing CPU frequency scaling to be initialized properly.
  • x86 準仮想化ゲストを実行している時にプロセスが無効なメモリにアクセスすると、SEGV 信号を取得せずにループで実行されました。これは、ハイパーバイザー下で execshield チェックが行われる方法の欠陥によるものでした。今回の更新でこの問題は解決されました。

6.2.3. ia64 Architecture

  • A xend bug that previously caused guest installation failures is now fixed.
  • evtchn イベントチャネルデバイスにロックとメモリバリアがありませんでした。これが xenstore が応答しなくなる原因となりました。今回の更新でこの問題は解決されました。
  • NUMA (Non-Uniform Memory Access) の情報が xm info コマンドによって表示されませんでした。そのため、各ノードの node_to_cpu 値として誤って no cpus が返されました。今回の更新でこの問題は解決されました。
  • これまで、VT-i2 技術を持つプロセッサ上の HVM (ハードウェア仮想マシン) でゲストを作成できませんでした。このアップデートではこの問題が解決されました。

6.2.4. x86_64 Architectures

  • ゲストの仮想マシンが使用できる動的 IRQ を使い果たすと、dom0 カーネルがクラッシュしました。この更新では、クラッシュ状態が修正され、使用可能なIRQ の数も増えたため、この問題は解決されました。
  • On systems with newer CPU's, the CPU APIC ID differs from the CPU ID. Consequently, the virtualized kernel was unable to initialize CPU frequency scaling. In this update, the virtualized kernel now retrieves CPU APIC ID from the hypervisor, allowing CPU frequency scaling to be initialized properly.

6.3. Known Issues

6.3.1. All Architectures

  • 仮想カーネルを使用している時はディスクドライブメディアにはアクセスできません。これに対応するには、ディスクドライブメディアの代わりに USB 接続のディスクドライブを使用します。
    仮想化されていないカーネルではディスクドライブメディアを問題なく使用できます。
  • In live migrations of paravirtualized guests, time-dependent guest processes may function improperly if the corresponding hosts' (dom0) times are not synchronized. Use NTP to synchronize system times for all corresponding hosts before migration.
  • 2 つのホスト間でゲストのライブ移行を繰り返すと、いずれかのホストがパニックを起こす原因となることがあります。1 つのゲストをシステムから移行した後、同じゲストを戻す前にホストを起動するとパニックは発生しません。
  • ゲストとして Windows 2008Windows Vista を実行する場合、ディスクをフォーマットすると、ゲストが複数の仮想 CPU でブートされた際にクラッシュします。この問題に対処するには、フォーマットする際には単一の仮想 CPU でゲストをブートするようにします。
  • virt-manager によって作成される完全仮想化ゲストが原因で、マウスが画面上で自由に動かなくなることがあります。これに対処するには、virt-manager を使用して、ゲストに USB タブレットデバイスを設定します。
  • 128 個以上の CPU を持つシステムでは、最大 CPU 数を 128 未満に制限しなければなりません。現在、サポートされる最大数は 126 です。maxcpus=126 ハイパーバイザー引数を使用してハイパーバイザーを 126 に制限してください。
  • 完全仮想ゲストは、ドメインの一時停止や一時停止解除によって損失した時間を修正することができません。準仮想化カーネルの利点の 1 つが、一時停止や一時停止解除のイベント間で正しく時間を追跡できることです。この問題は、アップストリームでは交換可能なタイマーによって対応されており、完全仮想化ゲストは準仮想化タイマーを持つことになります。現在、このコードはアップストリームでの開発段階で、今後のバージョンの Red Hat Enterprise Linux で提供される見込みです。
  • 準仮想化ゲストを続けて移行すると、dom0 コンソールに bad mpa メッセージが出力されることがあります。また、場合によってはハイパーバイザーがパニックすることがあります。
    ハイパーバイザーがカーネルパニックを起こさないようにするため、bad mpa メッセージが出力されたら移行したゲストを再起動するようにしてください。
  • インターフェイスの結合を dom0 で設定すると、デフォルトの network-bridge スクリプトによって結合されたネットワークインターフェイスが unavailableavailable を交互に切り替えることがあります。この問題は 一般的に フラッピング と呼ばれています。
    フラッピングの発生を防止するには、/etc/xen/xend-config.sxp の通常の network-script 行を以下の行に置き換えます。
    			
    (network-script network-bridge-bonding netdev=bond0)
    
    これにより、netloop デバイスが無効になり、アドレス転送プロセス中に ARP (アドレス解決プロトコル) 監視が障害を起こさないようにします。
  • When running multiple guest domains, guest networking may temporarily stop working, resulting in the following error being reported in the dom0 logs:
    Memory squeeze in netback driver
    
    To work around this, raise the amount of memory available to the dom0 with the dom0_mem hypervisor command line option.

