4.3.3. カーネルおよびユーザースペースで費やした時間の判定


このセクションでは、スレッドがカーネルまたはユーザースペースで費やした時間を判定する方法を説明します。
thread-times.stp

#! /usr/bin/env stap

probe perf.sw.cpu_clock!, timer.profile {
  // NB: To avoid contention on SMP machines, no global scalars/arrays used,
  // only contention-free statistics aggregates.
  tid=tid(); e=execname()
  if (!user_mode())
    kticks[e,tid] <<< 1
  else
    uticks[e,tid] <<< 1
  ticks <<< 1
  tids[e,tid] <<< 1
}

global uticks, kticks, ticks

global tids

probe timer.s(5), end {
  allticks = @count(ticks)
  printf ("%16s %5s %7s %7s (of %d ticks)\n",
          "comm", "tid", "%user", "%kernel", allticks)
  foreach ([e,tid] in tids- limit 20) {
    uscaled = @count(uticks[e,tid])*10000/allticks
    kscaled = @count(kticks[e,tid])*10000/allticks
    printf ("%16s %5d %3d.%02d%% %3d.%02d%%\n",
      e, tid, uscaled/100, uscaled%100, kscaled/100, kscaled%100)
  }
  printf("\n")

  delete uticks
  delete kticks
  delete ticks
  delete tids
}

thread-times.stp は、5 秒間のサンプル内で CPU 時間を占めている上位 20 位のプロセスと、CPU ティックの総数を一覧表示します。このスクリプトの出力は、各プロセスが使用した CPU 時間のパーセント表示と、その時間がカーネルスペースかユーザースペースで費やされたかも示します。
例4.13「thread-times.stp のサンプル出力」 は、thread-times.stp の 5 秒間サンプルの出力です。

例4.13 thread-times.stp のサンプル出力

  tid   %user %kernel (of 20002 ticks)
    0   0.00%  87.88%
32169   5.24%   0.03%
 9815   3.33%   0.36%
 9859   0.95%   0.00%
 3611   0.56%   0.12%
 9861   0.62%   0.01%
11106   0.37%   0.02%
32167   0.08%   0.08%
 3897   0.01%   0.08%
 3800   0.03%   0.00%
 2886   0.02%   0.00%
 3243   0.00%   0.01%
 3862   0.01%   0.00%
 3782   0.00%   0.00%
21767   0.00%   0.00%
 2522   0.00%   0.00%
 3883   0.00%   0.00%
 3775   0.00%   0.00%
 3943   0.00%   0.00%
 3873   0.00%   0.00%
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