6.4.5. カーネル
tpm2-abrmd-selinux に、selinux-policy-targeted に適切な依存関係が含まれるようになりました。
tpm2-abrmd-selinux パッケージには、selinux-policy-targeted パッケージの代わりに selinux-policy-base パッケージの依存関係が含まれていました。したがって、システムに selinux-policy- targeted の代わりに selinux-policy-minimum をインストールする場合は、tpm2-abrmd-selinux パッケージのインストールが失敗していました。今回の更新でバグが修正され、このシナリオにおいて tpm2-abrmd-selinux を正しくインストールできます。
(BZ#1642000)
すべての /sys/kernel/debug ファイルにアクセスできるようになりました。
以前では、エラーに関係なく、関数の終わりまで、Operation not permitted (EPERM) エラーの戻り値が残っていました。これにより、特定の /sys/kernel/debug (debugfs) ファイルにアクセスしようとすると、unwarranted EPERM エラーで失敗していました。今回の更新で、EPERM 戻り値を以下のブロックに移動します。したがって、このシナリオで問題なく debugfs ファイルにアクセスできます。
(BZ#1686755)
NIC は、41000 および 45000 FastLinQ シリーズの qede ドライバーのバグによる影響を受けなくなりました。
以前では、ファームウェアのアップグレードおよびデバッグのデータ収集操作が、41000 および 45000 FastLinQ シリーズの qede ドライバーのバグにより失敗していました。これにより、NIC が使用不可能になっていました。ホストの再起動 (PCI リセット) により、NIC が再び動作するようになりました。
この問題は以下のシナリオで発生する可能性があります。
- inbox ドライバーを使用した NIC のファームウェアのアップグレード中
-
ethtool -d ethxコマンドを実行するデバッグデータの収集時 -
ethtool -d ethxを含むsosreportコマンドを実行する際 - I/O タイムアウト、Mail Box Command タイムアウト、Hardware Attention などの inbox ドライバーによる自動デバッグデータ収集の開始時。
この問題を修正するため、Red Hat は Bug Advisory (RHBA) でエラータをリリースしました。RHBA のリリース前に、対応の修正をリクエストするために、https://access.redhat.com/support でケースを作成することが推奨されます。
(BZ#1697310)
汎用の EDAC GHES ドライバーは、エラーを報告した DIMM を検出するようになりました
以前では、EDAC GHES ドライバーは、エラーを報告した DIMM を検出できませんでした。したがって、以下のエラーメッセージが表示されていました。
DIMM location: not present. DMI handle: 0x<ADDRESS>
このドライバーは、DMI (SMBIOS) テーブルをスキャンして、DMI (Desktop Management Interface) に一致する特定の DIMM による 0x <ADDRESS> の処理を検出するように更新されました。その結果、EDAC GHES は、ハードウェアエラーを報告した特定の DIMM を正しく検出します。
(BZ#1721386)
podman が、RHEL 8 で目的のコンテナーをチェックポイントできるようになりました。
以前では、CRIU (Checkpoint and Restore In Userspace) パッケージのバージョンが古くなっていました。したがって、CRIU は、コンテナーのチェックポイントおよび復元機能に対応しておらず、podman ユーティリティーが、チェックポイントコンテナーに失敗していました。podman container checkpoint コマンドを実行すると、以下のエラーメッセージが表示されていました。
'checkpointing a container requires at least CRIU 31100'
今回の更新で、CRIU パッケージのバージョンをアップグレードすることでこの問題が修正されます。これにより、podman が、コンテナーのチェックポイントおよび復元機能に対応するようになりました。
(BZ#1689746)
dracut.conf で add_dracutmodules+=earlykdump オプションを指定すると、early-kdump および標準の kdump が失敗しなくなりました。
以前では、early-kdump 用にインストールするカーネルバージョンと、initramfs 用に生成されたカーネルバージョンの間で不整合が発生していました。これにより、early-kdump が有効になっていると、システムの起動に失敗していました。また、early-kdump が標準の kdump initramfs イメージに含まれていることを検出すると、強制的に終了していました。また、early-kdump がデフォルトの dracut モジュールとして追加されると、kdump initramfs を再構築しようとする際に、標準の kdump サービスが失敗していました。これにより、early-kdump と標準の kdump の両方が失敗していました。今回の更新で、early-kdump がインストール時に一貫したカーネル名を使用し、実行中のカーネルとバージョンのみが異なります。また、標準の kdump サービスは、イメージ生成の失敗を防ぐために、early-kdump を強制的にドロップします。これにより、上記のシナリオで、early-kdump と標準の kdump が失敗しなくなりました。
(BZ#1662911)
SME を有効化した最初のカーネルが、vmcore のダンプに成功するようになりました。
以前では、アクティブな SME (Secure Memory Encryption) 機能のある最初のカーネルで暗号化されたメモリーが原因で、kdump メカニズムに障害が発生していました。したがって、最初のカーネルは、メモリーの内容 (vmcore) をダンプできませんでした。今回の更新で、暗号化メモリーを再度マッピングし、関連するコードを変更するために、ioremap_encrypted() 関数が追加されました。その結果、暗号化されている最初のカーネルのメモリーが適切にアクセスされるようになり、上記のシナリオでクラッシュツールを使用して vmcore をダンプし、解析することができます。
(BZ#1564427)
SEV を有効化した最初のカーネルが、vmcore のダンプに成功するようになりました。
以前では、アクティブな SEV (Secure Encrypted Virtualization) 機能のある最初のカーネルで暗号化されたメモリーが原因で、kdump メカニズムに障害が発生していました。したがって、最初のカーネルは、メモリーの内容 (vmcore) をダンプできませんでした。今回の更新で、暗号化メモリーを再度マッピングし、関連するコードを変更するために、ioremap_encrypted() 関数が追加されました。その結果、最初のカーネルの暗号化されているメモリーが適切にアクセスされるようになり、上記のシナリオでクラッシュツールを使用して vmcore をダンプし、解析することができます。
(BZ#1646810)
カーネルが、SWIOTLB 用により多くの領域を予約するようになりました。
以前では、Secrue Encrypted Virtualization (SEV) または Secure Memory Encryption (SME) 機能がカーネルで有効になっていると、Software Input Output Translation Lookaside Buffer (SWIOTLB) 技術も有効化されなくてはならず、大量のメモリーが使用されていました。その結果、キャプチャーカーネルが起動に失敗したり、メモリー不足のエラーが発生していました。今回の更新で、SEV/SME がアクティブの際に SWIOTLB の追加の crashkernel メモリーを予約することで、バグが修正されています。その結果、キャプチャーカーネルは SWIOTLB 用に予約されているメモリーが多くなり、上記のシナリオでバグが表示されなくなりました。
(BZ#1728519)
hwlatdetect の実行時に c-state 移行が無効にできるようになりました。
リアルタイムのパフォーマンスを実現するには、hwlatdetect ユーティリティーがテストの実行中に CPU での節電を無効にできる必要があります。今回の更新で、hwlatdetect が、テスト実行中に C-state 移行をオフにできるようになりました。また、hwlatdetect がハードウェアの遅延をより正確に検出できるようになりました。