3.7. 制約の作成
正しく動作させるには、SAPHana
リソースを開始する前に SAPHanaTopology
リソースが開始されていることと、プライマリー SAP HANA インスタンスが実行されているノードに仮想 IP アドレスが存在することを確認する必要があります。
これを達成するには、次の制約が必要です。
3.7.1. 制約 - SAPHana
の前に SAPHanaTopology
を開始します。
以下のコマンド例は、これらのリソースの start
順序を義務付ける制約を作成します。ここで言及すべきことが 2 つあります。
-
symmetrical=false
属性は、リソースの開始のみを考慮し、リソースを逆の順序で停止する必要がないことを定義します。 -
両方のリソース (
SAPHana
とSAPHanaTopology
) には、ノード上でこれらのリソースを並列開始できる属性interleave=true
があります。これにより、順序制約を設定しているにもかかわらず、すべてのノードがSAPHanaTopology
を開始するのを待たずに、SAPHanaTopology
が実行されたらすぐに任意のノードでSAPHana
リソースを開始できるようになります。
制約を作成するためのコマンドは、以下のとおりです。
[root]# pcs constraint order SAPHanaTopology_RH1_02-clone then SAPHana_RH1_02-clone symmetrical=false
結果の制約は、次の例のようになります。
[root]# pcs constraint ... Ordering Constraints: start SAPHanaTopology_RH1_02-clone then start SAPHana_RH1_02-clone (kind:Mandatory) (non-symmetrical) ...
3.7.2. 制約 - IPaddr2
リソースを SAPHana
リソースのマスターと同じ場所に配置します
以下は、マスターとして昇格された SAPHana
リソースと IPaddr2
リソースを同じ場所に配置するコマンドの例です。
[root]# pcs constraint colocation add vip_RH1_02 with master SAPHana_RH1_02-clone 2000
制約では、デフォルトの INFINITY の代わりにスコア 2000 が使用されていることに注意してください。これにより、SAPHana
リソースでマスターが昇格されない場合でも IPaddr2
リソースがアクティブな状態を維持できるため、このアドレスを使用して SAP インスタンスに関するステータス情報クエリーできる SAP Management Console (MMC) や SAP Landscape Management (LaMa) などのツールを引き続き使用できます。
結果の制約は次のようになります。
[root]# pcs constraint ... Colocation Constraints: vip_RH1_02 with SAPHana_RH1_02-clone (score:2000) (rsc-role:Started) (with-rsc-role:Master) ...