第6章 ポストカスタマイズタスクの完了
カスタマイズを行うには、以下のタスクを実行します。
- product.img イメージファイルを作成します (グラフィカルカスタマイズにのみ適用)。
- カスタムのブートイメージを作成します。
このセクションでは、product.img イメージファイルを作成し、カスタムブートイメージを作成する方法を説明します。
6.1. product.img ファイルの作成
product.img
イメージファイルは、実行時に既存のインストーラーファイルを置き換える新しいインストーラーファイルを含むアーカイブです。
システムの起動時に、Anaconda は起動用メディア上の images/ ディレクトリーから product.img ファイルを読み込みます。その後、このディレクトリーにあるファイルを使用して、インストーラーのファイルシステムで同じ名前が付けられたファイルを置き換えます。置き換えると、インストーラーをカスタマイズします (例: デフォルトのイメージをカスタムイメージに置き換えるためなど)。
注記: product.img
イメージには、インストーラーと同じディレクトリー構造が含まれている必要があります。インストーラーのディレクトリー構造の詳細は、以下の表を参照してください。
カスタムコンテンツのタイプ | ファイルシステムの場所 |
---|---|
pixmaps (ログ、サイドバー、トップバーなど) |
|
GUI スタイルシート |
|
Anaconda アドオン |
|
製品設定ファイル |
|
カスタム設定ファイル |
|
Anaconda DBus サービスの conf ファイル |
|
Anaconda DBus サービスファイル |
|
以下の手順では、product.img
ファイルの作成方法を説明します。
手順
/tmp
などの作業ディレクトリーに移動し、product/
という名前のサブディレクトリーを作成します。$
cd /tmp
サブディレクトリー product/ を作成します。
$
mkdir product/
置き換えるファイルの場所と同じディレクトリー構造を作成します。たとえば、インストールシステムの
/usr/share/anaconda/addons
ディレクトリーにあるアドオンをテストする場合は、作業ディレクトリーに同じ構造を作成します。$
mkdir -p product/usr/share/anaconda/addons
注記インストーラーのランタイムファイルを表示するには、インストールを起動し、仮想コンソール 1 (Ctrl+Alt+F1) に切り替えてから、2 番目の tmux ウィンドウ (Ctrl+b+2) に切り替えます。ファイルシステムの閲覧に使用できるシェルプロンプトが開きます。
カスタマイズしたファイル (この例では、Anacondaのカスタムアドオン) を、新たに作成したディレクトリーに置きます。
$
cp -r ~/path/to/custom/addon/ product/usr/share/anaconda/addons/
- インストーラーに追加するすべてのファイルについて、ステップ 3 および 4 を繰り返します (ディレクトリー構造を作成してカスタムファイルをそこに配置します)。
ディレクトリーのルートに
.buildstamp
ファイルを作成します。.buildstamp
ファイルは、システムバージョン、製品、およびその他のパラメーターを説明します。以下は、Red Hat Enterprise Linux 8.4 からの.buildstamp
ファイルの例です。[Main] Product=Red Hat Enterprise Linux Version=8.4 BugURL=https://bugzilla.redhat.com/ IsFinal=True UUID=202007011344.x86_64 [Compose] Lorax=28.14.49-1
IsFinal
パラメーターは、イメージが製品のリリース (GA) バージョン (True
) か、Alpha、Beta、または内部マイルストーン (False
) などのプレリリースであるかを指定します。product/
ディレクトリーに移動し、product.img
アーカイブを作成します。$
cd product
$
find . | cpio -c -o | gzip -9cv > ../product.img
これにより、
product/
ディレクトリーの上にproduct.img
ファイルが 1 レベル上に作成されます。-
product.img
ファイルを、デプロイメントした ISO イメージのimages/
ディレクトリーに移動します。
これで product.img ファイルが作成され、作成するカスタマイズがそれぞれのディレクトリーに配置されるようになりました。
ブート用メディアに product.img
ファイルを追加する代わりに、別の場所にこのファイルを追加し、ブートメニューで inst.updates=
ブートオプションを使用して読み込むことができます。この場合、イメージファイルは任意の名前を指定することができ、インストールシステムからこの場所にアクセス可能な限り、任意の場所 (USB フラッシュドライブ、ハードディスク、HTTP、FTP、または NFS サーバー) に配置できます。
Anaconda 起動オプションの詳細は、Anaconda Boot Options を参照してください。