6.2. 順序の制約
順序の制約はリソースの実行順序を指定します。順序の制約を設定することでリソースの起動と停止の順序を指定することができます。
次のコマンドを使って順序の制約を設定します。
pcs constraint order [action] resource_id then [action] resource_id [options]
表6.2「順序の制約のプロパティ」 では順序の制約を設定する場合のプロパティとオプションについて簡単に示します。
フィールド | 説明 |
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resource_id
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動作を行うリソースの名前
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action
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リソースで行う動作、action プロパティで使用できる値:
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start - リソースを起動する
*
stop - リソースを停止する
*
promote - スレーブリソースからマスターリソースにリソースの昇格を行う
*
demote - マスターリソースからスレーブリソースにリソースの降格を行う
動作を指定しないとデフォルトの動作
start が設定されます。マスターリソースとスレーブリソースについての詳細は 「多状態のリソース: 複数モードのリソース」 を参照してください。
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kind オプション
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制約の実施方法、
kind オプションで使用できる値:
*
Optional - いずれのリソースも起動中や停止中の場合にのみ適用 (「勧告的な順序付け」 を参照)
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Mandatory - 常に実施 (デフォルト値)、1 番目に指定したリソースが停止しているまたは起動できない場合、2 番目に指定されているリソースを停止しなければなりません (「強制的な順序付け」 を参照)
*
Serialize - リソースセットに対して 2 種類の動作、停止と起動が同時に発生しないようにする
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symmetrical オプション
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6.2.1. 強制的な順序付け
mandatory 制約では 1 番目に指定しているリソースが実行されない限り 2 番目に指定しているリソースは実行できません。 これが
kind
オプションのデフォルトです。デフォルト値のままにしておくと 1 番目に指定しているリソースの状態が変化した場合、2 番目に指定したリソー スが必ず反応するようになります。
- 1 番目に指定している実行中のリソースを停止すると 2 番目に指定しているリソースも停止されます (実行していれば)。
- 1 番目に指定しているリソースが実行されていない状態でまた起動できない場合には 2 番目に指定しているリソースが停止されます (実行していれば)。
- 2 番目に指定しているリソースの実行中に 1 番目に指定しているリソースが再起動されると、2 番目に指定しているリソースが停止され再起動されます。