6.3.2. x86 Architectures

  • Migrating paravirtualized guests through xm migrate [domain] [dom0 IP address] does not work.
  • When installing Red Hat Enterprise Linux 5 on a fully virtualized SMP guest, the installation may freeze. This can occur when the host (dom0) is running Red Hat Enterprise Linux 5.2.
    この問題が発生しないようにするには、ゲストがインストールで単一のプロセッサを使用するように設定します。これには、virt-install--vcpus=1 オプションを使用します。インストールが完了した後、virt-manager の割り当てられた vcpus を変更してゲストを SMP に設定することができます。

6.3.3. x86_64 Architectures

  • Migrating paravirtualized guests through xm migrate [domain] [dom0 IP address] does not work.
  • Installing the Virtualization feature may cause a time went backwards warning on HP systems with model numbers xw9300 and xw9400.
    xw9400 マシンでこの問題を回避するには、BIOS 設定を変更して HPET タイマーを 有効にします。このオプションは xw9300 マシンには使用不可であることに注意して下さい。
  • Installing Red Hat Enterprise Linux 3.9 on a fully virtualized guest may be extremely slow. In addition, booting up the guest after installation may result in hda: lost interrupt errors.
    このブートアップエラーが発生しないようにするには、SMP カーネルを使用するようゲストを設定します。
  • Upgrading a host (dom0) system to Red Hat Enterprise Linux 5.2 may render existing Red Hat Enterprise Linux 4.5 SMP paravirtualized guests unbootable. This is more likely to occur when the host system has more than 4GB of RAM.
    この問題に対処するには、各 Red Hat Enterprise Linux 4.5 ゲストをシングル CPU モードでブートして、そのカーネルを最新バージョン(Red Hat Enterprise Linux 4.5.z)にアップグレードします。

6.3.4. ia64 Architecture

  • Migrating paravirtualized guests through xm migrate [domain] [dom0 IP address] does not work.
  • On some Itanium systems configured for console output to VGA, the dom0 virtualized kernel may fail to boot. This is because the virtualized kernel failed to properly detect the default console device from the Extensible Firmware Interface (EFI) settings.
    この問題が発生する場合は、/boot/efi/elilo.conf 内のカーネルブートオプションにブートパラメータ console=tty を追加してください。
  • On some Itanium systems (such as the Hitachi Cold Fusion 3e), the serial port cannot be detected in dom0 when VGA is enabled by the EFI Maintenance Manager. As such, you need to supply the following serial port information to the dom0 kernel:
    • ビット/秒 単位での速度
    • データビットの数
    • パリティ
    • io_base アドレス
    このような情報は /boot/efi/elilo.conf にある dom0 カーネルの append= の行に指定します。例は次の通りです。
    append="com1=19200,8n1,0x3f8 -- quiet rhgb console=tty0 console=ttyS0,19200n8"
    この例では、com1 がシリアルポート、19200 が速度(ビット/秒単位)で、8n1 はデータビット/パリティの 設定の数量を指定します。0x3f8io_base アドレスになります。
  • Virtualization does not work on some architectures that use Non-Uniform Memory Access (NUMA). As such, installing the virtualized kernel on systems that use NUMA will result in a boot failure.
    一部のインストール番号はデフォルトで仮想化カーネルをインストールします。このようなインストール番号が存在し、システムが NUMA を使用して kernel-xen と動作しない場合は、インストール中に仮想化オプションの選択を解除してください。
  • Currently, live migration of fully virtualized guests is not supported on this architecture. In addition, kexec and kdump are also not supported for virtualization on this architecture.
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