第1章 概要
このドキュメントでは、RHEL 8 で RHEL HA アドオン を使用して HA クラスターをセットアップし、‘performance-optimized’ SAP HANA スケールアップシステムレプリケーションのセットアップを自動化する方法について説明します。
‘performance-optimized’ とは、各ノード上のほとんどのリソース (CPU、RAM) を制御できる SAP HANA インスタンスが各ノード上で 1 つだけ実行されていることを意味します。これは、SAP HANA インスタンスが可能な限り高いパフォーマンスで実行できることを意味します。このシナリオでは、セカンダリー SAP HANA インスタンスがすべてのデータを事前にロードするように設定されているため、プライマリー SAP HANA インスタンスに障害が発生した場合のテイクオーバーは迅速に行われるはずです。
次の図は、セットアップの概要を示しています。
‘performance-optimized’ SAP HANA システムレプリケーションセットアップでは、Active/Active (Read Enabled) SAP HANA システムレプリケーション設定を使用することもできます。これにより、セカンダリー SAP HANA インスタンス上のクライアントに read-only アクセスが許可されます。このドキュメントでは、‘performance-optimized’ SAP HANA スケールアップシステムレプリケーションを管理するための基本的なセットアップに加えて、Active/Active (Read Enabled) SAP HANA スケールアップシステムレプリケーション設定の管理に必要な追加のクラスター設定に関するオプションの手順も提供します。
このドキュメントで説明されているセットアップに使用されるリソースエージェントとクラスター設定は、SAP Note 2063657 - SAP HANA System Replication Takeover Decision Guideline で SAP が提供するガイドラインに基づいて開発されました。
このドキュメントでは、SAP HANA を実行するための RHEL 8 のインストールと設定、または SAP HANA のインストール手順については説明しません。各 HA クラスターノードで SAP HANA を実行するように RHEL 8 をインストールして設定する方法の詳細は、Configuring RHEL 8 for SAP HANA2 installation を参照してください。また、SAP HANA インスタンスのインストールについては、SAP HANA Installation guide およびハードウェアベンダー/クラウドプロバイダーのガイドラインを参照してください。
このドキュメントで説明されているセットアップは、オンプレミスの 'bare-metal' サーバーを使用して行われました。AWS、Azure、GCP などのパブリッククラウド環境でこのようなセットアップの使用を予定する場合は、特定のプラットフォームのドキュメントを確認してください: HA Solutions for 'performance optimized' SAP HANA Scale-Up System Replication- Configuration Guides