5.9. パスワードによる IPsec NSS データベースの保護


デフォルトでは、IPsec サービスは、初回起動時に空のパスワードを使用して Network Security Services (NSS) データベースを作成します。セキュリティーを強化するために、パスワード保護を追加できます。

前提条件

  • /var/lib/ipsec/nss/ ディレクトリーには NSS データベースファイルが含まれます。

手順

  1. Libreswan の NSS データベースのパスワード保護を有効にします。

    # certutil -N -d sql:/var/lib/ipsec/nss
    Enter Password or Pin for "NSS Certificate DB":
    Enter a password which will be used to encrypt your keys.
    The password should be at least 8 characters long,
    and should contain at least one non-alphabetic character.
    
    Enter new password:
  2. 前の手順で設定したパスワードを含む /etc/ipsec.d/nsspassword ファイルを作成します。次に例を示します。

    # cat /etc/ipsec.d/nsspassword
    NSS Certificate DB:_<password>_

    nsspassword ファイルは次の構文を使用します。

    <token_1>:<password1>
    <token_2>:<password2>

    デフォルトの NSS ソフトウェアトークンは NSS Certificate DB です。システムが FIPS モードで実行し場合は、トークンの名前が NSS FIPS 140-2 Certificate DB になります。

  3. 選択したシナリオに応じて、nsspassword ファイルの完了後に ipsec サービスを起動または再起動します。

    # systemctl restart ipsec

検証

  1. NSS データベースに空でないパスワードを追加した後に、ipsec サービスが実行中であることを確認します。

    # systemctl status ipsec
    ● ipsec.service - Internet Key Exchange (IKE) Protocol Daemon for IPsec
       Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/ipsec.service; enabled; vendor preset: disable>
       Active: active (running)...

検証

  • Journal ログに初期化が成功したことを確認するエントリーが含まれていることを確認します。

    # journalctl -u ipsec
    ...
    pluto[6214]: Initializing NSS using read-write database "sql:/var/lib/ipsec/nss"
    pluto[6214]: NSS Password from file "/etc/ipsec.d/nsspassword" for token "NSS Certificate DB" with length 20 passed to NSS
    pluto[6214]: NSS crypto library initialized
    ...

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